経営会議の議事録は、企業の意思決定プロセスを記録する重要文書です。
決算報告や経営戦略の検討、部門間の調整など、多岐にわたる議題を正確に記録し、関係者間で共有する必要があります。
本記事では、経営会議特有の議事録作成のポイントを解説するとともに、決算報告会や戦略会議など、目的別の実践的なテンプレートを12種類ご紹介します。
議事録担当者の方はもちろん、経営層や管理職の方にとっても、効果的な会議運営と記録の観点から参考になる内容となっています。
この記事でわかること
- 経営会議における議事録作成の重要ポイント
- 決算報告から戦略会議まで、目的別の実践テンプレート
- 機密情報や重要決定事項の記録方法
- 経営会議特有の注意点と記載ルール
- 議事録の共有・保管における法的要件
経営会議の特性を踏まえた実践的なテンプレートを活用し、重要な意思決定を正確に記録・共有できる議事録作成術を習得しましょう。
すぐに使える経営会議テンプレート集
経営会議では、決算報告から戦略立案まで、多様な議題が扱われます。
ここでは、目的別に最適化された12種類のテンプレートをご紹介します。
各テンプレートは、実務での使用頻度が高い会議タイプを厳選し、法的要件やコンプライアンス面にも配慮した内容となっています。
決算報告会議のテンプレート
決算報告会議は、財務状況の把握と今後の経営判断を行う重要な場です。
業績の振り返りから将来の見通しまで、数値情報を正確に記録し、意思決定のプロセスを明確に残すことが求められます。
第○期 決算報告会議 議事録
開催日時:20XX年○月○日 10:00-12:00
場所:本社会議室A
出席者:代表取締役社長○○○○、CFO△△△△ 他
1. 業績概要
- 売上高:○○億円(前年比○○%)
- 営業利益:○○億円(計画比○○%)
[主要指標の詳細は別紙資料参照]
2. 重点施策の進捗
- ○○プロジェクトの状況
- コスト削減施策の効果
3. 課題と対策
- identified issues
- 具体的なアクションプラン
4. 次期見通し
- 業績予測
- 重点取り組み事項
決定事項:
次期予算:○○億円で承認
- 会計年度と対象期間の明確な記載
- 主要な財務指標の数値記録
- 前年比・計画比の差異分析内容
- 課題と対策の具体的な記述
- 次期見通しと必要施策の明記
監査対応の観点から、決算数値の確定状況や仮数値の場合はその旨を明記します。
また、機密情報のマーキングや配布範囲の設定にも注意が必要です。
中期経営計画会議のテンプレート
中期経営計画会議は、3-5年の事業展望と具体的な施策を検討する重要な戦略会議です。
市場分析、競合状況、自社の強みなど、多角的な視点からの議論を正確に記録し、全社的な方向性を共有することが目的となります。
中期経営計画(20XX-20XX)検討会議 議事録
開催日時:20XX年○月○日 13:00-17:00
場所:本社大会議室
出席者:経営会議メンバー全員
1. 外部環境分析
- 市場動向:○○市場×× %成長予測
- 競合状況:主要プレイヤーの動向
- 技術トレンド:注目すべき新技術
2. 戦略の方向性
- コアビジネス強化策
- 新規事業展開計画
- グローバル戦略
3. 数値計画
- 売上目標:20XX年までに○○億円
- 利益計画:営業利益率××%達成
- 投資計画:重点分野への資源配分
4. 実行計画
- 部門別施策
- マイルストーン
- KPI設定
決定事項:
・20XX年度売上目標○○億円を承認
・○○事業の新規立ち上げを決定
- 市場環境分析と事業機会の特定
- 重点施策と投資計画の詳細
- 数値目標と達成シナリオ
- 部門別の役割と責任
- リスク要因と対応策の明確化
中期計画の前提条件や見直し基準を明記することで、計画の柔軟な運用が可能になります。
また、機密度の高い情報は別紙管理とし、配布範囲を限定することをお勧めします。
役員会のテンプレート
役員会では、経営上の重要事項の決議と報告が行われます。
法的要件を満たしつつ、意思決定のプロセスと理由を明確に記録することが重要です。
特に決議事項については、賛否の状況も含めて正確な記録が必要です。
第○回 取締役会 議事録
開催日時:20XX年○月○日 10:00-12:00
場所:本社役員会議室
出席取締役:○○○○(議長)、△△△△、□□□□
出席監査役:●●●●、▲▲▲▲
決議事項:
1. ○○社の買収について
決議内容:買収価格○○億円で承認
賛成:全取締役
2. 新規事業部の設立について
決議内容:20XX年○月設立を承認
賛成:○○、△△ 反対:□□
反対理由:投資回収計画の精査が必要
報告事項:
1. 四半期業績報告
2. 主要プロジェクト進捗状況
3. コンプライアンス状況報告
検討事項:
次回までの検討事項と担当役員を決定
- 決議事項の明確な記載
- 各役員の意見と賛否状況
- 報告事項の要点整理
- 検討課題の優先順位付け
- 次回会議までのアクション
役員会議事録は法的文書となるため、記載事項に漏れがないよう、会社法の要件を確認しながら作成します。
また、押印や署名が必要な場合は、その手続きも忘れずに行います。
予算検討会議のテンプレート
年度予算の編成に関する重要事項を決定する会議です。
各部門の予算要求内容の精査から、全社的な資源配分の決定まで、詳細な検討内容と承認プロセスを記録します。
特に、重点投資分野や予算配分の優先順位について、判断根拠を明確に残すことが重要です。
20XX年度 予算検討会議 議事録
開催日時:20XX年○月○日 9:00-12:00
場所:本社会議室B
出席者:社長、CFO、各事業部長
1. 予算編成方針
- 基本方針:「収益性重視と成長投資の両立」
- 重点分野:○○事業、△△技術開発
2. 部門別予算要求
[単位:百万円]
事業部A:売上○○/費用△△(前年比○○%)
事業部B:売上○○/費用△△(前年比○○%)
研究開発:売上○○/費用△△(前年比○○%)
3. 重点投資案件
- ○○設備投資:××億円
- △△システム更新:××億円
投資回収計画:○○年
4. 予算調整事項
- 要調整項目と対応方針
- コスト削減目標
決定事項:
1. 20XX年度予算総枠:○○○億円
2. 重点投資枠:△△億円
- 予算編成方針の明確な記載
- 部門別の予算要求と査定結果
- 投資案件の優先順位付け
- 予算制約と調整方針の明示
- 期中管理のルール設定
予算数値は確定前の暫定値である場合が多いため、その旨を明記します。
また、為替前提や原材料価格など、主要な前提条件についても記録に残すことが重要です。
事業戦略会議のテンプレート
個別事業の戦略方針を決定する重要会議です。
市場動向、競合分析、自社の強み弱みなど、多角的な観点からの議論を踏まえ、中長期的な事業戦略と具体的なアクションプランを決定します。
特に、投資判断や撤退判断など、重要な意思決定の根拠を明確に記録することが求められます。
○○事業 戦略検討会議 議事録
開催日時:20XX年○月○日 14:00-17:00
場所:本社戦略会議室
出席者:社長、事業担当役員、事業部長他
1. 市場環境分析
- 市場規模:現状○○億円→5年後○○億円
- 主要プレイヤーシェア状況
- 規制動向・技術トレンド
2. 自社ポジション
- 現状シェア:××%(前年比○ポイント)
- 強み:○○技術、△△顧客基盤
- 課題:××対応の遅れ
3. 戦略方針
- 5年後目標:売上○○億円、シェア××%
- 重点施策:
1) ○○製品の開発強化
2) △△市場への参入
3) ××との協業推進
4. 必要投資と体制
- 設備投資:○○億円
- 人員体制:現状○名→○名体制へ
決定事項:
1. 戦略方針の承認
2. 投資予算の承認
3. 推進体制の確立
- 市場分析データの具体的な記載
- 競合との差別化要素の明確化
- 投資判断の定量的根拠
- 実行計画の具体的なマイルストーン
- リスク対応策の優先順位付け
戦略の実現可能性を高めるため、具体的な数値目標とその達成シナリオを明記します。
また、重要な前提条件や見直し基準についても記録に残すことで、柔軟な戦略運用が可能になります。
コンプライアンス委員会のテンプレート
コンプライアンス体制の整備・運用状況を確認し、重要なコンプライアンス事案への対応を検討する会議です。
リスク管理の観点から、議論の経緯や判断根拠を詳細に記録する必要があります。
特に、是正措置や再発防止策については具体的な記載が重要です。
第○回 コンプライアンス委員会 議事録
開催日時:20XX年○月○日 10:00-12:00
場所:本社会議室C
出席者:委員長(○○○○)、社外取締役、各部門責任者
1. コンプライアンス状況報告
- 内部通報案件:○件
- リスク事案:△件
- 是正措置の進捗状況
2. 重要案件の検討
案件1:○○事案
- 事案概要
- 調査結果
- 対応方針
- 是正措置
3. 予防的取り組み
- 研修実施状況
- モニタリング結果
- 規程類の改定状況
4. 外部環境変化への対応
- 法規制改正への対応
- 業界動向
決定事項:
1. ○○案件の是正措置承認
2. △△規程の改定承認
3. 次回研修計画の承認
- 案件状況の網羅的な記録
- 対応措置の具体的内容
- 判断根拠の明確な記載
- 責任所在の明確化
- フォローアップ事項の設定
機密性の高い内容を含むため、配布範囲の管理を徹底します。
また、訴訟リスクも考慮し、事実関係と判断根拠を明確に区別して記録することが重要です。
投資検討委員会のテンプレート
大規模な投資案件の審議を行う重要会議です。
投資判断の根拠となる事業計画、リスク分析、投資回収計画などを詳細に記録します。
特に、投資判断に至るまでの検討プロセスと、条件付き承認の場合の条件内容を明確に残すことが重要です。
投資検討委員会 議事録
開催日時:20XX年○月○日 13:00-16:00
場所:本社投資委員会室
出席者:委員長、CFO、事業部門長、外部専門家
案件:○○プロジェクト投資検討
投資額:○○億円
1. 事業計画概要
- 市場規模:○○億円
- 想定シェア:××%
- 売上計画:20XX年○○億円
- 営業利益率:××%
2. 投資内容
- 設備投資:○○億円
- システム投資:△△億円
- 人材投資:××億円
3. リスク分析
- 市場リスク評価
- 技術リスク評価
- 競合リスク評価
4. 財務評価
- IRR:××%
- 投資回収期間:○年
- NPV:△△億円
決定事項:
条件付き承認
【条件】
1. 追加市場調査の実施
2. 段階的投資の具体化
3. 撤退基準の設定
- 投資判断の定量的基準の明示
- リスク評価の具体的な根拠
- 撤退基準の明確な設定
- 段階的投資の判断ポイント
- モニタリング方法の具体化
投資判断の透明性を確保するため、定量的な評価基準と定性的な判断要素を明確に区分して記録します。
また、条件付き承認の場合は、条件の充足確認方法も具体的に記載します。
人事戦略会議のテンプレート
人材戦略の方向性や重要な人事施策を決定する会議です。
中長期的な人材ポートフォリオの設計から、報酬制度改定、組織改革まで、幅広い議題を扱います。
特に、従業員に大きな影響を与える決定については、その判断根拠と展開プロセスを詳細に記録する必要があります。
人事戦略会議 議事録
開催日時:20XX年○月○日 10:00-12:00
場所:本社会議室D
出席者:社長、人事担当役員、人事部長、各事業部門長
1. 人材ポートフォリオ
- 現状分析
従業員数:○,○○○名
平均年齢:○○.○歳
人員構成比:総合職××%/専門職××%
- 中期目標
20XX年の目標人員構成
重点強化領域の人材要件
2. 重点施策
- 採用戦略
新卒:○○名計画
中途:××名計画
- 育成施策
選抜研修強化
専門人材育成プログラム
- 処遇制度改定
新人事制度の骨子
報酬制度見直し案
3. 労務課題への対応
- 働き方改革進捗
- 健康経営施策
- 多様性推進
決定事項:
1. 20XX年度採用計画承認
2. 新人事制度導入スケジュール承認
3. 健康経営投資予算承認
- 定量的な現状分析の記載
- 中長期目標の明確化
- 施策の優先順位付け
- コスト影響の試算
- 実行スケジュールの設定
個人情報に関わる内容は別紙管理とし、議事録本体には概要のみを記載します。
また、労働組合との協議が必要な事項については、その旨を明記しておくことが重要です。
グローバル経営会議のテンプレート
グローバルでの事業戦略や地域間の連携を議論する重要会議です。
各地域の事業状況や課題を共有し、グローバルでの意思決定を行います。
言語や時差の違いを考慮し、決定事項や行動計画は特に明確な記載が求められます。
Global Management Meeting Minutes
Date & Time: XX/XX/20XX 9:00-12:00 JST
Location: Video Conference
Attendees: CEO, Regional Presidents (APAC, EMEA, Americas)
1. Global Business Update
- Financial Performance
Global Revenue: $XX.XB (YoY XX%)
Operating Profit: $X.XB (YoY XX%)
- Regional Updates
APAC: Key initiatives & challenges
EMEA: Market conditions & strategy
Americas: Growth opportunities
2. Strategic Initiatives
- Global Product Strategy
Launch schedule
Regional customization
- Digital Transformation
Global platform development
Regional system integration
- Supply Chain Optimization
Production reallocation
Logistics efficiency
3. Risk Management
- Geopolitical risks
- Currency exposure
- Compliance matters
Decisions Made:
1. Global investment priority
2. Regional role definition
3. Resource allocation
Action Items:
[Owner, Timeline, KPI]
- 地域別の具体的な課題と対応
- グローバル戦略との整合性確認
- 地域間シナジーの具体策
- コンプライアンスリスクへの対応
- クロスボーダー施策の展開方針
多言語での共有が必要なため、重要な決定事項は箇条書きで明確に記載します。
また、時差を考慮した実行スケジュールや、地域特有の規制対応についても具体的に記録します。
クライシス管理委員会のテンプレート
重大な危機事案が発生した際の対応を協議する緊急会議です。
事実関係の確認から対応方針の決定、ステークホルダーへの説明方針まで、迅速な意思決定が求められます。
特に、時系列での記録と、判断の根拠を明確に残すことが重要です。
クライシス管理委員会 緊急会議 議事録
開催日時:20XX年○月○日 XX:XX-XX:XX
場所:危機管理室
出席者:社長、危機管理担当役員、関係部門長
※TV会議システムによる緊急招集
1. 事案概要
発生日時:20XX年○月○日 XX:XX
発生場所:○○工場
事案内容:○○事故の発生
影響範囲:人的・物的被害の状況
2. 現状報告
- 被害状況の詳細
- 現場での対応状況
- 関係機関への報告状況
- メディア対応状況
3. リスク評価
- 追加被害の可能性
- 事業影響の試算
- 法的リスクの確認
- レピュテーションリスク
4. 対応方針決定
- 緊急対応措置
- ステークホルダー対応
- 顧客対応
- 取引先対応
- 従業員対応
- 広報方針
決定事項:
1. 対策本部の設置
2. 緊急記者会見の実施
3. 工場操業停止の決定
タイムライン:
XX:XX 第一報入手
XX:XX 初動対応開始
XX:XX 本部設置決定
- 時系列での記録維持
- 事実と推測の明確な区分
- 対応責任者の明確化
- 判断根拠の記録
- 次のアクションの設定
法的対応の可能性も考慮し、事実関係と意思決定プロセスを詳細に記録します。
また、機密情報や個人情報の取り扱いには特に注意が必要です。
研究開発戦略会議のテンプレート
研究開発の方向性や重点プロジェクトを決定する戦略会議です。
技術トレンドの分析から、開発投資の配分、知財戦略まで、幅広い観点での議論を記録します。
特に、長期的な技術開発方針と短期的な成果創出のバランスに関する判断根拠を明確に残すことが重要です。
研究開発戦略会議 議事録
開催日時:20XX年○月○日 13:00-17:00
場所:研究開発センター会議室
出席者:CTO、研究開発本部長、各研究所長
1. 技術動向分析
- 市場トレンド
- 競合技術動向
- 規制動向
- 新技術の可能性評価
2. R&Dポートフォリオ
- 現行プロジェクト評価
進捗状況
リソース配分
成果見通し
- 新規テーマ提案
○○技術開発
△△製品開発
3. 投資計画
- 研究開発費配分
基礎研究:××%
応用開発:××%
製品開発:××%
- 設備投資計画
- 人材育成投資
4. 知財戦略
- 特許出願状況
- ライセンス戦略
- 技術提携方針
決定事項:
1. 重点開発テーマの選定
2. 投資配分の承認
3. 技術提携先の選定
- 技術トレンドの具体的な分析
- 研究開発投資の優先順位付け
- 知財戦略との連動性確保
- 産学連携の推進方針
- 人材育成計画の具体化
長期的な技術開発と短期的な製品開発のバランスを明確に記録します。
また、機密性の高い技術情報については、別途管理番号を付与し、閲覧制限を設けることをお勧めします。
緊急経営会議のテンプレート
突発的な経営課題や市場環境の急激な変化に対応するための緊急会議です。
スピーディーな状況把握と意思決定が求められる一方で、冷静な判断と決定プロセスの記録が重要となります。
特に、リスクの評価と対応方針の決定根拠を明確に残す必要があります。
markdownCopy緊急経営会議 議事録
開催日時:20XX年○月○日 XX:XX-XX:XX
場所:経営会議室(オンライン参加有)
出席者:社長、副社長、関係役員
※緊急招集による開催
1. 緊急事態の概要
- 発生事象:○○の発生
- 影響範囲:
・業績影響:想定△△億円
・顧客影響:××社
・社内影響:○○部門
2. 現状分析
- 市場環境の変化
- 競合動向
- 自社への影響度
- リスク評価
・短期的リスク
・中長期的リスク
3. 対応方針検討
- 緊急対応策
・即時実行施策
・優先度の高い施策
- 中期的対応
・事業戦略の見直し
・投資計画の修正
4. 意思決定事項
- 実行施策の決定
- 体制の確立
- スケジュール
5. コミュニケーション方針
- 社内向け
- 顧客向け
- 株主・投資家向け
- メディア対応
決定事項:
1. 緊急対策本部の設置
2. 投資計画の見直し
3. 対外発表の実施
実行計画:
施策1:○○の実施 [担当:△△部門、期限:XX/XX]
施策2:××の見直し [担当:□□部門、期限:XX/XX]
- 状況把握の正確性確保
- 影響範囲の明確な特定
- 対応策の優先順位付け
- 実行責任者の明確化
- タイムラインの設定
緊急性が高い案件であっても、意思決定プロセスと判断根拠は必ず記録に残します。
また、決定事項の実行状況をモニタリングするための基準も明確にしておくことが重要です。
まとめ
経営会議の議事録作成においては、以下の3つの要素を意識することが重要です。
第一に、意思決定プロセスの明確な記録です。特に重要な決定については、その判断根拠や検討過程を詳細に残すことで、後日の振り返りや説明責任に対応できます。
第二に、情報管理の徹底です。機密情報の取り扱いや、配布範囲の管理、保管期間の設定など、適切な情報管理体制のもとで議事録を作成・運用する必要があります。
第三に、実用性の確保です。本記事で紹介した10の実践テンプレートは、それぞれの会議の特性に応じてカスタマイズしながら活用することで、効率的な議事録作成と情報共有を実現できます。
よくある質問(FAQ)
経営会議の議事録作成に関して、特に初めて担当される方々から多く寄せられる質問をまとめました。
実務に即した回答を心がけていますので、ぜひ参考にしてください。
Q1:議事録はどのくらい詳細に記録すべきですか?
A:会議の性質によって異なりますが、基本的には「誰が」「何を」「なぜ」決定したのかが明確になるレベルで記録します。
特に重要な決定事項については、判断根拠や反対意見も含めて記録することをお勧めします。
Q2:機密情報の取り扱いはどうすればよいですか?
A:機密レベルに応じて、本文と別紙を分ける、配布範囲を限定する、保管期間を設定するなどの対応が必要です。
特に人事や財務に関する詳細情報は別紙として管理することをお勧めします。
Q3:議事録の承認プロセスはどうすべきですか?
A:一般的には、議事録案を作成後、出席者(特に議長や重要な発言者)に確認を依頼し、必要に応じて修正した上で確定版とします。
法的な要件がある場合は、押印や署名の手続きも必要です。
Q4:決定事項の保留や条件付き承認はどう記載すべきですか?
A:保留や条件付き承認の場合は、その理由と追加で必要な対応、期限を明確に記載します。
また、誰が責任を持って対応するのかも明記しておくことが重要です。
Q5:オンライン参加者がいる場合の注意点は?
A:参加形態(対面/オンライン)を明記し、通信トラブル等で一時的に離席した場合はその旨も記録します。
重要な決定の際は、オンライン参加者の意思確認を明確に行い、その過程を記録します。