「年賀状じまいは失礼になる?」
ビジネスシーンでは特に多い疑問です。
結論から言うと──
丁寧に伝えれば失礼にはなりません。
しかし、伝え方を誤ると
- 高圧的
- 一方的
- 文化否定
- 関係を断つと誤解される
といったトラブルが起きるため、正しい文章構造とマナー を守ることが極めて重要になります。
全体のマナーはこちらで詳しく解説しています
→ ➡ 年賀状じまいの正しいマナー|取引先・社外へ失礼なく伝える方法
年賀状じまいは失礼ではない(理由)
理由1:企業の年賀状廃止が一般化している
大手企業・省庁・地方自治体などでも廃止の流れが加速。
理由2:働き方改革・ペーパーレス化が背景にある
合理化の一環として自然な判断。
理由3:ビジネス文章として成立する
感謝 → 控える旨 → 関係継続
の構造を守れば、礼儀として問題なし。
不快感を与えないための7つのポイント
① まず「感謝」を必ず書く(最重要)
例:「平素より格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。」
→ 感謝がない文面は、ほぼ確実にぶっきらぼうに見える。
② 一方的な宣言口調にしない
❌ NG
「今後は年賀状を出しませんのでご了承ください。」
✔ OK
「誠に勝手ではございますが、本年をもちまして…」
③ 理由は短く・客観的に
よく使われる理由の例:
- 業務効率化
- ペーパーレス化
- 社内方針の変更
- 体調・家庭の事情(詳細不要)
詳しい理由はこちら:
→ 年賀状じまいの理由一覧|自然で角が立たない理由テンプレ(準備中)
④ 関係を断つ印象を与えない
❌ NG
「これで最後にします。」
✔ OK
「今後とも変わらぬご厚誼を賜れましたら幸いです。」
⑤ 相手が喪中の場合は賀詞を避ける
喪中の相手には、寒中見舞い(1/8〜2/3) で伝えるのが最適。
→ 詳しくはこちら:年賀状じまいを寒中見舞いで伝える|書き方と例文20選
→ 喪中との違い:年賀状じまいと喪中の違い|ビジネスでの適切な使い分け
⑥ 送る時期にも注意する
時期は以下のいずれかが正解:
- 年末(12/1〜12/20)
- 年始(1/1〜1/7)
- 寒中見舞い(1/8〜2/3)
詳細はこちら:
→ 年賀状じまいの時期|企業・ビジネスとして適切な時期はいつ?
⑦ 「年賀状文化の否定」と受け取られる表現は避ける
❌ NG
「時代遅れなのでやめます」
「効率が悪いので廃止します」
✔ OK
「業務効率化の一環として」
「ペーパーレス化への取り組みのため」
失礼にならない文例(上司・取引先・社外向け)
取引先向け:基本文例
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
誠に勝手ではございますが、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を控えさせていただきます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜れましたら幸いに存じます。
企業通知として出す場合
弊社ではペーパーレス化および業務効率化の一環として、
年賀状によるご挨拶を控えさせていただくことになりました。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
→ テンプレはこの記事が便利です
年賀状を廃止する企業の案内文|取引先向け通知テンプレ
上司向け
これまで年賀状にてご丁寧なご挨拶を頂戴し、誠にありがとうございました。
恐縮ではございますが、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を控えさせていただきます。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
→ 上司向け専門記事:
上司への年賀状じまい|失礼にならない伝え方と文例
寒中見舞いでやんわり伝える文例
寒中お見舞い申し上げます。
誠に勝手ではございますが、今後は年賀状でのご挨拶を控えさせていただきます。
これまでのご厚情に心より感謝申し上げます。
やってはいけないNG文例(ビジネス版)
❌ NG① ぶっきらぼう・宣言的
今年で年賀状はやめます。
❌ NG② 理由の押しつけ
年賀状は意味がないと思うので廃止します。
❌ NG③ 相手を非難するように見える表現
今後は合理的な方法でご挨拶したいので年賀状はやめます。
NGを避けるポイントは
「感謝 → 控える理由 → 関係継続」 の型を崩さないこと。
感情を害しない文章構造(ビジネス特化)
ビジネスで不快感を与えない文章の黄金ルールはこれ
① 相手への敬意を先に置く
文章の最初に「御礼」や「平素より」を入れる。
② 控える理由は「自社都合」とする
あくまで“自分側の事情”として説明すること。
③ 関係を断たない結びで終える
例:「今後とも変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます。」
まとめ
- 年賀状じまいは 丁寧に書けば失礼ではない
- ビジネスでは 感謝 → 控える旨 → 関係継続 の型が重要
- 宣言調・否定的な表現はNG
- 相手が喪中なら寒中見舞いで伝える
- 時期は 年末・年始・寒中 のいずれかが正解

