「よって」は、報告書やビジネス文書などでよく使われる表現です。
たとえば、
調査の結果、現行システムでは対応が困難であることが判明しました。
よって、システムを更新することといたします。
のように使います。
この場合の「よって」は、前に述べた理由・根拠を受けて、そこから導かれる結果や結論を示す表現です。
意味の近い言葉には、
- したがって
- そのため
- このため
- そこで
などがあります。
また、ビジネス文書では「つきましては」と迷うこともありますが、両者は役割が異なります。
簡単にいうと、
よって
→ 理由・根拠から「結果・結論」を導く
つきましては
→ 前述の事情を受けて「案内・依頼・対応」へ話を進める
という違いがあります。
この記事では、「よって」の意味・使い方から、「したがって」との違い、文頭での使い方、敬語、書き言葉、ビジネス例文、言い換えまでまとめて解説します。
- 「よって」の意味とは?
- 「よって」の使い方
- 「よって」は接続詞?
- 「よって」は文頭に使える?
- 「よって」は書き言葉?話し言葉?
- 「よって」は敬語?
- 「よって」はビジネスで使える?
- ビジネスメールで「よって」は使える?
- 「よって」の例文
- 「よって」と「したがって」の違い
- 「よって」と「したがって」は置き換えられる?
- 「したがって」はビジネスで使える?
- 「よって」と「そのため」の違い
- 「よって」と「そこで」の違い
- 「よって」と「つきましては」の違い
- 「つきまして」と「つきましては」は同じ?
- 「よって」の言い換え10選
- 「よって」の丁寧な言い方は?
- 「依って」と「よって」はどう違う?
- 「よって」を使うときの注意点
- 「よって」を使ったビジネスメール例文
- 「したがって」を使ったビジネスメール例文
- 「つきましては」を使ったビジネスメール例文
- よくある質問
- まとめ|「よって」は理由から結果・結論を導く表現
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「よって」の意味とは?
接続語として使う「よって」には、
前に述べた内容を理由・根拠として、その結果や結論を示す
働きがあります。
基本例
本日は悪天候が予想されています。
よって、イベントを中止いたします。
前の文に「悪天候が予想される」という理由があります。
そこから、
イベントを中止する
という結果・決定を導いています。
つまり、
理由・根拠 → よって → 結果・結論
という構造です。
「よって」の使い方
「よって」は、前後に論理的なつながりがある場合に使います。
原因から結果を示す
原材料費が大幅に上昇しております。
よって、販売価格を改定いたします。
調査結果から判断を示す
調査の結果、現在の設備では生産量の増加に対応できないことが判明しました。
よって、設備更新を実施することといたします。
条件から結論を示す
必要な承認が得られておりません。
よって、現段階では契約を締結できません。
ポイントは、前の内容と後ろの結論の間に理由・結果の関係があることです。
「よって」は接続詞?
「よって、~」のように前の文を受けて後ろの文へつなぐ場合は、接続的な働きをします。
例
本サービスは本日をもって終了いたします。
よって、明日以降はご利用いただけません。
ただし、「よって」という形が出てきたら、すべて同じ意味というわけではありません。
たとえば、
状況によって判断する。
規定によって決定する。
の「によって」は、「よって、したがって」という接続語とは別の使い方です。
検索するときも、
「よって、○○する」
と、
「○○によって」
は分けて考えるとわかりやすいでしょう。
「よって」は文頭に使える?
使えます。
むしろ、前の文を受けて結論を示す場合には、文頭に置く使い方がよく見られます。
正しい例
採算性を再検討した結果、当初の計画では収益確保が困難であると判断しました。
よって、本計画を見直すことといたします。
別の例
本日の会議では全員の合意を得ることができませんでした。
よって、最終決定は次回会議へ持ち越します。
一方、文章の冒頭第一文で突然、
よって、本件を中止します。
と書くと、「何を根拠にした結果なのか」がわかりません。
「よって」は、前に受ける内容があって初めて機能する表現です。
「よって」は書き言葉?話し言葉?
「よって」は、書き言葉で特に使われやすい硬めの表現です。
報告書・説明文・通知文・議事録などと相性があります。
書き言葉
売上が計画を大幅に下回りました。よって、販売戦略を見直します。
日常会話
売上がかなり下がったので、販売戦略を見直します。
会話で「よって」を使っても間違いではありませんが、少し硬く聞こえることがあります。
会話では、
- だから
- なので
- そのため
などの方が自然な場合があります。
「よって」は敬語?
「よって」自体は敬語ではありません。
「よって」は文と文の関係を示す表現なので、尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれかに分類するものではありません。
敬意は後ろの表現で示します。
普通形
よって、計画を変更する。
丁寧
よって、計画を変更します。
ビジネス向け
よって、計画を変更いたします。
したがって、「よって」を敬語にするために別の語へ変えなければならないわけではありません。
「よって」はビジネスで使える?
使えます。
特に、
- 報告書
- 稟議書
- 会議資料
- 分析資料
- 社内通知
- 決定事項の説明
など、理由から結論を示したい文章に向いています。
社内報告
現在の設備では増産への対応が困難です。
よって、新設備の導入を検討いたします。
決定通知
社内で協議した結果、現行案での実施は困難であると判断いたしました。
よって、計画を一部変更いたします。
分析資料
若年層の利用率が前年比20%増加しています。
よって、今後は若年層向け施策を強化する必要があります。
ビジネスメールで「よって」は使える?
使えます。
ただし、やや硬い印象があるため、相手や内容によっては「そのため」などの方が自然です。
よって
原材料の入荷が遅れております。
よって、当初予定していた納品日に間に合わない見込みです。
そのため
原材料の入荷が遅れております。
そのため、当初予定していた納品日に間に合わない見込みです。
取引先への一般的なメールでは、後者の方が柔らかく感じられることもあります。
一方、判断や決定を論理的にはっきり示したい場合には「よって」が適しています。
「よって」の例文
検索でも多い「よって 例文」を、使い方別に見てみましょう。
結果を示す
大雨の影響により鉄道が運休しております。よって、本日の研修は中止いたします。
決定を示す
審査の結果、すべての条件を満たしていることを確認しました。よって、本案を採用いたします。
判断を示す
現在のスケジュールでは品質の確保が困難です。よって、納期の再調整が必要だと判断しております。
報告書
アンケートでは利用者の70%が改善を希望しています。よって、機能改修の優先度は高いと考えられます。
社内通知
台風の接近により公共交通機関への影響が予想されます。よって、本日は全社員を対象に在宅勤務へ切り替えます。
会議
現時点では必要なデータがそろっていません。よって、結論は次回会議で出すこととします。
「よって」と「したがって」の違い
「よって」と「したがって」は非常によく似ています。
どちらも、
前に述べた内容から結果・結論を導く
場合に使えます。
よって
費用が予算を上回りました。よって、計画を見直します。
したがって
費用が予算を上回りました。したがって、計画を見直します。
どちらも意味は通じます。
大きな違いは文体や印象です。
| 表現 | 特徴 |
|---|---|
| よって | 簡潔・硬め・文書的 |
| したがって | 論理的だが比較的一般的 |
| そのため | 柔らかく説明的 |
| そこで | 状況を受けた対応・行動を示しやすい |
「よって」と「したがって」に絶対的な使い分けルールがあるわけではありません。
文章全体の硬さや流れで選びます。
「よって」と「したがって」は置き換えられる?
多くの文では置き換えられます。
よって
現行システムでは処理速度が不足しています。よって、新システムへの移行が必要です。
したがって
現行システムでは処理速度が不足しています。したがって、新システムへの移行が必要です。
どちらも自然です。
「よって」は少し硬く簡潔で、「したがって」は論理を順番に説明する文章になじみやすい傾向があります。
「したがって」はビジネスで使える?
問題なく使えます。
例
今後も原材料価格の上昇が続くと予想されます。したがって、仕入れ方法の見直しが必要です。
現在の人員では対応できる件数に限界があります。したがって、業務体制の再検討を進めます。
報告書や説明資料など、論理的に話を進めたい場面で使いやすい表現です。
「よって」と「そのため」の違い
どちらも原因から結果へつなぐことができます。
よって
システム障害が発生しております。よって、一部サービスを停止いたします。
そのため
システム障害が発生しております。そのため、一部サービスを停止しております。
「そのため」は原因と結果を自然につなぐ一般的な表現です。
「よって」は、そこから判断・結論を導く印象が比較的強くなります。
取引先メールで硬さを抑えたいなら、「そのため」が使いやすいでしょう。
「よって」と「そこで」の違い
「そこで」は、ある問題・状況を受けて、対応策や行動を示すときに使いやすい表現です。
よって
売上が大幅に減少しています。よって、事業計画を見直します。
原因から結論を示しています。
そこで
売上が大幅に減少しています。そこで、新たな販売施策を実施することにしました。
問題を受けて「では、どうするか」という行動へ進んでいます。
つまり、
よって
→ 結果・結論
そこで
→ 状況を受けた対応・行動
という違いを意識すると使いやすくなります。
「よって」と「つきましては」の違い
この2つは、ビジネス文書で混同されやすい表現です。
よって
理由・根拠から結果や結論を導きます。
採算性が確保できないと判断いたしました。
よって、本事業を終了いたします。
つきましては
前述した事情を受け、それに関連する案内・依頼・対応などへ話を進めます。
本事業を今月末で終了することとなりました。
つきましては、今後のお手続きについて下記のとおりご案内いたします。
この例なら、
事業を終了するという結論
→ よって
その結論を受けて案内する
→ つきましては
という違いがよくわかります。
「つきまして」と「つきましては」は同じ?
単純に、
「つきましては」の方が「つきまして」より丁寧
という関係ではありません。
使い方が異なる場合があります。
「~につきまして」
「~について」の丁寧な言い方として使えます。
本件につきまして、ご説明いたします。
接続的な「つきましては」
前述した事情を受けて、次の話題へ進みます。
来月より事務所を移転することとなりました。つきましては、新住所をご案内いたします。
「は」が付けば敬語レベルが上がる、と機械的に考えない方がよいでしょう。
「よって」の言い換え10選
「よって」が硬すぎる、何度も続いてしまう場合は、文脈に応じて言い換えられます。
1.したがって
論理的な結論を示します。
需要が増加しています。したがって、増産が必要です。
2.そのため
原因から結果を自然につなぎます。
原料の入荷が遅れています。そのため、納期が変更となります。
3.このため
直前の事情を原因として示します。
機器に不具合が確認されました。このため、運転を停止しています。
4.そこで
問題や状況を受けて取る行動を示します。
問い合わせが増加しています。そこで、サポート体制を強化しました。
5.以上から
複数の説明や分析をまとめて結論へ進む場合に使います。
以上から、本案を採用することが適切だと判断します。
6.以上の理由から
結論の根拠を明確にしたい場合に使います。
以上の理由から、現行プランを継続することといたします。
7.その結果
実際に生じた結果を示す場合に適しています。
業務フローを見直しました。その結果、作業時間を短縮できました。
8.これにより
ある出来事や対応によって起きる結果を示します。
新システムを導入します。これにより、処理時間の短縮が見込まれます。
9.ゆえに
「よって」と同様に結論を示せますが、かなり硬い表現です。
前提が成立しない。ゆえに、この結論も成立しない。
日常的なビジネスメールではあまり多用しません。
10.つきましては
完全な同義語ではありません。
理由から結論を示すのではなく、前の事情を受けて案内や依頼へ進む場合に使えます。
新システムへの切り替えが決定いたしました。つきましては、説明会を開催いたします。
「よって」の丁寧な言い方は?
「よって」そのものを丁寧語へ変える必要はありません。
丁寧にしたい場合は、その後の文章を整えます。
普通
よって、計画を変更する。
丁寧
よって、計画を変更します。
改まった表現
よって、計画を変更いたします。
ただし、相手への印象を柔らかくしたい場合には、
そのため
などへ言い換える方法もあります。
「依って」と「よって」はどう違う?
「依って」という漢字表記を見かけることがあります。
ただし、現在の一般的な文章で、接続的に
よって、次のとおり決定する。
と書く場合は、**ひらがなの「よって」**にしておけば自然です。
一方、
規定に依って判断する
のような漢字表記は、現代の一般的な文章では「規定によって判断する」と仮名で書く方が読みやすいでしょう。
ビジネス文書でも、特別な理由がなければ「よって」で問題ありません。
「よって」を使うときの注意点
便利な表現ですが、何にでも使えるわけではありません。
因果関係がない文には使わない
不自然な例です。
会議が終了しました。よって、昼食を食べました。
「会議終了」が「昼食を食べる」という結論の論理的な根拠になっているとは限りません。
単なる時系列なら、
会議が終了しました。その後、昼食を取りました。
の方が自然です。
追加情報には使わない
会議は10時からです。よって、資料は3種類あります。
前後に因果関係がありません。
この場合は、
会議は10時からです。また、資料は3種類あります。
などが適しています。
同じ文章で何度も使わない
「よって」が何度も続くと、論文のように硬い文章になりやすくなります。
「したがって」「そのため」「このため」などと、意味に応じて使い分けましょう。
「よって」を使ったビジネスメール例文
計画変更を知らせる
件名:〇〇計画変更のお知らせ
〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇計画につきまして社内で再検討を行いましたところ、現在のスケジュールでは十分な品質を確保することが難しいとの結論に至りました。
よって、実施予定日を〇月〇日へ変更いたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。
引き続きよろしくお願いいたします。
「したがって」を使ったビジネスメール例文
〇〇様
いつもお世話になっております。
現在、原材料の供給が不安定な状況が続いております。
したがって、従来どおりの納期を確約することが難しい状況です。
納期につきましては、詳細が確定次第あらためてご連絡いたします。
何卒ご理解いただけますと幸いです。
「つきましては」を使ったビジネスメール例文
〇〇様
いつもお世話になっております。
弊社では〇月〇日より、新しい受注システムへ移行することとなりました。
つきましては、今後のご注文方法について下記のとおりご案内いたします。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
よくある質問
Q1.「よって」とはどういう意味ですか?
前に述べた理由・根拠を受けて、そこから導かれる結果や結論を示す表現です。
Q2.「よって」は接続詞ですか?
「よって、~」と前文を受けて次の文につなぐ場合、接続的な働きをします。
「状況によって」のような「によって」とは用法が異なります。
Q3.「よって」は文頭に使えますか?
使えます。
ただし、それより前に理由や根拠となる内容が必要です。
Q4.「よって」は敬語ですか?
敬語ではありません。
文章を丁寧にする場合は、「よって、変更いたします」のように後ろの述語を敬語にします。
Q5.「よって」はビジネスメールで使えますか?
使えます。
ただし硬めの表現なので、一般的な取引先メールでは「そのため」の方が柔らかく自然なこともあります。
Q6.「よって」と「したがって」の違いは?
どちらも理由や前提から結論を導く表現です。
「よって」は比較的硬く簡潔で、「したがって」は論理的な説明文にもなじみやすい傾向があります。
Q7.「よって」は書き言葉ですか?
書き言葉で特に使われやすい表現です。
会話では「だから」「なので」「そのため」などが自然な場合があります。
Q8.「よって」の言い換えは?
「したがって」「そのため」「このため」「そこで」「以上から」などがあります。
前後の関係によって使い分けます。
Q9.「よって」と「つきましては」は同じ意味?
同じではありません。
「よって」は理由から結果・結論へ進み、「つきましては」は前述した事情から関連する案内・依頼などへ話を進める場合に使われます。
Q10.「よって、」の後に読点は必要?
文頭で接続的に使う場合、
よって、次のとおり決定します。
のように読点を置くと読みやすくなります。
ただし、読点の有無だけで機械的に正誤が決まるわけではありません。
まとめ|「よって」は理由から結果・結論を導く表現
「よって」は、前に述べた理由や根拠から、結果・結論を導くときに使います。
基本形は、
理由・根拠。よって、結果・結論。
です。
使い分けをまとめると、
よって
→ 理由・根拠から結果や結論を導く。硬め・文書的
したがって
→ 理由・前提から論理的な結論を導く
そのため
→ 原因から結果を自然に説明する
そこで
→ 状況を受けて対応・行動へ進む
つきましては
→ 前述の事情を受け、関連する案内・依頼へ進む
という違いがあります。
「よって」はビジネスでも使える表現ですが、常に一番適切とは限りません。
結論を論理的にはっきり示したいなら「よって」、一般的な説明なら「そのため」、相手への案内・依頼へ進むなら「つきましては」と考えると使い分けやすくなります。
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