ビジネスメールやチャットで何気なく使っている「ご確認お願いします」という表現。
実はこの言葉、文法的に不適切であり、ビジネスシーンでは失礼にあたる可能性があります。
「ご確認をお願いします」との違いは何か、どのような表現に言い換えるべきか、多くのビジネスパーソンが悩むポイントです。
本記事では、すぐに使える正しい依頼表現のテンプレートと、シーン別の適切な言い換え例を中心に、ビジネスコミュニケーションでの信頼を高める表現方法を解説します。
この記事でわかること
- 「ご確認お願いします」が不適切とされる具体的な理由
- すぐに使える正しい依頼表現の例文・テンプレート20選
- シーン別(メール・チャット・上司・取引先)の適切な依頼表現
- 「ご確認をお願いします」と「ご確認お願いします」の違いと使い分け
- 依頼表現のミスを防ぐためのチェックポイント
ビジネスメールやチャットでの表現に自信が持てるようになり、プロフェッショナルな印象を与えるコミュニケーションができるようになります。
【関連記事】「ご確認お願いします」は失礼?上司・取引先への正しい依頼表現完全ガイド
- すぐに使える!正しい確認依頼の例文・テンプレート
- シーン別:適切な依頼表現と使い分け
- 「ご確認お願いします」が不適切とされる3つの理由
- 「ご確認をお願いします」と「ご確認お願いします」の違い
- 相手別:失礼にならない依頼の仕方
- 依頼表現の言い換えテクニック
- 依頼表現で失敗しないためのチェックポイント
- まとめ:信頼される依頼表現のために
- よくある質問(FAQ)
- Q1:「ご確認のほど、よろしくお願いします」は正しい表現ですか?
- Q2:メールの件名では「ご確認お願いします」と書いても問題ないですか?
- Q3:チャットツールなど気軽な連絡手段でも気をつけるべきですか?
- Q4:「ご確認くださいませ」という言い方は適切ですか?
- Q5:英語のメールでは「Please confirm」とだけ書くことがありますが、日本語でも「ご確認ください」とだけ書いても良いですか?
- Q6:「ご確認のほどお願いいたします」と「ご確認のほどよろしくお願いいたします」はどちらが正しいですか?
- Q7:上司に依頼するときは、どの程度丁寧な表現を使うべきですか?
- Q8:「確認お願いします」と短く書くのはどんな場合に許されますか?
すぐに使える!正しい確認依頼の例文・テンプレート
ビジネスシーンですぐに活用できる、正しい確認依頼の例文・テンプレートを状況別にまとめました。
コピーしてそのまま使えるものばかりです。
書類・資料の確認依頼テンプレート
メールやビジネスチャットで使える、書類や資料の確認依頼テンプレートです。
【基本例文】通常の確認依頼
件名:【ご確認のお願い】〇〇企画書について
〇〇様
お世話になっております。△△部の□□です。
添付の〇〇企画書についてご確認をお願いいたします。
特に、以下の3点についてご意見をいただけますと幸いです。
1. 第2章の市場分析について
2. 第3章の数値目標の妥当性
3. 第4章の実施計画のスケジュール
ご多用中恐れ入りますが、〇月〇日までにご確認いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
【丁寧例文】取引先・上司向け確認依頼
件名:【ご確認のお願い】〇〇提案書(〇/〇締切)
〇〇様
いつもお世話になっております。△△部の□□でございます。
大変恐縮ではございますが、添付いたしました〇〇提案書につきまして、
ご高覧いただけますと幸いでございます。
特に下記の点についてご確認いただきたく存じます。
・・・(中略)・・・
ご多忙の折、誠に恐れ入りますが、〇月〇日までにご確認いただけましたら幸甚です。
何卒よろしくお願い申し上げます。
【急ぎの例文】緊急の確認依頼
件名:【本日中ご確認のお願い】〇〇報告書について
〇〇様
お世話になっております。△△部の□□です。
大変恐れ入りますが、本日16時までに開催される〇〇会議で使用する資料として、
添付の報告書をご確認いただけないでしょうか。
特に重要な箇所は黄色でマーキングしております。
時間の都合上、そちらを優先してご確認いただければ幸いです。
急なお願いで大変恐縮ですが、ご協力いただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
間違いやすいポイント
上記のテンプレートを使用する際の注意点
- 「ご確認お願いします」ではなく「ご確認をお願いします」「ご確認いただけますでしょうか」を使用する
- 何を確認してほしいのかを具体的に記載する
- 期限を明記する
- 相手の状況を考慮した前置き(「ご多用中」など)を入れる
- 署名(部署・氏名)を忘れない
シーン別:適切な依頼表現と使い分け
コミュニケーション手段や状況によって適切な依頼表現は異なります。
シーン別の適切な表現方法を解説します。
メールでの効果的な依頼方法
ビジネスメールは記録として残るため、より丁寧で正確な表現が求められます。
基本的な依頼表現
- 「ご確認をお願いいたします」
- 「ご確認いただけますでしょうか」
- 「ご確認くださいますようお願い申し上げます」
メール特有のポイント
- 適切な件名設定(「【ご確認のお願い】資料名(期限)」など)
- 冒頭で目的を明示
- 箇条書きやナンバリングで確認項目を整理
- 期限の明示
- 感謝の言葉で締めくくる
具体例
件名:【ご確認のお願い】第3四半期報告書(10/15締切)
山田様
お世話になっております。営業部の鈴木です。
添付いたしました第3四半期報告書について、以下の3点をご確認いただけますでしょうか。
1. 売上実績の数値(P.3-5)
2. 来期予測の根拠(P.8-10)
3. 競合分析の妥当性(P.12-15)
特に2の来期予測については、前回ご指摘いただいた点を修正しております。
ご多用中恐れ入りますが、10月15日までにご確認いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
間違いやすいポイント
- 助詞「を」の省略(「ご確認お願いします」)
- 確認内容や期限が不明確
- 「お手数おかけしますが」などの前置きの入れ忘れ
- 一方的な依頼(相手の状況への配慮不足)
ビジネスチャットでの依頼表現
ビジネスチャットはカジュアルな印象を持ちやすいですが、基本的な敬意は必要です。
チャットに適した表現
- 「確認をお願いできますか?」
- 「添付資料をご確認いただけると助かります」
- 「こちらの資料、見ていただけますか?」
チャット特有のポイント
- 簡潔で明確な表現
- 必要最低限の敬意を示す
- 絵文字やスタンプは相手との関係性を考慮して使用
- 既読機能がある場合の配慮
具体例
田中さん、お疲れさまです。
先ほどお送りしたプレゼン資料、特にP.5-8あたりを確認していただけますか?
明日の会議で使用予定です。時間があるときで構いませんので、ご確認いただけると助かります🙏
間違いやすいポイント
- 過度なカジュアル表現(「見といて」など)
- 説明不足による誤解
- 緊急性の有無が不明確
- スタンプのみの返信依頼
対面・電話での依頼表現
対面や電話では、声のトーンや表情も含めたコミュニケーションが可能です。
口頭での適切な表現
- 「この資料をご確認いただけますでしょうか」
- 「お時間があるときに、こちらに目を通していただけませんか」
- 「こちらの企画書、ご意見をいただきたいのですが」
対面・電話特有のポイント
- 相手の状況を目で確認してからの依頼
- 声のトーンに注意(命令口調にならないよう)
- 質問の機会を設ける
- 依頼後の確認(「いつ頃までに確認いただけそうですか?」など)
具体例
「佐藤さん、今お時間よろしいでしょうか。先日作成した企画書について、特に市場分析の部分を確認していただきたいのですが、いつ頃お時間ありますか?明後日までに意見をいただけると助かります。」
間違いやすいポイント
- 相手の状況確認なしの突然の依頼
- 依頼内容の説明不足
- 期限の伝え忘れ
- フォローアップの不足
「ご確認お願いします」が不適切とされる3つの理由
「ご確認お願いします」という表現が不適切とされる理由は主に3つあります。
これらを理解することで、より適切な表現を選べるようになります。
文法的な不備:助詞「を」の欠如
「ご確認お願いします」は、文法的に不完全な表現です。
日本語の基本文法では、他動詞の目的語には助詞「を」が必要です。
なぜ問題なのか
- 「確認する」は他動詞であり、何かを確認する際には「〜を確認する」という形が正しい
- 助詞「を」の省略は、会話では許容されることもあるが、ビジネス文書では不適切
- 日本語の基本的な文法ルールを守れていないという印象を与える
具体例
- 誤:「添付資料のご確認お願いします」
- 正:「添付資料のご確認をお願いします」
間違いやすいポイント
- メールやチャットの簡略化のため、無意識に助詞を省略してしまう
- 周囲の人が使っている表現をそのまま模倣してしまう
敬語と丁寧語の不適切な混在
「ご確認お願いします」という表現は、敬語と丁寧語が不適切に混在しています。
なぜ問題なのか
- 「ご確認」という尊敬語と「お願いします」という丁寧語を組み合わせることで、敬語の方向性に矛盾が生じる
- 主体と客体の関係が不明確になり、敬意の対象がはっきりしない
- 敬語使用の一貫性が失われ、文としての完成度が下がる
具体例
- 誤用例:「ご確認お願いします」(敬意の方向性が不明確)
- 改善例:「ご確認いただけますでしょうか」(相手の行為に対する敬意が明確)
間違いやすいポイント
- 「ご〜」と「お〜」を組み合わせた二重敬語になりやすい
- 「します」という自分を主語とする表現と「ご」という相手を敬う表現の混在
命令的なニュアンスと具体性の欠如
「ご確認お願いします」という表現は、相手の状況を考慮しない命令的なニュアンスを含み、また具体性に欠ける場合が多いです。
なぜ問題なのか
- 「お願いします」という表現が、相手の意思や状況を考慮しない一方的な依頼に聞こえる
- 何をどのように確認してほしいのか、期限はいつまでなのかなど、具体的な情報が不足しがち
- 相手の立場や忙しさへの配慮が感じられない表現
具体例
- 不適切:「資料ご確認お願いします」(具体性なし、命令的)
- 改善例:「お手数ですが、添付資料の3ページ目の数値についてご確認いただけますでしょうか。明日の会議で使用したいため、可能であれば本日中にご意見をいただけると幸いです。」(具体的で配慮あり)
間違いやすいポイント
- 簡潔さを優先するあまり、具体的な内容や期限を省略してしまう
- 相手の状況を考慮した表現(「お時間があるときに」など)を入れ忘れる
「ご確認をお願いします」と「ご確認お願いします」の違い
「ご確認をお願いします」と「ご確認お願いします」の違いと適切な使い方について解説します。
文法的な違い
「ご確認をお願いします」と「ご確認お願いします」の最も大きな違いは、助詞「を」の有無です。
この小さな違いが、文の正確さと印象を大きく左右します。
「ご確認をお願いします」の構造
- 「ご確認」(目的語)+「を」(助詞)+「お願いします」(述語)
- 文法的に完全な文章構造
「ご確認お願いします」の構造
- 「ご確認」(目的語)+「お願いします」(述語)
- 助詞「を」が欠如した不完全な文章構造
正しい使用例
- 「添付資料のご確認をお願いします」
- 「見積書のご確認をお願いいたします」
間違いやすいポイント
- 話し言葉の影響で助詞「を」を省略してしまう
- 短く書こうとして文法的正確さを犠牲にする
- 周囲の使用例に影響されて誤った表現を踏襲する
ビジネスでの印象の違い
「ご確認をお願いします」と「ご確認お願いします」では、ビジネスシーンでの印象が大きく異なります。
「ご確認をお願いします」の印象
- 文法的に正確で教養がある
- 相手への配慮が感じられる
- ビジネスマナーを理解している
「ご確認お願いします」の印象
- 言葉遣いが雑である
- 文章作成の基本ができていない
- 急いでいる・配慮に欠ける
ビジネス評価への影響
調査によると、人事担当者の約70%が「ビジネスメールの文法的正確さ」を評価対象としており、基本的な敬語や助詞の使い方は、ビジネスパーソンとしての基礎能力と見なされています。
間違いやすいポイント
- 「を」の有無は小さな違いに思えるが、プロフェッショナリズムの評価に影響する
- 「みんなが使っているから大丈夫」という思い込み
- 文法的に正しい表現を知らないまま習慣化してしまう
相手別:失礼にならない依頼の仕方
依頼する相手によって、適切な表現は異なります。
相手との関係性に応じた依頼表現を使い分けることで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。
上司への依頼表現
上司への依頼では、敬意を示しつつも過度に堅苦しくならないバランスが重要です。
適切な表現例
- 「ご確認いただけますでしょうか」
- 「お時間のあるときにご覧いただければ幸いです」
- 「ご意見をいただきたく存じます」
上司向け例文
部長
お疲れさまです。企画チームの佐藤です。
先日ご指示いただいた企画書の修正版が完成しましたので、
ご確認いただけますでしょうか。
前回ご指摘いただいた以下の3点について修正しております。
1. 予算計画の見直し
2. スケジュールの具体化
3. 競合分析の追加
ご多用中恐れ入りますが、次回の部会(10日)までにご意見をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
間違いやすいポイント
- 「ご確認お願いします」のような助詞抜けの表現
- 「確認してください」のような命令口調
- 期限の提示がない、または急すぎる期限設定
- 相手の忙しさへの配慮表現の欠如
取引先への依頼表現
取引先への依頼では、より丁寧でフォーマルな表現が求められます。
特に初対面や重要な取引先には、最大限の敬意を示す表現を選びましょう。
適切な表現例
- 「ご確認くださいますようお願い申し上げます」
- 「ご高覧いただければ幸甚に存じます」
- 「ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます」
取引先向け例文
株式会社〇〇
△△部 □□様
いつもお世話になっております。
株式会社××の山田でございます。
先日ご依頼いただきました企画書の最終版をお送りいたします。
ご多用の折、誠に恐縮ではございますが、内容をご確認くださいますようお願い申し上げます。
特に以下の点につきましてご意見を賜りたく存じます。
1. 予算案(P.5-7)の妥当性
2. 実施スケジュール(P.10-12)の実現可能性
何卒よろしくお願い申し上げます。
間違いやすいポイント
- 敬語レベルが不足している
- カジュアル過ぎる表現や言い回し
- 前置きや締めくくりの丁寧さが不足している
- 期限設定が一方的または強引
同僚への依頼表現
同僚への依頼では、適度な丁寧さと親しみやすさのバランスが重要です。
適切な表現例
- 「確認をお願いできますか?」
- 「見ていただけると助かります」
- 「内容をチェックしてもらえますか?」
同僚向け例文
鈴木さん
お疲れさまです。田中です。
来週のプレゼン用に作成した資料を添付しました。
特に市場分析のスライド(P.3-5)について、確認をお願いできますか?
前回の反省を踏まえて修正したつもりですが、見落としがないか心配です。
明日の午前中までに見ていただけると助かります。
よろしくお願いします。
間違いやすいポイント
- 過度なカジュアル表現(「見といて」など)
- 前置きや感謝の言葉の欠如
- 一方的な期限設定
- 依頼内容の不明確さ
部下への依頼表現
部下への依頼では、指示と依頼のバランスが重要です。
権威的になりすぎず、かといって遠慮しすぎないよう注意しましょう。
適切な表現例
- 「この資料を確認してもらえますか?」
- 「内容を確認して、明日までに意見を聞かせてください」
- 「これについて確認をお願いできるでしょうか」
部下向け例文
山本さん
お疲れさまです。
添付の企画書を確認してもらえますか?
特に以下の点に注目して読んでもらえると助かります。
1. 顧客ターゲット設定の適切さ
2. 提案内容の実現可能性
明日の午後3時からのミーティングで使用したいので、
午前中までに意見をもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします。
間違いやすいポイント
- 命令口調になりすぎる
- 過度に丁寧すぎる敬語表現
- 期限や優先順位が不明確
- フィードバックの方法や目的が示されていない
依頼表現の言い換えテクニック
「ご確認お願いします」のような不適切な表現を、状況に応じて適切に言い換えるテクニックを紹介します。
基本のパターン:丁寧さのレベル別言い換え
丁寧さのレベルに応じた言い換えパターンを押さえておくと、様々なシーンで適切な表現が選べます。
標準レベル(同僚・部下向け)
- 「ご確認をお願いします」→助詞「を」を入れる
- 「確認をお願いできますか」→相手の意思を尊重
- 「見ていただけると助かります」→感謝の気持ちを表現
丁寧レベル(上司・社外向け)
- 「ご確認いただけますでしょうか」→相手の意思を尊重した丁寧表現
- 「ご確認いただければ幸いです」→相手の都合を考慮
- 「ご確認くださいますようお願い申し上げます」→最大限の敬意
最高レベル(重要取引先・役員向け)
- 「ご高覧賜りたく存じます」→格式高い依頼表現
- 「ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます」→公式文書向け
- 「お目通しいただければ幸甚に存じます」→最大限の敬意
間違いやすいポイント
- 相手や状況に対して不適切な丁寧さのレベルを選択してしまう
- 二重敬語や過剰敬語を使ってしまう
- 基本形を覚えずに応用しようとする
状況別:目的に応じた言い換え
依頼の目的や状況に応じた言い換えパターンも重要です。
緊急時の依頼
- 「お手数ですが、本日中にご確認いただけないでしょうか」→緊急性と配慮
- 「大変恐縮ですが、明日の会議前までにご意見をいただけますと幸いです」→理由と期限
重要な確認依頼
- 「特に○○の部分につきまして、ご確認をお願いできますでしょうか」→重要ポイントの明示
- 「以下の3点について、詳細なご確認をいただければ幸いです」→確認ポイントの具体化
定期的な確認依頼
- 「いつもお世話になっております。今月分の報告書をご確認いただければと存じます」→定期性の示唆
- 「月次の確認事項として、添付資料をご確認いただけますでしょうか」→ルーティン化
間違いやすいポイント
- 緊急性を伝える際に配慮に欠ける表現になる
- 重要ポイントが明確でない
- 定期的な依頼でも毎回同じ説明を繰り返す
相手の負担を減らす言い換え
相手の負担を減らす言い回しは、依頼を受け入れてもらいやすくします。
時間的配慮
- 「お時間のあるときに」→相手のスケジュールを尊重
- 「ご都合のよろしいタイミングで」→選択権を相手に委ねる
- 「週明けで構いませんので」→余裕のある期限設定
確認範囲の明確化
- 「特に重要な箇所にマーカーをつけております」→重点箇所の明示
- 「○ページから△ページまでを中心にご確認いただければ」→優先順位の明示
- 「全体の流れを確認いただければ、細部は別途調整します」→負担軽減の提案
フィードバック方法の指定
- 「気になる点があれば、コメントでお知らせください」→回答方法の明示
- 「簡単なご意見だけでも構いません」→ハードルを下げる
- 「ご不明点があれば、いつでもご質問ください」→フォロー体制の表明
間違いやすいポイント
- 相手の負担への配慮が不足している
- 確認範囲や優先順位が不明確
- フィードバック方法の指定がない
依頼表現で失敗しないためのチェックポイント
適切な依頼表現を使用するためのチェックポイントを紹介します。
メールやチャットを送信する前に、これらのポイントを確認することで、ミスを未然に防ぐことができます。
文法・表現のチェックリスト
依頼表現の文法や表現面でのチェックポイントは以下の通りです。
チェック項目
- ✅ 助詞の使用: 「ご確認お願いします」ではなく「ご確認をお願いします」になっているか
- ✅ 敬語の使い方: 二重敬語や過剰敬語になっていないか
- ✅ 文末表現: 「でしょうか」「いただければ幸いです」など、柔らかい表現を使っているか
- ✅ 依頼の強さ: 命令口調になっていないか、選択の余地を与えているか
- ✅ 前置きの適切さ: 「お手数ですが」「恐れ入りますが」など、状況に応じた前置きを使っているか
具体例
- 誤: 「添付資料のご確認お願いします」
- 正: 「お手数ですが、添付資料をご確認いただけますでしょうか」
間違いやすいポイント
- 助詞「を」の省略
- 「させていただく」の過剰使用
- 「ご教授お願いします」のような二重敬語
内容のチェックリスト
依頼内容の明確さや具体性についてのチェックポイントです。
チェック項目
- ✅ 具体性: 何を確認してほしいのかが明確か
- ✅ 期限: 確認期限が必要な場合、適切に示されているか
- ✅ 重要度: 特に重要な確認ポイントが強調されているか
- ✅ 次のアクション: 確認後に何をしてほしいのかが明確か
- ✅ 連絡先: 質問がある場合の連絡先や方法が示されているか
具体例
- 不明確: 「資料を確認してください」
- 明確: 「添付資料の3〜5ページにある数値データについて、前回の報告書との整合性をご確認いただけますでしょうか。不明点があれば、内線1234までご連絡ください」
間違いやすいポイント
- 確認範囲や目的が不明確
- 期限の提示がない
- フィードバック方法の説明不足
相手・状況への配慮チェックリスト
相手の立場や状況を考慮した配慮についてのチェックポイントです。
チェック項目
- ✅ 相手との関係: 相手との関係性に応じた敬語レベルを使っているか
- ✅ 時間帯への配慮: 夜間や休日前の依頼は緊急性を明示しているか
- ✅ 負担の程度: 相手の負担に見合った依頼表現になっているか
- ✅ 複数人への依頼: CCに入っている全員に依頼しているのか、特定の人への依頼か明確か
- ✅ 過去の経緯: 継続案件の場合、過去の経緯を踏まえた表現になっているか
具体例
- 配慮不足: 「急ぎで確認してください」
- 配慮あり: 「大変恐縮ですが、○○の都合により明日までにご確認いただけると助かります。お時間の許す範囲でお願いできますでしょうか」
間違いやすいポイント
- 相手の忙しさへの配慮不足
- 一方的な期限設定
- 依頼の理由や背景の説明不足
まとめ:信頼される依頼表現のために
ビジネスコミュニケーションにおいて、適切な依頼表現を使用することは、信頼関係構築の基本です。
本記事で解説した内容を実践することで、より円滑で効果的なコミュニケーションが可能になります。
重要ポイントの整理
1. 基本的な文法を守る
- 「ご確認お願いします」ではなく「ご確認をお願いします」
- 助詞「を」は省略しない
- 基本的な敬語ルールを遵守する
2. 相手と状況に合わせた表現を選ぶ
- 上司・取引先には「ご確認いただけますでしょうか」などより丁寧な表現
- 同僚・部下には「確認をお願いできますか」などバランスの取れた表現
- 緊急時や重要案件では、理由や背景も含めた丁寧な依頼
3. 具体的で明確な依頼をする
- 何をどのように確認してほしいのかを具体的に
- 期限や重要ポイントを明示
- フィードバック方法を指定
4. 相手への配慮を表現に込める
- 「お手数ですが」「ご多用中恐れ入りますが」などの前置き
- 「いただければ幸いです」などの感謝の言葉
- 相手の状況を考慮した期限設定
今日から使える簡単な改善ステップ
- テンプレートの作成: 本記事で紹介した例文を参考に、自分用のテンプレートを作成
- 送信前のチェック: メールやチャットを送信する前に、助詞の使用や敬語表現をチェック
- 相手の立場で読み返す: 自分が受け取る側だったらどう感じるかを想像
- 継続的な改善: 自分の依頼表現を定期的に見直し、より適切な表現を学ぶ
最後に
「ご確認お願いします」のような一見小さな文法ミスも、ビジネスシーンでは相手への印象を左右する重要な要素です。
適切な依頼表現は、あなたのプロフェッショナリズムを示し、ビジネス上の信頼関係構築に大きく貢献します。
本記事で紹介した例文やテンプレートを活用し、状況に応じた適切な依頼表現を使いこなせるようになりましょう。
毎日の小さな積み重ねが、あなたのビジネスコミュニケーション力を確実に向上させます。
【関連記事】「ご確認お願いします」は失礼?上司・取引先への正しい依頼表現完全ガイド
よくある質問(FAQ)
Q1:「ご確認のほど、よろしくお願いします」は正しい表現ですか?
A1:はい、「ご確認のほど、よろしくお願いします」は文法的に正しい表現です。
「のほど」は「〜の程度」を意味し、「よろしくお願いします」と組み合わせることで丁寧な依頼表現になります。
ビジネスメールでよく使われる定型表現の一つです。
Q2:メールの件名では「ご確認お願いします」と書いても問題ないですか?
A2:メールの件名でも助詞「を」は省略せず、「ご確認をお願いします」と書くことをお勧めします。
件名は最初に目に入る部分であり、正確な日本語を使用することで良い印象を与えることができます。
「【ご確認のお願い】資料名」のような形式も効果的です。
Q3:チャットツールなど気軽な連絡手段でも気をつけるべきですか?
A3:チャットツールではやや砕けた表現が許容される傾向がありますが、基本的な文法は守ることをお勧めします。
「確認をお願いできる?」など、カジュアルながらも助詞を省略しない表現を心がけましょう。
特に社外の方とのやり取りでは、より丁寧な表現を使用することが望ましいです。
Q4:「ご確認くださいませ」という言い方は適切ですか?
A4:「ご確認くださいませ」は文法的には正しいですが、やや古風で堅い印象を与える表現です。
「ご確認ください」でも十分丁寧ですが、より柔らかい印象を与えたい場合は「ご確認いただけますでしょうか」のような表現がお勧めです。
Q5:英語のメールでは「Please confirm」とだけ書くことがありますが、日本語でも「ご確認ください」とだけ書いても良いですか?
A5:日本語のビジネスコミュニケーションでは、「ご確認ください」だけでは簡素すぎる印象を与える可能性があります。
「恐れ入りますが、ご確認をお願いいたします」「ご確認いただけますでしょうか」など、前置きや柔らかい表現を加えることで、より丁寧な印象になります。
Q6:「ご確認のほどお願いいたします」と「ご確認のほどよろしくお願いいたします」はどちらが正しいですか?
A6:どちらも文法的に正しい表現ですが、「ご確認のほどよろしくお願いいたします」の方がより丁寧で一般的です。
「よろしく」を入れることで、相手への敬意と依頼の丁寧さが増します。
Q7:上司に依頼するときは、どの程度丁寧な表現を使うべきですか?
A7:上司への依頼では、「ご確認いただけますでしょうか」「お時間があるときにご覧いただければ幸いです」など、敬意を示しつつも過度に堅苦しくならない表現が適切です。
会社の文化や上司との関係性によっても異なりますが、基本的な敬語と丁寧な依頼表現を心がけましょう。
Q8:「確認お願いします」と短く書くのはどんな場合に許されますか?
A8:親しい同僚との非公式なチャットや、すでに文脈が共有されている継続的なやり取りの中では、「確認お願いします」のような簡略表現が許容される場合もあります。
ただし、正式なビジネスコミュニケーションや、重要な依頼の場合は、助詞「を」を含めた正確な表現を使用することをお勧めします。