ビジネスシーンでは、電話やオフィスでの口頭のやり取りを正確に記録し伝える「伝言メモ」のスキルが欠かせません。
しかし、情報の抜け漏れや誤った伝達は、取引の機会損失や信頼関係の低下につながる可能性があります。
効果的な伝言メモの書き方を身につけることで、ビジネスコミュニケーションの質を高め、情報の確実な伝達を実現しましょう。
この記事でわかること
- 伝言メモの基本的な書き方と必須の記載事項
- 状況別の伝言メモの適切なフォーマット
- 情報漏れや誤伝達を防ぐための具体的なテクニック
- デジタルツールを活用した効率的な伝言メモの作成方法
- 伝言メモ作成時によくあるミスと対処法
この記事を読むことで、情報の抜け漏れがなく、相手に確実に意図が伝わる伝言メモを作成するスキルを身につけることができます。
伝言メモの基本|正確な情報伝達のために
伝言メモは一見簡単なように思えますが、ビジネスシーンでは正確さと効率性が求められる重要なコミュニケーションツールです。
基本的な考え方と重要性を理解しましょう。
伝言メモの役割と重要性
伝言メモは、不在の相手に対して重要な情報を正確に伝えるための手段です。
適切に作成された伝言メモは、ビジネスにおいて様々な役割を果たします。
- 情報の正確な伝達:口頭での伝言は記憶に頼るため情報が欠落しやすいが、メモに記録することで正確に伝えられる
- 時間の節約:再度の連絡が不要になり、双方の時間を節約できる
- トラブル防止:「言った・言わない」のトラブルを未然に防ぐ証拠となる
- 業務の継続性確保:担当者不在時でも業務を滞りなく進めることができる
- 顧客満足度向上:迅速かつ確実な対応は顧客からの信頼につながる
具体例
あるプロジェクトで、担当者が不在時に重要な納期変更の電話がありましたが、伝言メモの日付記載が曖昧だったため、誤った日程で進行してしまい、納品遅延が発生しました。
適切な伝言メモがあれば防げたトラブルです。
間違いやすいポイント
「後で口頭で伝えれば良い」と思って伝言メモを作成しないことや、重要度が低いと判断して情報を省略してしまうことは、ビジネスチャンスの損失につながる可能性があります。
ビジネスシーンでの伝言メモの種類
伝言メモには状況によって様々な種類があり、それぞれの特性を理解することが重要です。
- 電話伝言メモ
- 不在時に受けた電話の内容を記録
- 特徴:緊急性の判断が必要、相手の連絡先情報が重要
- 例:取引先からの問い合わせ、納期確認など
- 来客伝言メモ
- オフィスへの来客情報と用件を記録
- 特徴:対面での情報のため、非言語情報(表情、態度など)も記録することがある
- 例:アポイントなしの来客、取引先担当者の訪問など
- 社内伝言メモ
- 同僚や上司への内部的な伝言
- 特徴:社内用語や略語の使用が可能、比較的カジュアルな形式
- 例:部内会議の日程変更、資料提出依頼など
- 緊急伝言メモ
- 至急対応が必要な事項を伝達
- 特徴:目立つ形式、優先度の明示、複数の連絡手段の記載
- 例:システムトラブル、クレーム対応など
具体例
営業部門では、顧客からの問い合わせや注文に関する電話伝言メモを標準化し、顧客名、問い合わせ内容、希望納期、金額などの必須項目を漏れなく記録するフォーマットを導入することで、対応漏れを防いでいます。
伝言メモの正しいフォーマットと必須項目
効果的な伝言メモには、基本的なフォーマットと必ず記載すべき項目があります。
これらを押さえることで、情報の漏れや誤伝達を防ぐことができます。
基本的な伝言メモのフォーマット
伝言メモの基本フォーマットは、次の要素で構成されます。
- タイトル/見出し
- 「伝言メモ」「電話メモ」など明確な見出し
- 緊急性がある場合は「緊急」「至急」などの表示
- 日時情報
- 伝言を受けた日付と時刻
- 年月日と時間(午前/午後または24時間表記)
- 宛先情報
- 伝言の受取人(宛先)の名前と部署
- 必要に応じて役職
- 発信者情報
- 伝言の発信者(相手)の名前
- 会社名、部署、役職
- 連絡先(電話番号、メールアドレスなど)
- 伝言内容
- 用件や伝言の具体的な内容
- 箇条書きや短文で明確に
- 対応要否と期限
- 返信や対応が必要かどうか
- 対応期限(日付、時間)
- 伝言者情報
- 伝言を受けた人(記入者)の名前
- 部署、内線番号など
間違いやすいポイント
日時の記載が曖昧(「本日」「明日」などの相対表現)だと、いつ見るかによって意味が変わるため、必ず具体的な年月日を記載することが重要です。
情報漏れを防ぐチェックリスト
伝言メモ作成時に確認すべきチェックリスト項目を紹介します。
これを活用することで情報の抜け漏れを防ぎます。
基本情報のチェック
- □ 日付・時刻は正確に記載されているか
- □ 宛先は明確か(部署名、役職名まで)
- □ 発信者の連絡先情報(電話番号、メールなど)は完全か
- □ 伝言者(記入者)の名前は記載されているか
内容のチェック
- □ 用件は具体的に記載されているか
- □ 数字(金額、個数、日付など)は正確か
- □ 固有名詞(人名、商品名、会社名)は正確に記載されているか
- □ 対応期限は明確か
- □ 優先度や緊急性は明示されているか
対応関連のチェック
- □ 返信・折り返しの要否は明記されているか
- □ 相手の都合(連絡可能時間帯など)は記載されているか
- □ 関連資料やファイルの有無は記載されているか
- □ すでに対応した内容があれば記載されているか
具体例
ある企業では、伝言メモの裏面にこのチェックリストを印刷し、記入後に確認できるようにしています。
特に数字や固有名詞は二重チェックするルールとし、情報の正確性を高めています。
状況別伝言メモの書き方
状況によって伝言メモの書き方は異なります。
代表的なシーンごとの効果的な書き方を解説します。
電話伝言メモの効果的な書き方
電話での伝言は最も一般的なケースです。
聞き取った内容を正確に記録することが重要です。
電話伝言メモの基本構造
電話メモ
日時:20XX年〇月〇日 14:30
宛先:営業部 田中部長
発信者:株式会社〇〇 営業部 佐藤様
連絡先:03-XXXX-XXXX(内線:1234)
用件:
・見積書の金額について確認したい
・A商品の納期を5月15日から5月10日に前倒し希望
・見積書の再送付を希望(メールで)
対応:
・15時までに折り返し電話希望
記入者:営業部 鈴木
電話伝言メモ作成のポイント
- 聞き取りながらメモする技術:
- 要点を簡潔に記録
- 数字や固有名詞は復唱して確認
- 不明点はその場で質問
- 緊急度の判断と表示
- 緊急性の高い内容は「至急」「緊急」などと目立つように記載
- 対応期限が具体的にあれば赤字や下線で強調
- 連絡先情報の詳細な記録
- 直通番号や内線番号
- 対応可能時間帯
- 代替連絡先(携帯電話やメールアドレスなど)
間違いやすいポイント
電話中の聞き取りは一度きりのため、特に重要な情報(数字、日時、固有名詞)は必ず復唱して確認することが重要です。
「たぶんこうだろう」という推測で記録するのは避けましょう。
社内向け伝言メモの書き方
社内向けの伝言メモは、外部向けよりもカジュアルな形式が許容されますが、基本的な情報は明確に記載する必要があります。
社内伝言メモの例
社内メモ
日時:20XX年〇月〇日 10:15
宛先:山田さん
用件:
・企画会議が明日15:00から16:00に変更
・会議室も301から305に変更
・企画書のデータを会議前にメールで送ってほしい
対応:
・変更可否を本日中に連絡ください
記入者:佐々木(内線:5678)
社内伝言メモのポイント
- 適切な敬語レベル
- 社内の人間関係や企業文化に合わせた表現
- 上司宛ての場合は敬語を使用
- 社内特有の情報
- 内線番号
- 共有フォルダのパス
- 社内システムのチケット番号など
- 関連情報の参照先
- 会議資料の保存場所
- 前回のやり取りの日時
- 関連プロジェクトコードなど
具体例
プロジェクトが複数進行している環境では、伝言メモにプロジェクトコードや識別子を記載することで、受け取った人がすぐに関連情報を参照できるようにしています。
また、社内チャットツールのメッセージIDを記載して、過去の会話履歴を参照できるようにする工夫も効果的です。
具体的な伝言メモのテンプレートと例文
効率的に伝言メモを作成するために、状況別のテンプレートを用意しておくと便利です。
ここでは実用的なテンプレートと例文を紹介します。
汎用伝言メモテンプレート
どのようなシーンでも使える汎用的なテンプレートは、業務効率化に役立ちます。
基本テンプレート(敬語表現)
伝言メモ
======================================
日時:20XX年〇月〇日 〇時〇分
宛先:〇〇部 〇〇様
発信者:〇〇会社 〇〇部 〇〇様
連絡先:TEL:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇(内線:〇〇〇〇)
Mail:〇〇〇@〇〇〇.co.jp
======================================
【用件】
【対応】
□要返信(期限: )
□不要
======================================
特記事項:
受信者:〇〇部 〇〇
基本テンプレート(ビジネスシーン別)
【電話メモ - 取引先用】
受信日時:20XX/〇/〇 〇:〇〇
宛先:〇〇〇〇様
発信者:〇〇株式会社 〇〇様
TEL:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
用件:
□見積依頼 □発注 □納期確認 □クレーム □その他
詳細:
対応:
□要返信(期限: )連絡手段:□電話 □メール □FAX
□不要
記入者:
間違いやすいポイント
テンプレートを使用する際、前回記入した情報が残ったまま使い回してしまうミスが起こりがちです。
特に日付や連絡先情報は毎回必ず新しく記入するよう注意しましょう。
シーン別テンプレートと例文
状況ごとに最適化されたテンプレートを用意することで、より効率的かつ正確な伝言メモの作成が可能になります。
1. 取引先からの問い合わせ用
【取引先問い合わせメモ】
日時:20XX年〇月〇日 〇:〇〇
宛先:営業部 〇〇様
会社名:〇〇株式会社
担当者:〇〇様
連絡先:TEL:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
商品名:〇〇〇〇
問い合わせ内容:
□価格 □納期 □仕様 □在庫 □その他( )
詳細:
対応期限:〇月〇日〇時まで
受信者:
例文
【取引先問い合わせメモ】
日時:20XX年4月10日 13:45
宛先:営業部 佐藤様
会社名:ABC商事株式会社
担当者:山田部長
連絡先:TEL:03-1234-5678
商品名:高性能プリンターX100
問い合わせ内容:
☑納期 □仕様 ☑在庫 □その他( )
詳細:
・X100を10台注文希望
・納期は5月15日までに必要
・在庫があれば即日発送希望
・見積書をメールで送ってほしい
対応期限:4月10日 17:00まで
受信者:営業部 鈴木
2. 社内会議変更通知用
【会議変更通知】
日時:20XX年〇月〇日
宛先:〇〇様
会議名:〇〇会議
変更内容:
□日時変更 旧:〇/〇 〇:〇〇〜 → 新:〇/〇 〇:〇〇〜
□場所変更 旧:〇〇会議室 → 新:〇〇会議室
□出席者変更 追加:〇〇様 欠席:〇〇様
□議題変更 詳細:
対応:
□出席可否を〇月〇日までに連絡
□資料の事前確認
□その他( )
連絡先:〇〇部 〇〇(内線:〇〇〇〇)
具体例
営業部門では、顧客からの問い合わせ内容をチェックボックス形式で分類し、担当者がすぐに内容を把握できるテンプレートを使用しています。
また、対応期限を赤字で目立たせることで、重要度の高い案件を優先的に処理できるようにしています。
伝言メモ作成の実践例と解説
実際のビジネスシーンを想定した伝言メモの例を見ながら、効果的な作成方法を解説します。
顧客からの問い合わせ対応例
営業担当者不在時に顧客から問い合わせがあった場合の伝言メモ例です。
伝言メモ例
【至急】電話メモ
日時:20XX年4月15日 14:30
宛先:営業部 田中課長
発信者:株式会社ワールドトレード 購買部 佐藤様
連絡先:03-9876-5432(直通)
用件:
1. 先日見積もりした商品Aの数量変更希望
→30個から50個に増加
2. それに伴う金額の再見積もり依頼
3. 納期は当初予定通り5月20日で変更なし
4. 変更後の見積書をPDFでメール送付希望
対応:
・本日16時までに折り返し電話を希望
・不在の場合は、携帯(090-1234-5678)に連絡希望
備考:
・佐藤様は17時以降は会議のため不在
・見積書番号:EST-2023-0415
受信者:営業部 鈴木
解説ポイント
- 「至急」の表示で緊急性を明示
- 数量変更(30→50)など具体的な数字を明記
- 納期に変更がないことも明記(変更有無も重要情報)
- 連絡方法や時間帯の制約を詳細に記載
- 見積書番号など関連する参照情報も記載
間違いやすいポイント
「先日の見積もり」のような曖昧な表現ではなく、具体的な見積書番号や日付を記載することで、受け取った担当者がすぐに関連情報を特定できるようにしましょう。
社内プロジェクト関連の伝言例
チームメンバー間のプロジェクト関連の伝言メモ例です。
伝言メモ例
社内メモ
日時:20XX年4月16日 11:15
宛先:開発部 山田リーダー
発信者:デザイン部 佐々木
連絡先:内線7890、PHS:5678
件名:プロジェクトXのデザイン変更について
用件:
1. トップページのバナーデザイン案を3案作成完了
→社内共有フォルダ「Project_X/design/0416」にアップロード済み
2. クライアントからの修正依頼(テキスト位置変更)も反映済み
3. 明日のMTGで使用する資料も同フォルダに保存
対応:
・確認後、使用する案を本日中に連絡してほしい
・明日のMTGで使用するなら、印刷が必要か知らせてほしい
備考:
・デザイン案のファイル名:banner_A1.psd、banner_B2.psd、banner_C3.psd
・前回MTG資料:meeting_0410.pdf
受信者:総務部 高橋
解説ポイント
- 共有フォルダのパスや具体的なファイル名を記載
- 作業状況(「3案作成完了」「修正依頼も反映済み」)を明確に
- 次のアクションと期限(「本日中に連絡」)を明示
- 関連資料の場所も記載して参照しやすくしている
具体例
プロジェクトベースの業務では、伝言メモにプロジェクト名とフェーズを明記することで、受け取った人がすぐに文脈を理解できるようにしています。
また、関連ファイルの保存場所を具体的に記載することで、情報へのアクセスをスムーズにしています。
デジタルツールを活用した伝言メモの効率化
現代のビジネス環境では、デジタルツールを活用することで伝言メモの作成と管理を効率化できます。
最新のアプローチを紹介します。
デジタル伝言メモの作成ツールと活用法
紙のメモに代わるデジタルツールとその効果的な活用方法を解説します。
主なデジタル伝言メモツール
- ビジネスチャットツール
- Slack、Microsoft Teams、Chatworkなど
- 特徴:即時性、検索性、通知機能
- 活用法:専用チャンネルの作成、メンション機能の活用
- タスク管理ツール
- Trello、Asana、Todoistなど
- 特徴:期限設定、担当者割り当て、進捗管理
- 活用法:伝言をタスクとして登録、優先度設定
- メモアプリ
- Evernote、OneNote、Google Keepなど
- 特徴:マルチデバイス対応、整理機能、検索性
- 活用法:テンプレート作成、タグ付け、共有設定
- CRMツール
- Salesforce、HubSpot、Zendeskなど
- 特徴:顧客情報との紐付け、履歴管理
- 活用法:顧客対応履歴として記録、チーム共有
デジタル伝言メモのメリット
- 検索性:キーワードで過去の伝言を素早く検索可能
- 共有性:複数人で同時に情報共有が可能
- 通知機能:重要な伝言を確実に相手に届けられる
- 自動記録:日時や作成者が自動的に記録される
- リマインド:対応期限が近づくと自動通知
間違いやすいポイント
デジタルツールを使用する場合でも、基本情報(日時、発信者、連絡先、用件、対応要否)は漏れなく記載することが重要です。
便利さに頼りすぎて情報が不足しないよう注意しましょう。
伝言メモとビジネスプロセスの連携
伝言メモをビジネスプロセスと連携させることで、情報の流れを効率化できます。
伝言メモの連携例
- 営業プロセスとの連携
- 顧客からの問い合わせを伝言メモ→CRMに記録
- 伝言内容を商談履歴として活用
- 対応状況をチーム全体で可視化
- プロジェクト管理との連携
- 伝言メモをプロジェクト管理ツールのタスクに変換
- 進捗状況と合わせて管理
- ガントチャートなどでの可視化
- ワークフロー管理との連携
- 伝言内容に基づいた承認プロセスの自動化
- 対応状況のステータス管理
- 処理漏れの自動検知
具体例
あるIT企業では、電話での問い合わせ内容をデジタル伝言メモとして記録し、自動的にチケット管理システムに連携させています。
担当者はチケットの優先度に基づいて対応し、対応結果も記録することで、顧客対応の質とスピードを向上させています。
また、経営層は対応状況をダッシュボードで一覧でき、ボトルネックの発見や改善に役立てています。
伝言メモ作成時の注意点と失敗例
伝言メモ作成時には様々なミスが発生する可能性があります。
よくある失敗例とその対策を紹介します。
よくある伝言メモのミスと対策
伝言メモ作成時によくあるミスとその防止策を解説します。
1. 情報の抜け漏れ
- よくあるミス:連絡先電話番号の一部桁抜け、対応期限の未記載
- 対策:チェックリストの活用、テンプレートの使用、復唱による確認
- 具体例:「03-1234-XXXX」と下4桁が不明な場合は、「不明」と明記し、推測で記入しない
2. 情報の誤記
- よくあるミス:人名や社名の誤記、数字の転記ミス(「1,500」→「15,000」など)
- 対策:固有名詞と数字は特に注意して復唱確認、不明点はその場で質問
- 具体例:「山田様」が「山本様」になっていると、伝言が正しい相手に届かない可能性がある
3. 日時の曖昧表現
- よくあるミス:「本日」「明日」などの相対表現、時間帯の曖昧な表現(「午後」「夕方」など)
- 対策:必ず具体的な年月日と時刻を記載、時間は24時間表記も併記
- 具体例:「明日の午後」ではなく「4月17日14:00~16:00」と具体的に記載
4. 優先度・緊急度の未表示
- よくあるミス:緊急性の高い伝言が通常の伝言と区別されていない
- 対策:緊急案件は目立つよう「至急」「緊急」などの表示、色分けやマーキング
- 具体例:締切直前の案件は赤字や蛍光ペンでマークし、優先的に対応されるようにする
間違いやすいポイント
伝言メモは「誰が見ても理解できる」ことが重要です。
社内でしか通じない略語や専門用語の使用は、部署を越えた伝達の際に誤解を招く可能性があります。
情報セキュリティとプライバシー保護
伝言メモには機密情報や個人情報が含まれることも多いため、情報セキュリティとプライバシー保護に注意が必要です。
伝言メモの情報セキュリティリスク
- 机上放置によるリスク
- リスク: オフィスの机上に放置された伝言メモが第三者の目に触れる
- 対策: クリアデスク政策の徹底、機密情報を含む伝言メモの適切な保管・廃棄
- 不適切な転送・共有
- リスク: 機密情報を含む伝言内容が関係者以外に共有される
- 対策: 「部外秘」「社外秘」などの明示、共有範囲の限定
- 不適切な廃棄
- リスク: 廃棄した伝言メモから情報が漏洩
- 対策: シュレッダー処理の徹底、機密文書廃棄ボックスの利用
- デジタルツールのセキュリティ
- リスク: デジタル伝言メモのアクセス権限設定ミスによる情報漏洩
- 対策: アクセス権限の適切な設定、パスワード保護、暗号化
業種別セキュリティ対策
- 医療機関:患者情報を含む伝言メモは施錠できる場所に保管、専用フォーマットの使用
- 金融機関:取引情報を含む伝言メモはアクセス制限、監査証跡の記録
- 法律事務所:依頼者情報を含む伝言メモは取扱者を限定、機密表示を徹底
具体例
あるコンサルティング会社では、クライアント情報を含む伝言メモには「機密情報」のスタンプを押し、閲覧者の署名欄を設けることで、情報へのアクセスを記録しています。
また、保存期間を明記し、期間経過後は責任者の監督のもとでシュレッダー処理を行うルールを設けています。
まとめ:伝言メモで情報伝達の質を高める
伝言メモは一見すると単純なものですが、ビジネスにおいては重要な情報伝達ツールです。
この記事では、効果的な伝言メモの作成方法から注意点まで幅広く解説しました。
伝言メモを効果的に活用するポイントをまとめると以下の通りです。
- 基本フォーマットを守る:日時、宛先、発信者情報、用件、対応要否など基本情報を漏れなく記載することで、正確な情報伝達を実現しましょう。
- 状況別の適切な書き方を使い分ける:電話伝言、来客伝言、社内伝言など、状況に応じた適切な書き方を使い分けましょう。
- テンプレートを活用する:あらかじめ用途別のテンプレートを用意しておくことで、効率的かつ漏れのない伝言メモの作成が可能になります。
- デジタルツールを活用する:現代のビジネス環境では、デジタルツールを活用することで、伝言メモの作成・共有・管理を効率化できます。
- セキュリティとプライバシーに配慮する:伝言メモには機密情報や個人情報が含まれることも多いため、適切な取り扱いが重要です。
伝言メモは「小さな積み重ね」の代表例です。日々の小さな工夫が、業務効率の向上やトラブル防止、顧客満足度向上につながります。
この記事で紹介したポイントを参考に、より効果的な伝言メモの作成を心がけましょう。
FAQ:伝言メモに関するよくある質問
伝言メモについて、よくある質問とその回答をまとめました。日々の業務の参考にしてください。
Q1: 伝言メモと社内メールの使い分けはどうすべきですか?
A1: 緊急性と情報量で使い分けるとよいでしょう。
緊急性が高く簡潔な内容は伝言メモが適しています。
一方、詳細な説明や資料の共有が必要な場合はメールが適しています。
また、相手の働き方や連絡手段の好みに合わせることも重要です。
デスクワークが中心の相手にはメール、外出が多い相手には伝言メモ(または電話)が効果的な場合が多いです。
Q2: 伝言メモに書くべきではない情報はありますか?
A2: 高度に機密性の高い情報(個人情報、企業秘密、重要な財務情報など)は、紙の伝言メモに記載するのを避けるべきです。
これらの情報は、セキュリティが確保された方法(対面での伝達、暗号化されたデジタル通信など)で共有することが望ましいです。
また、未確認の噂や憶測なども伝言メモに記載すべきではありません。
Q3: 相手が言ったことを完全に理解できなかった場合、伝言メモはどう書くべきですか?
A3: 不明点や聞き取れなかった部分は推測せず、「不明」または「要確認」と明記しましょう。
例えば「納期については要確認(聞き取れず)」のように記載します。
また、伝言を受けた時点で相手に「~についてもう一度お聞きしてもよろしいですか」と確認することが最善です。
伝言を受ける側も、不明点があれば必ず質問するクセをつけることが重要です。
Q4: デジタルツールを使う場合、紙の伝言メモと比べてどんな点に注意すべきですか?
A4: デジタルツールを使用する場合、アクセス権の設定や情報セキュリティに特に注意が必要です。
また、通知設定を適切に行い、重要な伝言が埋もれてしまわないようにすることも重要です。
さらに、システム障害や停電時のバックアップ対策として、重要度の高い伝言については紙の記録も併用することを検討するとよいでしょう。
デジタルツールの場合も基本情報(日時、発信者、用件など)は漏れなく記載する原則は変わりません。
Q5: 伝言メモの保存期間はどれくらいが適切ですか?
A5: 伝言メモの保存期間は内容により異なります。
一般的な事務連絡は対応完了後1〜3ヶ月程度、契約や取引に関連する重要な伝言は関連書類と同じ期間(多くの場合5〜7年)保存することが望ましいでしょう。
社内規定がある場合はそれに従い、個人情報保護法など関連法規も考慮して適切な保存期間を設定してください。
デジタル伝言メモの場合は、定期的に不要データを整理するルールを設けることも重要です。