「〜とのこと」は、ビジネスメールや会話でよく使用される便利な表現ですが、使い方を間違えると相手に失礼な印象を与えることがあります。
本記事では、「〜とのこと」を正しく使うための状況別例文30選と、言い換え表現、失礼にならない使い方のポイントを詳しく解説します。
すぐに使える実用的な例文とともに、ビジネスシーンで役立つ知識を身につけましょう。
この記事でわかること
- すぐに使える「〜とのこと」の状況別例文30選
- 「〜とのこと」の基本的な意味と正しい使い方
- 関係性別(上司・同僚・取引先)の適切な使い分け方
- 「〜とのこと」の言い換え表現と使い分けのコツ
- よくある間違いと失礼にならない表現のポイント
日常のビジネスコミュニケーションで頻繁に使う「〜とのこと」の使い方をマスターして、より円滑なコミュニケーションを実現しましょう。
すぐに使える!状況別「〜とのこと」例文30選
「〜とのこと」は様々なビジネスシーンで活用できる便利な表現です。
以下に、状況別に使える例文を30選ご紹介します。
状況に応じて使い分けることで、より円滑なコミュニケーションが実現できます。
伝言・報告の例文
第三者からの情報を上司や同僚に伝える際に役立つ例文です。
正確に情報を伝えるために、「〜とのこと」を使って伝言であることを明確にしましょう。
例文1:取引先からの連絡を上司に伝える
田中部長、先ほどA社の佐藤様からお電話がありました。
来週の会議を金曜日の15時に変更したいとのことです。
ご都合はいかがでしょうか。
例文2:社内の別部署からの依頼を伝える
営業部の山田さんからご連絡がありました。
新商品のカタログが必要とのことですので、
できれば今週中に5部ほど渡してほしいとのことです。
例文3:クライアントからの要望を伝える
先ほどクライアントからご連絡があり、
提案書の修正点について3点ほど要望があるとのことです。
詳細は添付のメールをご確認ください。
例文4:お客様からの問い合わせを伝える
お客様から製品の納期についてお問い合わせがありました。
できるだけ早く回答がほしいとのことですので、
生産状況を確認していただけますか。
例文5:会議の結果を不在者に伝える
昨日の営業会議の結果をお伝えします。
第2四半期の目標達成が困難なため、戦略の見直しが必要とのことです。
来週までに各自で改善案を考えてくるよう部長が仰っていました。
社内連絡の例文
社内でのコミュニケーションにおいて、「〜とのこと」を使った正確な情報伝達の例文です。
部署間の連絡や社内の決定事項の共有などに活用できます。
例文6:部署内での決定事項の共有
部長との打ち合わせの結果、今月のプロジェクト優先順位が
変更になったとのことです。詳細は添付の資料をご確認ください。
例文7:上司の指示を部下に伝える
部長から指示がありました。
月末の報告書は従来のフォーマットではなく、
新しいテンプレートを使用してほしいとのことです。
例文8:人事部からの連絡を伝える
人事部からの連絡によると、
来月から新しい勤怠管理システムが導入されるとのことです。
使い方の説明会が来週水曜日にあるそうです。
例文9:IT部門からの通知を伝える
IT部門からの通知です。
今週末にシステムメンテナンスがあるとのことですので、
金曜日の退社時にはパソコンをシャットダウンしておいてください。
例文10:経理部からの依頼を伝える
経理部の鈴木さんから連絡があり、
今月の経費精算は25日までに提出してほしいとのことです。
期限厳守でお願いします。
取引先とのやり取りの例文
取引先とのコミュニケーションにおいて、「〜とのこと」を使って丁寧に情報を伝達する例文です。
正確さと敬意を示す表現として活用できます。
例文11:自社の担当者変更を伝える
この度、弊社の○○プロジェクト担当が変更となりましたので
ご連絡いたします。後任の田中が担当となりますとのことですので、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
例文12:会議の日程変更を伝える
先日ご連絡しました会議の日程について、
弊社の都合により5月15日に変更させていただきたいとのことです。
ご調整いただけますと幸いです。
例文13:上司からの回答を伝える
先日ご相談いただいた件について、
弊社部長の山田より回答がございました。
ご提案いただいた内容で進めさせていただくとのことです。
例文14:発注内容の確認を伝える
先ほど弊社の発注担当より連絡がありました。
先日いただいた見積もりの内容で発注したいとのことですので、
正式な発注書を明日お送りいたします。
例文15:取引先からの要望を社内に伝える
A社の佐藤様から連絡があり、
納品スケジュールの前倒しを検討してほしいとのことです。
可能かどうか、生産部門に確認する必要があります。
メールでの使用例文
ビジネスメールでの「〜とのこと」の使い方の例文です。
書面での伝達において、情報の出所を明確にしつつ丁寧に伝えるポイントを押さえています。
例文16:メールでの伝言
件名:【ご連絡】A社佐藤様からのお問い合わせについて
山田様
お世話になっております。
営業部の鈴木です。
先ほどA社の佐藤様からお電話があり、
先日送付した見積書の納期について確認したいとのことです。
ご対応いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
例文17:会議欠席の連絡
件名:【欠席連絡】本日の定例会議について
プロジェクトメンバーの皆様
お世話になっております。
システム部の佐藤です。
本日の定例会議ですが、高橋が急な体調不良により
欠席させていただくとのことです。
担当部分の進捗報告は添付資料にまとめましたので、
ご確認をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
例文18:顧客からの問い合わせ共有
件名:【共有】顧客からの問い合わせ内容
営業部の皆様
お世話になっております。
カスタマーサポートの鈴木です。
本日、複数のお客様から新製品の発売日について
問い合わせがあったとのことです。
正確な情報を共有いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
例文19:社内決定事項の共有
件名:【お知らせ】夏季休暇について
全社員の皆様
お世話になっております。
総務部の田中です。
先ほど経営会議で今年の夏季休暇について決定がありました。
8月11日から16日までを夏季休暇とするとのことです。
詳細は来週正式にアナウンスされます。
よろしくお願いいたします。
例文20:取引先からの連絡内容を共有
件名:【共有】A社からのスケジュール変更依頼
プロジェクトチームの皆様
お世話になっております。
営業部の山本です。
先ほどA社の田中様より連絡があり、
次回の打ち合わせを5月20日に変更してほしいとのことです。
皆様のご都合を明日正午までにご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
会話での使用例文
対面やオンライン会議などの会話の中での「〜とのこと」の使用例です。
口頭でのコミュニケーションにおいても、伝言や報告を正確に伝えるために活用できます。
例文21:電話での伝言
「田中さん、先ほど鈴木部長からお電話がありました。
明日の会議資料を今日中に確認してほしいとのことです。」
例文22:会議での報告
「マーケティング部からの報告によると、
新商品のウェブサイトは来週月曜日に公開予定とのことです。」
例文23:上司からの指示伝達
「部長から全員に連絡があり、
今月の売上目標達成のため、全力で取り組んでほしいとのことです。」
例文24:お客様からの問い合わせ伝達
「山田さん、先ほどお客様からお電話がありました。
納品予定の商品について詳細を知りたいとのことで、
詳しい方に電話を折り返してほしいそうです。」
例文25:社外からの問い合わせ対応
「はい、弊社営業部でございます。鈴木の件ですね。
只今外出しておりますが、戻り次第ご連絡するよう伝えます。
折り返しの連絡先を教えていただけるとのことですが、
よろしいでしょうか?」
例文26:他部署からの依頼伝達
「佐藤さん、開発部の山田さんから連絡があって、
今開発中の新機能のテストに協力してほしいとのことです。
来週の水曜日、時間ありますか?」
例文27:取引先への確認事項伝達
「先日お問い合わせいただいた件について、
弊社の技術部門に確認しましたところ、
ご希望の仕様での対応は可能とのことです。」
例文28:社内決定事項の共有
「先ほど部長と確認しましたが、
プロジェクトの予算は前回と同じ金額で承認されたとのことです。」
例文29:部署間の情報共有
「経理部から連絡があり、
今月の経費精算は25日が締め切りとのことですので、
早めの提出をお願いします。」
例文30:クライアントからのフィードバック共有
「クライアントからのフィードバックによると、
先日のプレゼンは概ね好評だったとのことですが、
価格面でもう少し検討の余地があるようです。」
「〜とのこと」の基本的な意味と使い方
「〜とのこと」は、ビジネスシーンでよく使われる表現ですが、その意味と正しい使い方を理解することで、より適切なコミュニケーションが可能になります。
ここでは、基本的な意味と使い方について解説します。
「〜とのこと」の基本的な意味
「〜とのこと」は、第三者からの情報を丁寧に伝える表現で、特にビジネスの場面で頻繁に使用されます。
具体的には、以下のような意味と特徴があります。
- 第三者の意見や伝聞を表す
- 「○○様が会議を欠席するとのことです。」
- 「納期は来週の金曜日までで大丈夫とのことでした。」
- 正式な場面での間接的な伝達
- 「ご依頼について承知したとのことです。」
- 「検討した結果、ご提案を採用するとのことです。」
- 情報提供の丁寧な表現
- 「こちらで対応済みとのことでした。」
- 「担当者が変更になったとのことです。」
「〜とのこと」は、あくまで第三者の情報を伝えるための表現であり、自分自身の直接的な発言や意見には適していません。
伝聞の形式を取ることで、情報の出所を明確にし、正確な情報伝達を可能にする役割があります。
ビジネスシーンでの正しい使い方
ビジネスシーンでは、相手の立場や状況に応じて、「〜とのこと」を正しく使うことが求められます。
以下のポイントを押さえて、適切に使いましょう。
- 相手の発言を丁寧に伝える
- 適切:「○○様から承知いたしましたとのことです。」
- 状況:取引先からの返答を自社内で共有する場合
- 状況を報告する
- 適切:「クライアント様がその条件で進めてほしいとのことでした。」
- 状況:クライアントからの要望を社内に伝える場合
- 感謝や謝罪の意を伝える
- 適切:「迅速にご対応いただきありがとうございましたとのことです。」
- 状況:取引先からの感謝の言葉を関係者に共有する場合
- 正確な情報伝達
- 適切:「会議は10時からに変更になったとのことです。」
- 状況:スケジュール変更を関係者に伝える場合
「〜とのこと」を使用する際の重要なポイントは、情報の出所を明確にすることです。
「〜によると」「〜から聞いた話では」などと組み合わせることで、より情報の信頼性と透明性を高めることができます。
また、ビジネスシーンでは、相手への敬意を忘れずに言葉遣いを丁寧に保つことも大切です。
「〜とのことです」「〜とのことでした」など、丁寧な言い回しを心がけましょう。
相手別:「〜とのこと」の適切な使い分け
「〜とのこと」は、相手との関係性によって使い方を適切に変える必要があります。
ここでは、相手別の使い分けポイントを解説します。
上司への報告での使い方
上司への報告では、「〜とのこと」を使って第三者からの情報を正確に伝えることが重要です。
特に以下のポイントに注意しましょう。
基本的な使い方
「先ほどA社の田中様からお電話があり、
納期を1週間延長してほしいとのことです。」
重要な案件の報告
「クライアントの佐藤様から緊急のご連絡があり、
プロジェクトの予算が10%増額されたとのことです。
詳細な資料は後ほどメールで届くそうです。」
社内の別部署からの連絡
「経理部の山田さんからご連絡があり、
今月の予算申請は24日までとのことです。」
上司への報告では、情報の出所を明確にし、できるだけ正確に伝えることが大切です。
また、重要度に応じて、「至急」「緊急」などの言葉を添えると、より適切に情報が伝わります。
同僚との会話での使い方
同僚とのコミュニケーションでは、やや砕けた表現も可能ですが、業務上の情報伝達では「〜とのこと」を適切に使用しましょう。
日常的な業務連絡
「営業部の鈴木さんから連絡があって、
明日の会議資料を今日中に送ってほしいとのことだよ。」
プロジェクト情報の共有
「プロジェクトマネージャーの田中さんによると、
次のフェーズは来月から開始するとのことだ。」
取引先からの連絡共有
「さっきA社の佐藤さんから電話があったんだけど、
提案書の修正箇所があるとのことで、
詳細はメールで送ってくれるそうだよ。」
同僚との会話では、「〜とのこと」の後に「だ」「だよ」などの語尾を使うことで、より自然な会話になります。
ただし、重要な業務情報を共有する場合は、情報の正確性を優先し、丁寧な表現を心がけましょう。
部下・後輩への伝達での使い方
部下や後輩に情報を伝える場合も、「〜とのこと」を使って第三者からの情報であることを明確にすることが重要です。
上層部からの指示伝達
「部長から連絡があり、
今月の報告書は新しいフォーマットで提出してほしいとのことだ。
詳細はこのあとメールで共有するので確認してくれ。」
業務指示の伝達
「クライアントから連絡があって、
企画書の提出期限が早まったとのことだ。
明日の午前中までに完成させられるかな?」
フィードバックの伝達
「先日のプレゼンについて、クライアントからフィードバックがあり、
内容は良かったが、もう少し具体例が欲しいとのことだ。
次回の資料作成時に参考にしてほしい。」
部下への伝達では、指示や依頼を明確に伝えつつ、その背景情報(第三者からの情報)も「〜とのこと」を使って伝えることで、より説得力のある指示になります。
また、部下のモチベーションを考慮して、肯定的なフィードバックも積極的に伝えるとよいでしょう。
取引先とのやり取りでの使い方
取引先とのコミュニケーションでは、より丁寧な言葉遣いが求められます。
「〜とのこと」を使う際も、敬語表現と組み合わせて使用しましょう。
社内決定事項の伝達
「弊社で検討しました結果、
ご提案いただいた内容で進めさせていただくとのことです。
詳細は担当の田中より改めてご連絡いたします。」
上司からの回答伝達
「ご質問いただいた件につきまして、
弊社部長の山田に確認しましたところ、
来週の水曜日でしたら対応可能とのことです。」
スケジュール調整
「先日ご提案した会議日程について、
弊社の都合により変更をお願いしたいとのことです。
可能でしたら、5月15日の午後でご調整いただけないでしょうか。」
取引先とのやり取りでは、「〜とのこと」を使って自社の意向や決定事項を伝える際も、「〜でございます」「〜でございました」など、より丁寧な敬語表現を使うことで、相手への敬意を示すことができます。
また、「〜とのことですので」と理由を添えることで、より丁寧な印象になります。
よくある間違いと注意点
「〜とのこと」を使用する際によくある間違いと注意点について解説します。
これらのポイントを押さえることで、より適切な表現が可能になります。
言葉が過剰に堅苦しくなる問題
「〜とのことです」を頻繁に使いすぎると、文章全体が硬い印象を与え、読みにくくなることがあります。
以下の例を参考に、適切な使用頻度を心がけましょう。
不適切な例
「本日は欠席とのことで承知しましたとのことです。
また、資料については後日送付するとのことですので、
確認次第ご連絡するとのことをお伝えください。」
改善例
「本日は欠席とのことで承知しました。
また、資料については後日送付するとのことです。
確認次第ご連絡する旨をお伝えください。」
同じ表現を繰り返すことで文章が不自然になるため、「とのこと」「旨」「由」など、類似表現を適宜組み合わせることが重要です。
また、直接的な表現に言い換えることで、文章の読みやすさが向上します。
「とのこと」と「旨」の混同
「とのこと」と「旨」は似た用法を持ちますが、フォーマル度に違いがあります。
それぞれの特徴を理解し、適切に使い分けましょう。
「とのこと」の例
「こちらで確認済みとのことです。」
「旨」の例
「こちらで確認済みの旨、承知いたしました。」
「旨」は「とのこと」よりもフォーマルな印象を与える表現で、公式文書や改まったメールに適しています。
一方、「とのこと」は日常的なビジネスメールでより使いやすい表現です。
相手との関係性やコミュニケーションの場面に応じて、適切に選択しましょう。
直接聞いた内容への使用
「〜とのこと」は基本的に第三者からの情報を伝える際に使用する表現です。
自分が直接聞いた内容や自分の意見に対して使用するのは不適切です。
不適切な例
(自分が直接聞いた内容を上司に報告する場合)
「先ほどA社の田中様と直接お話しして、納期は来週で大丈夫とのことです。」
改善例
(自分が直接聞いた内容を上司に報告する場合)
「先ほどA社の田中様と直接お話しして、納期は来週で大丈夫だそうです。」
または
「先ほどA社の田中様と直接お話ししました。納期は来週で大丈夫だとおっしゃっていました。」
自分が直接聞いた内容を伝える場合は、「〜とのこと」ではなく、「〜だそうです」「〜とおっしゃっていました」などの表現を使うほうが自然です。
「〜とのこと」は、あくまで第三者からの情報を伝える際に使用しましょう。
「〜とのこと」の言い換え表現
「〜とのこと」を適切に言い換えることで、文章の多様性と柔軟性を高めることができます。
ここでは、フォーマル度や状況に応じた言い換え表現を紹介します。
フォーマル度による言い換え例
フォーマル度に応じて、「〜とのこと」を適切に言い換えることで、状況に合った表現が可能になります。
より丁寧・フォーマルな表現
- 「〜の旨」
「会議に出席できない旨、ご連絡いただきました。」
- 「〜の由」
「納期を延長したい由、申し出がありました。」
- 「〜との話です」
「プロジェクトの予算が承認されたとの話です。」
カジュアル・日常的な表現
- 「〜だそうです」
「明日の会議は10時からだそうです。」
- 「〜とおっしゃっていました」
「佐藤さんが、資料は明日までに準備するとおっしゃっていました。」
- 「〜ということです」
「来週から新しいプロジェクトが始まるということです。」
フォーマル度は、「の旨」>「とのこと」>「ということです」>「だそうです」の順に下がっていきます。
状況や相手との関係性に応じて、適切な表現を選びましょう。
状況別の適切な言い換え表現
状況に応じた「〜とのこと」の言い換え表現を紹介します。
適切な言い換えを選ぶことで、より自然なコミュニケーションが可能になります。
社内での報告
「マーケティング部によると、新商品の発売日は来月15日だそうです。」
「部長の話では、今月の目標達成が厳しい状況だということです。」
「人事部からの連絡によれば、新しい研修制度が導入されるとのことです。」
メールでの情報共有
「先方からのご連絡によりますと、会議は延期になる旨、お伝えがありました。」
「担当者から聞いた話では、納品は予定通り行われるということです。」
「クライアントからの要望として、デザインの修正が必要との話がありました。」
取引先とのやり取り
「弊社で確認したところ、ご要望の納期に間に合わせることが可能との結論に至りました。」
「担当の者に確認しましたところ、追加費用なしで対応できる旨、回答がございました。」
「先日のご提案について社内で検討した結果、採用させていただきたいとの決定をいたしました。」
状況や相手に応じて、「〜によると」「〜によれば」「〜の話では」などの表現と組み合わせることで、情報の出所がより明確になります。
言い換えを選ぶ際の注意点
言い換え表現を選ぶ際は、以下のポイントに注意することで、相手に違和感を与えずに表現を伝えることができます。
- 相手の立場や状況を考慮する
- フォーマルな場面では「〜の旨」「〜とのこと」を選ぶ
- カジュアルな場面では「〜だそうです」「〜ということです」が適切
- 文章全体の調和を意識する
- 同じ言い換え表現を繰り返すと単調になるため、適度に変化をつける
- 文体の統一感を保ちつつ、適切な表現を選ぶ
- 内容を正確に伝える
- 伝聞内容が曖昧にならないよう、情報の出所を明確にする
- 重要な情報ほど、より正確な表現を選ぶ
- 過剰な敬語表現を避ける
- 「〜の旨を申し上げます」など、必要以上に複雑な表現は避ける
- シンプルで分かりやすい表現を心がける
適切な言い換え表現を選ぶことは、相手に対する配慮や文章の多様性を高めるうえで重要です。
場面ごとに使い分けを意識しましょう。
まとめ:「〜とのこと」を正しく使いこなすコツ
ビジネスシーンで頻繁に使用される「〜とのこと」の使い方について、重要なポイントをまとめました。
これらを押さえることで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。
- 基本的な使い方を理解する
- 「〜とのこと」は第三者からの情報を伝える表現
- 自分が直接聞いた内容や自分の意見には使用しない
- 情報の出所を明確にして使用する
- 相手に応じた適切な使い分け
- 上司には正確な情報伝達を心がける
- 同僚には状況に応じて柔軟に表現を変える
- 部下には指示や依頼を明確に伝える
- 取引先には敬語表現と組み合わせて丁寧に伝える
- よくある間違いを避ける
- 過剰な使用による堅苦しさを避ける
- 「旨」との使い分けを意識する
- 直接聞いた内容への誤った使用を避ける
- 状況に応じた言い換え表現を活用する
- フォーマル度に応じた表現を選ぶ
- 文章の多様性を高めるために適切に言い換える
- 相手や状況に合わせて表現を調整する
「〜とのこと」は、正しく使えば非常に便利な表現です。
第三者からの情報を伝える際に、情報の出所を明確にし、正確に伝えるという役割を果たします。
本記事で紹介した例文やポイントを参考に、ビジネスシーンでの「〜とのこと」の使い方をマスターしましょう。
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よくある質問(FAQ)
「〜とのこと」の使い方に関する疑問や質問について、多くの方が迷いやすいポイントを取り上げます。
ここでは、よく寄せられる質問に対して具体的に回答し、使い方の理解を深めていきます。
Q1:「とのことです」は失礼ですか?
A: 「とのことです」は、敬意を持って第三者の情報を伝える際に適切な表現です。
基本的に失礼な表現ではありません。
ただし、連続して使用すると堅苦しくなるため、適宜言い換え表現を活用しましょう。
また、目上の人が言ったことを目下の人に伝える場合は、より丁寧な表現を選ぶとよいでしょう。
Q2:「とのこと」と「旨」の違いは何ですか?
A: 「とのこと」と「旨」は似た用法を持ちますが、「旨」の方がよりフォーマルな印象を与えます。
「旨」は公式文書や改まったメールに適しており、「とのこと」は日常的なビジネスメールでより使いやすい表現です。
例えば「確認しました旨、お伝えください」(フォーマル)と「確認したとのこと、お伝えください」(やや砕けた表現)のような違いがあります。
Q3:自分が直接聞いた内容にも「とのこと」を使えますか?
A: 基本的には使用しません。
「〜とのこと」は第三者からの情報を伝える際に使用する表現です。
自分が直接聞いた内容を伝える場合は、「〜とおっしゃっていました」「〜だそうです」「〜と言っていました」などの表現を使うほうが自然です。
Q4:「とのこと」の使用頻度はどの程度が適切ですか?
A: 「とのこと」の使用頻度は、一つの文章の中で1〜2回程度が適切です。
同じ表現を繰り返し使用すると文章が堅苦しくなり、読みにくくなります。
文章の多様性を保つために、「旨」「由」「ということです」「だそうです」など、類似表現と適宜組み合わせて使うことをお勧めします。
Q5:メールでの「とのこと」の使い方の注意点はありますか?
A: メールで「とのこと」を使用する際は、情報の出所を明確にすることが重要です。
「○○様からのご連絡によると」「△△部の■■が申しておりました」など、誰からの情報なのかを明示してから「〜とのこと」を使用するとより分かりやすくなります。
また、件名や冒頭で要点を簡潔に伝え、詳細を本文で説明する構成にすると読みやすくなります。
Q6:「とのこと」の別の言い方を教えてください。
A: 「とのこと」の別の言い方には、以下のようなものがあります。
- より丁寧:「〜の旨」「〜の由」「〜との話です」
- 標準的:「〜ということです」「〜とのことでした」
- やや砕けた表現:「〜だそうです」「〜とおっしゃっていました」「〜と言っていました」
状況や相手との関係性に応じて適切な表現を選びましょう。
Q7:部下が使った「とのこと」は失礼になりますか?
A: 部下が上司に対して「〜とのこと」を使用すること自体は基本的に失礼ではありません。
ただし、上司の指示や言葉を他の人に伝える際に「部長がこう言っていたとのこと」という表現は、敬意に欠ける印象を与える可能性があります。
この場合は「部長がこのようにおっしゃっていました」などの敬語表現を使用するほうが適切です。
Q8:「とのことでしたので」という表現は正しいですか?
A: 「とのことでしたので」は文法的には間違いではありませんが、やや冗長な印象を与える表現です。より簡潔に「とのことでした。そのため〜」「とのことです。したがって〜」のように分けるか、「〜とのことでしたから」と簡略化するとよいでしょう。
Q9:英語で「とのこと」に相当する表現はありますか?
A: 英語で「〜とのこと」に相当する表現としては、”I was told that…”, “According to…”, “I heard that…”, “They said that…” などがあります。
これらの表現も日本語の「〜とのこと」と同様に、第三者からの情報を伝える際に使用されます。
Q10:「とのことなので」と「とのことですので」はどちらが正しいですか?
A: どちらも文法的には正しい表現ですが、ビジネスシーンでは「とのことですので」のほうが丁寧で適切です。
「とのことなので」はややカジュアルな印象を与えるため、公式な文書やビジネスメールでは「とのことですので」を使用することをお勧めします。