Teams・Slackなどのビジネスチャットは、今やビジネスパーソンの必需品となっています。
しかし、メールや対面と異なる独自の作法があり、戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。
特に、簡潔さと礼儀正しさのバランス、既読スルーへの不安、返信のタイミングなど、様々な課題があります。
この記事では、ビジネスチャットでの効果的なコミュニケーション方法を、具体的な例文とともに解説します。
すぐに使えるテンプレートも用意していますので、今日から実践できます。
この記事でわかること
- ビジネスチャットの基本的な書き方と例文
- 上司・同僚への効果的な報告方法
- 簡潔に伝わる質問と依頼の仕方
- 誤解を招きやすい表現と改善例
- 既読・未読の適切な扱い方
面倒なビジネスチャットのやり取りを、この記事の例文とテンプレートを使えば、すぐに効率的で好印象な文章に変えることができます。
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すぐに使えるビジネスチャットの例文・テンプレート
ビジネスチャットでは、簡潔さと正確さの両立が求められます。
ここでは、すぐに使える実用的なテンプレートを状況別に紹介します。
これらの例文は、ビジネスチャットの特性を考慮し、要点を押さえながらも礼儀正しい表現を維持できるよう工夫されています。
必要に応じてカスタマイズして使用してください。
基本の報告テンプレート【状況別3パターン】
ビジネスチャットでの報告は、簡潔さと必要十分な情報量のバランスが重要です。
特に「結論→理由・状況→今後の対応」という順序を意識することで、読み手が素早く内容を把握できます。
ここでは、最も頻度の高い3つの状況に対応したテンプレートを紹介します。
- タスク完了報告:「○○が完了しました。所要時間◯分、特記事項なし。」
- 進捗報告:「○○について、現在30%完了。予定通り明日までに完了見込みです。」
- 問題発生報告:「○○にて問題発生。現在対応中。影響範囲は△△まで。」
- 遅延報告:「○○の完了が明日に遅延。理由は××のため。対策として…」
- 確認依頼:「○○の方針について、15時までにご確認いただけますでしょうか。」
これらのテンプレートは基本形です。
実際の使用時は、案件の重要度や相手との関係性に応じて、説明の詳細度や丁寧さのレベルを調整してください。
特に重要な報告の場合は、箇条書きを活用すると読みやすくなります。
質問・依頼の定型文【簡潔さと丁寧さの両立】
質問や依頼の場合、相手の時間を奪うことになるため、特に効率的な表現が求められます。
ポイントは、「何を」「いつまでに」「なぜ」を明確に示すことです。
これにより、相手が素早く判断し、行動できるようになります。
- 資料確認依頼:「○○資料の◯ページ目、ご確認お願いできますでしょうか」
- 回答期限付き質問:「○○について、明日正午までにご回答いただけますと幸いです」
- 作業依頼:「○○の作業を明日15時までにお願いできますでしょうか」
- 助言依頼:「○○について、アドバイスをいただけないでしょうか」
- 緊急の確認:「○○について、急ぎ確認させてください。」
依頼や質問は、できるだけ1メッセージに1件に限定すると、返答もスムーズになります。
また、緊急度や重要度に応じて、「急ぎ」「可能でしたら」といった表現を適切に使い分けることで、相手も優先順位を判断しやすくなります。
確認依頼の例文【緊急度別3パターン】
確認依頼は、ビジネスチャットで最も頻繁に使用される用途の一つです。
緊急度によって表現を変え、相手が適切に優先順位をつけられるようにすることが重要です。
また、確認事項は具体的に示し、回答しやすい形にまとめましょう。
- 通常確認:「○○の内容に問題がないかご確認ください」
- 優先確認:「○○について、本日中にご確認いただけますでしょうか」
- 緊急確認:「○○の確認を急ぎお願いできますでしょうか(13時までに必要)」
- 選択式確認:「○○について、AとBどちらがよろしいでしょうか」
- 段階的確認:「まず方向性について、ご確認をお願いできますでしょうか」
確認依頼を送る際は、可能な限り選択肢を示すなど、回答しやすい形式を心がけましょう。
また、確認後に必要となるアクションがある場合は、それも併せて伝えておくと、スムーズな進行につながります。
シーン別対応例
ビジネスチャットでは、時間帯や状況によって適切な表現が異なります。
ここでは、よくあるシーンごとの効果的なコミュニケーション方法を解説します。
シーンに合わせた適切な表現を使うことで、スムーズなコミュニケーションが実現できます。
始業・終業時の基本パターン
1日の始まりと終わりのコミュニケーションは、チームの信頼関係構築に重要です。
特にリモートワーク環境では、これらの挨拶が出社・退社の代わりとなります。
簡潔でありながら、必要な情報を含めた定型文を使うことで、効率的な業務開始・終了が可能になります。
- 始業報告:「おはようございます。本日9時より業務開始いたします」
- 体調考慮:「本日は体調不良のため、在宅で業務いたします」
- 終業予定:「本日は17時で終業予定です。残タスク:○○」
- 翌日予告:「明日は9時より○○会議のため、返信が遅れる可能性があります」
- 休憩連絡:「12時より1時間、休憩に入ります」
始業・終業の連絡は、単なる挨拶以上の役割があります。
特に予定変更やスケジュール共有を含めることで、チームメンバーの行動予測が可能になり、業務効率が向上します。
緊急度の高い用件の伝え方
緊急の用件は、相手に即座に気付いてもらう必要があります。
しかし、過度に焦りを示すと却って混乱を招くため、冷静さを保ちながら緊急性を伝えることが重要です。
ここでは、状況に応じた効果的な伝え方を紹介します。
- 即時対応:「【緊急】○○について、至急ご確認をお願いいたします」
- 時間指定:「13時までにご判断いただきたい案件がございます」
- トラブル報告:「○○でエラーが発生。現在対応中です。15分以内に報告」
- 判断依頼:「○○の判断が急ぎ必要です。お手すきでしょうか」
- 事前通知:「まもなく緊急の相談がございます。ご対応可能でしょうか」
緊急時こそ、先に結論を述べ、その後で詳細を説明する構成を心がけましょう。
また、可能な限り対応期限を明示することで、相手も優先順位をつけやすくなります。
複数人が関わる案件の報告術
複数人が関わるチャットでは、誰に向けた情報なのかを明確にすることが重要です。
メンション機能を適切に使用し、必要な人にのみ通知が届くようにします。
また、情報の優先順位を明確にし、各メンバーが自分に関係する部分を素早く把握できるようにします。
- 役割分担:「@田中さん:資料作成、@鈴木さん:データ収集 をお願いします」
- 進捗共有:「プロジェクト進捗:企画案80%、デザイン50%、実装30%」
- 確認依頼:「@チームA:13時までに、@チームB:15時までにご確認ください」
- 優先度表示:「重要度:高、対応期限:本日中、担当:○○さん」
- 全体通知:「全員向け:明日の会議は10時からに変更となりました」
グループチャットでは、情報過多になりがちです。
そのため、箇条書きや見出しを効果的に使用し、視認性を高めることが重要です。
また、重要な決定事項は、後から検索しやすいように要点をまとめて投稿しましょう。
ビジネスチャットの基本ルール
メールやビデオ会議など、様々なコミュニケーションツールがある中で、ビジネスチャットには独自のルールと使い分けが必要です。
ここでは、スムーズな業務進行のための基本的なルールと、特に注意すべきポイントについて解説します。
適切なルールを理解し、実践することで、チーム全体の生産性が向上します。
メールとチャットの使い分け方
ビジネスチャットとメールは、それぞれに適した用途があります。
チャットは即時性の高いコミュニケーションに、メールは正式な記録や社外とのやり取りに適しています。
この使い分けを適切に行うことで、業務効率が大きく向上します。
- 緊急の確認:チャット「13時までの判断が必要な件について」
- 正式な依頼:メール「見積書の送付について(納期:来週金曜)」
- 社内連絡:チャット「会議室の予約状況を確認したく」
- 対外発信:メール「取引先への提案書送付の件」
- 記録重要:メール「人事評価に関する通達について」
基本的に、即レスが必要な用件はチャット、後で参照する可能性が高い重要書類や決定事項はメールと使い分けます。
また、社外の人が含まれる場合は、原則としてメールを使用するようにしましょう。
既読・未読の適切な扱い方
既読機能は、メッセージが相手に届いたことを確認できる便利な機能です。
しかし、この機能によってストレスを感じるケースも多くあります。
ここでは、既読・未読の扱い方について、ストレスフリーな運用方法を解説します。
- 確認報告:「確認しました。15時までに回答します」
- 既読後対応:「拝見しました。明日までに検討させてください」
- 未読表示:「本日会議のため、17時以降に確認します」
- 優先度明示:「重要度が高いため、既読後すぐにご連絡ください」
- 対応期限:「既読いただいたら、期限目安をお知らせください」
既読が付いても即レスを求めないことをチーム内で共有しておくと、心理的負担が軽減されます。
また、長文や重要な内容の場合は、既読後の対応予定を簡単に伝えることで、送信者も安心できます。
返信の目安とタイミング
ビジネスチャットでの返信タイミングは、内容の緊急度と重要度によって異なります。
ただし、基本的な目安を設定することで、送信者の期待値管理と受信者の業務効率の両立が可能になります。
- 緊急案件:30分以内に最初の反応を返信
- 通常確認:2時間以内に返信予定を連絡
- 報告受領:当日中に確認の一言を返信
- 質問回答:半日以内に回答または検討期間を連絡
- 予定確認:翌営業日までに可否を返信
返信目安は、チームごとに設定することをお勧めします。
また、集中作業中や会議中など、すぐに返信できない状況は、状態表示機能やステータスメッセージで事前に共有しておきましょう。
立場別の使い分け
ビジネスチャットでは、相手との関係性に応じて適切なコミュニケーション方法を選ぶことが重要です。
上司、同僚、部下など、それぞれの立場に応じた効果的なアプローチ方法があります。
ここでは、相手の立場や状況に合わせた最適なコミュニケーション方法を具体的に解説していきます。
上司とのチャットコミュニケーション
上司とのチャットでは、簡潔さと敬意のバランスが特に重要です。
情報の優先順位を明確にし、必要に応じて詳細資料への参照を示すことで、上司の時間を効率的に使うことができます。
- 報告基準:「○○案件完了。詳細は添付資料をご参照ください」
- 確認依頼:「○○について、ご判断をお願いできますでしょうか」
- 提案方法:「○○案について、15分程度ご相談させていただけますか」
- 状況共有:「現在の進捗は80%、予定通り進行中です」
- 問題報告:「○○にて問題発生、対応案を添付いたしました」
上司への連絡は、特に結論や要点を先に述べることを心がけましょう。
また、時間的な余裕がある場合は、メールと併用するなど、状況に応じた使い分けも検討してください。
同僚・他部署との効率的なやり取り
同僚や他部署とのチャットでは、互いの業務を円滑に進めることが目的です。
フォーマルすぎない適度な距離感を保ちながら、必要な情報を確実に伝えることが重要です。
特に他部署とのやり取りでは、専門用語の使用に注意が必要です。
- 相談開始:「○○について、少しアドバイスをいただけますか」
- 資料共有:「○○のデータ共有させていただきます。ご確認お願いします」
- スケジュール:「○○の件、いつ頃お時間ありそうでしょうか」
- 進捗確認:「○○案件、現状の進み具合を教えていただけますか」
- 協力依頼:「○○の作業、30分程お手伝いいただけないでしょうか」
同僚との日常的なやり取りでも、重要な決定事項は必ず文字で残すようにしましょう。
また、他部署とのやり取りでは、自部署の略語や専門用語を避け、誰でも理解できる表現を心がけてください。
部下への指示出しのコツ
部下への指示は、明確さと育成的な観点の両立が求められます。
指示の目的や背景も含めて伝えることで、部下の理解が深まり、より質の高い成果につながります。
また、進捗確認の頻度や方法も予め示しておくことが重要です。
- 作業指示:「○○の作成をお願いします(目的:△△のため)」
- 期限設定:「○○は、明日15時までの提出でお願いします」
- 質問推奨:「不明点があれば、遠慮なく質問してください」
- 進捗管理:「17時に進捗を教えていただけますでしょうか」
- 成長支援:「前回の○○を参考に、まずは案を作成してみてください」
指示を出した後は、部下が質問しやすい雰囲気を作ることが重要です。
また、複雑な指示の場合は、チャットだけでなく口頭での説明を組み合わせるなど、状況に応じて伝達方法を工夫しましょう。
効果的なチャットテクニック
ビジネスチャットの機能を効果的に活用することで、コミュニケーションの質が大きく向上します。
絵文字やスタンプの使用から、スレッド機能、ファイル共有まで、各機能の特性を理解し、状況に応じて適切に使用することが重要です。
ここでは、実践的なテクニックを具体例とともに紹介します。
絵文字・スタンプの活用基準
絵文字やスタンプは、文字だけでは伝わりにくい感情や意図を効果的に伝える手段として有効です。
ただし、使用頻度や場面には適切な判断が必要です。
相手や状況に応じた使い分けにより、コミュニケーションがより円滑になります。
- 感謝表現:「ご対応ありがとうございます😊」
- 了解確認:「承知いたしました👍」
- 緊急表示:「急ぎの確認です❗」
- 進捗報告:「予定通り進んでいます✨」
- 謝罪場面:「申し訳ございません🙇」
基本的に絵文字は1メッセージにつき1つまでを目安とし、公式な文書や重要な報告では使用を控えめにします。
また、社内の文化や相手との関係性を考慮し、適切な使用頻度を見極めることが重要です。
スレッド・メンションの使い方
スレッド機能は話題を整理し、メンション機能は特定の相手に確実に情報を届けるために重要です。
これらの機能を適切に使用することで、情報の整理と確実な伝達が両立でき、後から必要な情報を探しやすくなります。
- スレッド開始:「○○プロジェクトについて→以下スレッドで」
- メンション活用:「@山田さん:データの確認をお願いします」
- 複数指定:「@営業チーム:今週の目標について共有します」
- 優先確認:「@田中部長:ご確認いただけますでしょうか」
- グループ化:「#週次報告:今週の進捗は以下の通りです」
スレッドは長期的な議論や複数の話題が混在する場合に特に有効です。
メンションは必要な人にのみ通知が届くよう、過剰な使用は避け、本当に確認が必要な相手にのみ使用するようにしましょう。
添付ファイル共有のベストプラクティス
ファイル共有は業務効率を大きく左右する重要な機能です。
ファイル名の付け方、バージョン管理、共有時の説明など、一定のルールを設けることで、チーム全体の生産性が向上します。
特にセキュリティの観点も考慮が必要です。
- ファイル名:「プロジェクト名資料種類_YYYYMMDD」
- バージョン管理:「○○企画書_v1.2修正版」
- 共有範囲:「社外秘○○報告書最終版」
- 説明添付:「ポイントは○○ページをご確認ください」
- 更新通知:「○○資料を更新しました_変更点:△△」
重要なファイルは、チャットでの共有後も検索しやすい場所に保存しておくことをお勧めします。
また、機密性の高いファイルは、適切なアクセス権限設定を行い、必要な相手にのみ共有するよう注意しましょう。
まとめ
ビジネスチャットは、今や業務に不可欠なコミュニケーションツールとなっています。
効果的な活用のポイントは、以下の3点に集約されます。
第一に、状況に応じた適切な使い分けです。
緊急の確認や簡単な報告はチャット、正式な決定事項や重要書類はメールというように、ツールの特性を理解した使い分けが重要です。
第二に、相手や立場に応じた伝え方の工夫です。
上司への報告は簡潔に要点を先に、同僚とは適度なカジュアルさを保ちながら、部下への指示は明確な目的と期待値を示すなど、相手に応じた表現を選ぶことで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。
第三に、機能の効果的な活用です。
スレッドやメンション機能を適切に使用し、必要に応じて絵文字やスタンプも活用することで、より円滑なコミュニケーションが可能になります。
また、添付ファイルの管理や既読・未読の扱いなど、チームで統一したルールを設けることも有効です。
これらのポイントを意識しながら、自社の文化や状況に合わせてカスタマイズすることで、より生産的なコミュニケーション環境を構築することができます。
よくある質問(FAQ)
ビジネスチャットに関して、多くの方が抱える疑問や課題について、具体的な解決方法をQ&A形式でまとめました。
これらの回答は、日々の業務でよく直面する状況に基づいており、すぐに実践できる対応策を提供します。
Q1:既読なのに返信がない場合、どう対応すべきですか?
A:基本的に1営業日経過後、「○○の件、ご確認いただけましたでしょうか」と穏やかに確認します。
急ぎの場合は、電話やメールなど別の手段での連絡を検討してください。
Q2:チャットと電話、どちらを選ぶべきですか?
A:即時の応答が必要な緊急案件は電話、説明に時間がかかる内容や記録として残す必要がある場合はチャットが適しています。
また、相手の状況(会議中など)も考慮して選択してください。
Q3:長文の場合、どのように送るのが良いですか?
A:重要なポイントを箇条書きにし、詳細は添付ファイルとして送ることをお勧めします。
また、「長文失礼します」という一言を添えると、相手も心構えができます。
Q4:休日や深夜のチャットは避けるべきですか?
A:基本的に営業時間外のチャットは避けるべきです。
どうしても送る必要がある場合は、「急ぎではありませんので、次営業日にご確認ください」と一言添えましょう。
Q5:グループチャットでの発言のコツは?
A:発言は簡潔かつ要点を明確にし、必要な人にはメンションを付けます。
また、話題が複数ある場合は、スレッド機能を活用して整理することをお勧めします。
Q6:既読機能をオフにしても問題ないですか?
A:チームの運用ルールに従いますが、一般的にオフにしても問題ありません。
その場合は、重要な連絡には明示的な確認返信を心がけましょう。
Q7:添付ファイルの管理方法について教えてください。
A:ファイル名に日付やバージョンを含め、定期的に不要なファイルを整理します。
重要なファイルは別途共有フォルダにも保存し、チャットだけに依存しない管理を心がけましょう。
Q8:チャットでの謝罪の仕方を教えてください。
A:簡単なミスは「申し訳ございません」と一言添えれば十分です。
重大な問題の場合は、対面や電話での謝罪を優先し、チャットはその記録や後続対応の共有に使用しましょう。
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