7月のビジネス時候の挨拶は、梅雨明けとともに本格的な夏を迎える季節感を表現する重要なコミュニケーション要素です。
この記事では、職場や取引先で信頼関係を築く7月の時候の挨拶を30例、シーン別・相手別に整理しました。
格式高い漢語調から親しみやすい口語調まで、すべて実際のビジネスシーンで参考にできる実用的な表現ばかりです。
この記事を読めば、どんな相手・場面でも適切な7月の時候の挨拶が使えるようになります。
7月の時候の挨拶の基本知識
7月の季節の特徴
7月は梅雨明けとともに本格的な夏を迎える時期です。
二十四節気では
- 小暑(7月7日頃):本格的な暑さの始まり
- 大暑(7月23日頃):一年で最も暑い時期
この季節感を踏まえた時候の挨拶を選ぶことで、相手への気遣いと季節への敏感さを表現できます。
漢語調と口語調の使い分け
✅ 漢語調(格式重視)
- 取引先・目上の方向け
- 「〇〇の候」「〇〇のみぎり」という形式
- 簡潔で丁寧な印象
✅ 口語調(親しみやすさ重視)
- 職場の同僚・部下向け
- 自然な話し言葉に近い表現
- 温かみのある印象
【7月上旬】梅雨明け・七夕の時候の挨拶(10選)
漢語調(格式高い表現)
例文1:長雨の候を使った挨拶
時候の挨拶:
長雨の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
ポイント: 梅雨が続く7月上旬に適した表現。梅雨明け前の時期に最適です。
例文2:七夕の候を使った挨拶
時候の挨拶:
七夕の候、○○様におかれましてはいよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。
ポイント: 7月7日前後の限定的な表現。季節感を重視する相手に効果的です。
例文3:星祭の候を使った挨拶
時候の挨拶:
星祭のみぎり、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ポイント: 七夕の別名「星祭」を使用。知的で上品な印象を与えます。
例文4:小夏の候を使った挨拶
時候の挨拶:
小夏の候、貴社におかれましてはますますご隆盛の由、大慶の至りと存じます。
ポイント: 夏の始まりを表現。梅雨明け間近の時期に使いやすい表現です。
例文5:向暑の候を使った挨拶
時候の挨拶:
向暑のみぎり、○○様におかれましては一層ご清祥のこととお慶び申し上げます。
ポイント: 「暑さに向かう」という意味。7月上旬の気候にピッタリです。
口語調(親しみやすい表現)
例文6:梅雨明けを使った挨拶
時候の挨拶:
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
ポイント: 共感を誘う自然な表現。相手との距離感を縮めます。
例文7:七夕飾りを使った挨拶
時候の挨拶:
七夕飾りが街を彩る季節となりましたが、貴社の皆様はお変わりありませんでしょうか。
ポイント: 具体的な風景描写で季節感を表現。温かみのある印象です。
例文8:蝉の鳴き声を使った挨拶
時候の挨拶:
早くも蝉の鳴き声が聞こえ始めるこの頃、○○様におかれましては益々ご活躍のことと拝察いたします。
ポイント: 聴覚的な季節感を表現。情緒豊かな印象を与えます。
例文9:朝顔の開花を使った挨拶
時候の挨拶:
朝顔の花が咲き始める季節を迎え、皆様にはますますご健勝のことと存じます。
ポイント: 美しい季節の花で爽やかな印象。女性にも好まれる表現です。
例文10:夏祭りの準備を使った挨拶
時候の挨拶:
各地で夏祭りの準備が始まる季節となりましたが、○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
ポイント: 地域の風物詩を取り入れた親近感のある表現です。
【7月中旬】盛夏・本格的暑さの時候の挨拶(10選)
漢語調(格式高い表現)
例文11:盛夏の候を使った挨拶
時候の挨拶:
盛夏の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
ポイント: 7月全般で使える万能表現。迷った時の定番です。
例文12:三伏の候を使った挨拶
時候の挨拶:
三伏のみぎり、○○様におかれましては一段とご活躍のこととお喜び申し上げます。
ポイント: 最も暑い時期を表す専門的表現。知的な印象を与えます。
例文13:炎夏の候を使った挨拶
時候の挨拶:
炎夏の候、平素は格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。
ポイント: 燃えるような暑さを表現。強い暑さの時期に適しています。
例文14:仲夏の候を使った挨拶
時候の挨拶:
仲夏のみぎり、貴社におかれましてはいよいよご隆盛の段、慶賀の至りに存じます。
ポイント: 夏の真ん中という意味。7月中旬にぴったりの表現です。
例文15:猛暑の候を使った挨拶
時候の挨拶:
猛暑の候、○○様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
ポイント: 激しい暑さを表現。インパクトのある印象を与えます。
口語調(親しみやすい表現)
例文16:夏本番を使った挨拶
時候の挨拶:
いよいよ夏本番を迎えましたが、○○様におかれましてはお変わりありませんでしょうか。
ポイント: 分かりやすく親しみやすい表現。幅広い相手に使えます。
例文17:海開きを使った挨拶
時候の挨拶:
各地で海開きが行われる季節となり、夏の訪れを実感しております。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
ポイント: 具体的なイベントで季節感を表現。爽やかな印象です。
例文18:入道雲を使った挨拶
時候の挨拶:
空に入道雲が立ち上がる季節となりましたが、貴社の皆様におかれましてはますますご活躍のことと存じます。
ポイント: 視覚的な季節描写で臨場感を演出。印象に残りやすい表現です。
例文19:風鈴の音を使った挨拶
時候の挨拶:
風鈴の涼やかな音色が恋しい季節となりましたが、○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
ポイント: 涼しさを連想させる表現。暑さの中にも涼を感じさせます。
例文20:夕立を使った挨拶
時候の挨拶:
夕立が大地を潤す季節を迎え、一時の涼を感じております。皆様はお元気でいらっしゃいますか。
ポイント: 夏特有の気象現象を表現。情緒豊かな印象を与えます。
【7月下旬】大暑・最高潮の暑さの時候の挨拶(10選)
漢語調(格式高い表現)
例文21:大暑の候を使った挨拶
時候の挨拶:
大暑の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
ポイント: 二十四節気の大暑(7月23日頃)に基づく表現。正統的で格式高い印象です。
例文22:酷暑の候を使った挨拶
時候の挨拶:
酷暑のみぎり、○○様におかれましては一層ご清祥のこととお喜び申し上げます。
ポイント: 厳しい暑さを強調。相手の体調への気遣いも込められます。
例文23:炎暑の候を使った挨拶
時候の挨拶:
炎暑の候、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ポイント: 燃えるような暑さを表現。強烈な暑さの時期に最適です。
例文24:烈暑の候を使った挨拶
時候の挨拶:
烈暑のみぎり、貴社におかれましてはいよいよご隆盛の由、大慶至極に存じます。
ポイント: 激烈な暑さを表現。インパクトの強い表現です。
例文25:極暑の候を使った挨拶
時候の挨拶:
極暑の候、○○様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
ポイント: 極端な暑さを表現。最高潮の暑さの時期に使用します。
口語調(親しみやすい表現)
例文26:連日の猛暑を使った挨拶
時候の挨拶:
連日の猛暑にうだるような暑さが続いておりますが、○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
ポイント: 現実的な暑さの表現。共感を誘う親近感のある表現です。
例文27:土用の丑の日を使った挨拶
時候の挨拶:
土用の丑の日も近づき、うなぎでスタミナをつけたい季節となりました。皆様はお元気でいらっしゃいますか。
ポイント: 具体的な風習を取り入れた親しみやすい表現。話題性もあります。
例文28:夏バテ対策を使った挨拶
時候の挨拶:
夏バテが心配な季節となりましたが、○○様におかれましてはお変わりありませんでしょうか。
ポイント: 実用的な健康への気遣い。相手への思いやりが伝わります。
例文29:夕涼みを使った挨拶
時候の挨拶:
夕涼みが恋しい季節となりましたが、貴社の皆様におかれましてはますますご活躍のことと存じます。
ポイント: 涼を求める気持ちを表現。季節感と共感を誘います。
例文30:蝉時雨を使った挨拶
時候の挨拶:
蝉時雨が響く真夏日が続いておりますが、○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
ポイント: 聴覚的な夏の表現。情緒豊かで印象に残る挨拶です。
7月の結びの言葉【相手別・場面別】
格式高い結びの言葉
取引先・目上の方向け
- 「盛暑の折、貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」
- 「酷暑の候、くれぐれもご自愛のほどお願い申し上げます。」
- 「炎暑の折、皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします。」
丁寧な関係性の相手向け
- 「厳しい暑さが続きますが、どうぞお体を大切にお過ごしください。」
- 「暑い日が続きますが、夏風邪など召されませぬようご注意ください。」
- 「まずは暑中のお見舞いを申し上げます。」
親しみやすい結びの言葉
職場の同僚・部下向け
- 「しばらく厳しい暑さが続きそうですが、お体に気をつけてお過ごしください。」
- 「夏バテしないよう、しっかり休養を取ってくださいね。」
- 「暑さに負けず、お互い頑張りましょう。」
時候の挨拶を使う際の注意点
✅ 推奨する使い方
- 実際の気候に合わせる:冷夏の年は「冷夏の候」等も使用可能
- 相手との関係性を考慮:格式と親しみやすさのバランス
- 地域の気候を配慮:相手の住む地域の季節感を意識
❌ 避けるべき表現
- 重複する季節表現:書き出しと結びで同じ表現を避ける
- 時期の間違い:梅雨中に「盛夏の候」等は不適切
- 過度な装飾:ビジネスでは簡潔性も重要
7月の時候の挨拶活用シーン
ビジネスメール
- 件名例:「7月のご挨拶(○○会社)」
- 書き出し:時候の挨拶 + 相手の繁栄を祝う
- 結び:相手の健康を気遣う + 今後の関係継続を願う
ビジネス文書・手紙
- 頭語・結語:拝啓・敬具、謹啓・謹言の組み合わせ
- 構成:前文(時候の挨拶)→ 主文 → 末文(結びの言葉)
お中元・暑中見舞い
- 季節感の重視:7月らしい表現を選択
- 相手への配慮:健康を気遣う言葉を必ず含める
まとめ
7月のビジネス時候の挨拶は、梅雨明けから本格的な夏への移り変わりを表現する大切なコミュニケーションツールです。
相手との関係性や場面に応じて、格式高い漢語調から親しみやすい口語調まで使い分けることで、信頼関係の構築と良好なビジネス関係の維持に大きく貢献します。
30の文例を参考に、あなたのビジネスシーンに最適な7月の時候の挨拶を見つけてください。
適切な季節の挨拶で、相手への配慮と季節への敏感さを示し、より良いビジネス関係を築いていきましょう。
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