文章を書くのは苦手、自分の考えがうまく伝わらない、どうすれば相手に分かりやすく伝えられるのか…。
多くの人が文章作成に悩みを抱えているのではないでしょうか。
この記事では、「伝わる文章」と「伝わらない文章」の具体的な違いを実例とともに解説し、すぐに実践できる改善方法をご紹介します。
実例で見る「伝わる文章」への改善ポイント
実際のビジネスシーンで使用される文章の具体例を見ながら、どのように改善できるのか、3つの代表的なケースで解説します。
例1：進捗報告メールの場合
改善前（伝わりにくい例）
件名：報告
本文：
開発の件ですが、少し遅れそうです。
いろいろと問題が発生していて、なかなか進まない状況です。
できるだけ早く終わらせるように頑張ります。
改善後（伝わりやすい例）
件名：【進捗報告】データベース連携機能の開発遅延について
本文：
プロジェクトの進捗状況についてご報告いたします。
■現在の状況
・予定より2週間の遅延が発生
・データベース連携部分でバグが3件発生
■具体的な問題点
- ログイン認証のエラー処理
- データの整合性チェック機能
- レスポンス速度の改善
■今後の対応
・追加の開発者2名を配置
・週次での進捗確認会議を実施
・修正完了予定：6月15日
ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
日次で進捗報告をさせていただきます。
改善のポイントは以下の通り。
- 具体的な数値を明記
- 問題点を箇条書きで整理
- 対応策を明確に提示
- 結論（遅延）を冒頭で明示
例2：企画提案の説明文
改善前（伝わりにくい例）
新しい顧客管理システムの導入を提案します。
現在のシステムは使いにくく、効率が悪いと思います。
新システムなら、いろいろな機能が使えて便利だと思います。
コストはかかりますが、良い効果が期待できます。
改善後（伝わりやすい例）
新規顧客管理システム導入のご提案
■現状の課題
- 手作業での顧客データ入力に1日平均2時間を要する
- データの重複登録が月平均15件発生
- 顧客履歴の検索に1件あたり3分程度必要
■新システム導入によるメリット
・データ入力時間：1日あたり1.5時間の削減
・入力ミス：月間エラー数80%削減
・検索時間：1件あたり10秒以内に短縮
■導入コストと回収見込み
・初期費用：250万円
・月額費用：5万円
・人件費削減効果：月15万円
・投資回収期間：約20ヶ月
■導入スケジュール案
- 8月：システム環境構築
- 9月：試験運用開始
- 10月：本格運用開始
改善のポイントは以下の通り。
- 具体的な数値で効果を示す
- 費用対効果を明確に
- 実施スケジュールを明示
- 見出しと箇条書きで整理
例3：会議の結果報告
改善前（伝わりにくい例）
本日の部署間会議の報告です。
各部署から意見が出て、いろいろ検討しました。
概ね賛成意見が多く、前向きな話し合いとなりました。
今後も継続して検討していく予定です。
改善後（伝わりやすい例）
部署間検討会議（5/20実施）の結果報告
■決定事項
- 新製品開発プロジェクトの開始承認
- 開発予算：第2四半期に800万円を配分
- プロジェクトリーダー：山田部長に決定
■各部署からの主な意見
【営業部】
・競合他社の類似製品との差別化が必要
・価格設定は3万円以下が望ましい
【製造部】
・現有設備で生産可能
・初期ロット：1000個から着手
【経理部】
・原価率60%以下での製造が必須
・初期投資は第2四半期予算内で対応
■今後のアクション
・5/25：プロジェクトチーム編成
・5/30：キックオフミーティング
・6/10：基本計画書の提出
改善のポイントは以下の通り。
- 会議結果を項目別に整理
- 部署ごとの意見を明確に区分
- 具体的な数値・日程を記載
- 次のアクションを明示
文章改善の実践ポイントまとめ
上記の例から、効果的な文章改善のポイントが見えてきます。
- 構成の明確化
- 適切な見出しの使用
- 箇条書きの活用
- 段落の明確な区分け
- 具体性の追加
- 数値データの活用
- 具体的な日程の明示
- 明確な担当者の記載
- 情報の優先順位付け
- 重要事項を冒頭に配置
- 結論から先に述べる
- 詳細は後半で補足
最後に
文章の改善は、一朝一夕にはいきません。
しかし、上記のポイントを意識しながら普段の文章から少しずつ改善していくことで、確実に「伝わる文章」に近づいていきます。
この記事の内容を参考に、ぜひ明日から実践してみてください。
