10月の時候の挨拶は「秋冷の候」「紅葉の候」などが定番です。
この記事では、社外向けメール・はがきですぐ使える35の文例と、シーン別の使い分けを解説します。
この記事はこんな人向け
- 10月に送るビジネス文書の書き出しに悩んでいる方
- 取引先や顧客への挨拶文を失礼なく書きたい方
- 上旬・中旬・下旬で適切な表現を使い分けたい方
- メールとはがきで印象が良い文例を探している方
読了後は、季節感のある丁寧な挨拶文をすぐにコピー&調整して使えるようになります。
10月の時候の挨拶が重要な理由
10月は決算期・人事異動・年末準備が重なる時期です。
取引先との関係維持において、季節に配慮した丁寧な挨拶は信頼感を高めます。
特に10月は:
- 上旬:残暑が残る地域もあり「秋涼」「爽秋」が適切
- 中旬:秋の深まりを感じる「錦秋」「紅葉」が自然
- 下旬:冬の気配を感じる「霜降」「晩秋」が効果的
気温差が大きい月のため、相手の地域や体調への配慮を盛り込むと印象が良くなります。
【鉄則】10月の時候の挨拶5つのポイント
1. 時期に合った季語を選ぶ
上旬は「秋涼」、中旬は「紅葉」、下旬は「晩秋」など、実際の気候に合わせる
2. 相手の地域を意識する
北海道と沖縄では季節感が異なるため、汎用性の高い表現も用意する
3. ビジネス文書は格式を保つ
「〜の候」「〜のみぎり」など漢語調の表現を基本とする
4. 健康への気遣いを添える
季節の変わり目のため「ご自愛ください」などの言葉を結びに入れる
5. 過度な装飾は避ける
「秋も深まり」「実りの秋」など、シンプルで品格ある表現が好まれる
10月上旬(1日〜10日)の時候の挨拶【文例10選】
使える場面
新規取引の挨拶状、月初の定期連絡、案内状の送付
🟢 一般ビジネス向け文例
1. 秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
→ ポイント:最も汎用性が高く、全国どの地域でも使える定番表現・開頭2行セット
2. 爽秋の候、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
→ ポイント:爽やかな秋の空気感を表現、前向きな印象を与える
3. 秋晴の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
→ ポイント:晴天が続く時期に適切、明るく前向きなトーン
4. 清秋の候、日頃は格別のお引き立てを賜り心より感謝申し上げます。
→ ポイント:清々しい秋を表現、感謝の気持ちを伝える文脈に最適
5. 秋色日増しに深まる季節となりました。貴社におかれましては益々ご発展のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:やわらかい表現で親近感を出したい場合に有効
🟡 やや格式高い場面向け
6. 錦秋の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:色づく紅葉のイメージ、格式が求められる文書に適切
7. 秋麗の候、平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
→ ポイント:美しい秋を表現、文化的な取引先に好印象
8. 錦秋の候、貴社におかれましてはいよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。
→ ポイント:色鮮やかな紅葉の季節感、文化的な取引先に好印象
9. 爽秋の候、平素は格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございます。
→ ポイント:活力ある印象、新規プロジェクトの提案時に効果的
10. 天高く馬肥ゆる秋となりました。貴社におかれましては一層のご活躍のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:ことわざを活用、親しみやすさと教養を両立
※地域差があります。北海道・山間部は下旬表現を前倒し、南西諸島は上旬表現を長めに使用できます。
参考文例です。貴社の慣例に合わせて調整してご利用ください
10月中旬(11日〜20日)の時候の挨拶【文例10選】
使える場面
中間報告書の送付、展示会案内、秋の催事挨拶
🟢 一般ビジネス向け文例
11. 紅葉の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:10月を最も象徴する表現、全国的に使いやすい
12. 錦秋の候、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
→ ポイント:色鮮やかな秋のイメージ、視覚的な印象が強い
13. 秋冷の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
→ ポイント:朝晩の冷え込みを表現、健康配慮の文脈に自然
14. 寒露の候、日頃は格別のお引き立てを賜り心より感謝申し上げます。
→ ポイント:二十四節気(10月8日頃)、やや文学的な印象
15. 秋も深まり、日ごとに寒さが増してまいりました。貴社におかれましては益々ご発展のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:季節の移り変わりを丁寧に表現、親しい取引先向け
🟡 やや格式高い場面向け
16. 菊花の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:菊の季節を表現、文化的行事の案内に適切
17. 秋冷の候、平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
→ ポイント:冷え込みを丁寧に表現、健康配慮の文脈に自然
18. 紅葉見ごろの季節となりました。貴社におかれましてはいよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。
→ ポイント:具体的な季節描写、地域イベント案内に効果的
19. 秋気いよいよ深く、貴社におかれましては一層のご活躍のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:簡潔で格調高い、メールでも使いやすい
20. 爽やかな秋晴れの日が続いております。平素は格別のご支援を賜り誠にありがとうございます。
→ ポイント:現在進行形の表現、リアルタイム感を出したい場合に有効
※地域差があります。北海道・山間部は下旬表現を前倒し、南西諸島は上旬表現を長めに使用できます。
参考文例です。貴社の慣例に合わせて調整してご利用ください
📄 10月中旬カジュアル文例はこちら
10月下旬(21日〜31日)の時候の挨拶【文例10選】
使える場面
年末商戦の案内、四半期報告、冬準備の連絡
🟢 一般ビジネス向け文例
21. 晩秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:秋の終わりを表現、冬への移行期に適切
22. 霜降の候、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
→ ポイント:二十四節気(10月23日頃)、格式ある文書に最適
23. 秋冷深まる候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
→ ポイント:冷え込みの強調、健康配慮を添えやすい
24. 霜降の候、日頃は格別のお引き立てを賜り心より感謝申し上げます。
→ ポイント:二十四節気の重ね強調、全国標準の表現で汎用性高い
25. 日増しに秋も深まり、朝夕めっきり冷え込んでまいりました。貴社におかれましては益々ご発展のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:温度感覚を具体的に表現、親近感を出したい場合
🟡 やや格式高い場面向け
26. 秋涼日ごとに加わる候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:段階的な変化を表現、継続的な関係性の文脈に適切
27. 菊薫る季節となりました。平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
→ ポイント:香りで季節を表現、文化的な印象
28. 秋も終盤を迎え、貴社におかれましてはいよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。
→ ポイント:時期の明確化、年末準備の話題への導入に自然
29. 紅葉もいよいよ見ごろを迎える季節となりました。貴社におかれましては一層のご活躍のこととお慶び申し上げます。
→ ポイント:ピーク感の表現、観光関連業界に特に適切
30. 木々の葉も色づき、秋の深まりを感じる今日この頃です。平素は格別のご支援を賜り誠にありがとうございます。
→ ポイント:視覚的描写、やわらかい印象を与えたい場合
※地域差があります。北海道・山間部は下旬表現を前倒し、南西諸島は上旬表現を長めに使用できます。
参考文例です。貴社の慣例に合わせて調整してご利用ください
📄 10月下旬カジュアル文例はこちら
メールとはがきで使い分ける表現【文例5選】
📧 メール向け(やや簡潔・現代的)
31. 秋も深まり、過ごしやすい季節となりました。平素は格別のご支援をいただき、誠にありがとうございます。
→ ポイント:親しみやすく、迅速な連絡に適した表現
32. 朝晩めっきり冷え込んでまいりましたが、お変わりございませんでしょうか。
→ ポイント:相手への気遣いを前面に、カジュアルな関係性向け
33. 秋晴れの心地よい季節が続いております。いつもお世話になっております。
→ ポイント:明るい印象、定期連絡メールの冒頭に最適
📮 はがき向け(格式重視・伝統的)
34. 秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
→ ポイント:正式な案内状、挨拶状の定型として完成度が高い
35. 紅葉の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り心より感謝申し上げます。
→ ポイント:季節感と感謝を両立、顧客向けDMに適切
参考文例です。貴社の慣例に合わせて調整してご利用ください
📄 ビジネス専用:書き出し&結びテンプレ集
【即コピペ】開頭・結び2行セット
時候の挨拶と後続文をセットで覚えておくと、さらにスムーズに文書作成できます。
開頭2行テンプレート
秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
紅葉の候、皆様におかれましてはいよいよご健勝のことと拝察いたします。日頃のご厚情に深く感謝申し上げます。
結び1行テンプレート(10月仕様)
朝夕冷え込む折、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。
【NG例】10月に避けるべき表現
× 「残暑の候」 → 10月には不適切。9月中旬までの表現
× 「初秋の候」 → 9月上旬の表現。10月は「中秋〜晩秋」が適切
× 「新緑の候」 → 春の表現。季節を完全に誤っている
× 「猛暑が続いておりますが」 → 時期外れ。10月は「冷え込み」「秋の深まり」が正解
× 「師走の候」 → 12月の表現。2ヶ月早すぎる
季節感のズレは「常識がない」と見なされるリスクがあります。
地域差がある場合も、全国標準の表現を選ぶのが安全です。
結びの言葉も10月仕様に
時候の挨拶と合わせて、結びの言葉も季節に合わせると統一感が出ます。
10月の結び文例
- 「秋冷の折、何卒ご自愛くださいますようお願い申し上げます。」
- 「季節の変わり目ですので、くれぐれもご健康にはご留意ください。」
- 「今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。」
- 「紅葉の美しい季節、貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。」
📋 結びの言葉テンプレート50選はこちら
よくある質問(FAQ)
Q1. 10月の時候の挨拶で最も無難なのは?
「秋冷の候」または「紅葉の候」が最も汎用性が高いです。
理由は、全国どの地域でも季節感のズレが少なく、上旬から下旬まで使える柔軟性があるためです。
特に初めて連絡する取引先には、この2つから選ぶのが安全です。
例文:「秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
Q2. 「候」と「みぎり」の違いは?
「候」はやや格式が高く、「みぎり」は柔らかい印象です。
どちらも「〜の時節」という意味ですが、公的文書や初めての取引先には「候」、継続的な関係や親しい取引先には「みぎり」を使うと自然です。
例文:
- 「秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」(格式)
- 「秋冷のみぎり、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。」(やや親近感)
Q3. 10月上旬と下旬で表現を変えるべき?
変えることを推奨します。
気温や景色の変化が大きい月だからです。
- 上旬:「秋涼」「爽秋」など爽やかさを表現
- 中旬:「紅葉」「錦秋」など色彩を表現
- 下旬:「晩秋」「霜降」など冬の気配を表現
例文:
- 上旬:「秋涼の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
- 下旬:「晩秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
Q4. 英語の時候の挨拶はどう書く?
「As autumn deepens」や「In this beautiful fall season」が自然です。
日本語のような定型表現は少ないため、シンプルに季節を述べるのが一般的です。
ビジネスメールでは省略されることも多いです。
例文:
- “As autumn deepens, I hope this message finds you well.”
- “In this beautiful October, we would like to express our gratitude for your continued support.”
Q5. 「秋晴の候」と「秋晴れの候」どちらが正しい?
「秋晴の候」が正式です。「れ」は不要です。
時候の挨拶では漢語調(音読み)が基本のため、「秋晴(しゅうせい)」と読みます。
「秋晴れ(あきばれ)」は会話表現です。
例文:
- ⭕ 「秋晴の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
- ❌ 「秋晴れの候、…」
Q6. 同じ取引先に毎月送る場合、毎回変えるべき?
季節表現は毎回変えるべきですが、基本構成は統一してOKです。
時候の挨拶だけを月ごとに変更し、後続の「貴社ますますご清栄〜」部分は定型化しても問題ありません。
むしろ一貫性が信頼感につながります。
例文:
- 9月:「秋涼の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
- 10月:「紅葉の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
📚 他の月の時候の挨拶はこちら
- 9月ビジネス時候の挨拶35選【社外向けメール/はがき例文】
- 11月ビジネス時候の挨拶35選(準備中)
まとめ:10月の時候の挨拶は「紅葉」「秋冷」が鉄板
10月の時候の挨拶は、上旬「秋涼」、中旬「紅葉」、下旬「晩秋」を軸に選ぶのが最も安全で効果的です。
この記事のポイント
- 🍁 時期に合った季語を選ぶことが信頼感につながる
- 📧 メールとはがきで表現レベルを調整する
- ❌ 季節外れの表現は避け、全国標準の表現を優先する
- 💡 結びの言葉も10月仕様にすると統一感が出る
今日から使える35の文例で、取引先への印象を確実に向上させましょう。
📄 時候の挨拶年間テンプレート集(12ヶ月対応)はこちら
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