「確認しました」という一言。
ビジネスシーンでは最も頻繁に使われる返信かもしれませんが、この返信一つで上司との関係性が良くも悪くも変わってきます。
単なる「確認しました」では事務的すぎる印象を与えてしまったり、逆に長すぎる返信は読まれない可能性も。
本記事では、上司からのメールやメッセージに対する「確認しました」の返信を、状況に応じて適切に行うためのテクニックを解説します。
たった3秒で実践できる返信術で、あなたの仕事の評価を高めましょう。
この記事でわかること
- 上司への「確認しました」返信で避けるべき3つの失敗パターン
- シーン別・上司のタイプ別の最適な「確認しました」テンプレート
- 感情的にならずに冷静に返信するための3秒ルール
- 「確認しました」だけでは不十分な場合の対応策
- 上司の信頼を勝ち取る返信後のフォローアップテクニック
上司とのコミュニケーションを円滑にし、信頼関係を構築するための「確認しました」返信術をマスターしましょう。
【関連記事】「確認しました。」「確認しました」「確認しました!」印象が変わるビジネスメール術
すぐに使える「確認しました」返信テンプレート
上司へのレスポンスで迷ったときにすぐ使えるテンプレートを紹介します。
状況に応じて使い分けることで、適切かつ効果的な返信が可能になります。
基本の「確認しました」テンプレート(敬語表現)
件名:Re: 【プロジェクト名】について
○○様
ご連絡ありがとうございます。
ご指示いただいた内容を確認いたしました。
承知いたしました。
株式会社△△
山田太郎
ビジネスシーン別テンプレート
【指示を受けた場合】
ご指示いただいた【具体的な内容】について確認いたしました。
【期日】までに対応いたします。
【質問への回答を受けた場合】
ご回答いただきありがとうございます。
内容を確認いたしました。ご教示いただいた方法で進めてまいります。
【資料を受け取った場合】
送付いただいた【資料名】を確認いたしました。
内容を精査の上、必要に応じてご連絡させていただきます。
間違いやすいポイント
「確認しました」テンプレートを使う際によくある間違いは、あまりにも事務的すぎる返信になってしまうことです。
例えば、単に「確認しました。」だけでは、上司に「この部下は最低限のことしかしない」という印象を与えかねません。
具体例(NG例):
確認しました。
具体例(OK例):
ご連絡ありがとうございます。プロジェクトAの資料を確認いたしました。来週の会議に向けて資料を事前に確認できて助かります。
上司のタイプ別「確認しました」対応例
上司のタイプによって、最適な「確認しました」の返し方は異なります。
相手に合わせた返信で、円滑なコミュニケーションを実現しましょう。
忙しい上司への返信(敬語表現)
忙しい上司は長文を読む時間がありません。
要点を簡潔に伝えることが重要です。
【件名】Re: 週報提出について(確認済)
田中部長
ご連絡ありがとうございます。
週報提出に関するご指示、確認いたしました。
毎週金曜17時までに提出いたします。
山田
細かい指示を好む上司への返信(ビジネスシーン別)
細部まで確認したい上司には、指示内容を箇条書きで復唱し、理解していることを示しましょう。
鈴木課長
ご指示いただいた件、確認いたしました。
以下の3点について承知いたしました。
1. クライアントAへの提案書を5/20までに作成
2. 過去の取引データを含めること
3. 予算案は3パターン用意すること
5/19までに草案をお送りいたします。
佐藤
間違いやすいポイント
上司のタイプを見誤って不適切な返信をすると、コミュニケーションの齟齬が生じます。
例えば、詳細を重視する上司に簡潔すぎる返信をすると、「指示を理解していない」と誤解される可能性があります。
具体例(NG例):詳細重視の上司に対して
了解しました。進めておきます。
具体例(OK例):詳細重視の上司に対して
ご指示いただいた企画書の修正について確認しました。
1. グラフを最新データに更新
2. 競合分析のページを追加
3. 予算案の見直し
以上3点を明日の17時までに完了させます。
「確認しました」返信の基本ポイント
「確認しました」と返信する際の基本原則を押さえることで、どんな上司に対しても適切に対応できるようになります。
「確認しました」返信では、単に「見た」という事実だけでなく、理解したことや次のアクションを伝えることが重要です。
「確認しました」返信の3つの基本要素
- 謝意の表明: まずは連絡に対する感謝の気持ちを表す
- 確認の旨を伝える: 内容を確認したことを明確に伝える
- 次のアクション: 自分が次に何をするかを簡潔に伝える
返信タイミングのポイント
返信のタイミングも重要な要素です。基本的には、以下の原則に従いましょう。
- 緊急性の高い案件: 可能な限り即時(5〜10分以内)
- 通常の業務連絡: 1時間以内
- 情報共有のみ: 当日中
間違いやすいポイント
「確認しました」返信で最も間違いやすいのは、次のアクションや期限を明示しないことです。
これにより、上司は「この後どうなるのか」という不安を抱きます。
具体例(NG例):
資料確認しました。ありがとうございます。
具体例(OK例):
ご共有いただいた企画書を確認いたしました。明日の打ち合わせまでに内容を精査し、質問事項をまとめておきます。ありがとうございました。
感情的にならない3秒の極意
上司からの厳しいメールや理不尽な指示に対して、感情的にならずに適切に「確認しました」と返信するためのテクニックを紹介します。
感情的になりそうなメールを受け取ったときこそ、「3秒ルール」を実践しましょう。
このルールは、即レスを避け、冷静さを取り戻すための重要なテクニックです。
3秒ルールの実践方法
- 深呼吸: メールを読んだ後、まず深呼吸を3回する
- 客観視: 内容を客観的に捉え直す(感情を切り離す)
- 目的確認: コミュニケーションの本来の目的を思い出す
感情別対処法(敬語表現)
【焦りを感じたとき】
(3秒間深呼吸してから)
ご連絡ありがとうございます。ご指示の内容を確認いたしました。
期限が切迫しており恐縮ですが、明日15時までに対応いたします。
【不満を感じたとき】
(3秒間深呼吸してから)
ご指摘ありがとうございます。ご意見を真摯に受け止め、修正点を確認いたしました。
より良い成果物となるよう、修正を行います。
ビジネスシーン別対応例
【締切直前の追加指示】
ご指示いただいた追加修正について承知いたしました。
現在の作業状況から、16時までに対応可能です。
それ以降になる場合は、改めてご連絡いたします。
【理不尽な要求を受けたとき】
ご要望について確認いたしました。
ご期待に沿えるよう最大限努力いたしますが、
リソースの関係で調整が必要な可能性があります。
具体的な対応案を明日までにご提案させていただきます。
間違いやすいポイント
感情的になったときに陥りやすい間違いは、反射的・感情的な返信をしてしまうことです。
一時的な感情に任せた返信は、後で必ず後悔することになります。
具体例(NG例):
(すぐに返信)
了解しました。ただ、このスケジュールでは厳しいと思います。
具体例(OK例):
(3秒ルール適用後)
ご連絡ありがとうございます。プロジェクトの納期変更について確認いたしました。
現在の進捗状況を踏まえ、新しい納期に向けての対応計画を明日中にご報告いたします。
「確認しました」だけでは不十分なケース
単に「確認しました」と返すだけでは不適切なシーンがあります。
そのような状況での対応方法を解説します。
コミュニケーションの目的は情報の伝達だけでなく、相互理解と円滑な業務推進です。
「確認しました」だけでは不十分なケースを見極め、適切に対応しましょう。
追加情報が必要なケース
指示内容が不明確で、追加情報がなければ進められない場合は、確認と質問を組み合わせましょう。
山本部長
プロジェクトXの進行について、ご指示いただきありがとうございます。
内容を確認いたしました。
つきましては、以下2点について追加でご教示いただけますと幸いです。
1. 顧客へのヒアリング項目の範囲について
2. 報告書の提出期限
ご多忙のところ恐縮ですが、ご回答いただけますと助かります。
意見を求められているケース(ビジネスシーン別)
上司が単なる確認ではなく、意見や提案を求めている場合には、自分の考えも添えるべきです。
ご相談いただいた新サービスの方向性について確認いたしました。
私見ではありますが、ターゲット層をミレニアル世代に特化することで、
差別化が図れるのではないかと考えます。
詳細な分析資料を明日までにまとめてお送りいたします。
間違いやすいポイント
意見を求められているのに単に「確認しました」と返すのは、責任回避と捉えられる可能性があります。
上司の期待と自分の返信のギャップに注意しましょう。
具体例(NG例):意見を求められているのに
企画案を確認しました。ありがとうございます。
具体例(OK例):意見を求められている場合
新企画のご提案、確認いたしました。特にターゲット層の設定が明確で素晴らしいと感じました。一点、競合との差別化要素をより強調できると、提案の説得力が増すと思います。よろしければ、その部分の補強案を明日までに作成しますが、いかがでしょうか。
返信後のフォローアップ術
「確認しました」と返信した後のフォローアップも、上司との信頼関係構築には重要です。
適切な進捗報告や成果共有のテクニックを紹介します。
返信後のフォローアップは、単に「言われたことをやった」だけでなく、自発的に動いていることを示す重要な機会です。
進捗報告のタイミング
- 短期タスク(1〜2日): 完了時のみ報告
- 中期タスク(3日〜1週間): 中間報告1回+完了報告
- 長期タスク(1週間以上): 定期的な進捗報告(週1回程度)+完了報告
効果的なフォローアップメール(敬語表現)
【件名】週次レポート作成の進捗報告(5/15)
佐藤部長
先日ご指示いただいた週次レポートの作成について、進捗をご報告いたします。
■ 完了した作業
・データ集計(売上、顧客数)
・グラフ作成
■ 現在進行中の作業
・分析コメントの作成
■ 今後の予定
・明日中に初稿を完成
・明後日午前中までにレビュー修正を完了
予定通り、5/17(金)の午後にはご提出できる見込みです。
何かご指示がございましたら、お知らせください。
鈴木
間違いやすいポイント
フォローアップで最も間違いやすいのは、問題が発生したときに報告を先延ばしにすることです。
問題は早期に共有することで、対応の選択肢が広がります。
具体例(NG例):問題発生時に
(何も連絡せず、期限直前に)
申し訳ありません。システムトラブルにより納期に間に合いそうにありません。
具体例(OK例):問題発生時に
(問題発生後すぐに)
先日ご依頼いただいたレポート作成について進捗報告いたします。
データ抽出の過程でシステムエラーが発生し、現在ITサポートに対応を依頼しています。
復旧次第すぐに作業を再開しますが、完了が当初予定より半日程度遅れる可能性があります。
状況が変わり次第、再度ご報告いたします。
よくある「確認しました」の失敗パターン
効果的な「確認しました」返信のためには、避けるべき失敗パターンを知ることも重要です。
典型的な失敗例とその改善方法を解説します。
「確認しました」の返信には様々な落とし穴があります。
これらを避けることで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。
失敗パターン1:単調すぎる返信
単に「確認しました」だけの返信は、上司に「やる気がない」「理解していない」という印象を与えかねません。
改善例(敬語表現):
ご連絡ありがとうございます。プレゼン資料のご指摘事項を確認いたしました。
ご指摘いただいたグラフの修正と追加データの反映を行い、明日10時までにお送りいたします。
失敗パターン2:理解していないのに「確認しました」と返す
内容を十分理解せずに「確認しました」と返すと、後で大きな問題になる可能性があります。
改善例(ビジネスシーン別):
ご指示いただいた件について拝読いたしました。
一部不明点がございますので確認させてください。
「データ集計の範囲」は、直近3ヶ月分という認識でよろしいでしょうか。
ご多忙中恐れ入りますが、ご教示いただけますと幸いです。
失敗パターン3:遅すぎる返信
重要な指示に対して返信が遅いと、「優先度を理解していない」という印象を与えます。
改善例:
(できるだけ早く、遅くとも1時間以内に)
大変申し訳ございません。先ほどまで会議中で確認が遅れました。
ご指示いただいた緊急対応について承知いたしました。
直ちに取りかかります。15時までに第一報をご連絡いたします。
間違いやすいポイント
返信内容よりも返信のタイミングが重要な場合もあります。
特に緊急性の高い案件では、簡潔でも良いので早く返信することが優先されます。
具体例(NG例):緊急案件に対して
(3時間後に詳細な返信)
ご指示いただいた緊急対応について、詳細に検討いたしました。
以下の手順で対応いたします。
1. ...
具体例(OK例):緊急案件に対して
(5分以内に)
緊急対応のご指示、確認いたしました。直ちに着手します。
詳細な対応計画は1時間以内にご報告いたします。
まとめ:3秒で上司の信頼を勝ち取る返信術
「確認しました」という一見シンプルな返信も、適切に行えば上司との信頼関係構築に大きく貢献します。
本記事で解説した内容を実践することで、ビジネスコミュニケーションのレベルアップを図りましょう。
この記事のポイントをまとめると
- 基本は「謝意」+「確認」+「次のアクション」: 単なる「確認しました」ではなく、これら3要素を含めることで効果的な返信になります。
- 上司のタイプ別に対応を変える: 忙しい上司、細部にこだわる上司など、相手に合わせた返信スタイルを選びましょう。
- 感情的になりそうなときは3秒ルールを実践: 深呼吸し、客観視し、目的を確認することで冷静な返信が可能になります。
- 「確認しました」だけでは不十分なケースを見極める: 追加情報が必要な場合や意見を求められている場合は、適切に対応しましょう。
- 返信後のフォローアップも重要: 適切なタイミングで進捗報告や成果共有を行い、上司の不安を取り除きましょう。
「確認しました」の返信は、ビジネスパーソンとしての「信頼性」と「仕事への姿勢」を示す重要な機会です。
この記事で紹介したテクニックを日々の業務に取り入れ、上司からの信頼を獲得していきましょう。
【関連記事】「確認しました。」「確認しました」「確認しました!」印象が変わるビジネスメール術
よくある質問(FAQ)
Q1: 上司からのメールにはどれくらいの速さで返信すべきですか?
A1: 基本的には以下の目安で返信すると良いでしょう。
- 緊急性の高い案件: 可能な限り即時(5〜10分以内)
- 通常の業務連絡: 1時間以内
- 情報共有のみ: 当日中 ただし、上司の期待するレスポンス速度は人によって異なるため、普段の様子から判断することも大切です。
Q2: 「確認しました」の別の言い回しはありますか?
A2: 状況や相手との関係性に応じて、以下のような表現も使えます。
- 「承知いたしました」(フォーマル)
- 「了解いたしました」(やや柔らかい)
- 「拝承いたしました」(最も丁寧)
- 「確かに拝見いたしました」(重要書類の受領確認など)
Q3: 夜間や休日に上司からメールが来た場合はどうすべきですか?
A3: 緊急性が高いと判断される場合は、時間外でも返信するのが無難です。
それ以外の場合は、次の営業日の朝一に返信することが一般的です。
その際は「昨晩(休日に)いただいたメールについて」など、時間差があったことに触れると丁寧です。
Q4: 複数の上司から相反する指示を受けた場合、どう対応すべきですか?
A4: まずはそれぞれの上司に「確認しました」と返信します。
その上で、「〇〇部長からは△△するよう指示を受けておりますが、優先順位についてご相談させていただけますか」といった形で、率直に状況を伝え、調整を依頼しましょう。
Q5: テレワーク中の「確認しました」返信で気をつけるべきポイントはありますか?
A5: オフィスで働いているときよりも、進捗や状況が見えにくいため、より具体的に「何を」「いつまでに」「どのように」進めるかを明記すると安心感を与えられます。
また、通常よりも素早い返信を心がけ、「見た・読んだ」ことをタイムリーに伝えることが重要です。