ビジネスメールは現代のビジネスコミュニケーションの要です。
適切な書き方を身につけることで、相手に好印象を与え、円滑なコミュニケーションを図ることができます。
本記事では、ビジネスメールの基本から応用まで、実際に使える例文とともに解説します。
この記事でわかること
- すぐに使えるビジネスメールの例文・テンプレート
- シーン別の適切なビジネスメール表現
- メールの構成要素と基本的な書き方のポイント
- よくあるミスとその対策方法
- メール返信の適切なタイミングと方法
これからビジネスメールの書き方をマスターして、プロフェッショナルな印象を与えるメールを作成しましょう。
ビジネスシーンですぐに活用できる例文・テンプレートを紹介します。場面に応じてカスタマイズしてご利用ください。
すぐに使えるビジネスメール例文・テンプレート
ビジネスシーンですぐに活用できる例文・テンプレートを紹介します。
場面に応じてカスタマイズしてご利用ください。
基本的な問い合わせメール(社外向け)
件名:【ご質問】貴社製品〇〇について
〇〇株式会社
営業部 〇〇様
お世話になっております。
△△株式会社の□□と申します。
この度は、貴社の製品「〇〇」について質問がございます。
現在、弊社では△△の目的で新しいシステムの導入を検討しており、
貴社製品が弊社のニーズに合うか確認したいと思っております。
つきましては、下記の点についてご教示いただけますと幸いです。
1. 〇〇の具体的な機能について
2. 導入費用の概算
3. 保守サポートの内容
ご多忙の中恐縮ではございますが、ご回答いただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
--
□□ □□(フルネーム)
△△株式会社 企画部
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: xxx@xxx.co.jp
社内向け報告メール
件名:【週次報告】プロジェクトAの進捗状況(6/1〜6/7)
部長 〇〇様
プロジェクトメンバーの皆様
お疲れ様です。
企画部の□□です。
プロジェクトAの今週(6/1〜6/7)の進捗状況をご報告いたします。
【進捗状況】
1. デザイン案確定(6/2完了)
2. コンテンツ作成(70%完了)
3. システム連携テスト(開始済み)
【今週の成果】
・クライアントからデザイン案の承認を得ました
・主要コンテンツの作成が予定通り進んでいます
【課題点】
・システム連携テストで一部エラーが発生しています
・解決策として〇〇を検討中です
【来週の予定】
・残りのコンテンツ作成を完了させる
・システムエラーの修正と再テスト
ご不明点がございましたら、ご連絡ください。
引き続きよろしくお願いいたします。
□□ □□
商談のお礼メール(敬語表現)
件名:【お礼】本日の商談について
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
お世話になっております。
△△株式会社の□□でございます。
本日は、お忙しい中、弊社製品のプレゼンテーションにお時間をいただき、
誠にありがとうございました。
〇〇様から頂戴した貴重なご意見、特に△△に関するフィードバックは
今後の製品改良に大変参考になります。
ご依頼いただきました資料につきましては、来週月曜日までにメールにて
お送りさせていただきます。
引き続きのご検討をよろしくお願い申し上げます。
なお、ご不明点やご質問などございましたら、いつでもご連絡ください。
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□□ □□(フルネーム)
△△株式会社 営業部
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: xxx@xxx.co.jp
シーン別対応ビジネスメール例文
ビジネスシーンによって適切なメールの書き方は異なります。
ここでは代表的なシーンごとの例文を紹介します。
アポイントメント依頼メール
アポイント依頼のメールでは、目的を明確に伝え、具体的な候補日時を提示することがポイントです。
件名:【面談のお願い】新規サービスのご提案について
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
お世話になっております。
△△株式会社の□□と申します。
この度、弊社で新たに開発いたしました「〇〇サービス」について
ご説明させていただきたく、お時間をいただけないかと存じます。
つきましては、下記日程でのお打ち合わせをご検討いただけますと幸いです。
【候補日時】
・6月15日(月)15:00〜16:00
・6月17日(水)10:00〜11:00
・6月18日(木)14:00〜15:00
ご多忙中とは存じますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
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□□ □□(フルネーム)
△△株式会社 営業部
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: xxx@xxx.co.jp
謝罪メール
間違いやミスが発生した際の謝罪メールでは、明確に非を認め、再発防止策を伝えることが重要です。
件名:【お詫び】納品書の誤記載について
〇〇株式会社
経理部 〇〇様
お世話になっております。
△△株式会社の□□でございます。
先日お送りいたしました納品書(No.12345)に誤記載がございましたこと、
深くお詫び申し上げます。
【誤】納品数量:50個
【正】納品数量:45個
このような事態が発生してしまい、〇〇様にはご迷惑をおかけし、
誠に申し訳ございません。
訂正した納品書を本日中に再送させていただきます。
また、このようなミスが再発しないよう、チェック体制を強化いたします。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
--
□□ □□(フルネーム)
△△株式会社 営業部
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: xxx@xxx.co.jp
断りのメール
断りのメールでは、丁寧な表現を用いつつ、明確な理由と代替案を提示することが大切です。
件名:【ご回答】イベント参加のご依頼について
〇〇株式会社
イベント事務局 〇〇様
お世話になっております。
△△株式会社の□□でございます。
先日はイベントへのご招待をいただき、誠にありがとうございます。
大変恐縮ではございますが、ご案内いただきました6月20日のイベントは、
すでに社内会議が終日入っており、参加を辞退させていただきたく存じます。
代わりに、弊社の△△がイベントに参加させていただくことは可能でしょうか。
または、今後開催される類似のイベントがございましたら、
ぜひ改めてご連絡いただけますと幸いです。
ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
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□□ □□(フルネーム)
△△株式会社 営業部
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: xxx@xxx.co.jp
間違いやすいポイント:シーン別対応での注意点
シーン別メールで間違いやすいポイントとして、以下の点に注意しましょう。
- アポイント依頼メール:曖昧な表現や一方的な日程指定を避ける
- 謝罪メール:言い訳が多くなりすぎないよう、簡潔かつ誠実に伝える
- 断りのメール:断りの理由が不明確だったり、代替案を提示しないと失礼になる可能性がある
ビジネスメールの基本構成と書き方のポイント
効果的なビジネスメールを作成するためには、基本的な構成要素とポイントを押さえることが重要です。
ビジネスメールの基本構成
ビジネスメールは以下の構成要素で成り立っています。
- 件名:簡潔で内容が分かるもの
- 宛名:相手の会社名・部署名・氏名
- 挨拶文:「お世話になっております」など
- 自己紹介:自分の会社名と名前
- 本文:用件の説明
- 結び:締めの言葉
- 署名:自分の連絡先情報
効果的な件名の付け方
件名は相手がメールを開く判断材料となる重要な要素です。
- 【】で種類を明示する:【ご質問】【お礼】【ご報告】など
- 具体的に内容を示す:「6/15の会議について」よりも「【日程変更】6/15予定の企画会議について」
- 長すぎない:30文字程度に収める
具体例:良い件名と悪い件名
良い件名の例:
- 【ご確認】6/20納品予定の商品仕様書について
- 【お礼】本日の商談のお礼と今後のスケジュールについて
- 【緊急】システム障害に関するご報告(至急)
悪い件名の例:
- お問い合わせ
- ご連絡
- 【重要】
間違いやすいポイント:メール構成の注意点
ビジネスメール構成で間違いやすいポイントとして、以下の点に注意しましょう。
- 件名なしでの送信:件名のないメールは迷惑メールと判断されやすい
- 宛名の敬称間違い:「様」を「殿」や「御中」と間違える
- CC/BCCの使い分け:関係者への共有はCCを使い、BCCの使用は慎重に
状況別の適切な表現の使い分け
状況によって適切な表現は異なります。
相手との関係性や目的に応じた表現を使い分けましょう。
社内メールでの使い分け
社内メールでは、相手との関係性に応じた適切な表現を選ぶことが重要です。
同僚へのメール
田中さん
お疲れ様です。佐藤です。
プロジェクトAの資料を添付しました。
ご確認をお願いします。
何か質問があればご連絡ください。
佐藤
上司へのメール
部長 山田様
お疲れ様です。営業部の佐藤です。
ご依頼いただいた先月の売上レポートを添付いたします。
特に東京エリアの売上が前年比120%と好調でした。
ご確認いただき、ご意見をいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
佐藤
社外メールでの使い分け
社外メールでは、より丁寧な表現を用いることが基本です。
初めての取引先へのメール
株式会社〇〇
営業部 鈴木様
初めてメールにてご連絡申し上げます。
△△株式会社営業部の佐藤と申します。
本日の展示会で名刺交換させていただきました件につきまして、
改めてご連絡させていただきました。
弊社製品に関心をお持ちいただき、誠にありがとうございます。
ご質問いただきました製品資料を添付させていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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佐藤 太郎
△△株式会社 営業部
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: sato@xxx.co.jp
継続的な取引先へのメール
株式会社〇〇
営業部 鈴木様
お世話になっております。
△△株式会社の佐藤でございます。
先日ご依頼いただきました見積書を添付いたします。
特別価格にてご案内させていただいております。
ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
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佐藤 太郎
△△株式会社 営業部
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: sato@xxx.co.jp
間違いやすいポイント:状況別表現での注意点
状況別表現で間違いやすいポイントとして、以下の点に注意しましょう。
- 社内メールでも敬語は必要:上司や他部署の人には適切な敬語を使う
- 社外メールで過度に親しい表現を使わない:たとえ付き合いが長くても基本は丁寧に
- 初めての取引先に「お世話になっております」は不適切:初めての場合は「初めてメールにてご連絡申し上げます」などを使う
効果的なビジネスメールのアレンジのコツ
基本テンプレートをベースにしながらも、状況に応じたアレンジを加えることで、より効果的なメールになります。
相手を動かすメールの書き方
相手に行動を促すメールでは、以下のポイントを意識しましょう。
- 明確な目的を伝える:何をしてほしいのかを具体的に
- 期限を示す:「○月○日までに」など明確な期限を設定
- 理由を説明する:なぜそれが必要なのかの理由付け
- 行動のハードルを下げる:簡単に対応できることを示す
具体例:相手を動かすメール
件名:【ご確認のお願い】契約書の最終確認について(6/15締切)
〇〇株式会社
法務部 〇〇様
お世話になっております。
△△株式会社の□□でございます。
先日お送りした契約書の最終案についてご確認をお願いいたします。
来週の締結に向けて準備を進めるため、6/15(水)までに
ご確認いただけますと幸いです。
修正点がなければ、「修正なし」とご返信いただくだけで結構です。
もし修正点がございましたら、お手数ですが該当箇所をお知らせください。
ご多忙のところ恐縮ではございますが、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
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□□ □□(フルネーム)
△△株式会社 法務部
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: xxx@xxx.co.jp
感情を伝えるテクニック
ビジネスメールでも適切に感情を伝えることで、より人間味のあるコミュニケーションが可能になります。
- 感謝の気持ち:「ご支援いただき、心より感謝申し上げます」
- 喜びの表現:「このたびのご連絡、大変嬉しく存じます」
- 謝罪の気持ち:「深くお詫び申し上げます」「誠に申し訳ございません」
間違いやすいポイント:アレンジ時の注意点
メールをアレンジする際の間違いやすいポイントとして、以下の点に注意しましょう。
- 過度な感情表現:ビジネスメールでは抑制的な表現を心がける
- 曖昧な表現:「〜と思います」「〜かもしれません」などの表現は避ける
- 強制的な表現:「〜していただきたい」よりも「〜いただけますと幸いです」などの表現を使う
ビジネスメール作成時の注意点
効果的なビジネスメールを作成するために、以下の注意点を押さえておきましょう。
チェックすべき基本事項
メール送信前に必ず確認すべき事項は以下の通りです。
- 宛先の間違いがないか
- CCやBCCの使用は適切か
- 件名は内容を適切に表しているか
- 文章に誤字脱字はないか
- 添付ファイルの添付忘れはないか
- 署名は正しく入っているか
添付ファイルの扱い方
添付ファイルを送る際は、以下のポイントに注意しましょう。
- ファイル名を分かりやすくする:「資料.pdf」ではなく「御社名_提案資料_20230615.pdf」
- ファイルサイズに注意:大きすぎる場合はオンラインストレージを活用
- ファイル形式の互換性を確認:一般的なPDFやExcelなどを使用
返信のタイミングとマナー
メール返信のタイミングとマナーについて、以下の点を押さえておきましょう。
- 基本は24時間以内の返信:即時対応が難しい場合は受信確認だけでも返す
- 長期不在時は自動返信を設定:不在期間と代理連絡先を明記
- 全員に返信する必要があるか判断:「全員に返信」は必要な場合のみ使用
間違いやすいポイント:送信前の確認
送信前に間違いやすいポイントとして、以下の点に注意しましょう。
- 添付ファイルの確認不足:添付したつもりでも実際は添付されていないケースが多い
- CCの使いすぎ:必要以上の人をCCに入れると情報過多になる
- 長文メールの確認不足:長文になるほど誤字脱字や文章の不整合が発生しやすい
まとめ
ビジネスメールは現代のビジネスシーンにおいて欠かせないコミュニケーションツールです。
効果的なビジネスメールを作成するためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 基本構成を理解する:件名、宛名、挨拶文、本文、結びの基本構成を守る
- 目的に応じたテンプレートを活用する:問い合わせ、報告、依頼など目的別の定型文を使いこなす
- 相手と状況に応じた表現を選ぶ:社内・社外、上司・同僚など関係性に応じた表現を使い分ける
- 送信前に必ず確認する:宛先、件名、文章、添付ファイルなど送信前のチェックを怠らない
これらのポイントを押さえ、実践することで、プロフェッショナルなビジネスメールのスキルを身につけることができます。
状況に応じた適切なメールコミュニケーションを心がけ、ビジネスの成功につなげましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: ビジネスメールの返信は何時間以内にすべきですか?
A1: 基本的には24時間以内の返信が望ましいとされています。
即時に対応できない場合でも、「メールを確認しました。詳細は後ほどご連絡します」といった受信確認の返信を送ることをおすすめします。
Q2: 初めてのビジネスメールで気をつけるべきことは?
A2: 初めての相手には「お世話になっております」ではなく「初めてメールにてご連絡申し上げます」などの表現を使いましょう。
また、自己紹介を丁寧に行い、連絡先情報を明記することが大切です。
Q3: CCとBCCの違いと使い分け方は?
A3: CCは「Carbon Copy」の略で、関係者に情報共有するために使用します。
BCCは「Blind Carbon Copy」の略で、他の受信者に見えないように送信する機能です。
BCCは大量の宛先を隠したい場合や、プライバシーを保護したい場合に使用します。
Q4: 長文メールを避けるコツはありますか?
A4: 1つのメールでは1つの主題に絞り、箇条書きを活用して視認性を高めましょう。
また、詳細な資料は添付ファイルにし、本文では要点のみ伝えるようにすると良いでしょう。
Q5: メールの締めの言葉で適切なものは?
A5: 社内向けには「よろしくお願いします」「引き続きよろしくお願いします」、社外向けには「よろしくお願い申し上げます」「何卒よろしくお願い申し上げます」などが適切です。
状況や相手との関係性に応じて使い分けましょう。
Q6: 英語のビジネスメールで注意すべき点は?
A6: 英語のビジネスメールでは、冒頭の挨拶(Dear Mr./Ms.)と結びの挨拶(Sincerely, Best regards等)を忘れないようにしましょう。
また、日本語よりも簡潔に書くことが一般的です。
Q7: 緊急性の高いメールを送るときのコツは?
A7: 件名に「【urgent】」「【至急】」などを付け、本文の冒頭で緊急性が高い理由と対応期限を明記しましょう。
ただし、本当に緊急な場合は電話やチャットなど別の連絡手段も検討してください。
Q8: メールの文章が硬くなりすぎる場合の対処法は?
A8: 基本的な敬語は維持しつつ、一部に「〜かと思います」「〜していただけると助かります」などのやわらかい表現を取り入れると、硬すぎる印象を和らげることができます。
ただし、くだけすぎには注意しましょう。