「~させていただきます」過剰使用や誤用に注意!本当に使うべき場面も解説

させていただきます 使い方 敬語・丁寧表現
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ビジネスシーンで頻繁に耳にする「~させていただきます」という表現。

丁寧さを表す意図で使用されることが多いですが、実は過剰使用や誤用が目立つフレーズでもあります。

本記事では、この表現の本来の意味と適切な使用場面を解説し、過剰使用を避けるためのポイントを紹介します。

より洗練されたビジネスコミュニケーションのために、ぜひ参考にしてください。

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「~させていただきます」の本来の意味

この表現の本質を理解するために、まずその成り立ちと意味を確認しましょう。

「~させていただきます」は、以下の要素で構成されています。

  1. 動詞の使役形「~させる」
  2. 謙譲語「いただく」
  3. 丁寧語「ます」

本来、この表現は「相手の許可や恩恵により、ある行動をする」という意味を持ちます。

つまり、自分の行動が相手の好意や許可に基づいていることを表現するのが本来の用途です。

しかし、現代のビジネスシーンでは、単なる丁寧表現として乱用されることが多く、本来の意味が薄れてしまっている場合が少なくありません。

適切な使用場面

「~させていただきます」が適切に使用できる場面を、具体例とともに見ていきましょう。

相手の許可を得て行動する場合

例「お客様のご要望に応じて、商品の仕様を変更させていただきます。」

この場合、お客様の要望(許可)があってはじめて仕様変更が可能になるため、適切な使用といえます。

相手の好意や恩恵により行動が可能になる場合

例「ご紹介いただいた企業様と、来週面談させていただきます。」

紹介という好意があってこそ実現する面談であるため、この表現の使用が適切です。

謝罪の意を込めて行動を伝える場合

例「大変申し訳ございませんが、納期を1週間延長させていただきます。」

相手に迷惑をかける行動を取る際、謝罪の意を込めてこの表現を使用するのは適切です。

「~させていただきます」不適切な使用例と代替表現

次に、「~させていただきます」が不適切に使用されている例と、それに代わる適切な表現を紹介します。

通常の業務や義務的な行動を説明する場合

不適切「本日の会議の議事録を作成させていただきます。」

適切「本日の会議の議事録を作成いたします。」

議事録の作成が通常業務である場合、単に「いたします」で十分です。

自社の利益になる行動を説明する場合

不適切「新商品の販売を開始させていただきます。」

適切「新商品の販売を開始いたします。」

自社の判断で行う販売開始に、相手の許可や恩恵の意味合いは不要です。

相手に行動を要求する場合

不適切「アンケートにご回答させていただきます。」

適切「アンケートにご回答いただけますと幸いです。」

相手の行動を述べる際に「させていただく」を使用するのは誤りです。

「~させていただきます」過剰使用を避けるためのポイント

「~させていただきます」の過剰使用を避けるために、以下のポイントを意識しましょう。

行動の主体を確認する

誰が行動を起こすのか、その行動は誰の利益になるのかを考えます。

自社や自分が主体の場合は、使用を控えるべきです。

相手の許可や恩恵の有無を考える

その行動が本当に相手の許可や好意によって可能になるものかを吟味します。

該当しない場合は別の表現を選びましょう。

単純な丁寧表現として使わない

「丁寧に言いたいから」という理由だけでこの表現を使うのは避けましょう。

他の謙譲語や丁寧語で十分な場合も多いです。

文脈に応じて適切な表現を選ぶ

状況や相手との関係性を考慮し、最適な表現を選択します。

場合によっては謙譲語を使わないほうが自然なこともあります。

使用頻度を意識する

一つの文章や会話の中で、この表現を何度も繰り返し使用していないか確認しましょう。

過剰使用は逆に不自然さを生みます。

「~させていただきます」代替表現の例

「~させていただきます」の代わりに使える表現をいくつか紹介します。

状況に応じて適切なものを選びましょう。

  1. 「~いたします」単純な丁寧語として十分な場合に使用。
  2. 「~申し上げます」より丁寧な表現が必要な場合に使用。
  3. 「~つもりです」「~予定です」予定や意思を伝える場合に使用。
  4. 「~したいと思います」希望や意向を伝える場合に使用。
  5. 「~できればと思います」控えめに希望を伝える場合に使用。

まとめ

「~させていただきます」は、適切に使用すれば相手への配慮と敬意を表現できる有用なフレーズです。

しかし、その本来の意味を理解し、適切な場面で使用することが重要です。

過剰使用や誤用は、かえってコミュニケーションの質を下げてしまう可能性があります。

ビジネスシーンにおける言葉遣いは、相手との関係性構築や信頼獲得に大きく影響します。

本記事で紹介したポイントを意識し、状況に応じた適切な表現を選択することで、より洗練されたコミュニケーションが可能になるでしょう。

日々の会話や文書作成の中で、少しずつ意識を高め、適切な表現を使う習慣をつけていくことが大切です。

そうすることで、相手に的確に意図が伝わり、スムーズなビジネス展開につながっていくはずです。

ぜひ、自身の言葉遣いを見直す機会として、本記事を活用してください。

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