採用通知や内定通知は、新たな人材を迎える企業側の第一印象を形成する重要な文書です。
適切な表現と構成で作成された通知は、候補者の入社意欲を高め、優秀な人材の確保につながります。
一方で、形式的で冷たい印象の通知は、せっかく獲得した人材の入社意欲を下げてしまう可能性があります。
この記事でわかること
- 採用通知・内定通知の基本的な構成と書き方
- 候補者の入社意欲を高める効果的な表現方法
- 状況別の採用通知テンプレート
- 内定辞退を防ぐためのフォローアップ方法
- よくある失敗例と対策
本記事では、人事担当者や採用責任者の方々に向けて、候補者の入社意欲を高める採用通知・内定通知の書き方について、具体的な例文とともに解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、貴社の採用活動にお役立てください。
採用通知・内定通知の基本と重要性
採用通知・内定通知は単なる事務手続きの書類ではなく、候補者との関係構築の第一歩となる重要なコミュニケーションツールです。
適切に作成された通知は、企業文化を体現し、候補者に対する尊重と期待を伝えることができます。
採用通知と内定通知の違い
採用通知は選考過程の合格を伝える書類であり、内定通知は最終的な雇用の意思を伝える正式な文書です。
両者は目的が異なるため、内容や表現にも違いがあります。
採用通知の特徴：
- 選考過程の一段階の合格を通知
- 次のステップについての案内を含む
- 比較的簡潔な内容
内定通知の特徴：
- 最終的な採用決定を通知
- 具体的な雇用条件を明示
- 入社までのスケジュールを提示
- 法的な側面も持つ正式文書
採用通知・内定通知が与える心理的影響
候補者は採用通知や内定通知を受け取った際、単に情報を得るだけでなく、企業の姿勢や自分への評価を感じ取ります。
この時点での印象が、入社意欲や長期的な帰属意識にも影響を与えます。
間違いやすいポイント
採用通知を事務的な手続きとしてのみ捉え、感情的な側面を無視してしまうこと。
候補者は自分がどのように評価されているかに敏感です。
効果的な採用通知の基本構成
効果的な採用通知・内定通知を作成するには、一定の構成要素と順序を意識することが大切です。
基本的な構成を理解し、自社の文化や状況に合わせてカスタマイズしましょう。
採用通知・内定通知に必須の要素
採用・内定通知には、以下の要素を必ず含めることが推奨されます
- 宛名と挨拶：個人名を正確に記載し、丁寧な挨拶から始める
- 採用・内定の決定通知：明確かつポジティブに採用の意思を伝える
- 選考過程への感謝：候補者の時間と努力に対する感謝の意を表す
- 採用理由や評価ポイント：候補者の強みや評価された点を具体的に伝える
- 雇用条件の概要：職位、部署、給与、勤務開始日などの基本条件
- 次のステップの案内：今後の手続きや連絡方法の明示
- 質問・相談の窓口：疑問点や相談事項に対応する担当者の連絡先
- 締めの言葉：歓迎の意を込めた前向きな言葉で締めくくる
- 署名：人事部長や採用責任者、可能であれば直属の上司の署名
具体例：
山田 太郎 様
この度は弊社の採用選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。厳正な選考の結果、貴殿を営業部マーケティング担当として採用することを決定いたしましたので、ここにご通知申し上げます。
選考過程において示された貴殿の分析力と創造性、そして何より顧客視点に立った戦略立案能力に、弊社一同大変感銘を受けました。今後はその強みを活かし、弊社のマーケティング戦略の中核を担っていただけることを期待しております。
（以下、雇用条件や次のステップの案内）
通知のタイミングと手段
採用通知・内定通知のタイミングと手段も、候補者の印象に大きく影響します。
最適なタイミング：
- 決定後、できるだけ早く（理想的には1-2営業日以内）
- 週の終わりより始まりが望ましい（検討・質問の時間を確保できる）
- 長期休暇の直前は避ける
効果的な通知手段：
- 正式な書面（郵送またはPDF添付のメール）
- 電話での事前連絡＋正式書面の組み合わせ
- 対面での通知＋書面の手渡し（可能な場合）
間違いやすいポイント
決定から通知までに時間を空けすぎること。
迅速な通知は企業の効率性と候補者への敬意を示します。
候補者の入社意欲を高める表現テクニック
候補者の入社意欲を高めるためには、単に採用事実を伝えるだけでなく、言葉選びや表現方法にも工夫が必要です。
適切な表現テクニックを用いることで、候補者に対する期待と尊重の気持ちを効果的に伝えることができます。
パーソナライズされた評価を伝える
候補者が選考過程で示した具体的な強みや能力を言語化して伝えることは、自分が正当に評価されたという満足感を与え、入社意欲を高める効果があります。
効果的な表現例：
- 「プレゼンテーションでの論理的な問題解決アプローチに感銘を受けました」
- 「チームディスカッションでの調整力と柔軟な思考が高く評価されました」
- 「技術テストでの創造的なコーディング手法は、私たちに新たな視点をもたらしました」
避けるべき表現例：
- 「あなたは優秀でした」（具体性に欠ける）
- 「基準を満たしていました」（最低限の評価に聞こえる）
- 「他の候補者と比較して良かった」（比較による評価は避ける）
未来の成長機会を描写する
候補者が入社後に得られる成長機会や挑戦について具体的に言及することで、キャリア展望への期待感を高めることができます。
効果的な表現例：
- 「入社後は、まず〇〇プロジェクトに参画いただき、△△のスキルを活かしていただく予定です」
- 「1年目は基礎研修に加え、実践的なOJTを通じて〇〇の専門性を高める機会を提供します」
- 「弊社では定期的なスキルアップ研修と海外拠点との交流機会を設けており、グローバルな視野を養うことができます」
具体例：
入社後は、まず新規開発チームの一員として、システム設計から参画いただく予定です。鈴木部長の指導のもと、最新のクラウド技術を活用した開発環境で、あなたのプログラミングスキルをさらに磨いていただけると確信しています。また、入社6ヶ月後には、希望に応じて海外の技術カンファレンスへの参加機会も検討しています。
組織文化と価値観の共有
企業の文化や価値観を伝え、候補者の価値観との一致点を強調することで、心理的なつながりを形成します。
効果的な表現例：
- 「面接でお話しいただいたチームワークの大切さという考え方は、弊社の理念と深く共鳴します」
- 「お互いに学び合う文化を大切にする弊社において、あなたの知識共有への情熱は大きな財産となるでしょう」
- 「困難に立ち向かう姿勢と粘り強さは、弊社が最も重視する資質の一つです」
間違いやすいポイント
組織文化について抽象的な美辞麗句を並べるだけでなく、具体的な事例や日常の取り組みを交えて説明することが重要です。
状況別・職種別の通知テンプレート
採用通知・内定通知は、候補者の職種や経験レベル、採用状況によって内容や表現を調整することが効果的です。
ここでは、状況別・職種別のテンプレートを紹介します。
新卒採用の内定通知
新卒者への内定通知では、社会人としての第一歩を踏み出す若者への期待と励ましのメッセージを込めることが重要です。
敬語表現の例：
佐藤 花子 様
この度は、弊社の2026年度新卒採用選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。厳正なる選考の結果、貴殿を弊社の総合職として採用することを内定として通知いたします。
選考過程を通じて示された貴殿の積極性とコミュニケーション能力、そして何より新しいことへの好奇心と挑戦する姿勢は、弊社が求める人材像に合致するものでした。大学での研究活動や課外活動を通じて培われた問題解決能力は、今後の業務においても大いに活かされることでしょう。
弊社では、入社後の半年間で各部署を経験するローテーション研修を実施しており、幅広い視野と専門性を兼ね備えた人材育成に力を入れております。貴殿の可能性を最大限に引き出せるよう、充実した研修環境を整えてお待ちしております。
なお、内定の諾否につきましては、同封の「内定承諾書」にご記入の上、○月○日までにご返送ください。また、〇月〇日には内定者懇親会を予定しておりますので、ぜひご参加ください。
ご不明点やご質問がございましたら、いつでも下記担当者までお気軽にお問い合わせください。
貴殿の入社を心よりお待ち申し上げております。
株式会社〇〇〇
人事部採用担当 山田 一郎
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: yamada@xxx.co.jp
ビジネスシーン別の例（内定者懇親会案内）：
内定者の皆様には、〇月〇日（土）14:00より、本社会議室にて内定者懇親会を開催いたします。この会では、配属予定部署の先輩社員との交流や、同期となる内定者同士の親睦を深める機会となっております。カジュアルな服装でお越しください。出欠のご連絡は、〇月〇日までに専用フォーム（URL: http://...）よりお願いいたします。
中途採用の採用通知
中途採用者への通知では、これまでのキャリアへの敬意と、新たな環境での活躍への期待を伝えることが重要です。
敬語表現の例：
鈴木 健太 様
この度は、弊社の中途採用選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。厳正な選考の結果、貴殿をマーケティング部マネージャーとして採用することを決定いたしましたので、ここにご通知申し上げます。
貴殿がこれまでの職務で培われた広告運用の専門知識と、チームマネジメントの実績は、弊社のデジタルマーケティング戦略を強化する上で大きな力になると確信しております。特に、前職でのECサイトのコンバージョン率向上プロジェクトにおける成功事例は、弊社が現在直面している課題解決に直接活かせるスキルであると高く評価いたしました。
弊社では、〇〇業界における△△年の経験を持つ貴殿のような人材を迎えることで、組織に新たな視点と活力をもたらすことを期待しております。入社後は、現在進行中の〇〇プロジェクトを担当いただく予定ですが、これまでのご経験を考慮し、具体的な業務内容については入社前に改めてご相談させていただきたいと考えております。
雇用条件の詳細につきましては、別添の「雇用条件通知書」をご確認ください。ご質問や調整が必要な点がございましたら、〇月〇日までに下記連絡先までご連絡ください。
貴殿の経験と専門性が弊社で存分に発揮されることを、一同心待ちにしております。
株式会社〇〇〇
人事部長 高橋 誠
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: takahashi@xxx.co.jp
ビジネスシーン別の例（条件交渉）：
前回ご提示いただいた給与条件につきまして、貴殿のご経験と前職でのご実績を考慮し、基本給を当初ご提示額より月額3万円増の〇〇万円、さらに年間業績賞与の目標達成基準を〇%に設定することで調整させていただきました。この条件でご納得いただけましたら、〇月〇日までにご連絡いただければ幸いです。
エグゼクティブ採用の通知
経営層や上級管理職への採用通知では、敬意と信頼感を伝えるとともに、組織への影響力と期待される役割を明確に示します。
敬語表現の例：
田中 俊介 様
この度は、弊社の執行役員候補者選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。厳正なる選考の結果、貴殿を弊社の営業本部長兼執行役員として迎えることを正式に決定いたしましたので、ここにご通知申し上げます。
貴殿の〇〇業界における20年以上のキャリアと、前職での海外事業拡大の成功実績は、弊社が目指すグローバル戦略の推進に不可欠なものであると、取締役会一同が強く認識しております。特に、アジア市場での〇〇社との戦略的提携の構築手法は、弊社の今後の海外展開において大いに参考にさせていただきたい知見です。
弊社では、貴殿に営業本部の統括とともに、全社的な海外戦略の立案・実行をリードしていただくことを期待しております。就任後は、CEO直轄のグローバル戦略委員会の委員長も兼任いただく予定です。詳細な役割と責任範囲につきましては、後日改めて代表取締役よりご説明させていただきます。
雇用条件の詳細は同封の機密文書をご参照ください。〇月〇日に予定しておりますCEOとの懇談の場で、ご質問やご要望をお伺いできればと存じます。
弊社の成長フェーズにおいて、貴殿のリーダーシップと専門性は極めて重要な推進力になると確信しております。貴殿をお迎えできますことを、経営陣一同、心より楽しみにしております。
株式会社〇〇〇
代表取締役社長 佐々木 隆
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: sasaki@xxx.co.jp
間違いやすいポイント
エグゼクティブ採用では、単なる雇用関係ではなく、経営パートナーとしての関係性を築くことが重要です。
平等なビジネスパートナーとしての敬意を示す表現を心がけましょう。
内定後のフォローアップ方法
採用通知・内定通知を送付した後のフォローアップは、候補者との関係構築と内定辞退防止において非常に重要です。
適切なフォローアップ戦略を実施することで、候補者の不安を解消し、入社への期待感を高めることができます。
効果的なフォローアップのタイミングと内容
フォローアップは計画的かつ定期的に行い、候補者が孤立感を感じないようにすることが重要です。
フォローアップの基本スケジュール：
- 通知送付後1-2日以内：電話やメールで受領確認と質問対応
- 1週間後：詳細情報や入社準備に関する案内の送付
- 2-3週間ごと：定期的な情報提供や状況確認
- 入社1ヶ月前：最終確認と入社初日の詳細案内
効果的なフォローアップ内容：
- 配属部署や業務内容の詳細情報
- 入社後の研修スケジュール
- 会社の最新ニュースや成果の共有
- 同期入社予定者との交流機会の案内
- 入社手続きに関する案内と支援
具体例：
【内定通知後1週間のフォローアップメール】
佐藤 花子 様
先日は弊社の内定をご承諾いただき、誠にありがとうございます。入社に向けた準備を進めていただく上で必要な情報をお届けいたします。
■配属部署について
内定時にもお伝えした通り、マーケティング部デジタルチームへの配属を予定しております。同チームでは現在、〇〇プロジェクトが進行中であり、佐藤様には4月からこのプロジェクトに参画いただく予定です。チームリーダーの鈴木より、佐藤様の入社を心待ちにしているとのメッセージもお預かりしております。
■入社前研修について
3月20日(金)〜3月31日(火)の期間で、オンライン入社前研修を実施いたします。詳細なスケジュールと接続方法は別添資料をご確認ください。この研修では、弊社の企業文化や基本的な業務システムについて学んでいただきます。
■内定者交流会について
3月15日(土)14:00より、同期入社予定の皆様との交流会をオンラインで開催いたします。参加は任意ですが、同期の皆様と事前に交流を深める良い機会となりますので、ぜひご参加ください。
その他ご不明点や心配事がございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。佐藤様の入社当日まで、しっかりとサポートさせていただきます。
株式会社〇〇〇
人事部採用担当 山田 一郎
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: yamada@xxx.co.jp
内定者の不安を解消するコミュニケーション
内定から入社までの期間は、候補者にとって不安や疑問が生じやすい時期です。
これらを積極的に解消するコミュニケーションを心がけましょう。
よくある不安と対応策：
- 業務内容の不明確さ
- 具体的な業務内容や期待される役割を明確に説明
- 可能であれば配属先の上司や同僚との面談機会を設ける
- 企業文化への適応
- 社内イベントや交流会への招待
- 社内報や社員インタビューの共有
- スキルや能力への不安
- 入社前研修の案内
- 推奨される事前学習の情報提供
間違いやすいポイント
候補者からの質問や懸念に対して、「入社後に分かります」と回答すること。
可能な限り具体的な情報を提供し、不安を解消することが重要です。
よくある失敗例と改善ポイント
採用通知・内定通知の作成や送付において、意図せず候補者の入社意欲を下げてしまうケースがあります。
よくある失敗例とその改善方法を理解し、効果的な通知作成に役立てましょう。
形式的・事務的な表現の改善
事務的で冷たい印象を与える表現は、候補者との感情的なつながりを築く機会を逃すことになります。
失敗例：
山田 太郎 様
選考の結果、あなたを採用することに決定しました。
雇用条件は別紙の通りです。
承諾する場合は〇月〇日までに返信してください。
株式会社〇〇〇
人事部
改善例：
山田 太郎 様
この度は弊社の採用選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。山田様の熱意と能力に感銘を受け、マーケティング部への採用を決定いたしましたことをご通知申し上げます。
特に面接でのプレゼンテーションでは、複雑な市場データを分かりやすく説明する山田様の能力に、選考担当者一同が深く感銘を受けました。この能力は、弊社が現在強化を図っているデータドリブンマーケティングにおいて、大きな力になると確信しております。
詳細な雇用条件は別紙にてご確認いただけますが、入社後は、まず〇〇プロジェクトに参画いただく予定です。このプロジェクトでは、山田様のデータ分析スキルを存分に発揮していただける環境を整えております。
ご質問やご不明点がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。山田様のご入社を心よりお待ち申し上げております。
株式会社〇〇〇
人事部採用責任者 佐藤 隆
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: sato@xxx.co.jp
条件提示の曖昧さの解消
雇用条件や入社プロセスについて曖昧な情報提供は、候補者の不安や混乱を招きます。
失敗例：
勤務条件等の詳細は入社時にお知らせします。
改善例：
勤務条件の詳細を以下にご案内いたします。
■勤務地：東京本社（渋谷区〇〇）
■勤務時間：9:00-18:00（フレックスタイム制、コアタイム10:00-15:00）
■給与：月給〇〇万円〜〇〇万円（経験・能力を考慮の上決定）
■諸手当：通勤手当（月額上限5万円）、住宅手当（条件により月額最大8万円）
■福利厚生：各種社会保険完備、財形貯蓄制度、社員持株会、社内融資制度など
なお、上記条件について詳細な調整をご希望の場合は、人事担当の佐藤（TEL: 03-xxxx-xxxx）までお気軽にご相談ください。
間違いやすいポイント
条件交渉の余地がある場合は、その旨を明示すること。
「応相談」という曖昧な表現ではなく、交渉可能な範囲や条件を具体的に示すことが重要です。
デジタル時代の採用通知の新しい形
テクノロジーの進化に伴い、採用通知・内定通知のあり方も変化しています。
従来の紙の通知書やメールに加え、新しい手法を取り入れることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
マルチメディアを活用した通知方法
デジタルツールを活用することで、より豊かな情報と体験を提供できます。
従来の文字情報だけでなく、視覚的・聴覚的要素も取り入れることで、候補者の興味と理解を深めることが可能です。
効果的なデジタル通知の例：
- パーソナライズドビデオメッセージ：採用責任者や直属の上司からの歓迎メッセージ
- インタラクティブな入社案内：クリックできるリンクや資料が埋め込まれたデジタル冊子
- バーチャル職場ツアー：360度画像やビデオを用いた職場環境の紹介
- 社内ポータルへの招待：内定者専用のオンラインコミュニティへのアクセス
具体例：
田中様
この度は弊社への入社をご承諾いただき、誠にありがとうございます。
以下のリンクから、あなた専用の「内定者ポータル」にアクセスしていただけます。
【内定者ポータル】
URL: https://onboarding.xxx.co.jp/tanaka-access/
パスワード: XXX-XX-XXXX（生年月日を入力）
ポータル内では以下のコンテンツをご覧いただけます：
・代表取締役および配属部署責任者からのビデオメッセージ
・配属予定チームメンバーの紹介
・オフィスバーチャルツアー
・入社までのカウントダウンカレンダーと準備チェックリスト
・同期内定者とのコミュニケーションフォーラム
定期的に新しい情報を更新していきますので、ぜひご活用ください。
モバイルフレンドリーな通知設計
スマートフォンでの閲覧が一般的な現代では、モバイルデバイスに最適化された通知設計が重要です。
モバイル最適化のポイント：
- 読みやすいフォントとサイズ
- スクロールに適した情報の配置
- タップで簡単にアクセスできるリンク
- オフライン環境でも閲覧できるPDF形式の併用
- レスポンシブデザインの採用
間違いやすいポイント
デジタルツールを活用する際も、法的効力を持つ正式な書面は別途提供する必要があります。
デジタルコンテンツはあくまで補完的な役割と位置付けましょう。
まとめ
採用通知・内定通知は、新たな人材との関係構築の第一歩となる重要なコミュニケーションツールです。
形式的な書類としてだけでなく、候補者の入社意欲を高め、長期的な帰属意識を育む機会として捉えることが大切です。
効果的な採用通知・内定通知を作成するためのポイントをまとめます
- 基本構成を押さえる：宛名、採用決定の通知、感謝の言葉、評価ポイント、雇用条件、次のステップ、連絡先、締めの言葉という基本要素を含める
- パーソナライズする：候補者の強みや評価ポイントを具体的に伝え、一人ひとりに合わせた内容にカスタマイズする
- 未来の成長機会を描く：入社後のキャリアパスや成長機会について具体的に言及し、将来への期待感を高める
- 組織文化との一致点を強調：候補者と企業の価値観の共通点を見つけ、心理的なつながりを形成する
- 状況に応じたアプローチ：新卒、中途、エグゼクティブなど、候補者の状況や職種に合わせた表現を選ぶ
- フォローアップを計画的に行う：通知後も定期的なコミュニケーションを続け、候補者の不安を解消する
- デジタルツールを効果的に活用：マルチメディアやモバイル最適化など、現代のテクノロジーを取り入れる
採用活動の最終段階である採用通知・内定通知の質を高めることで、優秀な人材の獲得率を向上させ、早期離職のリスクを低減することが可能です。
候補者一人ひとりを大切にする姿勢が、結果として組織の成長と発展につながるでしょう。
よくある質問（FAQ）
Q1: 採用通知と内定通知の法的な違いは何ですか？
A1: 採用通知は選考過程の合格を伝える文書で、法的拘束力は限定的です。
一方、内定通知は雇用契約の申込みとしての法的性質を持ち、候補者がこれを承諾することで始期付き解約権留保付労働契約が成立します。
内定通知には労働条件（職種、勤務地、給与など）の明示が法的に求められます。
Q2: 内定辞退を防ぐためにはどのような工夫が効果的ですか？
A2: 内定辞退を防ぐためには、以下の取り組みが効果的です。
- 定期的なコミュニケーションの継続
- 具体的な業務内容や配属先の早期明示
- 内定者同士の交流機会の提供
- 入社後のキャリアパスの具体的な提示
- 上司や同僚との事前面談の設定
- 入社前研修や自己啓発支援の実施
Q3: 採用通知・内定通知の送付タイミングはいつが最適ですか？
A3: 採用決定後、できるだけ早く（理想的には1-2営業日以内）通知するのが最適です。
週の終わりより始まりに送付する方が、候補者が質問や検討する時間を十分に確保できます。
また、長期休暇の直前は避け、候補者が疑問を持った際にすぐ連絡できる状況を作りましょう。
Q4: 条件交渉の可能性がある場合、通知書にはどう記載すべきですか？
A4: 条件交渉の可能性がある場合は、以下のように記載するのが効果的です。
- 基本条件を明確に示した上で、「ご経験やスキルに応じて調整可能」と明記
- 交渉可能な項目（給与、勤務地、勤務時間など）を具体的に示す
- 交渉のための面談や相談の機会を提案
- 交渉の窓口となる担当者の連絡先を明記
Q5: 複数の候補者に同時に採用通知を送る場合の注意点は？
A5: 複数の候補者に同時に通知を送る際は、以下の点に注意しましょう。
- 宛名や個人情報の取り違えを防ぐための二重チェック体制
- それぞれの候補者の評価ポイントを個別に記載（コピー&ペーストの回避）
- 同一ポジションへの採用の場合、条件の整合性の確認
- 返信期限の管理と未返信者への適切なフォローアップ
- BCC設定の確認など、個人情報保護への配慮
Q6: 英語での採用通知・内定通知を作成する際のポイントは？
A6: 英語での通知作成時は、以下の点に留意しましょう。
- 文化的な違いを考慮した表現の選択（直接的過ぎない敬意の示し方）
- 法的用語の正確な翻訳（特に雇用条件や契約関連）
- 日本特有の制度や慣行の補足説明
- 必要に応じて日英両言語での提供
- ネイティブチェックによる自然な表現の確認
