社会人として第一歩を踏み出した新入社員の皆さん、ビジネスの場における言葉遣いに不安を感じていませんか?
「敬語は学校で習ったけど、実際のビジネスシーンではどう使えばいいの?」
「無意識に使っている言葉がNGワードだったらどうしよう」という悩みは多くの新入社員が抱えるものです。
本記事では、ビジネスシーンで即実践できる敬語表現と、思わず使ってしまいがちなNGワードの言い換え表現を徹底解説します。
この記事でわかること
- ビジネスシーンで必須の敬語50選とその正しい使い方
- 新入社員がよく間違える敬語のNG表現とその言い換え方
- シーン別(会議・電話・メール)での適切な敬語表現の選び方
- 上司・取引先・同僚など相手別の敬語の使い分け方
- 敬語マスターのための実践的なトレーニング方法
ビジネスシーンで使える敬語表現をマスターして、周囲から一目置かれる新入社員になりましょう!
【関連記事】新入社員のためのビジネス敬語応用ガイド|実践シーンと自己チェックリスト
- ビジネス敬語の基本と重要性
- 新入社員がよく使うNGワード20選と正しい言い換え表現
- シーン別必須ビジネス敬語30選
- 相手別敬語の使い分け方
- ビジネス敬語上達のための実践トレーニング
- よくある敬語の間違いと対処法
- 敬語マスターのための応用テクニック
- まとめ:自信を持って使えるビジネス敬語
- よくある質問(FAQ)
- Q1: 敬語を使いすぎると不自然になることがありますか?
- Q2: 同僚には敬語を使うべきでしょうか?
- Q3: 取引先との初めてのメールではどのような敬語表現が適切ですか?
- Q4: 敬語を間違えてしまった場合、どう対処すべきですか?
- Q5: 英語からの外来語(アポイント、リスケなど)にも敬語は必要ですか?
- Q6: 上司からタメ口で話しかけられますが、こちらはどう返すべきですか?
- Q7: 電話での「お電話ありがとうございます」は正しいですか?
- Q8: クライアントへのお詫びメールではどのような敬語が適切ですか?
- Q9: 社内の報告書や議事録でも敬語を使うべきですか?
- Q10: 敬語のスキルアップにおすすめの方法はありますか?
ビジネス敬語の基本と重要性
ビジネスシーンにおける敬語は、単なる丁寧な言葉遣い以上の意味を持ちます。
それは、あなたのプロフェッショナリズムを示し、信頼関係を構築する重要なツールなのです。
敬語の3つの基本形式
ビジネス敬語には主に「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があります。
それぞれの特徴と使い分けを正確に理解しましょう。
尊敬語:相手の行動や状態を高める言葉
- 例:「言う→おっしゃる」「見る→ご覧になる」「来る→いらっしゃる」
- 間違いやすいポイント:「~される」を多用するのではなく、動詞ごとの専用の尊敬語を覚えることが重要です。
謙譲語:自分の行動を低めて相手を立てる言葉
- 例:「言う→申し上げる」「見る→拝見する」「行く→伺う」
- 間違いやすいポイント:謙譲語は自分や自社の行動に使うもので、相手の行動に使うと失礼になります。
丁寧語:文末を丁寧にする言葉
- 例:「です」「ます」「ございます」
- 間違いやすいポイント:丁寧語だけでは敬意が十分に伝わらないことが多いため、状況に応じて尊敬語や謙譲語と組み合わせましょう。
ビジネス敬語が重要な理由
ビジネス敬語をマスターすることで得られる3つの大きなメリットを理解しましょう。
1. 第一印象の向上
- 正しい敬語を使うことで、相手に好印象を与え、信頼感を醸成します。
- 具体例:「初めまして、〇〇株式会社の山田と申します。本日はお時間をいただきありがとうございます」と言えるだけで、第一印象が大きく変わります。
2. 円滑なコミュニケーション
- 適切な敬語を使うことで、誤解やトラブルを防止し、スムーズな意思疎通が可能になります。
- 間違いやすいポイント:過剰な敬語や不自然な敬語は、かえってコミュニケーションを妨げることがあります。
3. キャリア形成への影響
- 敬語の使い方は、あなたの仕事への姿勢やビジネスパーソンとしての成熟度を示すバロメーターとなります。
- 具体例:「この新入社員は敬語が完璧だ」と上司や先輩に評価されれば、重要な仕事を任される機会も増えるでしょう。
新入社員がよく使うNGワード20選と正しい言い換え表現
ビジネスシーンでは、普段何気なく使っている言葉が実はNGワードであることが少なくありません。
ここでは新入社員がよく間違える20のNGワードと、その正しい言い換え表現を紹介します。
新入社員が使いがちなNGワードを知り、適切な表現に言い換えることで、ビジネスパーソンとしての印象を格段に向上させましょう。
基本的な会話での言い換え表現10選
1. NG:「わかりました」
- 正しい言い換え:「かしこまりました」「承知いたしました」
- 具体例:
- (上司)「この資料、明日までに作成しておいて」
- (NG)「わかりました」
- (OK)「承知いたしました。明日までに作成いたします」
- 間違いやすいポイント:ビジネスシーンでは「わかった」という意味よりも「命令を受け取った」という意味合いを持たせる言葉を使いましょう。
2. NG:「聞きました」
- 正しい言い換え:「伺いました」「お聞きしました」
- 具体例:
- (取引先)「納期は来月15日になります」
- (NG)「聞きました」
- (OK)「承知いたしました。納期は来月15日と伺いました」
- 間違いやすいポイント:「聞く」は謙譲語の「伺う」を使うことで敬意を示せます。
3. NG:「知りません」
- 正しい言い換え:「存じ上げておりません」「把握しておりませんでした」
- 具体例:
- (顧客)「先日のミーティングの件について」
- (NG)「すみません、知りません」
- (OK)「申し訳ございません、その件については存じ上げておりませんでした。確認してご連絡いたします」
- 間違いやすいポイント:単に「知らない」と言うのではなく、次のアクションを添えることが重要です。
4. NG:「できません」
- 正しい言い換え:「あいにく対応いたしかねます」「別の方法でご提案させていただきます」
- 具体例:
- (顧客)「明日までに納品できますか?」
- (NG)「できません」
- (OK)「あいにく明日までの納品は難しい状況です。〇日であれば対応可能ですが、いかがでしょうか」
- 間違いやすいポイント:代替案や理由を簡潔に伝えることで、否定的な印象を和らげましょう。
5. NG:「今忙しいです」
- 正しい言い換え:「只今別件で手が離せない状況です」「少々お時間をいただけますでしょうか」
- 具体例:
- (同僚)「この資料について質問があるのですが」
- (NG)「今忙しいです」
- (OK)「申し訳ありません、只今別件で手が離せない状況です。〇時頃にお時間よろしいでしょうか」
- 間違いやすいポイント:単に断るのではなく、いつなら対応できるかを伝えましょう。
6. NG:「もう一度言ってください」
- 正しい言い換え:「恐れ入りますが、もう一度お聞かせいただけますでしょうか」
- 具体例:
- (上司)「〇〇の件を処理しておいて」(聞き取れなかった場合)
- (NG)「もう一度言ってください」
- (OK)「恐れ入りますが、もう一度お聞かせいただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:命令口調にならないよう、「お願いします」より「いただけますでしょうか」という表現が適切です。
7. NG:「早くしてください」
- 正しい言い換え:「恐れ入りますが、ご対応をお急ぎいただけますと幸いです」
- 具体例:
- (取引先に納品を急いでほしい場合)
- (NG)「早くしてください」
- (OK)「恐れ入りますが、○日までにご対応いただけますと大変助かります」
- 間違いやすいポイント:急かすニュアンスではなく、お願いのニュアンスを出すことが重要です。
8. NG:「手伝います」
- 正しい言い換え:「お手伝いさせていただきます」「ご一緒にさせていただきます」
- 具体例:
- (先輩が資料作成で忙しそうな場合)
- (NG)「手伝います」
- (OK)「お手伝いさせていただきますが、いかがでしょうか」
- 間違いやすいポイント:「させていただく」という表現を使うことで謙虚な姿勢を示せます。
9. NG:「ちょっと待って」
- 正しい言い換え:「少々お待ちいただけますでしょうか」
- 具体例:
- (電話対応中に資料を探す必要がある場合)
- (NG)「ちょっと待ってください」
- (OK)「申し訳ございません、少々お待ちいただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:「ちょっと」という言葉は砕けた表現なので避けましょう。
10. NG:「いいですよ」
- 正しい言い換え:「承知いたしました」「問題ございません」
- 具体例:
- (取引先)「納期を1日延ばしてもらえますか?」
- (NG)「いいですよ」
- (OK)「承知いたしました。○日の納期で調整させていただきます」
- 間違いやすいポイント:「いい」は友人間の会話のような印象を与えるため、ビジネスシーンでは避けましょう。
電話・メールでの言い換え表現10選
11. NG:「電話ありがとう」
- 正しい言い換え:「お電話いただきありがとうございます」
- 具体例:
- (電話を受けた際)
- (NG)「電話ありがとうございます」
- (OK)「お電話いただきありがとうございます」
- 間違いやすいポイント:「電話」ではなく「お電話」、「ありがとう」ではなく「いただきありがとうございます」と丁寧に表現しましょう。
12. NG:「メール送ります」
- 正しい言い換え:「メールにてお送りさせていただきます」
- 具体例:
- (資料の送付方法を伝える場合)
- (NG)「後でメール送ります」
- (OK)「資料は後ほどメールにてお送りさせていただきます」
- 間違いやすいポイント:「送る」を謙譲語で表現することで敬意を示しましょう。
13. NG:「返事ください」
- 正しい言い換え:「ご返答いただけますと幸いです」
- 具体例:
- (メール文の締めくくり)
- (NG)「早めの返事をお願いします」
- (OK)「ご多忙のところ恐縮ですが、○日までにご返答いただけますと幸いです」
- 間違いやすいポイント:命令口調ではなく、相手の都合も考慮した表現にしましょう。
14. NG:「確認します」
- 正しい言い換え:「確認させていただきます」「確認いたします」
- 具体例:
- (取引先)「この仕様で問題ないですか?」
- (NG)「確認します」
- (OK)「一度社内で確認させていただき、明日中にご連絡いたします」
- 間違いやすいポイント:「確認する」だけではなく、次のアクションも伝えると親切です。
15. NG:「電話切ります」
- 正しい言い換え:「それでは失礼いたします」
- 具体例:
- (電話を終える際)
- (NG)「他に何もなければ、電話切ります」
- (OK)「他にご質問等なければ、失礼いたします」
- 間違いやすいポイント:「切る」という直接的な表現は避け、「失礼いたします」で締めくくりましょう。
16. NG:「了解」
- 正しい言い換え:「承知いたしました」「かしこまりました」
- 具体例:
- (メールでの返信)
- (NG)「了解しました」
- (OK)「ご連絡ありがとうございます。承知いたしました」
- 間違いやすいポイント:「了解」は軍隊用語のような印象があるため、ビジネスメールでは避けましょう。
17. NG:「後で連絡します」
- 正しい言い換え:「後ほどご連絡させていただきます」
- 具体例:
- (電話で即答できない場合)
- (NG)「確認して後で連絡します」
- (OK)「確認の上、本日中にご連絡させていただきます」
- 間違いやすいポイント:いつ連絡するかを具体的に伝えると誠実な印象を与えます。
18. NG:「問い合わせありがとう」
- 正しい言い換え:「お問い合わせいただきありがとうございます」
- 具体例:
- (問い合わせメールへの返信)
- (NG)「問い合わせありがとうございます」
- (OK)「お問い合わせいただきありがとうございます」
- 間違いやすいポイント:「お~いただき」の形で敬意を表現しましょう。
19. NG:「見ておきます」
- 正しい言い換え:「拝見させていただきます」
- 具体例:
- (資料を受け取った際)
- (NG)「資料見ておきます」
- (OK)「資料拝見させていただきます」
- 間違いやすいポイント:「見る」は謙譲語の「拝見する」を使いましょう。
20. NG:「調べときます」
- 正しい言い換え:「調査いたします」「確認の上、ご報告いたします」
- 具体例:
- (顧客)「この製品の在庫状況は?」
- (NG)「調べときます」
- (OK)「在庫状況を確認の上、本日中にご報告いたします」
- 間違いやすいポイント:「~ときます」は口語的表現なので避け、「いたします」を使いましょう。
シーン別必須ビジネス敬語30選
ビジネスシーンでは、状況に応じた適切な敬語表現を使い分けることが重要です。
ここでは、「会議」「電話」「メール」の3つの代表的なシーンで使える必須敬語表現を30個紹介します。
これらのシーン別敬語表現をマスターすることで、どんなビジネス状況でも自信を持って対応できるようになります。
会議での敬語表現10選
会議では多くの人の前で発言するため、特に敬語の正確さが問われます。
適切な表現を身につけましょう。
1. 意見を述べる
- 表現:「〜と存じます」「〜と考えております」
- 具体例:「この件については、コスト削減が最優先課題であると存じます」
- 間違いやすいポイント:「思います」より「存じます」「考えております」の方が丁寧です。
2. 質問する
- 表現:「ご教示いただけますでしょうか」
- 具体例:「このプロジェクトの具体的なスケジュールについてご教示いただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:「教えてください」より「ご教示いただけますでしょうか」の方が丁寧です。
3. 異論を唱える
- 表現:「申し訳ございませんが、別の視点からご提案させていただきます」
- 具体例:「申し訳ございませんが、コスト面から別の方法をご提案させていただきます」
- 間違いやすいポイント:直接的に否定せず、代替案を提示する形で異論を述べましょう。
4. 会議を始める
- 表現:「それでは、会議を始めさせていただきます」
- 具体例:「お待たせいたしました。それでは、第3四半期の営業会議を始めさせていただきます」
- 間違いやすいポイント:「始めます」ではなく「始めさせていただきます」を使いましょう。
5. 発言を促す
- 表現:「〜様、ご意見をお聞かせいただけますでしょうか」
- 具体例:「田中様、この件についてご意見をお聞かせいただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:強制的な印象を与えないよう、「~でしょうか」という表現を使いましょう。
6. 資料を説明する
- 表現:「ご覧いただいている資料は〜でございます」
- 具体例:「ご覧いただいている資料は、先月の販売実績をまとめたものでございます」
- 間違いやすいポイント:「見ている」ではなく「ご覧いただいている」と表現しましょう。
7. 議題を変える
- 表現:「続きまして、次の議題に移らせていただきます」
- 具体例:「ありがとうございました。続きまして、次の議題の予算計画に移らせていただきます」
- 間違いやすいポイント:前の議題への謝意を示してから次に進むとスムーズです。
8. 理解を確認する
- 表現:「ご理解いただけましたでしょうか」
- 具体例:「新しいシステムの導入手順について、ご理解いただけましたでしょうか」
- 間違いやすいポイント:「分かりましたか?」ではなく「ご理解いただけましたでしょうか」と敬意を示しましょう。
9. 会議を締めくくる
- 表現:「本日はお忙しい中お時間をいただき、誠にありがとうございました」
- 具体例:「本日はお忙しい中お時間をいただき、誠にありがとうございました。次回は来週水曜日の同時刻となります」
- 間違いやすいポイント:感謝の言葉と次のアクションを明確に伝えましょう。
10. 時間超過を謝罪する
- 表現:「お時間を超過してしまい、誠に申し訳ございません」
- 具体例:「予定の時間を超過してしまい、誠に申し訳ございません。あと5分程度でまとめさせていただきます」
- 間違いやすいポイント:謝罪だけでなく、今後の見通しも伝えると安心感を与えられます。
電話対応での敬語表現10選
電話では声だけのコミュニケーションとなるため、特に敬語が重要になります。
適切な表現を覚えましょう。
11. 電話に出る
- 表現:「お電話ありがとうございます。〇〇会社の△△でございます」
- 具体例:「お電話ありがとうございます。株式会社ABCの山田でございます」
- 間違いやすいポイント:社名と名前を名乗るのを忘れないようにしましょう。
12. 取り次ぐ
- 表現:「少々お待ちくださいませ。担当者におつなぎいたします」
- 具体例:「田中でございますね。少々お待ちくださいませ。担当の佐藤におつなぎいたします」
- 間違いやすいポイント:相手の名前を復唱してから取り次ぐと丁寧です。
13. 不在を伝える
- 表現:「申し訳ございません。ただいま席を外しております」
- 具体例:「申し訳ございません。田中はただいま外出しております。16時頃に戻る予定でございます」
- 間違いやすいポイント:いつ戻るかの情報も添えると親切です。
14. 伝言を受ける
- 表現:「承知いたしました。〇〇様からお電話があった旨、確実にお伝えいたします」
- 具体例:「承知いたしました。ABC株式会社の鈴木様からお電話があった旨、会議終了後すぐにお伝えいたします」
- 間違いやすいポイント:「伝えておく」ではなく「お伝えいたします」と丁寧に表現しましょう。
15. 電話を保留にする
- 表現:「恐れ入りますが、少々お待ちいただけますでしょうか」
- 具体例:「恐れ入りますが、資料を確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:保留にする理由を簡潔に伝えると誠実さが伝わります。
16. 聞き取れなかった場合
- 表現:「申し訳ございません、もう一度お願いできますでしょうか」
- 具体例:「申し訳ございません、電波の状態が悪く、お名前をもう一度お願いできますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:聞き取れなかった理由を添えると、相手の不快感を減らせます。
17. 電話を切る
- 表現:「お忙しいところ恐縮でございました。ありがとうございました」
- 具体例:「お忙しいところお時間をいただき、誠にありがとうございました。それでは失礼いたします」
- 間違いやすいポイント:感謝を示してから電話を切ることで、良い印象を残せます。
18. かけ直す約束
- 表現:「後ほど改めてお電話させていただきます」
- 具体例:「資料を確認の上、15時頃に改めてお電話させていただきます」
- 間違いやすいポイント:具体的な時間を伝えると、相手も予定を立てやすくなります。
19. 間違い電話の対応
- 表現:「恐れ入りますが、番号をお確かめいただければと存じます」
- 具体例:「申し訳ございません。こちらは株式会社ABCでございます。恐れ入りますが、番号をお確かめいただければと存じます」
- 間違いやすいポイント:相手を責めるような言い方は避けましょう。
20. 担当者を探す
- 表現:「担当の者を確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
- 具体例:「プロジェクトの担当者を確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:「確認します」ではなく「確認いたします」と丁寧に表現しましょう。
メール・文書での敬語表現10選
ビジネスメールでは適切な敬語を使うことで、プロフェッショナルな印象を与えられます。
基本的な表現をマスターしましょう。
21. 件名
- 表現:「〇〇のご案内」「〇〇についてのお願い」
- 具体例:「新商品発表会のご案内」「商談日程変更のお願い」
- 間違いやすいポイント:「お」「ご」をつけることで丁寧さが増します。
22. 宛名
- 表現:「〇〇株式会社 △△部 □□様」
- 具体例:「株式会社ABC 営業部 山田様」
- 間違いやすいポイント:役職がある場合は「山田部長様」とするのが丁寧です。ただし、「様」は必ず付けましょう。
23. 冒頭の挨拶
- 表現:「お世話になっております」「いつもお引き立てを賜り、誠にありがとうございます」
- 具体例:「平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます」
- 間違いやすいポイント:初めてのメールの場合は「初めてメールにてご連絡させていただきます」など、状況に合った挨拶を選びましょう。
24. 本文の書き出し
- 表現:「さて、〇〇についてご連絡申し上げます」
- 具体例:「さて、先日ご依頼いただきました資料について、ご連絡申し上げます」
- 間違いやすいポイント:「さて」を使うことで、挨拶から本題への切り替えを明確にします。
25. 依頼する
- 表現:「〇〇について、ご検討いただけますと幸いです」
- 具体例:「添付資料の内容について、ご検討いただけますと幸いです」
- 間違いやすいポイント:「~してください」よりも「~いただけますと幸いです」のほうが柔らかい印象になります。
26. 謝罪する
- 表現:「この度は〇〇につきまして、誠に申し訳ございませんでした」
- 具体例:「この度は資料の送付が遅れましたことにつきまして、誠に申し訳ございませんでした」
- 間違いやすいポイント:具体的に何に対して謝罪しているのかを明確にしましょう。
27. 添付ファイルの案内
- 表現:「〇〇を添付ファイルにてお送りいたします」
- 具体例:「ご依頼いただきました企画書を添付ファイルにてお送りいたします」
- 間違いやすいポイント:添付したことだけでなく、ファイルの内容も簡潔に説明すると親切です。
28. 締めくくりの挨拶
- 表現:「何卒よろしくお願い申し上げます」
- 具体例:「ご多忙のところ恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます」
- 間違いやすいポイント:「よろしくお願いします」よりも「よろしくお願い申し上げます」の方が丁寧です。
29. 返信の感謝
- 表現:「早速のご返信、誠にありがとうございます」
- 具体例:「お忙しい中、早速のご返信を賜り、誠にありがとうございます」
- 間違いやすいポイント:相手の迅速な対応に感謝の意を示すことで、ビジネス関係の強化につながります。
30. 署名
- 表現:「〇〇株式会社 △△部 □□」
- 具体例:「株式会社ABC 営業部 山田太郎」
- 間違いやすいポイント:会社名、部署、氏名に加え、連絡先(メールアドレス・電話番号)も記載するのが一般的です。
相手別敬語の使い分け方
ビジネスシーンでは、相手との関係性によって敬語の使い方を適切に変える必要があります。
ここでは、「上司」「取引先」「同僚」「後輩」の4つの相手別に敬語の使い分け方を解説します。
適切な敬語レベルを選ぶことで、ビジネス関係をスムーズに構築・維持できるようになります。
上司への敬語表現
上司に対しては、適切な敬意を示しつつも、業務がスムーズに進むよう心がけましょう。
基本的な話し方
- 尊敬語を積極的に使用する:「いらっしゃる」「おっしゃる」「ご覧になる」など
- 具体例:「部長はいつ会議室にいらっしゃいますか」「課長がおっしゃった提案について検討しました」
- 間違いやすいポイント:尊敬語と謙譲語を混同しないよう注意しましょう。
報告する場面
- 表現:「〇〇の件について、ご報告いたします」
- 具体例:「先週ご指示いただいた資料作成について、進捗状況をご報告いたします」
- 間違いやすいポイント:「報告します」よりも「ご報告いたします」と丁寧に表現しましょう。
質問する場面
- 表現:「恐れ入りますが、〇〇についてご教示いただけますでしょうか」
- 具体例:「恐れ入りますが、この資料の作成方法についてご教示いただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:「教えてください」より「ご教示いただけますでしょうか」と敬意を示しましょう。
取引先への敬語表現
取引先に対しては最も丁寧な敬語を使い、プロフェッショナルな印象を与えることが重要です。
基本的な話し方
- 最も丁寧な敬語表現を選ぶ:「いただく」「申し上げる」「存じております」など
- 具体例:「貴社のご提案を拝見させていただきました」「弊社の対応が遅れましたことを深くお詫び申し上げます」
- 間違いやすいポイント:「貴社」「弊社」などの表現を適切に使い分けましょう。
提案する場面
- 表現:「以下のプランをご提案させていただきます」
- 具体例:「御社のニーズに合わせて、以下の2つのプランをご提案させていただきます」
- 間違いやすいポイント:提案内容を箇条書きにするなど、分かりやすさも意識しましょう。
断る場面
- 表現:「誠に恐れ入りますが、〇〇の件につきましては対応いたしかねます」
- 具体例:「誠に恐れ入りますが、ご要望のスケジュールでの納品は難しい状況です。代替案としては…」
- 間違いやすいポイント:断る理由と可能な代替案を提示することで、印象を和らげましょう。
同僚への敬語表現
同僚に対しては、親しさと適度な敬意のバランスを取ることが大切です。
基本的な話し方
- 丁寧語を基本とし、時に尊敬語を加える:「です・ます」調を基本に
- 具体例:「この資料、確認していただけますか」「先日の会議の件で相談があります」
- 間違いやすいポイント:馴れ合いすぎず、かといって堅すぎない適度な距離感を保ちましょう。
依頼する場面
- 表現:「〇〇をお願いできますか」
- 具体例:「来週の会議資料の準備をお願いできますか」
- 間違いやすいポイント:親しくても「ちょっとやって」などのカジュアルすぎる表現は避けましょう。
感謝する場面
- 表現:「〇〇していただき、ありがとうございます」
- 具体例:「急な依頼に対応していただき、ありがとうございます」
- 間違いやすいポイント:「サンキュー」などのカジュアルな表現は、職場では避けたほうが無難です。
後輩への敬語表現
後輩に対しても基本的には丁寧語を使いつつ、指導的立場を意識した話し方をしましょう。
基本的な話し方
- 丁寧語を基本とし、親しみを持たせる:「です・ます」調をベースに
- 具体例:「この資料の作成方法を説明しますね」「何か分からないことがあれば、いつでも聞いてください」
- 間違いやすいポイント:命令口調を避け、協力的な姿勢を示すことが重要です。
指示する場面
- 表現:「〇〇をお願いします」
- 具体例:「この資料を明日までに作成お願いします。分からない点があれば遠慮なく聞いてくださいね」
- 間違いやすいポイント:締め切りや条件を明確に伝えつつ、サポートする姿勢も示しましょう。
褒める場面
- 表現:「〇〇の対応、とても良かったです」
- 具体例:「先日のクライアント対応、とても丁寧でしたね。お客様からもお褒めの言葉をいただきました」
- 間違いやすいポイント:具体的に何が良かったかを伝えると、より効果的です。
ビジネス敬語上達のための実践トレーニング
敬語は知識だけでなく、実践を通じて身につけることが重要です。
ここでは、新入社員がビジネス敬語をマスターするための効果的なトレーニング方法を紹介します。
日々の積み重ねで敬語を自然に使いこなせるようになりましょう。
日常的なトレーニング法
毎日の業務の中で実践できるトレーニング方法です。
1. 一日一表現を覚える
- 内容:毎日一つの正しい敬語表現を選び、意識的に使う
- 具体例:今日は「〇〇でございます」という表現を電話対応で使ってみる
- 間違いやすいポイント:無理に使おうとせず、自然な文脈で使うことが大切です。
2. メールの見直し習慣
- 内容:送信前に必ずメールを読み返し、敬語が適切か確認する
- 具体例:「お送りします」→「お送りいたします」のように、より丁寧な表現に修正
- 間違いやすいポイント:文法的に正しくても、相手や状況に合っているか考えましょう。
3. ロールプレイング
- 内容:同期や先輩と様々なビジネスシーンを想定して会話の練習をする
- 具体例:「クレーム対応」「アポイントの取り方」などのシチュエーションで練習
- 間違いやすいポイント:実際のビジネスシーンのように真剣に取り組むことが大切です。
集中的なスキルアップ法
短期間で集中的に敬語スキルを向上させたい場合の方法です。
1. 敬語変換ドリル
- 内容:普通の表現を敬語に変換する練習
- 具体例:「見る」→「拝見する」「ご覧になる」、「言う」→「申し上げる」「おっしゃる」
- 間違いやすいポイント:尊敬語と謙譲語を混同しないよう、誰の動作かを意識しましょう。
2. ビジネス会話の録音分析
- 内容:自分の会話を録音して、敬語の使い方を客観的に分析する
- 具体例:練習用の電話応対を録音し、不自然な表現や改善点を見つける
- 間違いやすいポイント:声のトーンや話すスピードなども含めて分析しましょう。
3. マニュアルの作成
- 内容:よく使う敬語表現をまとめた自分専用のマニュアルを作る
- 具体例:「電話対応」「メール文例」「会議での発言」などカテゴリごとにまとめる
- 間違いやすいポイント:単に表現を羅列するのではなく、使用する状況や注意点も記載しましょう。
よくある敬語の間違いと対処法
敬語は間違いやすい表現も多いものです。
ここでは、新入社員がよく陥りがちな敬語の間違いとその対処法を紹介します。
これらの間違いを知ることで、より正確な敬語使いを身につけましょう。
二重敬語の間違い
敬意表現を重ねすぎることによる間違いです。
1. 「ご説明させていただきます」と「ご説明申し上げます」
- 間違い:「ご説明させていただきます」(「ご」と「させていただく」で二重敬語)
- 正しい表現:「説明させていただきます」または「ご説明いたします」
- 具体例:「本日の議題についてご説明いたします」
- 間違いやすいポイント:「ご」がついた言葉には「させていただく」ではなく「いたします」を使いましょう。
2. 「お伺いさせていただきます」
- 間違い:「お伺いさせていただきます」(「お」と「伺う」と「させていただく」で三重敬語)
- 正しい表現:「伺わせていただきます」または「お伺いいたします」
- 具体例:「明日、御社に伺わせていただきます」
- 間違いやすいポイント:「伺う」自体が謙譲語なので、「お」は不要です。
3. 「ご連絡をいただけますでしょうか」
- 間違い:「ご連絡をいただけますでしょうか」(「ご」と「いただく」で二重敬語)
- 正しい表現:「連絡をいただけますでしょうか」または「ご連絡ください」
- 具体例:「詳細が決まりましたら、連絡をいただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:「ご」がついた言葉に「いただく」を組み合わせると二重敬語になります。
敬語の使い分けの間違い
尊敬語と謙譲語の混同による間違いです。
1. 「お伝えになりました」
- 間違い:「部長がお伝えになりました」(謙譲語を尊敬語として使用)
- 正しい表現:「部長がおっしゃいました」または「部長が伝えられました」
- 具体例:「田中部長がプロジェクトの延期についておっしゃいました」
- 間違いやすいポイント:「お伝えする」は謙譲語なので、相手の動作には使いません。
2. 「ご確認いたしました」
- 間違い:「社長がご確認いたしました」(謙譲語を尊敬語として使用)
- 正しい表現:「社長が確認されました」または「社長がご確認になりました」
- 具体例:「山本社長が書類を確認されました」
- 間違いやすいポイント:「いたします」は謙譲語なので、目上の人の動作には使いません。
3. 「お待ちしております」と「お待ちになっております」
- 間違い:「課長がお待ちしております」(謙譲語を尊敬語として使用)
- 正しい表現:「課長がお待ちになっております」または「課長がお待ちです」
- 具体例:「佐藤課長が会議室でお待ちになっております」
- 間違いやすいポイント:「お待ちする」は謙譲語なので、目上の人の動作には使いません。
慣用的な間違い
習慣的に使われているが実は間違いである表現です。
1. 「お客様がお見えになります」
- 間違い:「お客様がお見えになります」(「見える」は「来る」の意味で使用)
- 正しい表現:「お客様がいらっしゃいます」または「お客様がお越しになります」
- 具体例:「2時にお客様がいらっしゃいます」
- 間違いやすいポイント:「見える」を「来る」の意味で使うのは誤用です。
2. 「ご足労をおかけしますが」
- 間違い:「ご足労をおかけしますが」(「ご」と「お」の二重敬語)
- 正しい表現:「足労をおかけしますが」または「ご足労ですが」
- 具体例:「足労をおかけしますが、弊社までお越しいただけますでしょうか」
- 間違いやすいポイント:「ご」と「お」を重ねて使わないようにしましょう。
3. 「ご丁寧にありがとうございます」
- 間違い:「ご丁寧にありがとうございます」(「ご」は不要)
- 正しい表現:「丁寧にありがとうございます」
- 具体例:「丁寧にご対応いただき、ありがとうございます」
- 間違いやすいポイント:「丁寧に」は相手の行為を表す副詞なので「ご」は不要です。
敬語マスターのための応用テクニック
基本的な敬語を習得した後は、より高度な表現やテクニックを身につけることで、さらに洗練されたビジネスパーソンになれます。
ここでは、敬語マスターのための応用テクニックを紹介します。
これらのテクニックを使いこなせるようになれば、どんなビジネスシーンでも自信を持って対応できるようになります。
TPOに応じた敬語レベルの調整
状況に応じて敬語のレベルを柔軟に変える方法です。
1. フォーマル度に応じた使い分け
- 内容:同じ内容でも、状況のフォーマル度に応じて表現を変える
- 具体例:
- 公式な会議:「ご検討いただけますと幸甚に存じます」
- 日常的な打ち合わせ:「ご検討いただければ幸いです」
- 社内の同僚間:「検討してもらえると助かります」
- 応用ポイント:相手や場の雰囲気を読み取り、適切な敬語レベルを選びましょう。
2. 心理的距離感の調整
- 内容:敬語の丁寧さで心理的距離感を調整する
- 具体例:
- 距離を置きたい場合:「ご都合がよろしければ、ご検討いただけますでしょうか」
- 距離を縮めたい場合:「もしよろしければ、考えていただけますか」
- 応用ポイント:関係性を構築したい相手には、徐々に親しみやすい表現に移行することも検討しましょう。
3. 文の構造による丁寧さの調整
- 内容:同じ敬語でも、文の構造を変えることで丁寧さを調整する
- 具体例:
- より丁寧:「〜していただけますと幸いに存じます」
- 標準:「〜していただけますでしょうか」
- やや砕けた:「〜していただけますか」
- 応用ポイント:「〜でしょうか」「〜かと存じます」などの表現を加えると丁寧さが増します。
敬語を使った印象管理
敬語を戦略的に使うことで、相手に与える印象をコントロールする方法です。
1. 謝罪の印象調整
- 内容:謝罪の程度を言葉で調整する
- 具体例:
- 重大な謝罪:「誠に申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます」
- 標準的な謝罪:「申し訳ございませんでした」
- 軽微な謝罪:「恐れ入ります」
- 応用ポイント:謝罪の程度を言葉で表現し、状況に応じた対応を示しましょう。
2. 断り方の印象調整
- 内容:断る際も印象を良く保つ言い方
- 具体例:
- 丁寧な断り:「誠に恐縮ではございますが、ご期待に添うことができず申し訳ございません」
- 代替案提示型:「〇〇は難しい状況ですが、△△であれば対応可能でございます」
- 検討約束型:「現時点では難しいですが、今後検討させていただきます」
- 応用ポイント:単に断るのではなく、相手の立場を尊重する言葉を添えましょう。
3. 依頼の印象調整
- 内容:依頼の緊急度や重要度に応じた表現
- 具体例:
- 緊急依頼:「大変恐縮ではございますが、本日中にご対応いただけますと幸いです」
- 通常依頼:「ご多忙中恐れ入りますが、ご検討いただけますでしょうか」
- 軽い依頼:「お手すきの際にご確認いただければと存じます」
- 応用ポイント:相手の負担を考慮した表現を選ぶことで、協力を得やすくなります。
クッション言葉の効果的な使用
相手に不快感を与えないための表現テクニックです。
1. 前置きのクッション言葉
- 内容:依頼や意見の前に添える言葉
- 具体例:
- 「恐れ入りますが」「差し支えなければ」「もしよろしければ」
- 「大変恐縮ですが」「ご多忙中誠に申し訳ございませんが」
- 応用ポイント:相手への配慮を示すことで、コミュニケーションがスムーズになります。
2. 反対意見を述べる際のクッション言葉
- 内容:意見の相違を柔らかく伝える表現
- 具体例:
- 「おっしゃる通りの部分もあるかと存じますが」
- 「別の視点から申し上げますと」
- 「一つ確認させていただきたいのですが」
- 応用ポイント:相手の意見を全否定せず、一部を認めてから自分の意見を述べると受け入れられやすくなります。
3. 否定的な内容を伝える際のクッション言葉
- 内容:悪い知らせを和らげる表現
- 具体例:
- 「恐縮ではございますが」「残念ながら」「あいにく」
- 「現状では」「現時点では」(時間的制限を示唆)
- 応用ポイント:否定的な内容の前にクッション言葉を置くことで、心理的衝撃を和らげられます。
まとめ:自信を持って使えるビジネス敬語
ビジネス敬語は単なる言葉遣いの問題ではなく、プロフェッショナルとしての姿勢を示す重要なツールです。
この記事でご紹介した50の敬語表現とテクニックを身につけることで、新入社員の皆さんもビジネスシーンで自信を持ってコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
敬語のマスターに重要なのは以下の3つのポイントです:
- 基本を正確に理解する:尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いを理解し、適切に使い分けましょう。
- 相手と状況に応じて使い分ける:上司、取引先、同僚など相手によって、また会議、電話、メールなど状況によって適切な敬語レベルを選びましょう。
- 継続的に練習する:日々の業務の中で意識的に敬語を使い、定期的に自己チェックしましょう。
敬語は一朝一夕でマスターできるものではありませんが、この記事で紹介した表現やトレーニング方法を実践し、日々少しずつ上達を目指しましょう。
周囲からの信頼を得て、キャリアの第一歩を確実に踏み出すための強力な武器となるはずです。
【関連記事】新入社員のためのビジネス敬語応用ガイド|実践シーンと自己チェックリスト
よくある質問(FAQ)
Q1: 敬語を使いすぎると不自然になることがありますか?
A1: はい、過剰な敬語使用は逆に不自然な印象を与えることがあります。
状況に応じた適切なレベルの敬語を使うことが大切です。
特に二重敬語(「ご説明させていただきます」など)には注意しましょう。
Q2: 同僚には敬語を使うべきでしょうか?
A2: 同僚には基本的に丁寧語(です・ます調)を使うことをおすすめします。
ただし、社風や関係性によって異なる場合もあるので、職場の雰囲気を観察して調整しましょう。
Q3: 取引先との初めてのメールではどのような敬語表現が適切ですか?
A3: 取引先との初めてのメールでは、最も丁寧な敬語表現を心がけましょう。
冒頭は「初めてメールにてご連絡させていただきます、〇〇株式会社の△△と申します」と自己紹介から始め、「お世話になっております」などの定型挨拶を添えます。
本文では謙譲語を適切に使い、「ご検討いただけますと幸いです」「何卒よろしくお願い申し上げます」など丁寧な表現で締めくくるのが良いでしょう。
Q4: 敬語を間違えてしまった場合、どう対処すべきですか?
A4: 敬語を間違えた場合、その場で訂正するのがベストです。
「失礼しました、〇〇の誤りでした」と簡潔に訂正しましょう。ただし、軽微な間違いの場合は、しつこく訂正することで却って会話の流れを妨げることもあります。
後で同じ間違いを繰り返さないよう記録しておき、次回から気をつけるようにしましょう。
Q5: 英語からの外来語(アポイント、リスケなど)にも敬語は必要ですか?
A5: 外来語にも基本的には敬語表現が必要です。
例えば「アポイントを取る」は「アポイントをお取りする」や「アポイントを取らせていただく」、「リスケする」は「日程を変更させていただく」などと敬語表現に言い換えるのが望ましいです。
ただし、ビジネス用語として定着している言葉(「プレゼンテーション」など)は、そのまま使っても問題ない場合が多いです。
Q6: 上司からタメ口で話しかけられますが、こちらはどう返すべきですか?
A6: 上司がタメ口で話しかけてきても、新入社員は基本的に敬語で返すのが無難です。
特に入社間もない時期は、丁寧語(です・ます調)を基本とした対応を心がけましょう。
上司との関係性が深まり、職場の雰囲気に慣れてきたら、徐々に表現を柔らかくしていくこともできますが、最初から馴れ馴れしい印象を与えるのは避けるべきです。
Q7: 電話での「お電話ありがとうございます」は正しいですか?
A7: 「お電話ありがとうございます」という表現は厳密には不適切です。正しくは「お電話いただきありがとうございます」です。
「お電話」に「いただき」を加えることで、相手の行為(電話をくれたこと)に対する敬意を適切に表現できます。
電話応対は会社の印象を左右する重要な場面なので、正確な敬語表現を心がけましょう。
Q8: クライアントへのお詫びメールではどのような敬語が適切ですか?
A8: クライアントへのお詫びメールでは、最大限の敬意と誠意を示す表現を使いましょう。
件名に「お詫び」と明記し、冒頭で「この度は〜につきまして、多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます」と謝罪します。
原因と対策を簡潔に説明し、「今後このようなことがないよう、再発防止に努めてまいります」など、今後の対応も伝えるとよいでしょう。
結びには「何卒ご容赦いただきますよう、お願い申し上げます」などの丁寧な表現を使います。
Q9: 社内の報告書や議事録でも敬語を使うべきですか?
A9: 社内の報告書や議事録では、基本的に丁寧語(です・ます調)を使用するのが一般的です。
ただし、尊敬語や謙譲語は相手との直接のコミュニケーションで使うものなので、第三者視点で書かれる文書では必要ありません。
例えば「部長が説明した」という事実を記録する場合は、「部長が説明された」ではなく「部長が説明した」と書くのが適切です。
ただし、社内の文書作成ルールがある場合は、そちらに従いましょう。
Q10: 敬語のスキルアップにおすすめの方法はありますか?
A10: 敬語のスキルアップには以下の方法がおすすめです。
- 観察と模倣: 先輩社員や上司の敬語表現を意識的に観察し、優れた表現を取り入れる
- 実践的なトレーニング: 電話応対やクライアントとのメールのやり取りなど、実際のビジネスシーンで意識的に使う
- フィードバックを求める: 上司や先輩に自分の敬語表現をチェックしてもらい、改善点を教えてもらう
- ビジネス敬語の書籍やアプリ: 専門書や学習アプリを活用して体系的に学ぶ
- 録音して自己分析: 自分の話し方を録音して聞き返し、不自然な表現や改善点を見つける
継続的な意識付けと実践が敬語マスターの近道です。日々の業務の中で少しずつ上達を目指しましょう。