ビジネスシーンでは、相手に対して催促やリマインドを送る場面が頻繁にあります。
しかし、日本のビジネス文化では、直接的な催促は失礼に当たる可能性があるため、丁寧で適切な表現を使うことが重要です。
この記事では、ビジネスメールでの催促の丁寧な表現方法と実用的なリマインドメールの例文を紹介します。
この記事でわかること
- ビジネスメールでの催促の基本的な考え方
- 丁寧に催促するための日本語表現と言い回し
- シーン別の催促メール例文と使い分け
- 相手に不快感を与えない催促の秘訣
- 効果的なリマインドメールの書き方のポイント
日本語の「催促」メールには独特の表現と構造があります。
適切な敬語と丁寧な言い回しを使いこなすことで、相手との良好な関係を保ちながら必要な対応を促すことができます。
すぐに使えるリマインドメール例文
ビジネスシーンですぐに活用できる催促・リマインドメールの例文を紹介します。
状況に応じて適切に使い分けましょう。
返信を催促するメール例文
件名:【ご確認のお願い】先日のご提案について
田中様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の佐藤です。
先日(5月15日)にお送りいたしました企画書についてのご確認をお願いできますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討状況をお知らせいただけますと幸いです。
なお、内容についてご不明な点やご質問などございましたら、お気軽にお申し付けください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社〇〇
佐藤一郎
間違いやすいポイント
「早く返信してください」「まだ確認されていませんか?」などの直接的な表現は避け、相手の状況に配慮した丁寧な表現を使いましょう。
支払いを催促するメール例文
件名:【お支払いに関するご確認】請求書No.123について
鈴木様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇経理部の山田です。
先月(4月20日)にお送りいたしました請求書No.123(金額:10万円)について、
お支払い期日(5月20日)が過ぎておりますので、ご確認をお願いいたします。
既にお手続きいただいている場合は、行き違いとなり申し訳ございません。
お忙しい中お手数をおかけいたしますが、ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。
ご不明点などございましたら、お気軽にご連絡ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社〇〇 経理部
山田花子
電話:03-XXXX-XXXX
間違いやすいポイント
支払いの催促は特に配慮が必要です。
「支払いが遅れています」という否定的な表現ではなく、「ご確認をお願いします」という前向きな表現を使いましょう。
会議やイベントのリマインドメール例文
件名:【リマインダー】明日の定例会議について
プロジェクトメンバー各位
お世話になっております。
プロジェクト担当の高橋です。
明日(5月22日)10:00より会議室Aにて開催予定の第3回プロジェクト進捗会議について
リマインドさせていただきます。
【日時】5月22日(水)10:00〜12:00
【場所】本社ビル 3階 会議室A
【議題】
1. 前回議事録の確認
2. 各担当の進捗報告
3. 今後のスケジュール調整
資料は添付ファイルをご確認ください。
ご多忙中恐れ入りますが、ご出席のほどよろしくお願いいたします。
株式会社〇〇
高橋誠
間違いやすいポイント
リマインドメールは単なる情報の再通知ではなく、参加を促す意図があります。
日時や場所などの重要情報を明確に記載しましょう。
シーン別の使い分け
催促やリマインドのメールは、状況や相手との関係性によって適切な表現を使い分けることが重要です。
社内メールでの使い分け
社内メールでは、相手との関係性に応じた適切な表現を選ぶことが重要です。
同僚へのメール
件名:資料提出のリマインダー
佐藤さん
お疲れ様です。
総務部の鈴木です。
先日お願いした経費精算書の提出期限が明日までとなっております。
まだご提出いただいていないようでしたら、ご対応をお願いいたします。
何か不明点があればお気軽にご連絡ください。
よろしくお願いします。
上司へのメール
件名:企画書へのフィードバックについて(ご確認)
部長
お世話になっております。
営業企画課の田中です。
先週ご提出いたしました新規プロジェクトの企画書について、
スケジュールの都合上、今週中にフィードバックをいただけますと助かります。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討状況をお知らせいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
取引先への使い分け
取引先に対しては、より丁寧な表現を用いて、ビジネス関係を損なわないよう配慮します。
初めての催促
件名:先日のご提案に関するご確認
〇〇株式会社
営業部 山田様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の佐藤でございます。
先日(5月10日)にお送りいたしました商品提案書につきまして、
ご検討いただけておりますでしょうか。
お忙しい中大変恐縮ではございますが、現在のご検討状況をお聞かせいただけますと幸いです。
また、ご不明点やご質問などございましたら、お気軽にお申し付けください。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社△△
佐藤一郎
TEL: 03-XXXX-XXXX
Email: sato@xxxx.co.jp
2回目以降の催促
件名:【再送】見積書へのご回答について
〇〇株式会社
経理部 鈴木様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の高橋でございます。
先日(5月5日)にお送りいたしました見積書No.A12345につきまして、
ご確認のお願いをさせていただきましたが、その後ご連絡がなく、
行き違いがあったかと存じ、再度ご連絡させていただきました。
貴社の決裁プロセスでお時間を要しているようでしたら、
現在の状況をお知らせいただけますと幸いです。
ご多忙の折、お手数をおかけして誠に申し訳ございませんが、
ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
株式会社△△
高橋誠
TEL: 03-XXXX-XXXX
Email: takahashi@xxxx.co.jp
基本的な書き方のポイント
催促やリマインドメールを書く際の基本的なポイントを解説します。
件名の付け方
件名は相手に開封してもらうために重要です。具体的な内容を簡潔に示しましょう。
効果的な件名の例
- 【ご確認のお願い】5/15提出の企画書について
- 【リマインダー】明日の会議について
- 【再送】見積書へのご回答について
- 【お願い】請求書No.123のお支払いについて
間違いやすいポイント
「催促」「督促」などの直接的な言葉は避け、「ご確認」「お願い」「リマインダー」などの柔らかい表現を使いましょう。
本文の構成
効果的なリマインドメールの本文は、以下の要素で構成するとよいでしょう。
- 挨拶・自己紹介:「いつもお世話になっております」などの定型挨拶
- 前回の連絡内容の確認:いつ、どのような内容の連絡をしたか
- 状況確認の依頼:現在の検討状況や進捗を尋ねる
- 期限や重要性の説明:必要に応じて対応期限や重要性を伝える
- 謝罪と感謝の言葉:「お忙しいところ恐縮ですが」など
- 締めの言葉:「よろしくお願いいたします」など
適切な敬語表現
相手に不快感を与えない丁寧な敬語表現を使いましょう。
使える敬語表現
- 「ご確認いただけますでしょうか」
- 「お知らせいただけますと幸いです」
- 「お忙しいところ恐縮ですが」
- 「ご検討状況をお聞かせください」
- 「お手数をおかけして申し訳ございません」
間違いやすいポイント
命令形や断定的な表現(「確認してください」「返信が遅いです」など)は避けましょう。
状況別の使い分け
様々なビジネスシーンで使える催促・リマインドの表現を紹介します。
状況に応じて適切な表現を選びましょう。
提出物の催促
お願いしておりました〇〇の提出期限が明日となっております。
ご準備状況はいかがでしょうか。
返信・回答の催促
先日お送りいたしました〇〇について、ご検討いただけておりますでしょうか。
ご多忙中恐れ入りますが、ご回答をいただけますと幸いです。
支払いの催促
請求書No.〇〇につきまして、お支払い期日が過ぎておりますので、
ご確認いただけますでしょうか。
会議・アポイントメントのリマインド
明日の〇時より予定しております打ち合わせについて、リマインドさせていただきます。
ご参加のほど、よろしくお願いいたします。
アレンジのコツ
基本的な例文をベースに、状況や関係性に合わせてアレンジするコツを紹介します。
敬語レベルの調整
相手との関係性に応じて、敬語のレベルを調整しましょう。
社内の同僚向け
〇〇の提出をお願いできますか?明日が締切です。
取引先や上司向け
〇〇のご提出につきまして、明日が締切となっております。
恐れ入りますが、ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。
緊急度に応じた表現
対応の緊急度に応じて、適切な表現を選びましょう。
一般的な催促
ご都合のよろしいときにご確認いただけますと幸いです。
やや急ぎの催促
今週中にご回答いただけますと、次のステップに進めるため助かります。
緊急の催促
誠に恐れ入りますが、本日中にご対応いただけますようお願い申し上げます。
実践時の注意点
催促・リマインドメールを送る際の注意点をまとめます。
適切なタイミング
催促メールを送るタイミングは重要です。
一般的には以下のようなタイミングが適切です。
- 初回の連絡から3〜5営業日後: 一般的な返信依頼
- 期限の1〜2営業日前: 期限が設定されている場合のリマインド
- 期限経過後1〜3営業日: 期限切れの案件への催促
間違いやすいポイント
あまりに頻繁に催促すると相手に不快感を与える可能性があります。
適切な間隔をあけましょう。
感情的にならない
相手からの反応がない場合でも、感情的な表現は避け、常に冷静で丁寧な表現を心がけましょう。
避けるべき表現
- 「まだ返信がありません」
- 「なぜ対応されていないのでしょうか」
- 「すぐに対応してください」
代わりの丁寧な表現
- 「ご確認いただけておりますでしょうか」
- 「現在のご検討状況をお知らせいただけますと幸いです」
- 「可能な限りお早めにご対応いただけますと助かります」
電話との使い分け
メールでの催促が効果的でない場合は、電話でのフォローも検討しましょう。
メールでもご連絡しておりましたが、確認のお電話をさせていただきました。
〇〇についてのご回答をいただけると幸いです。
まとめ
ビジネスメールでの「催促」は、相手への配慮と適切な言い回しが重要です。
この記事で紹介した例文とポイントを参考に、状況や相手に合わせた丁寧な催促・リマインドメールを作成しましょう。
ポイントをまとめると
- 丁寧な表現を使う: 直接的な催促表現は避け、相手の状況に配慮した丁寧な表現を使いましょう。
- 具体的に伝える: 何について、いつまでに、どのような対応を希望するかを明確に伝えましょう。
- 感謝と謝罪の言葉を添える: 「お忙しいところ恐縮ですが」などの言葉を添えると印象が和らぎます。
- 適切なタイミングで送る: 頻繁すぎる催促は避け、適切な間隔を空けましょう。
- 相手との関係性に応じた表現を選ぶ: 社内と社外、上司と同僚など、関係性に応じて適切な敬語レベルを選びましょう。
適切な「催促」の表現を身につけることで、スムーズなビジネスコミュニケーションが実現します。
ぜひ今回紹介した例文やポイントを活用して、効果的なリマインドメールを送ってみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q1:催促メールの送信頻度はどのくらいが適切ですか?
A1: 一般的には最初の連絡から3〜5営業日空けて最初の催促、その後は状況に応じて1週間程度の間隔が適切です。
ただし、緊急性の高い案件では、より短い間隔での催促が必要な場合もあります。
Q2:何度催促しても返信がない場合はどうすればいいですか?
A2:メールでの催促が2〜3回続いても反応がない場合は、電話でのフォローを検討しましょう。
電話では「確認のお電話をさせていただきました」と丁寧に伝え、相手の状況を確認するとよいでしょう。
Q3:英語での催促メールとどう違いますか?
A3:日本語の催促メールは英語に比べてより間接的で丁寧な表現を使います。
「お忙しいところ恐縮ですが」などの前置きや、「〜いただけますと幸いです」などの婉曲的な表現が特徴です。
Q4:催促メールで避けるべき表現はありますか?
A4:「早く」「すぐに」などの急かす表現や、「なぜ返信がないのか」など責める表現は避けるべきです。
また、「催促」「督促」という直接的な言葉も件名や本文では使わないほうが無難です。
Q5:リマインダー(リマインド)と催促の違いは何ですか?
A5:リマインドは主に予定や締切を思い出させる目的の連絡で、催促はより具体的な行動を促す連絡です。
リマインドは一般的に催促よりもニュートラルな印象を与えるため、特に初回の催促では「リマインダー」という表現を使うことも効果的です。