「これってハラスメントに該当するのだろうか?」と疑問に思ったことはありませんか?
職場では従来の「セクハラ」「パワハラ」にとどまらず、多様な「〇〇ハラ」が認識されるようになり、知らないうちに被害者になっていたり、逆に加害者になっていたりするリスクが高まっています。
本記事では、現代のビジネスシーンで認識しておくべき20種類のハラスメントについて、具体的な事例と実践的な対処法をご紹介します。
この記事でわかること
- 法律で定められた5種類のハラスメントの定義と具体例
- 職場で増加している10種類のハラスメントの実例と対処法
- 新型コロナ禍で新たに認識された5種類のハラスメント
- ハラスメントが発生した際の具体的な相談方法と対処手順
- 企業として実施すべきハラスメント防止策の要点
リスク回避と健全な職場環境構築のため、ぜひ最後までお読みください。
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すぐに使える!ハラスメント対応フレーズ集
ハラスメントに対応する際、適切な言葉選びが解決への第一歩です。
以下のフレーズは状況別に活用できます。
セクハラを受けた際の対応フレーズ
基本的な断り方
- 「その発言は不快です。やめていただけますか」
- 「プライベートな質問には答えかねます」
- 「業務に関係のない話題は避けていただきたいです」
上司からのセクハラへの対応
- 「申し訳ありませんが、そのようなお誘いはお受けできません」
- 「ご厚意には感謝しますが、個人的なお付き合いは控えさせていただきます」
- 「業務上の関係を維持したいので、プライベートな関係は避けたいと思います」
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パワハラへの対応フレーズ
叱責や暴言への対応
- 「ご指導いただきたいですが、もう少し穏やかな口調でお願いできますでしょうか」
- 「具体的に何が問題だったのか、改善点を教えていただけますか」
- 「感情的にならず、客観的にご指摘いただけると助かります」
過剰な業務命令への対応
- 「現在の業務状況をご説明させてください。現時点では〇〇の業務を抱えており…」
- 「期限内に完了させるためには、優先順位の調整が必要です。どの業務を優先すべきでしょうか」
- 「責任を持って取り組みたいので、無理のないスケジュールをご相談させてください」
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マタハラ・ケアハラへの対応フレーズ
制度利用への圧力に対して
- 「法律で認められている制度ですので、適切に利用させていただきます」
- 「業務への影響を最小限にするよう調整します。具体的な引継ぎ方法をご相談させてください」
- 「休業中の業務フォロー体制について、事前に協議させていただけますか」
不当な制限に対して
- 「育児・介護と業務の両立に努めています。具体的な懸念点があればお聞かせください」
- 「時間的制約はありますが、業務品質は維持していきます。ご理解いただければ幸いです」
- 「短時間でも効率的に成果を出せるよう工夫しています。評価は成果ベースでお願いします」
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ハラスメントを第三者として目撃した場合
その場での介入
- 「今の発言は適切ではないと思います」
- 「別の視点から考えてみてはいかがでしょうか」
- 「一度冷静になって話し合いましょう」
事後のフォロー
- 「さきほどの件、大丈夫でしたか?」
- 「必要であれば、相談窓口に一緒に行きましょうか」
- 「何かできることがあれば遠慮なく言ってください」
ハラスメント相談窓口への相談フレーズ
相談の始め方
- 「〇月〇日に発生した〇〇について相談させてください」
- 「継続的に発生している問題について相談したいことがあります」
- 「プライバシーが保護される形で相談できますか」
相談内容の伝え方
- 「具体的には次のようなことがありました。まず…」
- 「時系列に沿って説明すると…」
- 「この状況が与える影響として…」
法律で定められた主要ハラスメント5種類
職場のハラスメントには、法的な防止義務が課せられているものがあります。
まずはこれらの基本を理解しましょう。
セクハラ(セクシュアルハラスメント)
セクハラとは、相手の意に反する性的な言動により、就業環境を害することです。
具体的事例
- 「結婚はまだ?子どもは?」などプライベートへの過度な質問
- 不必要な身体接触(肩を揉む、腰に手を回すなど)
- 性的な冗談やからかい
- 食事やデートにしつこく誘う行為
効果的な対処法
- 明確に「不快です」「やめてください」と伝える
- 日時・場所・内容・証人をメモに残す
- 社内窓口や人事部に相談する
間違いやすいポイント
飲み会の席など非公式な場でも、職場の延長としてセクハラに該当します。
「冗談のつもり」「親しみの表現」は免罪符になりません。
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パワハラ(パワーハラスメント)
パワハラとは、職場での優位性を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、就業環境を害することです。
具体的事例
- 「使えない」「バカ」などの人格否定発言
- 会議に呼ばない、情報共有しないなどの孤立化
- 定時間際に「今日中に」と無理難題を押し付ける
- 明らかに能力を超えた仕事を与え、できないことを非難する
効果的な対処法
- 感情的にならず冷静に対応する
- 言われたことを時系列でメモに残す
- 上司がパワハラする場合は、さらに上の上司や人事部に相談する
間違いやすいポイント
厳しい指導とパワハラは異なります。
「指導の範囲内」とされるのは、業務上の必要性があり、方法・程度が社会通念上相当と認められる場合のみです。
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マタハラ(マタニティハラスメント)
マタハラとは、妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いや嫌がらせのことです。
具体的事例
- 妊娠報告後の「迷惑だな」などの否定的反応
- 「体調不良で他の人に迷惑かけてる」との責め
- 産休・育休の短縮への圧力
- 復帰後の重要業務からの除外
効果的な対処法
- 制度利用の権利を事前に確認しておく
- 上司だけでなく人事部にも妊娠・出産を報告する
- 不利益な取扱いは全て記録に残す
間違いやすいポイント
「本人のため」という配慮を装った業務制限も、本人の意思に反する場合はマタハラに該当します。
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ケアハラ(ケアハラスメント)
ケアハラとは、介護休業等の制度利用を理由とする不利益取扱いや嫌がらせのことです。
具体的事例
- 「介護があるなら夜勤を代わって」との強要
- 介護休暇申請後の「昇進は諦めて」などの発言
- 「親の介護なら実家に帰れば?」と転職を勧める行為
効果的な対処法
- 介護休業制度の詳細を人事部に確認する
- 勤務スケジュールを上司・同僚と共有し理解を得る
- 地域包括支援センターなどの外部相談窓口も活用する
間違いやすいポイント
ケアハラは認知度が低く見過ごされがちですが、法律で禁止されている行為です。
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リモハラ(リモートワークハラスメント)
リモハラとは、テレワークの特性を悪用した嫌がらせや不適切な管理のことです。
具体的事例
- 常時オンライン状態の強制
- 「在宅だから暇」との認識による過剰な業務要求
- プライベート空間の映り込みに対する不当な批判
- 業務時間外の頻繁な連絡
効果的な対処法
- 業務時間と休憩時間を明確に設定する
- ビデオ通話では背景ぼかし機能を活用する
- 業務の進捗状況を定期的に共有する
- 無理な要求は理由を説明して断る
間違いやすいポイント
テレワークは「24時間働ける」ことを意味するわけではありません。
労働時間管理は対面勤務と同様に重要です。
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職場で増加中!知っておくべきハラスメント10種類
法律での明示はなくとも、職場環境を悪化させるハラスメントは多様化しています。
代表的な10種類を紹介します。
アルハラ(アルコールハラスメント)
アルハラとは、飲酒を強要したり、飲酒の席での迷惑行為を指します。
具体的事例
- お酒が飲めない人への「一気飲み」強要
- 「飲み会不参加は評価に影響」との圧力
- 断ると「付き合いが悪い」「空気読めない」と批判
- グラスが空くとすぐ注ぐ「おかわり強要」
効果的な対処法
- 飲めない理由を事前に伝える
- 「車で来ている」「明日早い」など断る理由を明確にする
- 参加できない場合は別の機会に親睦を深める方法を提案する
間違いやすいポイント
「みんなで楽しむため」は個人の健康や意思を無視する理由にはなりません。
飲酒は強制できないものです。
スメルハラ(スメルハラスメント)
スメルハラとは、強い匂いにより周囲に不快感を与えることです。
具体的事例
- 強すぎる香水やアフターシェーブローション
- タバコの匂いが服や髪に染みついている状態
- 体臭・口臭が強くて近くで仕事ができない
- 汗をかいた後のケアをしていない
効果的な対処法
- 個人的に伝えるのが難しい場合、匿名アンケートなどを活用する
- 社内規定に「香りへの配慮」について追加を提案する
- 自分自身も香りに配慮する習慣をつける
間違いやすいポイント
自分では気づきにくいため、周囲からの指摘を真摯に受け止めることが大切です。
モラハラ(モラルハラスメント)
モラハラとは、言葉や態度、行動等による継続的な人格攻撃により、精神的に追い込むことです。
具体的事例
- 「あなたのせいで」と責任転嫁する
- 他者の前で恥をかかせる
- 必要な情報を与えない
- 存在を無視する、否定する
- 過剰な監視や干渉をする
効果的な対処法
- 自分を責めない(被害者に非はない)
- 言動や行為を記録に残す
- 信頼できる第三者に相談する
- 心理的影響が大きい場合は専門医に相談する
間違いやすいポイント
モラハラは「目に見えない暴力」であり、証拠が残りにくいのが特徴です。
記録を残すことが重要になります。
カスハラ(カスタマーハラスメント)
カスハラとは、顧客からの理不尽な要求や嫌がらせのことです。
具体的事例
- 長時間にわたるクレーム
- 理不尽な要求や暴言
- 従業員の個人情報を聞き出そうとする
- SNSでの誹謗中傷の脅し
効果的な対処法
- 一人で対応せず、上司や同僚に応援を求める
- 録音や記録を残す
- 悪質な場合は警察に相談する
- 会社としてのマニュアル作成と研修を提案する
間違いやすいポイント
「お客様は神様」という考え方は時代遅れです。
違法行為や人格否定は受け入れる必要はありません。
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ジェンハラ(ジェンダーハラスメント)
ジェンハラとは、性別に基づく差別的言動や固定観念による不適切な扱いのことです。
具体的事例
- 「女性なんだから結婚したら辞めるでしょ」
- 「男のくせに弱音を吐くな」
- 女性にだけお茶くみや掃除を頼む
- 「男性だからこの仕事は無理」と業務から外す
効果的な対処法
- 性別に関係なく能力ベースで仕事を割り振る
- 性差別的発言があったらその場で指摘する
- ジェンダー平等に関する社内研修を提案する
間違いやすいポイント
「女性には優しく」といった善意の配慮も、能力や可能性を制限するジェンハラになり得ます。
エイジハラ(エイジハラスメント)
エイジハラとは、年齢を理由とする差別的言動や不適切な扱いのことです。
具体的事例
- 「若いから経験不足」と意見を聞かない
- 「年寄りはITに弱い」と決めつける
- 「若いのに出世が早い」と陰口を言う
- 「定年間近だから重要プロジェクトから外す」
効果的な対処法
- 年齢でなく能力や実績で評価する文化づくり
- 世代間コミュニケーションを促進する取り組み
- 若手と年配者の混合チームで業務を行う
間違いやすいポイント
年齢に関する言及が必ずしもハラスメントになるわけではありませんが、固定観念で人を判断することは避けるべきです。
アカハラ(アカデミックハラスメント)
アカハラとは、教育・研究機関における権力を利用した嫌がらせです。
具体的事例
- 理由なく研究テーマを変更させる
- 必要な研究資源や機会を与えない
- 論文に名前を載せない/不当に名前を載せる
- 学位取得を不当に遅らせる
効果的な対処法
- 大学のハラスメント相談窓口に相談
- 第三者の教員や事務職員に相談
- 記録を残し、複数人で証言できるようにする
間違いやすいポイント
「研究の自由」や「指導の一環」の名目で行われるため、被害認識が難しい場合があります。
テクハラ(テクノロジーハラスメント)
テクハラとは、IT知識の差を利用した嫌がらせや差別のことです。
具体的事例
- IT用語を多用して理解できないように仕向ける
- ITスキルが低いことを公然と批判
- 「こんなことも知らないの?」と侮辱
- デジタルツールの使い方を意図的に教えない
効果的な対処法
- IT研修の機会増加を提案
- 質問しやすい環境づくり
- マニュアルや手順書の整備
間違いやすいポイント
デジタル化が進む現代では、ITリテラシーの差が新たな権力関係を生み出しています。
タイムハラ(タイムハラスメント)
タイムハラとは、勤務時間外の業務連絡や時間を無視した業務要求のことです。
具体的事例
- 深夜や休日にメール・電話で業務連絡
- 「急ぎ」と称して退社直前に業務を振る
- 休暇中に「ちょっとだけ」と仕事を頼む
- 「今日中に」と無理なスケジュールを強要
効果的な対処法
- 勤務時間外の連絡ルールを設ける
- タスク管理を徹底し、急な依頼を減らす
- 「返信は翌営業日」などの自動返信活用
間違いやすいポイント
スマートフォンの普及により「いつでも連絡可能」という誤った認識が生まれています。
ソーハラ(ソーシャルメディアハラスメント)
ソーハラとは、SNSを利用した嫌がらせや不適切な情報拡散のことです。
具体的事例
- 職場の同僚をSNSで晒す
- 同僚のプライベートSNSへのフォロー強要
- 会社の内部情報をSNSに投稿
- 職場の人間関係をSNSで暴露
効果的な対処法
- SNS利用ポリシーの策定
- プライベートと業務用アカウントを分ける
- 不適切投稿は保存して証拠として残す
間違いやすいポイント
「個人のSNS」という認識でも、職場に関する投稿は社会的影響があることを認識すべきです。
コロナ禍で登場!最新ハラスメント5種類
新型コロナウイルスの流行により、新たなハラスメントが認識されるようになりました。
コロハラ(コロナハラスメント)
コロハラとは、新型コロナウイルス感染症に関連した差別や嫌がらせのことです。
具体的事例
- 感染した従業員の個人情報を不必要に拡散
- 感染後、職場復帰した人を避ける
- 「あの人は感染リスク高い行動してる」と噂を広める
効果的な対処法
- 正確な情報共有と差別・偏見をなくす教育
- 感染者の個人情報保護を徹底
- 差別的言動には毅然と対応
間違いやすいポイント
感染症対策と差別は異なります。
科学的根拠に基づかない言動はコロハラになり得ます。
ワクハラ(ワクチンハラスメント)
ワクハラとは、ワクチン接種の有無による差別や圧力のことです。
具体的事例
- 「ワクチン打たない人は非常識」と批判
- ワクチン接種の有無で職場の扱いに差
- 接種していない人を会議や飲み会に呼ばない
- 接種の有無を無理に聞き出す
効果的な対処法
- ワクチン接種は個人の判断と認識する
- 接種の有無で差別しない職場環境づくり
- 個人の健康情報は原則開示不要と周知
間違いやすいポイント
ワクチン接種は個人の意思と権利に関わる問題です。
強制や差別につながる言動は避けるべきです。
オワハラ(お詫びハラスメント)
オワハラとは、謝罪の形式や回数にこだわり、過度の謝罪を要求することです。
具体的事例
- 小さなミスに何度も謝罪要求
- 問題解決より謝罪の形式にこだわる
- 本人だけでなく上司にも謝罪要求
- 「誠意が足りない」と何度も謝罪させる
効果的な対処法
- ミスが起きたら問題解決を優先する
- 謝罪の回数や形式でなく再発防止に重点を置く
- 顧客対応マニュアルの整備
間違いやすいポイント
謝罪は問題解決の手段であり目的ではありません。
形式よりも実質的な対応が重要です。
音ハラ(音ハラスメント)
音ハラとは、不必要な音を立てることで周囲に不快感を与えることです。
具体的事例
- オンライン会議中の不必要な物音・雑音
- マイクミュートせず周囲の音が漏れる
- キーボードを強く叩く音
- イヤホンからの音漏れ
- 鼻すすり・咳・飲み物の音
効果的な対処法
- 発言時以外はマイクミュート習慣をつける
- ノイズキャンセリングイヤホン活用
- 会議のルール(発言方法など)明確化
間違いやすいポイント
自分では気にならない音でも、他者にとっては大きなストレスになることがあります。
エコハラ(エコロジーハラスメント)
エコハラとは、環境配慮を理由に過度な要求や批判をすることです。
具体的事例
- 「SDGsの時代なのに」と環境配慮行動を強制
- エアコン使用を極端に制限
- マイボトル・マイ箸を持っていない人を批判
- 「環境に悪い」という理由でプリントアウト全面禁止
効果的な対処法
- 環境配慮は重要だが個人の状況や健康も考慮
- 過度な押し付けでなく自主的取り組みを促進
- 健康や業務効率とのバランスを考慮
間違いやすいポイント
環境配慮は重要ですが、それを理由に他者を攻撃することは本末転倒です。
ハラスメント撃退法!相談窓口・解決方法ガイド
ハラスメントを受けた場合の適切な対応方法を紹介します。
社内で相談すべき部署と伝え方
相談先の例
- ハラスメント相談窓口(専用窓口がある場合)
- 人事部
- 上司(加害者が上司の場合はさらに上の上司)
- 労働組合
効果的な伝え方
- 具体的事実を時系列で説明する
- 感情的にならず客観的に伝える
- どんな解決を望むかを明確にする
テンプレート例
件名:相談のお願い
〇〇部 △△様
お忙しいところ恐れ入りますが、ご相談したい件がございます。
【発生日時】2025年〇月〇日 〇時頃
【場所】〇〇会議室
【状況】〇〇〇〇(具体的に何があったか)
【影響】〇〇〇〇(業務や精神面でどのような影響があったか)
つきましては、〇月〇日〇時以降でお時間をいただければ幸いです。
なお、この件については部外秘としてご対応いただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
外部の相談窓口一覧
社内での解決が難しい場合は、外部の専門機関に相談することも検討しましょう。
公的機関
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー
- 労働基準監督署
- 地方自治体の労働相談窓口
専門家・民間団体
- 弁護士会の労働相談窓口
- 日本産業カウンセラー協会
- ハラスメント対策専門のNPO団体
無料相談窓口
- 法テラス(日本司法支援センター)
- 自治体の無料法律相談
窓口利用時のポイント
- 第三者の冷静な視点で問題を整理できる
- 法的に適切な対応方法を教えてもらえる
- 相談記録が後の証拠になることもある
証拠の集め方と記録の重要性
ハラスメント問題では、証拠が解決の鍵となります。
効果的な証拠の残し方
- 日時・場所・内容・関係者を記録したメモを作成する
- メール・メッセージのやり取りを保存する
- 可能なら証人を確保する
- 医師の診断書(精神的苦痛が大きい場合)を取得する
- 録音(※法的に問題ない範囲で)を活用する
記録する際のポイント
- 客観的事実と主観的感情を分けて記録する
- なるべく詳細に記録する
- 時系列に整理する
- 第三者にも分かりやすく整理する
証拠保存テンプレート例
【ハラスメント記録】
日時:2025年〇月〇日 〇時〇分頃
場所:〇〇会議室
加害者:〇〇部 △△氏
目撃者:□□部 ◇◇氏、☆☆部 ★★氏
【具体的な言動】
・「〇〇〇〇」と発言された
・〇〇という行為をされた
【客観的事実】
・会議中、全員の前で上記発言があった
・この発言の前後の文脈は〇〇だった
【主観的感情・影響】
・強い屈辱感を感じた
・以降、会議での発言に萎縮するようになった
・夜間の不眠が続くようになった
【対応状況】
・その場では「不適切な発言だと思います」と伝えた
・〇月〇日に□□課長に相談した
企業が実施すべきハラスメント対策
ハラスメントは個人間の問題ではなく、組織として取り組むべき課題です。
法改正で義務化された防止措置
2020年6月の改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)施行により、事業主には以下の措置が義務付けられています。
企業に求められる防止措置
- ハラスメントの内容・方針を明確化し周知する
- 相談窓口を設置する
- 相談があった場合、適切に対応する
- プライバシー保護や不利益取扱いの禁止
企業規模別の義務化時期
- 大企業(301人以上):2020年6月~
- 中小企業(300人以下):2022年4月~
社内規定に盛り込むべき事項
- ハラスメントの定義と具体例
- 相談窓口と対応フロー
- 調査方法と秘密保持
- 再発防止策
ハラスメント研修の効果的な進め方
研修の質がハラスメント防止の鍵となります。
効果的な研修のポイント
- 参加型にする:グループディスカッション導入
- 具体例を示す:ケーススタディ活用
- 定期的実施:年1回以上、内容アップデート
- 全社員対象:管理職だけでなく全員参加
- 外部講師活用:中立的立場からの研修
研修内容の例
- ハラスメントの定義と種類
- 具体的事例と対処法
- 相談窓口の利用方法
- 加害者・被害者になったときの対応
- 傍観者の責任と行動
研修実施後のフォローアップ
- アンケートによる理解度確認
- 職場別の小規模ディスカッション
- 定期的な啓発メール配信
相談窓口設置のポイント
形だけの窓口では意味がありません。実効性ある窓口づくりを目指しましょう。
相談窓口設置のポイント
- 複数ルート用意:直属上司、人事部、外部窓口など
- 匿名性確保:匿名相談も受付
- 中立性担保:利害関係ない第三者含める
- アクセス容易:オンライン・電話相談など
- 外部委託検討:専門相談機関への委託も一案
運用上の注意点
- プライバシー保護徹底
- 迅速な初期対応
- 相談による不利益取扱い禁止
- 定期的に窓口の利用状況や効果を検証
相談窓口の周知方法:
- 社内報・イントラネットでの案内
- ポスター掲示
- 全社員向けメール配信
- 名刺サイズの案内カード配布
まとめ:ハラスメントのない職場づくりのために
職場のハラスメント問題は、個人の努力だけでなく組織全体での取り組みが必要です。
ハラスメント対策の5つのポイント
- 知識を持つ:様々なハラスメントの種類と事例を知る
- 防止策を講じる:研修や啓発活動で予防する
- 相談体制整備:問題発生時の相談窓口を設置する
- 適切対応:問題発生時に迅速・適切に対応する
- 継続改善:定期的に取り組みを見直す
良好な職場環境づくりのために
- コミュニケーションを活性化させる
- 互いの違いを尊重する文化を醸成する
- 上下関係に関わらず意見が言える風土をつくる
- 「ハラスメント」という言葉で批判するのではなく、具体的行動に焦点を当てる
「昔はこれが当たり前だった」という考え方は通用しません。
多様な価値観を尊重し、全員が安心して働ける職場づくりを心がけましょう。
※本記事の内容は2025年4月時点の情報に基づいています。
※具体的な法的アドバイスが必要な場合は、専門家にご相談ください。
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