ビジネスシーンでは、相手に「何かを思い出させる」場面が頻繁にあります。
しかし、「リマインド」と「催促」という似て非なる2つの表現の使い分けに悩む方も多いのではないでしょうか。
実は、この2つの言葉は相手に与える印象が大きく異なるため、適切に使い分けることがビジネスマナーとして重要です。
この記事でわかること
- リマインドと催促の本質的な違い
- シチュエーション別の適切な使い分け方
- すぐに使えるリマインドと催促の例文・テンプレート
- 相手に不快感を与えない表現テクニック
- 効果的なフォローアップのタイミングと方法
それでは、ビジネスシーンで役立つリマインドと催促の違いと効果的な使い分け方を詳しく解説していきます。
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すぐに使えるリマインド・催促の例文テンプレート
ビジネスシーンですぐに活用できる例文とテンプレートを紹介します。
状況に応じて使い分けることで、スムーズなコミュニケーションが実現できます。
【リマインド】メール例文(敬語表現)
件名:【リマインド】○○について
○○様
お世話になっております。△△株式会社の□□です。
先日お願いしておりました○○についてリマインドさせていただきます。
提出期限は●月●日となっておりますので、ご確認いただければ幸いです。
ご多用のところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
△△株式会社
□□ ◇◇
【催促】メール例文(敬語表現)
件名:【ご確認のお願い】○○の件
○○様
お世話になっております。△△株式会社の□□です。
先日お願いしておりました○○について、提出期限(●月●日)が近づいております。
現在の進捗状況をお知らせいただけますと幸いです。
何かご不明点などございましたら、お気軽にご連絡ください。
ご多忙の折、大変恐縮ですが、ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。
△△株式会社
□□ ◇◇
ビジネスシーン別テンプレート
【リマインド】会議のお知らせ
件名:【リマインド】明日の会議について
プロジェクトメンバーの皆様
お疲れさまです。プロジェクトマネージャーの○○です。
明日の会議(●月●日 10:00~11:30 @会議室A)について
リマインドさせていただきます。
議題:
1. プロジェクト進捗確認
2. 次フェーズのスケジュール調整
3. 課題の共有と対応策検討
事前資料を添付しておりますので、ご確認をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
【催促】資料提出のお願い
件名:【ご提出のお願い】四半期報告書について
○○部 各位
お疲れさまです。経営企画部の□□です。
先日ご依頼しました四半期報告書の提出期限(●月●日)が
明後日に迫っております。
現時点でご提出いただいていない部署は、
期限内のご提出にご協力をお願いいたします。
フォーマットや提出方法についてご不明点がございましたら、
お気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
間違いやすいポイント
リマインドと催促の例文では、以下の点に注意しましょう
- リマインド:「思い出させる」という意図を明確にし、プレッシャーを与えない表現を使用
- 催促:「急かす」という意図を直接的に表現せず、状況確認や協力依頼の形で伝える
- 両方とも:相手の状況を配慮する言葉を入れる(「ご多用のところ恐縮ですが」など)
これらの例文は基本形ですので、相手との関係性や状況に応じてカスタマイズしてご利用ください。
リマインドと催促の基本的な違い
リマインドと催促は、似たような状況で使われることが多いですが、本質的な意味と相手に与える印象が大きく異なります。
ここでは、その基本的な違いを解説します。
リマインドの定義と特徴
リマインド(remind)とは、英語で「思い出させる」という意味を持つ言葉です。
ビジネスシーンでは、次のような特徴があります
- 目的: 相手が忘れている可能性のある情報を思い出させること
- ニュアンス: 相手を助ける・サポートするという友好的な意図
- 前提: 相手は対応する意思があるが、多忙などで記憶から抜けている可能性がある
- プレッシャー: 低い(思い出させるだけで、強制力は弱い)
催促の定義と特徴
催促とは、「早くするように促す」「急かす」という意味を持つ日本語です。
ビジネスシーンでは、次のような特徴があります
- 目的: 相手に行動を起こすよう促すこと
- ニュアンス: 期限や納期が迫っているという切迫感・緊急性
- 前提: 相手は対応が遅れている、または対応する意思が弱い可能性がある
- プレッシャー: 高い(行動を促すための強制力がある)
具体例で見る違い
シチュエーション | リマインド表現 | 催促表現 |
---|---|---|
会議の案内 | 「明日の会議についてリマインドさせていただきます」 | 「明日の会議の出欠確認がまだの方は至急ご連絡ください」 |
資料提出 | 「報告書の提出期限が来週である旨、お知らせいたします」 | 「報告書をまだご提出いただいていないようですので、早めのご対応をお願いいたします」 |
返信依頼 | 「先日お送りしたメールについてご確認いただけますと幸いです」 | 「先日のメールへの返信をお待ちしておりますので、なるべく早くご回答いただけますようお願いいたします」 |
間違いやすいポイント
「リマインド」と「催促」の使い分けで間違いやすいのは以下のような点です
- リマインドと言いながら実際は催促している(「リマインドですが、早急に対応してください」)
- 英語の「reminder」を直訳して使うケース(英語圏では催促の意味合いも含む場合がある)
- 催促をする必要がある場面でリマインドだけにとどめてしまう
相手に与える印象を考慮し、状況に応じた適切な表現を選ぶことが重要です。
ビジネスシーン別の使い分け方
ビジネスシーンによって、リマインドと催促の使い分けは異なります。
ここでは、代表的なシーンごとの適切な使い分け方を解説します。
社内コミュニケーションでの使い分け
社内での使い分けは、関係性やプロジェクトの性質によって調整が必要です。
上司への連絡
- リマインド向き: 定例報告、スケジュール確認、情報共有
- 例: 「先日ご相談した件について、ご検討いただけているかお知らせいただければ幸いです」
- 催促向き: 決裁や承認が滞っている場合(ただし表現に注意)
- 例: 「プロジェクト進行上、○○の承認が必要となっておりますので、ご確認をお願いできますでしょうか」
同僚への連絡
- リマインド向き: チーム内の情報共有、スケジュール調整
- 例: 「来週のミーティングの準備資料について、共有させていただきます」
- 催促向き: 締切が迫っている共同作業、自分の次のタスクに影響する場合
- 例: 「○○さんの作業が完了次第、次の工程に進めるので、進捗状況を教えていただけますか」
部下・後輩への連絡
- リマインド向き: 成長を促す場面、自主性を尊重したい場面
- 例: 「月次レポートの提出期限は今週金曜日です。何か質問があればいつでも聞いてくださいね」
- 催促向き: 納期遅延のリスクがある場合、指導が必要な場合
- 例: 「クライアントへの提出期限が迫っていますので、本日中に初稿をお願いします」
社外コミュニケーションでの使い分け
取引先や顧客とのコミュニケーションでは、より慎重な表現選びが必要です。
クライアント・顧客への連絡
- リマインド向き: 予定の確認、次回のアポイント、定期的な連絡
- 例: 「次回の打ち合わせ(5/15 15:00~)についてご連絡いたします」
- 催促向き: 契約書の返送、支払いの確認(ただし丁寧な表現を)
- 例: 「先日お送りした見積書について、ご検討状況をお聞かせいただけますと幸いです」
取引先への連絡
- リマインド向き: 定期的な業務連絡、情報更新
- 例: 「先日ご案内した新サービスについて、追加情報をお知らせいたします」
- 催促向き: 納品遅延、回答期限がある場合
- 例: 「プロジェクトのスケジュールに影響するため、今週中にご回答いただけますと助かります」
間違いやすいポイント
ビジネスシーン別の使い分けで注意すべき点
- 力関係による誤った選択: 上司だからといって催促を避け過ぎると、重要な期限を逃す原因に
- 関係性の誤認: 付き合いが長いからといって催促表現を軽くしすぎると、プロフェッショナルさに欠ける
- 状況の軽視: 緊急性が高い場合はリマインドよりも催促が適切な場合も
状況の緊急性、相手との関係性、ビジネス上の影響を総合的に判断して、適切な表現方法を選びましょう。
相手との関係性による表現の調整法
リマインドと催促の表現は、相手との関係性によって微調整することが重要です。
適切な表現を選ぶことで、相手に不快感を与えることなく目的を達成できます。
上下関係がある場合の表現
関係性によって表現方法を変えることで、コミュニケーションがスムーズになります。
目上の人への表現
- リマインド: より丁寧で控えめな表現を心がける
- 良い例:「先日ご相談させていただいた件について、お差し支えなければ進捗をお聞かせいただけますと幸いです」
- 避けるべき例:「先日の件、どうなりましたか?」
- 催促: 直接的な催促は避け、自分側の状況説明を交えて伝える
- 良い例:「○○プロジェクトの次のステップに進むため、ご承認をいただけますと助かります」
- 避けるべき例:「早急にご返答ください」
同僚・同期への表現
- リマインド: カジュアルながらも敬意を示す表現
- 良い例:「先日お願いした資料について、準備状況を教えてもらえるとありがたいです」
- 避けるべき例:「資料まだ?」
- 催促: 協力を求める形で表現
- 良い例:「明日の会議で使用するため、今日中に資料をシェアしてもらえると助かります」
- 避けるべき例:「もう期限過ぎてるよ、早く出して」
部下・後輩への表現
- リマインド: 指導的要素を含めつつ、成長を促す表現
- 良い例:「レポートの提出期限は明日までだよ。何か困っていることはある?」
- 避けるべき例:「明日締切だから忘れないでね」(やや子ども扱い)
- 催促: 明確に期待を伝えつつ、サポートの姿勢も示す
- 良い例:「クライアントへの提出が迫っているので、今日の17時までに完了してください。サポートが必要なら言ってください」
- 避けるべき例:「まだ終わってないの?早くして」
社内と社外での表現の違い
社内と社外では、使用する表現のフォーマリティが異なります。
社内向け表現のポイント
- より実務的・具体的な表現が可能
- 社内用語や略語を使用できる
- チャットやメッセンジャーなど、カジュアルな媒体も活用可能
- 例:「週報のリマインドです。今日中の提出をお願いします」
社外向け表現のポイント
- 常に丁寧語・敬語を基本とする
- 具体的な期限や条件を明記する
- 必ず感謝や謝意を表現に含める
- 例:「先日ご案内申し上げました商品資料につきまして、ご検討状況をお聞かせいただけますと幸いです」
具体例:同じ内容でも関係性による表現の違い
ある企画書へのフィードバック依頼の例
対象 | リマインド表現 | 催促表現 |
---|---|---|
上司 | 「先日提出した企画書について、ご都合のよろしいときにご意見をいただけますと幸いです」 | 「企画書について、来週のプレゼンまでに方向性を固めたいため、今週中にご意見をいただけますと助かります」 |
同僚 | 「先日共有した企画書、もし目を通していたら感想を聞かせてもらえるとうれしいです」 | 「企画書のフィードバック、明日の会議前に欲しいんだ。今日中に見てもらえる?」 |
部下 | 「先日の企画書、読んでみてどう思った?気づいたことがあれば教えてね」 | 「企画書のフィードバック、明日の朝会議で使いたいから、今日の終業時間までに出してください」 |
取引先 | 「先日お送りした企画書について、お目通しいただけましたでしょうか。ご質問などございましたら、お気軽にお知らせください」 | 「先日お送りした企画書につきまして、今月末までに方向性を決定する必要があるため、今週中にご意見をいただけますと幸いです」 |
間違いやすいポイント
関係性による表現調整で間違いやすいポイント
- 過度な敬語: 複雑な敬語表現が逆に相手に負担をかけることも(「ご高覧いただけますでしょうか」など)
- 親しさの誤認: 長い付き合いだからといって砕けすぎた表現を使うと、プロ意識が疑われる
- 過剰な遠慮: 特に上司への催促が必要な場面で遠慮しすぎると、ビジネス上の問題が生じることも
相手との関係性を考慮しつつも、ビジネスの目的を達成するためのコミュニケーションであることを忘れないようにしましょう。
効果的なタイミングと頻度
リマインドや催促の効果は、送るタイミングや頻度によって大きく変わります。
ここでは、最適なタイミングと適切な頻度について解説します。
リマインドの最適なタイミング
リマインドは、相手が行動に移せる余裕を持ったタイミングで送ることが重要です。
期限ベースのタイミング
- 長期的な締切(1ヶ月以上先): 締切の2週間前と1週間前
- 中期的な締切(2週間〜1ヶ月): 締切の1週間前と3日前
- 短期的な締切(1週間以内): 締切の3日前と前日
イベントベースのタイミング
- 会議・ミーティング: 1週間前と前日(重要な会議)、前日(通常の会議)
- 提出物・納品: 提出日の3営業日前
- イベント参加: 1週間前と前日
催促の適切なタイミング
催促は、期限との関係で適切なタイミングを選ぶことが重要です。
期限前の催促
- 最初の催促: 期限の2〜3日前(余裕をもって対応できるタイミング)
- 再催促: 期限の前日(最終確認として)
期限後の催促
- 初回: 期限経過後1営業日以内(すぐに、しかし焦らせない)
- 2回目: 期限経過後3営業日以内(状況確認を兼ねて)
- 最終: 期限経過後1週間以内(対応方針を明確にする)
適切な頻度とエスカレーション
リマインドや催促を繰り返す場合の適切な頻度と、状況に応じたエスカレーション方法について説明します。
基本的な頻度のガイドライン
状況 | リマインドの頻度 | 催促の頻度 |
---|---|---|
低緊急度 | 1〜2回のみ | 最大2回まで |
中緊急度 | 初回+期限直前 | 期限前+期限後 |
高緊急度 | 複数回(ただし間隔を空ける) | 3回まで+エスカレーション |
効果的なエスカレーション手順
- 媒体の変更: メール → 電話 → 直接会話
- 対象者の拡大: 当事者 → 関係者 → 上長
- 言葉遣いの変化: リマインド → 状況確認 → 催促 → 最終通知
具体例:プロジェクト資料の提出依頼
プロジェクト資料(提出期限:6/30)の場合
日付 | リマインド/催促 | 内容 |
---|---|---|
6/20 | リマインド | 「6/30締切の資料について、準備状況を確認させていただきます」 |
6/27 | リマインド | 「6/30締切の資料について、再度お知らせいたします」 |
6/29 | 催促 | 「明日が提出期限となっておりますので、進捗状況をお知らせいただけますでしょうか」 |
7/1 | 催促 | 「昨日が提出期限でしたが、まだ受領しておりません。状況をお知らせください」 |
7/3 | 最終催促 | 「資料について、今週中の提出が必要です。何か問題がありましたらご連絡ください」 |
間違いやすいポイント
タイミングと頻度に関する間違いやすいポイント
- 一度に大量のリマインド: 複数の事項を一度にリマインドすると効果が薄れる
- 間隔が短すぎる催促: 前回の催促から十分な時間(少なくとも1営業日)を空けない
- 時間帯への配慮不足: 夜間や休日直前のリマインド・催促は避ける
- 期限までの余裕のなさ: 対応に必要な時間を考慮せず、期限直前にリマインドする
効果的なリマインドと催促は、相手の立場を考えたタイミングと適切な頻度で行うことが成功の鍵です。
NGパターンと改善例
リマインドや催促の表現方法を誤ると、相手に不快感を与えたり、逆効果になったりすることがあります。
ここでは、避けるべきNGパターンとその改善例を紹介します。
リマインドのNGパターン
リマインドは相手をサポートする意図で行うものですが、以下のような表現は避けるべきです。
1. 上から目線のリマインド
- NG例: 「前回の指示を忘れていませんか?明日が締切ですよ」
- 改善例: 「先日お願いした件について、明日が締切となっておりますので、お知らせいたします」
- 改善ポイント: 相手が「忘れている」と決めつけず、単に情報提供として伝える
2. 責任転嫁型リマインド
- NG例: 「前回メールしたのに返信がないので、再度リマインドします」
- 改善例: 「先日ご連絡した件について、改めてご案内させていただきます」
- 改善ポイント: 相手の対応不足を指摘せず、自分からの再案内として伝える
3. 曖昧すぎるリマインド
- NG例: 「例の件、よろしくお願いします」
- 改善例: 「5/15に依頼した四半期レポートについて、提出期限(5/30)が近づいておりますので、お知らせいたします」
- 改善ポイント: 具体的な内容、日付、期限を明記する
催促のNGパターン
催促はビジネス上必要な場面がありますが、以下のような表現は相手の反感を買う可能性があります。
1. 命令口調の催促
- NG例: 「報告書を今すぐ提出してください。期限を過ぎています」
- 改善例: 「報告書の提出期限が過ぎておりますが、進捗状況をお聞かせいただけますでしょうか」
- 改善ポイント: 命令ではなく、状況確認の形にする
2. 感情的な催促
- NG例: 「何度も言っていますが、まだ提出されていません。困っています」
- 改善例: 「事前にお願いしておりました資料につきまして、プロジェクトの進行上必要となっておりますので、ご提出をお願いいたします」
- 改善ポイント: 個人的な感情ではなく、ビジネス上の必要性を伝える
3. 脅迫的な催促
- NG例: 「このままでは上長に報告せざるを得ません」
- 改善例: 「期日までにご提出が難しい場合は、今後のスケジュール調整が必要ですので、現状をお知らせください」
- 改善ポイント: 脅しではなく、次のステップの提案として伝える
メディア別のNGパターン
コミュニケーション媒体によっても、避けるべき表現パターンが異なります。
メールでのNG表現
- 件名のNG: 「【至急】【重要】【催促】」の乱用
- 改善策: 内容を簡潔に表す件名(例:「会議資料の提出について(5/30締切)」)
- 本文のNG: 長文での言い訳や説明の羅列
- 改善策: 要点を箇条書きにし、最初に目的を明記する
チャットツールでのNG表現
- NG例: 「?」「まだ?」などの単語だけのメッセージ
- 改善例: 「先ほどお願いした資料、準備状況を教えていただけますか?」
- 改善ポイント: 最低限の文脈情報を含める
電話でのNG表現
- NG例: いきなり催促から入る(「資料まだですか?」)
- 改善例: 「お時間よろしいですか?先日お願いした資料について確認させてください」
- 改善ポイント: まず相手の状況を確認してから本題に入る
実践的な改善例:シチュエーション別
シチュエーション1:期限を過ぎた報告書
- NG例: 「報告書がまだ提出されていませんが、いつになりますか?」
- 改善例: 「先日依頼した報告書について、現在の進捗状況をお聞かせいただけますか?何かお手伝いできることがあれば対応いたします」
- 改善ポイント: 状況確認とサポート姿勢を示す
シチュエーション2:返信がない案件
- NG例: 「先週送ったメールの返信がまだですが」
- 改善例: 「先週ご相談した件について、検討状況をお知らせいただけますと今後の計画に反映できますので、ご連絡いただけると幸いです」
- 改善ポイント: 返信が必要な理由を具体的に伝える
シチュエーション3:会議の欠席者フォロー
- NG例: 「会議を欠席したので、資料を確認しておいてください」
- 改善例: 「本日の会議にご参加いただけなかったため、議事録と資料を共有いたします。特に◯◯の部分についてご確認いただけますと助かります」
- 改善ポイント: 単なる指示ではなく、重要ポイントを明示する
間違いやすいポイント
リマインドと催促に関する表現の間違いやすいポイント
- 「念のため」の乱用: 「念のため」という言葉で催促を和らげようとする過剰な使用
- 敬語の誤用: 「ご確認の程、宜しくお願い申し上げます」などの形式的な敬語の連続
- 謝罪の過剰使用: 「大変恐縮ですが」「申し訳ございませんが」の乱用
- 言い訳の付加: 自分の状況説明が長くなりすぎる
適切な表現方法を身につけることで、相手に不快感を与えることなく、効果的なリマインドや催促ができるようになります。
リマインド・催促後のフォロー方法
リマインドや催促を送った後の対応も、ビジネスコミュニケーションにおいて重要です。
適切なフォロー方法を実践することで、相手との良好な関係を維持しながら目的を達成できます。
リマインド後のフォロー方法
リマインド後のフォローは、相手の対応状況に合わせて行いましょう。
相手が対応してくれた場合
- 感謝の意を表す: 迅速な対応への感謝を伝える
- 例:「ご対応いただき、ありがとうございます。大変助かりました」
- 結果の共有: 対応により得られた成果を共有する
- 例:「いただいた情報を基に、プロジェクトを予定通り進めることができました」
相手が未対応の場合
- 状況確認: 対応が難しい理由がないか確認する
- 例:「ご多用のところ恐れ入りますが、何か進行上の課題がございましたらお知らせください」
- サポートの提案: 必要なサポートを提案する
- 例:「必要な情報や資料がありましたら、ご用意いたしますのでお申し付けください」
催促後のフォロー方法
催促後のフォローは、より慎重に行う必要があります。
相手が対応してくれた場合
- 感謝と理解: 感謝と状況理解を示す
- 例:「ご対応いただき、誠にありがとうございます。お忙しい中、対応いただき感謝しております」
- 今後の改善提案: 必要に応じて今後のプロセス改善を提案
- 例:「今後はより余裕をもってご連絡できるよう調整いたします」
催促しても未対応の場合
- 別のアプローチの検討: メディアの変更や直接会話の提案
- 例:「ご検討状況について、お電話でもご説明可能ですので、ご都合のよい時間帯をお知らせください」
- エスカレーション: 必要に応じて関係者を含めた対応
- 例:「○○プロジェクトの進行に影響するため、△△さんにもご相談させていただきました」
効果的なフォローのタイミング
フォローのタイミングも重要な要素です。
フォロータイプ | 最適なタイミング |
---|---|
対応への感謝 | 対応受領後24時間以内 |
未対応の確認 | リマインド後2-3営業日後 |
催促後の最終確認 | 催促後1-2営業日後 |
エスカレーション | 複数回の催促後(3回目以降) |
具体例:プロジェクト報告書のケース
プロジェクト報告書の提出依頼における一連のフローの例
- 初回依頼:「第2四半期のプロジェクト報告書の作成をお願いします(期限:6/15)」
- リマインド:(6/10)「報告書の提出期限が近づいておりますので、お知らせいたします」
- 相手の反応:「作成中です。少し時間がかかりそうです」
- フォロー:「進捗状況をお知らせいただき、ありがとうございます。何かサポートが必要でしたらお申し付けください」
- 期限当日:「本日が提出期限となっておりますが、進捗はいかがでしょうか」
- 相手の対応:報告書の提出
- 最終フォロー:「ご提出いただき、ありがとうございます。内容を確認し、必要があればご連絡いたします」
間違いやすいポイント
フォロー時の間違いやすいポイント
- 過度なプレッシャー: 対応後も「遅れた」ことを指摘し続ける
- フォロー不足: 対応・未対応にかかわらず、何のフォローもしない
- 感謝の欠如: 対応してもらったにもかかわらず、感謝の意を表さない
- フォローのタイミングミス: 対応を受けてから何日も経ってからフォローする
適切なフォローを行うことで、一回のコミュニケーションだけでなく、長期的な関係構築にも良い影響を与えることができます。
まとめ:相手を尊重した効果的なコミュニケーション
ビジネスシーンにおけるリマインドと催促の違いを理解し、適切な使い分けができることは、プロフェッショナルなコミュニケーションのために不可欠なスキルです。
この記事の要点をまとめます。
リマインドと催促の本質的な違い
- リマインド:相手を思いやる「思い出させる」行為
- 目的は情報の共有とサポート
- プレッシャーを与えない表現が基本
- 相手の自主性を尊重する姿勢が重要
- 催促:行動を促す「急かす」行為
- 目的は行動の喚起と期限の厳守
- ある程度のプレッシャーを伴うが丁寧さが必要
- ビジネス上の必要性を明確に伝える
効果的な使い分けのポイント
- 状況の適切な判断:緊急性、重要性、相手との関係性を総合的に判断する
- 適切な表現の選択:相手に与える印象を考慮した言葉遣いを心がける
- 最適なタイミングと頻度:効果的なタイミングで適切な頻度のコミュニケーションを行う
- フォローの徹底:リマインドや催促後の適切なフォローにより信頼関係を構築する
ビジネスコミュニケーションの成功要因
- 相手の立場への配慮:相手の状況を想像し、適切な表現を選ぶ
- 明確な目的意識:なぜリマインドや催促が必要なのかを明確にする
- 良好な関係構築:一時的な目標達成だけでなく、長期的な関係構築を意識する
- 自己改善の姿勢:効果がなかった場合は自分のアプローチを見直す
リマインドと催促は、ビジネスの進行において不可欠な要素です。
しかし、その使い方一つで相手に与える印象は大きく変わります。
相手を尊重し、状況を適切に判断した上で、効果的なコミュニケーションを心がけましょう。
ビジネスの現場では、リマインドと催促をうまく使い分けることで、円滑なプロジェクト進行と良好な人間関係の両方を実現できます。
この記事で紹介した具体例やテンプレートを参考に、ぜひ実践してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q1:リマインドと催促、どちらが失礼にあたりますか?
A1:どちらも状況と表現方法によります。
一般的に催促の方がプレッシャーを与える要素が強いため、より丁寧な表現が求められます。
リマインドも敬意を欠いた表現では失礼になりますので、相手の立場を考えた言葉遣いを心がけましょう。
Q2:英語での「Reminder」と日本語の「リマインド」はニュアンスが違いますか?
A2:はい、違います。英語の「Reminder」は単に「思い出させる」という意味だけでなく、期限が迫っていることを知らせる「催促」のニュアンスも含みます。
一方、日本語の「リマインド」は主に「思い出させる」という穏やかな意味合いで使われることが多いです。
Q3:催促しても返信がない場合、何回まで連絡すべきですか?
A3:一般的には3回程度が目安です。
1回目は丁寧なリマインド、2回目は状況確認を含めた催促、3回目は最終催促としてエスカレーションの可能性を示唆するとよいでしょう。
ただし、案件の緊急性や重要性によって判断が必要です。
Q4:上司への催促はどのように行うべきですか?
A4:直接的な催促は避け、自分側の状況説明や期限の確認という形で伝えるのが効果的です。
例えば「○○の件について、◯日までに方向性を決める必要があるため、ご意見をいただける時期をお教えいただけますか」といった表現が適切です。
Q5:リマインドと催促のメールの件名は何が適切ですか?
A5:リマインドの場合は「【リマインド】○○について」「○○のご確認について」など情報提供の形式が適切です。
催促の場合は「【ご確認のお願い】○○の件」「○○の提出期限について(お急ぎ)」など、緊急性を伝えつつも強すぎない表現がよいでしょう。
Q6:チャットツールでのリマインドと催促の違いはありますか?
A6:チャットはカジュアルな印象を与えるため、催促の場合は特に言葉遣いに注意が必要です。
また、既読機能がある場合は、相手が既読にしていることを前提に「見ていますよね」といった表現は避けるべきです。
必要に応じてメールなど正式な手段に切り替えることも検討しましょう。
Q7:英語でのリマインドと催促の表現の違いは?
A7:英語でのリマインドは “Just a friendly reminder that…” や “I’d like to remind you that…” などの表現を使います。
催促の場合は “I’m following up on…” や “I wanted to check the status of…” などがよく使われます。
より強い催促の場合は “This is urgent…” や “We need your response by…” などの表現になります。