日本語における「ら抜き言葉」は、特に口語で頻繁に使用される表現です。
多くの人が知らないうちに使っているこの言葉の正しい見分け方について、具体的に解説していきます。
簡単な見分け方のポイント
まずは、文法を知らなくても見分けられる方法を紹介します。
「よう」を使った判断方法
難しい文法規則を覚える必要はありません。
その代わり、その言葉を誘いの表現に変えてみるというシンプルな方法で判断できます。
友人を誘うときの言葉として「〜よう」と言えるかどうかを確認してみましょう。
例えば「食べる」の場合、「食べよう」と誘うことができます。
このように「〜よう」と自然に言える動詞は、「ら抜き言葉」になりやすい傾向があります。
「食べれる」ではなく「食べられる」が正しい表現なのです。
具体的な例としては以下の通り。
「着る」を勧誘形にすると「着よう」となりますが、これが「着れる」と間違えやすいです。
正しい表現は「着られる」です。
このように「〜よう」と続く形は、「ら抜き言葉」に注意が必要です。
例として、「食べる」について考えてみましょう。
友達と一緒に食事に行く際には「食べよう」と言いますよね。
これを「食べれる」としてしまうと「ら抜き言葉」です。正しくは「食べられる」が適切です。
命令形を使った判断方法
また、動詞を命令形に変えてみても、正確な表現を素早く見極めることもできます。
例えば、「食べる」を命令形にすると「食べろ」となりますが、「食べれる」という形は誤った使い方になることがわかります。
動詞の活用形からの見分け方ポイント
次に、文法的な観点からみて、「ら抜き言葉」を見分けるためには、以下の3つのポイントを覚えておくと便利です。
動詞の活用の種類を確認する
特定の活用形、特に上一段活用や下一段活用、そしてカ行変格活用の動詞は、「〜よう」と自然に終わることが多いです。
これらは「ら抜き言葉」になりやすい動詞です。
- 上一段活用では、例えば「起きる」「生きる」などがあります。
- 下一段活用では、「着る」「食べる」などが該当します。
- カ行変格活用は、「来る」がこのグループに属します。
例えば、「食べれる」→「食べることができる」となる場合は、「食べられる」が正しい形となります。
一段動詞(「~える」「~いる」で終わる)に注意
一段動詞(「~える」「~いる」で終わる動詞)の場合は特に注意が必要です。
「見る」「食べる」「着る」「寝る」など、これらの動詞は「られる」を付けて可能形を作ります。
カ行変格活用「来る」に注目
「来る」は特別な活用をする動詞で、可能形は必ず「来られる」となります。
- 誤「明日来れる?」
- 正「明日来られる?」
以下のような簡単なチェック方法を活用する
- 「〜れる」と言いたくなったら要注意
- 「ら」を入れても違和感がない場合は「ら抜き言葉」の可能性が高い
- 「できる」を後ろに付けてみる
間違いやすいパターンと例外
「〜ろう」と続く表現、勧誘形は要注意です。
つまり、「〜ろう」と続く動詞は「ら抜き言葉」ではありません。
たとえば、「送る」を勧誘形にすると「送ろう」となりますが、これを「送れる」と表現するのは誤りです。
「送られる」が正しい表記です。
まとめ
「ら抜き言葉」の見分け方は、実は想像以上に簡単です。
動詞を友人に誘いかける表現に変えてみて、「〜よう」となるか「〜ろう」となるかを確認するだけです。
「〜よう」と言える場合は「ら抜き言葉」の可能性が高く、正しくは「られる」を使った表現にします。
例えば「食べよう」と言える「食べる」は、「食べれる」ではなく「食べられる」が正しい表現となります。
一方、「送ろう」のように「〜ろう」となる場合は「ら抜き言葉」ではありません。
このように、難しい文法規則を覚えなくても、普段使っている「誘いの言葉」を思い浮かべるだけで、正しい日本語表現を選ぶことができます。
日常会話では「ら抜き言葉」を使うことも多いですが、特に改まった場面では正しい表現を心がけましょう。