「取引先への年賀状じまいは、メールだけで伝えても失礼にならない?」
「重要な取引先には、正式な案内状を送るべき?」
「年賀状をやめることで、これまでの関係が悪くならないか心配」
ビジネスで年賀状じまいを進める際は、文章の丁寧さだけでなく、通知する相手や方法、タイミングにも配慮が必要です。
結論からいえば、年賀状じまいそのものが必ずしも失礼になるわけではありません。大切なのは、相手との関係に合った方法で、これまでの感謝と今後の関係継続を伝えることです。
特に企業として年賀状を廃止する場合は、社内方針を統一し、取引先に誤解を与えない対応を心掛けましょう。
この記事では、取引先・社外へ年賀状じまいを伝える際の基本マナーから、通知方法の選び方、重要取引先への配慮、すぐ使える文例、一斉メールの注意点、廃止後の対応まで解説します。
ビジネスで年賀状じまいをする際の基本マナー5つ
年賀状じまいを失礼なく伝えるには、会社の方針を知らせるだけでなく、相手の立場を尊重することが重要です。
まずは、取引先や社外への通知で押さえておきたい5つの基本マナーを確認しましょう。
1. これまでの付き合いへの感謝を伝える
年賀状を長く交換してきた取引先には、これまでの交流や取引への感謝を丁寧に伝えます。
例えば、次のような表現です。
- これまでのご厚情に深く感謝申し上げます。
- 長年にわたり温かいお心遣いを賜り、厚く御礼申し上げます。
- 平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
年賀状の廃止だけを事務的に通知するのではなく、相手への敬意を示すことが大切です。
2. 年賀状を終了することを明確にする
「今後は年賀状を控えます」と伝える場合は、必要に応じて開始時期も明記しましょう。
例えば、次のような表現が使えます。
「弊社では、次回の年始より年賀状によるご挨拶を控えさせていただくことといたしました。」
「今回をもちまして、年賀状による新年のご挨拶を終了させていただきます。」
前者は次回から送付しない場合、後者は今回の年賀状を最後にする場合に適しています。
相手がいつから年賀状を受け取らなくなるのかを理解できる文章にしましょう。
3. 廃止理由は実際の方針に沿って簡潔に伝える
企業が年賀状じまいをする理由には、業務効率化、ペーパーレス化、挨拶方法の見直しなどがあります。
ただし、理由を詳しく説明しすぎる必要はありません。
「業務運営の見直しに伴い」
「年始のご挨拶方法の変更に伴い」
など、会社の実際の方針に合う一文を添えると自然です。
理由の詳しい選び方は、年賀状じまいの理由一覧|ビジネス向けの言い換えと文例で紹介しています。
4. 今後も関係が続くことを伝える
年賀状じまいの通知では、年賀状の終了と取引関係の終了を混同されないようにすることが重要です。
通知の最後には、次のような言葉を添えましょう。
「今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。」
「引き続きご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。」
年賀状をやめても、相手を大切にする姿勢を示すことができます。
5. 取引先ごとの関係性に配慮する
すべての取引先に、同じ通知方法が適しているとは限りません。
日常的にメールでやり取りしている相手にはメール通知が自然な場合もあります。
一方、長年の取引先や重要な顧客には、担当者から個別に伝える方が丁寧なこともあります。
会社として統一した基本方針を持ちながら、必要に応じて相手に合った対応を選びましょう。
取引先への年賀状じまい|通知方法の選び方とマナー
年賀状じまいの通知方法には、メール、郵送の案内状、担当者からの個別連絡、公式サイトでの告知などがあります。
重要なのは、形式の豪華さではなく、必要な相手に正確に伝わる方法を選ぶことです。
メールで通知する場合のマナー
普段からメールでやり取りしている取引先には、メールで年賀状じまいを伝えることもできます。
ただし、件名が分かりにくいと、重要な案内が見落とされる可能性があります。
例えば、次のような件名が使えます。
- 【ご案内】年賀状によるご挨拶終了のお知らせ
- 年賀状送付終了のご案内
- 年始のご挨拶方法変更について
本文では、日頃の感謝と年賀状の送付終了、今後の関係継続を簡潔に伝えます。
複数の取引先へ送信する場合は、宛先の扱いにも注意が必要です。
郵送の案内状で伝える場合のマナー
長年の取引先や、正式な書面による案内を重視する相手には、郵送の案内状も選択肢になります。
案内状には、必要に応じて次の内容を記載します。
- 通知日
- 宛名
- 会社名・代表者名
- 件名
- 年賀状を終了する方針
- 感謝と今後の関係継続を願う言葉
拝啓・敬具などを使用する場合は、頭語と結語の対応を確認しましょう。
また、送付を終了する年が曖昧にならないようにすることも大切です。
担当者から個別に伝える場合のマナー
重要な取引先には、担当営業から個別に説明する方法もあります。
例えば、定例の商談や打ち合わせの際に、次のように伝えられます。
「弊社では、次回の年始から会社方針として年賀状の送付を終了することとなりました。これまでのお心遣いに感謝申し上げます。今後とも変わらずよろしくお願いいたします。」
ただし、相手の時間を必要以上に使ってまで説明する必要はありません。
日常の業務連絡の中で、自然に伝えられる機会を選びましょう。
公式サイトで告知する場合のマナー
企業サイトに年賀状廃止のお知らせを掲載する方法もあります。
特に、顧客や取引先が多い企業では、広く方針を周知する手段になります。
ただし、公式サイトに掲載しただけで、すべての重要取引先が必ず確認するとは限りません。
個別の連絡が必要な相手については、別の方法も組み合わせましょう。
相手別|年賀状じまいで配慮したいポイント
年賀状じまいのマナーは、相手の立場や取引関係によっても変わります。
一律の文章を使う前に、相手がどのように受け取るかを確認しましょう。
長年の取引先には個別の感謝を添える
長く取引してきた相手には、単なる一斉通知ではなく、これまでの関係への感謝を具体的に伝える方法があります。
例えば、
「長年にわたり格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。」
という一文を加えると、丁寧な印象になります。
会社の方針を伝えるだけでなく、今後も取引関係を大切にしたいという気持ちを示しましょう。
新規取引先には簡潔に方針を知らせる
取引が始まって間もない相手には、長年の交流があることを前提とした文章は不自然です。
会社としてすでに年賀状を廃止しているなら、次のように伝えられます。
「弊社では年賀状による新年のご挨拶を終了しておりますが、今後とも良好なお取引を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
必要以上に改まった通知をせず、日常のやり取りに合わせることもできます。
協力会社・外注先には日頃の協力への感謝を伝える
協力会社や外注先には、日頃の業務上の協力への感謝を添えると自然です。
「平素より弊社業務に多大なるご協力を賜り、誠にありがとうございます。」
といった表現を使い、その後に年賀状の終了方針を伝えましょう。
相手との関係を尊重しながら、業務上の変更として案内することが大切です。
顧客・ユーザーには今後の連絡方法にも配慮する
店舗やサービス事業者が顧客向けの年賀状を終了する場合は、これまでの愛顧への感謝を中心に伝えます。
今後はメールや公式サイトで案内するなど、連絡方法も変わる場合は、その内容を明確にしましょう。
顧客との関係に応じた文章は、顧客・ユーザー向け年賀状じまい通知文で詳しく紹介しています。
年賀状じまいの通知時期で守りたいマナー
年賀状じまいの通知に、一律の正式な期限はありません。
ただし、取引先が年賀状の準備を始める前に知らせることは、実務上の配慮につながります。
10月〜11月に事前通知する場合
翌年から年賀状を廃止する方針が決まっているなら、10月〜11月頃から通知を進める方法があります。
相手が年賀状の準備を始める前に伝えられる可能性があるためです。
ただし、会社の方針がまだ確定していない段階で通知しないよう注意しましょう。
12月に通知する場合
12月の通知が必ず失礼になるわけではありません。
年末の挨拶メールと合わせて知らせる方法もあります。
ただし、取引先がすでに年賀状を準備している場合もあるため、こちらへの送付を急に取りやめるよう求めないことが大切です。
年始や寒中見舞いで伝える場合
今回の年賀状を最後にする場合は、年始の挨拶に送付終了の案内を添えることもできます。
また、年始を過ぎてから寒中見舞いで知らせる方法もあります。
ただし、寒中見舞いがすべての企業にとって最も丁寧というわけではありません。
年賀状じまいをする時期と通知する時期を区別して、状況に合った方法を選びましょう。
詳しくは、年賀状じまいの時期|企業・ビジネス向けの通知タイミングをご覧ください。
年賀状じまいで失礼にならない通知文例
取引先への年賀状じまいは、感謝・終了方針・関係継続を中心にまとめます。
通知方法によって表現を調整しましょう。
取引先への基本的な通知文例
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社では業務運営の見直しに伴い、今後は年賀状による新年のご挨拶を控えさせていただくことといたしました。
これまでの温かいお心遣いに心より感謝申し上げます。
年賀状によるご挨拶は終了いたしますが、今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
会社として正式に通知する場合は、送付終了の開始時期も必要に応じて明記しましょう。
重要取引先へ個別に伝える文例
平素より大変お世話になっております。
このたび弊社では、年始のご挨拶方法の見直しに伴い、今後は年賀状の送付を終了させていただくこととなりました。
長年にわたり賜りましたご厚情に、改めて深く感謝申し上げます。
今後とも貴社とのお付き合いを大切にしてまいりたいと存じます。
引き続きご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
相手との関係に合わせて、これまでの協力への感謝を添えると自然です。
メールで簡潔に伝える文例
件名:年賀状送付終了のご案内
株式会社〇〇
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
弊社では、年始のご挨拶方法を見直し、今後は年賀状によるご挨拶を控えさせていただくこととなりました。
これまでのお心遣いに感謝申し上げます。
今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
株式会社△△
□□
必要な情報を簡潔に伝えたい場合に使えます。
正式な案内状や件名別の文例は、年賀状廃止の案内文テンプレ|取引先への通知文とメール例で紹介しています。
一斉通知で年賀状じまいを伝える際の注意点
企業が多数の取引先へ年賀状じまいを知らせる場合は、文章の内容だけでなく、通知作業そのものにも注意が必要です。
メールアドレスの誤表示を防ぐ
複数の取引先にメールを送るときは、他社のメールアドレスが見えないようにしましょう。
Bccを使用する方法もありますが、宛先の確認を怠ると誤送信につながります。
大量送信の場合は、一斉配信サービスの利用も検討しましょう。
重要な取引先への通知漏れを防ぐ
一斉通知の送信先リストを作成する際は、重要な取引先が漏れていないか確認します。
特に営業担当者が個別に対応している取引先については、担当部署と情報共有しておくと安心です。
会社としての説明内容を統一する
部署によって通知文や送付終了の時期が異なると、取引先に混乱を与える場合があります。
会社全体で廃止する場合は、基本となる案内文や説明方針を共有しましょう。
また、例外的に年賀状を継続する取引先がある場合は、その判断基準も明確にしておくとよいでしょう。
未確定の方針を通知しない
年賀状を廃止する予定があっても、社内で正式に決定していない段階では、取引先へ確定事項として通知しないようにしましょう。
廃止の対象や開始時期が変更されると、相手に混乱を与える可能性があります。
会社の決定後、内容を確認してから送信することが大切です。
年賀状じまいで避けたいNG対応と改善例
年賀状じまいは、丁寧な文章を使っていても、対応の仕方によって相手に不快感を与える可能性があります。
よくあるNG対応を確認しましょう。
年賀状文化を否定する言い方をしない
避けたい表現
「年賀状は時代遅れなので、今後は廃止します。」
年賀状を大切にしている取引先もあります。
改善例
「弊社では、年始のご挨拶方法の見直しに伴い、今後は年賀状によるご挨拶を終了させていただきます。」
自社の方針として説明し、相手の習慣を否定しないことが大切です。
相手にも年賀状の廃止を求めない
「弊社が廃止するので、貴社も送らないでください」
このような言い方は、一方的な印象を与える場合があります。
相手にも送付を控えてほしい場合は、
「弊社宛ての年賀状につきましても、どうぞお気遣いなさいませんようお願い申し上げます。」
など、柔らかく伝える方法があります。
突然の廃止を事務的に伝えない
「次回から年賀状を送りません」
用件は伝わりますが、それだけでは相手への配慮が不足することがあります。
改善例
「これまで年賀状を通じて賜りました温かいお心遣いに感謝申し上げます。今後は年賀状によるご挨拶を控えさせていただきますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。」
連絡が行き違った相手を責めない
廃止を通知していても、相手がすでに年賀状を発送している場合があります。
その際に「廃止のお知らせを送ったはずです」と指摘する必要はありません。
相手の厚意への感謝を優先し、必要に応じてメールなどでお礼を伝えましょう。
取引関係まで終了するような表現を避ける
年賀状じまいの通知は、年始の挨拶方法を変更するお知らせです。
「これまでありがとうございました」だけで文章を終えると、文脈によっては取引関係の終了を連想させる場合があります。
「今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます」と添えることで、関係継続の意思を明確にできます。
年賀状じまいの通知後に必要な対応
取引先へ年賀状じまいを知らせた後も、必要に応じて対応することがあります。
通知を送って終わりにせず、相手との関係に配慮しましょう。
取引先から返信が届いた場合
年賀状じまいの通知に対して、取引先からお礼や確認のメールが届く場合があります。
質問がある場合は、会社の方針に沿って回答しましょう。
単なる受領のお礼であれば、形式的な返信を何度も重ねる必要はありません。
廃止後に年賀状が届いた場合
年賀状じまいを通知していても、相手から年賀状が届くことがあります。
必ず年賀状で返す必要はありませんが、必要に応じてメールや寒中見舞いなどで感謝を伝えましょう。
具体的な対応は、年賀状じまい後に年賀状が届いた場合の対応と文例で紹介しています。
翌年以降の送付リストを管理する場合
取引先から年賀状の辞退を申し出られた場合は、その内容を送付先リストに反映しましょう。
また、自社が年賀状を廃止した場合も、送付対象から漏れなく除外されているか確認します。
必要に応じて営業・総務などの関係部署と共有し、誤送付を防ぎましょう。
年賀状じまいのビジネスマナーに関するよくある質問
Q. 年賀状じまいをメールだけで知らせるのは失礼ですか?
必ずしも失礼ではありません。
日常的にメールでやり取りしている取引先であれば、自然な通知方法となる場合があります。
ただし、重要な取引先には、個別のメールや案内状を検討するとよいでしょう。
Q. 年賀状じまいの通知は必ず郵送するべきですか?
郵送が必須というルールはありません。
相手との関係や通常の連絡方法に合わせて、メール・案内状・個別連絡などから選びましょう。
Q. 会社として年賀状を廃止する場合、全取引先に同じ文面を送ってもよいですか?
共通の基本文面を使う方法はあります。
ただし、長年の取引先や重要な顧客には、相手に合った感謝の言葉を添えることも検討しましょう。
廃止の対象や開始時期など、会社として説明する事実は統一する必要があります。
Q. 年賀状じまいの理由を詳しく説明する必要はありますか?
必ずしも詳しい説明は必要ありません。
実際の会社方針に沿って、簡潔に伝えるとよいでしょう。
相手への感謝と今後の関係継続も忘れないことが大切です。
Q. 12月末に年賀状じまいを通知しても大丈夫ですか?
12月末の通知が必ず失礼になるわけではありません。
ただし、相手がすでに年賀状を発送している可能性があるため、その点に配慮しましょう。
会社の方針が早く決まっている場合は、10月〜11月頃の事前通知も選択肢になります。
Q. 年賀状じまいの通知を受け取った相手には返信が必要ですか?
通知を受け取った側が、必ず返信しなければならないわけではありません。
重要な取引先から個別に案内を受け取った場合は、簡単なお礼を伝えると丁寧なこともあります。
詳しくは、年賀状じまいを受け取ったら?返信の必要性とビジネスマナーで解説しています。
Q. 年賀状をやめた後も新年の挨拶はした方がよいですか?
年賀状を終了しても、必要に応じてメールや対面で新年の挨拶を続けることはできます。
取引先との関係や業務上の必要性に応じて判断しましょう。
まとめ|年賀状じまいは相手に合った通知方法と配慮が大切
ビジネスで年賀状じまいを進めるときは、年賀状を終了すること自体よりも、相手にどう伝えるかが重要です。
特に押さえておきたいのは、次の5点です。
- 感謝を伝える:これまでの取引や年賀状での交流にお礼を述べる
- 廃止方針を明確にする:いつから送付を終了するのかを伝える
- 通知方法を選ぶ:メール・案内状・個別連絡を関係性に応じて使い分ける
- 相手の習慣を尊重する:年賀状文化を否定したり、廃止を強要したりしない
- 今後の関係を大切にする:年賀状の終了と取引関係の終了を混同させない
会社として年賀状を廃止する場合は、社内で方針を共有し、取引先ごとに必要な対応を判断しましょう。
年賀状を送らなくなっても、相手への感謝や日頃のお付き合いがなくなるわけではありません。
取引先との信頼関係を大切にしながら、適切な方法で年賀状じまいを進めていきましょう。

