「取引先への年賀状を出し忘れた。寒中見舞いで挨拶してもよい?」
「喪中の連絡をいただいた取引先には、どのような文章を送ればよい?」
「ビジネスの寒中見舞いは、いつからいつまでに送る?」
年末年始の忙しい時期には、年賀状の発送が遅れたり、取引先から年賀状が届いて初めて返礼を考えたりすることがあります。
また、相手が喪中であると分かったため、年賀状の代わりに別の方法で挨拶したい場合もあるでしょう。
そのようなときに使われるのが、寒中見舞いです。
寒中見舞いは、寒さが厳しい時期に相手の健康を気遣う季節の挨拶状です。
年賀状を出しそびれた場合の挨拶や、喪中の相手への気遣いを伝える方法としても利用されます。
取引先への寒中見舞いでは、「寒中お見舞い申し上げます」という季節の挨拶に、相手への気遣い、旧年中の感謝、本年のお付き合いへの言葉を組み合わせると自然です。
ただし、すべての取引先に寒中見舞いを送る義務があるわけではありません。相手との関係や連絡方法に合わせて判断することも大切です。
この記事では、取引先・重要顧客・協力会社・上司向けの寒中見舞い文例20選を紹介します。
さらに、送付時期、年賀状との違い、喪中への対応、メールで送る場合の件名、余寒見舞いとの使い分け、投函前のチェック項目まで詳しく解説します。
- 寒中見舞いとは?ビジネスで使う3つの場面
- 寒中見舞いはいつからいつまで?ビジネスでの送付時期
- ビジネス寒中見舞いの基本構成と書き方
- 【年賀状が遅れた場合】寒中見舞い文例1〜5
- 【年賀状への返礼】寒中見舞い文例6〜8
- 【喪中の取引先へ】寒中見舞い文例9〜12
- 【自分・自社側が喪中の場合】寒中見舞い文例13〜15
- 【協力会社・上司・社内向け】寒中見舞い文例16〜18
- 【メール・年賀状誤送後】寒中見舞い文例19〜20
- 寒中見舞いと年賀状・余寒見舞いの違い
- 取引先への寒中見舞いは、はがきとメールのどちらがよい?
- 寒中見舞いのはがき・宛名・デザインの注意点
- クレーム・トラブルがあった取引先にも寒中見舞いを送ってよい?
- ビジネス寒中見舞いで避けたいNG表現7例
- 寒中見舞いを送る前の実務チェックリスト
- 取引先への寒中見舞いに関するよくある質問
- Q. ビジネスの寒中見舞いはいつから送れますか?
- Q. 寒中見舞いはいつまでに届けばよいですか?
- Q. 2月に入ってから寒中見舞いを送ってもよいですか?
- Q. 年賀状を出し忘れたら必ず寒中見舞いを送るべきですか?
- Q. 年賀状をいただいた相手へ寒中見舞いで返信できますか?
- Q. 喪中の取引先へ寒中見舞いを送ってもよいですか?
- Q. 喪中の取引先には必ず寒中見舞いを送らなければなりませんか?
- Q. 自分が喪中の場合にも寒中見舞いを送れますか?
- Q. 寒中見舞いには年賀はがきを使ってもよいですか?
- Q. 「寒中お見舞い」と「寒中お伺い」はどう違いますか?
- Q. 寒中見舞いをメールで送っても失礼ではありませんか?
- Q. 寒中見舞いに「本年もよろしくお願いいたします」と書いてよいですか?
- Q. 寒中見舞いに「謹賀新年」を書いてもよいですか?
- Q. 喪中と知らず年賀状を送ってしまった場合は?
- Q. 立春を過ぎてしまった場合はどうすればよいですか?
- まとめ|取引先への寒中見舞いは時期と相手への配慮が大切
- 関連記事|寒中見舞い・喪中・年始挨拶のマナー
寒中見舞いとは?ビジネスで使う3つの場面
寒中見舞いとは、寒さの厳しい時期に相手の健康や近況を気遣う季節の挨拶状です。
ビジネスでは、主に次の3つの場面で使われます。
1. 取引先への年始の挨拶が遅れた場合
年賀状を準備できなかったり、年始の挨拶が遅れたりした場合に、寒中見舞いで挨拶する方法があります。
ただし、寒中見舞いは単に「遅い年賀状」というわけではありません。
相手の健康を気遣う季節の挨拶として、寒中見舞いに合う言葉を選びましょう。
2. 喪中の取引先へ気遣いを伝える場合
取引先の担当者が喪中であることを知っている場合、年賀状による新年のお祝いを控えるのが一般的です。
その代わり、松の内が明けてから寒中見舞いを送る方法があります。
ただし、喪中の相手に必ず寒中見舞いを送らなければならないわけではありません。
相手の事情や関係性を考慮し、負担にならない方法を選びましょう。
3. 年賀状をいただいた相手へ遅れて返礼する場合
年賀状を出していなかった取引先から年賀状が届いた場合に、お礼を兼ねた寒中見舞いを送ることがあります。
その際は、年賀状へのお礼を簡潔に伝え、必要に応じて年始の挨拶が遅れたことに触れましょう。
過度に謝罪する必要はありません。
寒中見舞いはいつからいつまで?ビジネスでの送付時期
寒中見舞いは、一般的に松の内が明けてから立春の前までに届くように送ります。
重要なのは、松の内の期間が地域によって異なるという点です。
関東と関西などで松の内の期間が異なる
目安を表にまとめると、次のとおりです。
| 相手の地域・慣習 | 寒中見舞いを送り始める目安 |
|---|---|
| 松の内が1月7日までの地域 | 1月8日頃から |
| 松の内が1月15日までの地域 | 1月16日頃から |
| その他の地域・慣習 | 相手の地域の松の内明けから |
一般的には関東で1月7日まで、関西などで1月15日までとされることがありますが、地域や家庭によって異なります。
「寒中見舞いは全国共通で1月7日から」と覚えないようにしましょう。
取引先の所在地や地域の慣習が分かる場合は、それに合わせて送ると丁寧です。
立春の前までに届くように準備する
寒中見舞いは、一般的に立春の前までに届くよう準備します。
立春は2月4日頃ですが、年によって日付が変わるため、毎年確認しましょう。
郵便で送る場合は、投函日と到着日が同じとは限りません。
ぎりぎりの投函にならないよう注意してください。
立春を過ぎたら余寒見舞いを検討する
立春を過ぎた場合は、寒中見舞いではなく余寒見舞いを使う方法があります。
余寒見舞いは、暦の上では春になったものの、まだ寒さが残る時期に相手を気遣う挨拶状です。
ただし、ビジネスでは必ず余寒見舞いを送らなければならないわけではありません。
時期が遅くなった場合は、通常の業務メールで簡潔に挨拶する方法もあります。
ビジネス寒中見舞いの基本構成と書き方
取引先への寒中見舞いは、次の4つを基本にすると書きやすくなります。
- 寒中見舞いの挨拶
- 相手の健康を気遣う言葉
- 旧年中のお付き合いへの感謝や必要なお礼
- 本年のお付き合いへの挨拶と結び
必ずすべての要素を入れる必要はありません。
相手が喪中の場合や、年賀状への返礼として送る場合は、状況に応じて文章を調整します。
冒頭は「寒中お見舞い申し上げます」
一般的には、次の書き出しを使います。
寒中お見舞い申し上げます
目上の相手への改まった季節の挨拶として、
寒中お伺い申し上げます
という表現を用いる場合もあります。
どちらを使う場合も、その後の本文を丁寧に整えることが大切です。
旧年中の感謝を簡潔に伝える
取引先には、次のような言葉が使えます。
「旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。」
「旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
「昨年は業務の推進に多大なるご協力をいただき、心より感謝申し上げます。」
相手との実際の関係に合うものを選びましょう。
相手の健康や寒さへの気遣いを添える
寒中見舞いらしさを出すには、相手の健康を気遣う言葉が適しています。
例えば、
「寒さ厳しき折、皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。」
「厳しい寒さが続いておりますので、どうぞご自愛ください。」
などです。
「お体をご自愛ください」は意味が重なるため、「どうぞご自愛ください」とすると簡潔です。
「謹賀新年」「あけましておめでとう」は使わない
寒中見舞いは、新年を祝う年賀状とは目的が異なります。
そのため、冒頭に「謹賀新年」「迎春」「あけましておめでとうございます」といった賀詞を使うことは避けましょう。
特に喪中の相手に送る場合は、祝いの言葉を控えることが大切です。
【年賀状が遅れた場合】寒中見舞い文例1〜5
まずは、年賀状を出しそびれた場合や、年始の挨拶が遅れた場合の文例です。
必要以上に遅れた理由を詳しく書かず、感謝と気遣いを中心にまとめます。
文例1:取引先への基本的な寒中見舞い
寒中お見舞い申し上げます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
年始のご挨拶が遅くなりましたこと、失礼いたしました。
寒さ厳しき折、皆さまのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
使う場面
一般的な取引先への挨拶が遅れた場合。
文例2:重要取引先への丁寧な寒中見舞い
寒中お伺い申し上げます。
旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
年頭のご挨拶が遅れましたこと、失礼いたしました。
寒さ厳しき折、貴社の皆さまのご健勝とますますのご発展をお祈り申し上げます。
本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
使う場面
重要取引先や役職者への改まった挨拶。
文例3:短くまとめたい場合
寒中お見舞い申し上げます。
年始のご挨拶が遅くなり、失礼いたしました。
旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。
厳しい寒さが続いておりますので、どうぞご自愛ください。
本年もよろしくお願いいたします。
使う場面
短文で丁寧に伝えたい場合。
文例4:長年付き合いのある取引先へ
寒中お見舞い申し上げます。
旧年中も変わらぬお付き合いをいただき、誠にありがとうございました。
年始のご挨拶が遅くなりましたが、改めて感謝申し上げます。
本年も一つひとつのご相談に丁寧に対応してまいります。
寒さ厳しき折、皆さまのご健康をお祈り申し上げます。
使う場面
継続的な取引がある顧客や担当者へ。
文例5:新規取引先へ
寒中お見舞い申し上げます。
昨年は新たにお取引の機会をいただき、誠にありがとうございました。
年始のご挨拶が遅れましたこと、失礼いたしました。
本年も誠実な対応を心掛けてまいります。
厳しい寒さが続きますが、皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。
使う場面
前年に正式な取引を開始した企業へ。
【年賀状への返礼】寒中見舞い文例6〜8
続いて、こちらから年賀状を送っていなかった相手から、年賀状が届いた場合の文例です。
受け取ったことへのお礼を伝えましょう。
文例6:取引先から年賀状が届いた場合
寒中お見舞い申し上げます。
このたびはご丁寧な年賀状をいただき、誠にありがとうございました。
旧年中は大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
ご挨拶が遅くなりましたこと、失礼いたしました。
本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
使う場面
取引先からの年賀状への返礼。
文例7:役職者から年賀状が届いた場合
寒中お伺い申し上げます。
このたびはご丁寧な年始のご挨拶を賜り、厚く御礼申し上げます。
旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
使う場面
取引先の社長・役員・責任者などへの返礼。
文例8:年賀状じまい後に年賀状が届いた場合
寒中お見舞い申し上げます。
このたびはご丁寧な年賀状をいただき、ありがとうございました。
旧年中は大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
弊社では年賀状によるご挨拶を終了しておりますが、今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
厳しい寒さが続いておりますので、皆さまどうぞご自愛ください。
使う場面
会社として年賀状の送付を終了している場合。
※すでに年賀状廃止を案内している相手には、廃止の説明を省いても構いません。
【喪中の取引先へ】寒中見舞い文例9〜12
相手が喪中であることを知っている場合は、新年を祝う賀詞を使わず、相手の心情に配慮します。
ただし、寒中見舞いを送ること自体が必須ではありません。
また、担当者個人の喪中と、会社全体の年始挨拶方針は区別して考える必要があります。
文例9:喪中の取引先担当者へ
寒中お見舞い申し上げます。
寒さの厳しい日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
どうぞご無理をなさらず、お身体を大切にお過ごしください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
使う場面
担当者個人が喪中で、季節の気遣いを伝えたい場合。
文例10:お悔やみを添えて送る場合
寒中お見舞い申し上げます。
このたびのご不幸につきまして、謹んでお悔やみ申し上げます。
寒さ厳しき折、どうぞお身体を大切にお過ごしください。
旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
使う場面
訃報を知っており、お悔やみをまだ十分に伝えられていない場合など。
※すでに正式なお悔やみを伝えている場合は、同じ内容を繰り返す必要はありません。
文例11:喪中の取引先へ簡潔に送る場合
寒中お見舞い申し上げます。
寒さ厳しき折、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
旧年中は温かいお力添えをいただき、誠にありがとうございました。
皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
使う場面
具体的なご不幸に触れず、一般的な気遣いを伝えたい場合。
文例12:喪中の相手から年賀状欠礼の案内をいただいた場合
寒中お見舞い申し上げます。
ご丁寧に年始のご挨拶についてのお知らせをいただき、ありがとうございました。
寒さの厳しい時期が続いておりますので、どうぞご自愛ください。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
本年も引き続きよろしくお願い申し上げます。
使う場面
喪中欠礼状を受け取り、季節の挨拶を送りたい場合。
※喪中欠礼状をいただいた場合でも、必ず返信する必要はありません。相手との関係に応じて判断しましょう。
【自分・自社側が喪中の場合】寒中見舞い文例13〜15
自分が喪中で年賀状を控えていた場合も、寒中見舞いを使うことがあります。
ただし、個人の喪中と、会社名義での年始の挨拶は、必ずしも同じ扱いではありません。
会社としての方針を確認したうえで対応しましょう。
文例13:自分が喪中で年賀状を出せなかった場合
寒中お見舞い申し上げます。
昨年は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
服喪中のため年頭のご挨拶を控えさせていただきました。
ご案内が行き届かず、失礼いたしました。
厳しい寒さが続いておりますので、どうぞご自愛ください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
使う場面
喪中で年賀状を控え、必要な相手に事情を伝える場合。
文例14:喪中を知らず年賀状をくださった相手へ
寒中お見舞い申し上げます。
このたびはご丁寧な年賀状をいただき、誠にありがとうございました。
私事ではございますが、昨年身内に不幸があり、年頭のご挨拶を控えておりました。
ご案内が行き届かず、失礼いたしました。
寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
使う場面
喪中の案内が間に合わず、取引先から年賀状が届いた場合。
文例15:喪中の事情を詳しく説明しない場合
寒中お見舞い申し上げます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
年始のご挨拶を控えておりましたため、寒中のご挨拶を申し上げます。
寒さの厳しい日が続いております。
皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
使う場面
私的な事情を必要以上に詳しく伝えたくない場合。
【協力会社・上司・社内向け】寒中見舞い文例16〜18
寒中見舞いは、顧客だけでなく、協力会社や以前お世話になった上司などへ送ることもできます。
ただし、社内で日常的に顔を合わせる相手へ、必ず書面を送る必要はありません。
文例16:協力会社・外注先へ
寒中お見舞い申し上げます。
旧年中は業務の推進に多大なるご協力をいただき、誠にありがとうございました。
寒さ厳しき折、皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます。
本年も互いに連携し、よりよい仕事を進めてまいれましたら幸いです。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
使う場面
継続して協力関係のある会社へ。
文例17:仕入先・納入業者へ
寒中お見舞い申し上げます。
昨年は迅速かつ丁寧なご対応をいただき、誠にありがとうございました。
本年も円滑なお取引を続けられるよう、弊社も努めてまいります。
厳しい寒さが続いておりますので、皆さまどうぞご自愛ください。
使う場面
仕入先・納入業者など、日頃の協力に感謝したい場合。
文例18:以前お世話になった上司へ
寒中お見舞い申し上げます。
厳しい寒さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
昨年は温かいご指導をいただき、ありがとうございました。
本年も教えていただいたことを生かし、努力してまいります。
どうぞお身体を大切にお過ごしください。
使う場面
以前お世話になった上司など、現在も交流が続いている相手へ。
【メール・年賀状誤送後】寒中見舞い文例19〜20
寒中見舞いは、はがきだけでなく、寒中の気遣いをメールで伝えることもできます。
ただし、紙の寒中見舞いと通常の業務メールは形式が異なるため、相手との連絡方法に合わせて使い分けましょう。
文例19:取引先へメールで寒中の挨拶を送る
件名:寒中のご挨拶/株式会社〇〇
株式会社△△
営業部 山田様
寒中お見舞い申し上げます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
年始のご挨拶が遅くなりましたこと、失礼いたしました。
寒さ厳しき折、皆さまのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
株式会社〇〇
営業部 佐藤
使う場面
日頃からメールでやり取りしている取引先へ。
文例20:喪中と知らず年賀状を送ってしまった場合
寒中お見舞い申し上げます。
先日はご服喪中と存じ上げず、年賀状をお送りしてしまいました。
ご事情への配慮が行き届かず、失礼いたしました。
寒さ厳しき折、どうぞお身体を大切にお過ごしください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
使う場面
喪中であることを後から知り、相手の状況に配慮した連絡が必要だと判断した場合。
※すべての場合に追加の寒中見舞いが必要というわけではありません。相手から連絡があった場合や、特別な事情がある場合など、実際の状況に応じて判断しましょう。
寒中見舞いと年賀状・余寒見舞いの違い
寒中見舞いと年賀状、余寒見舞いは、送る時期と目的が異なります。
| 種類 | 主な目的 | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 年賀状 | 新年を祝う挨拶 | 新年・松の内 |
| 寒中見舞い | 寒さの厳しい時期の気遣い | 松の内明け〜立春前 |
| 余寒見舞い | 立春後の寒さを気遣う | 立春後、寒さの残る時期 |
年賀状と寒中見舞いは賀詞が違う
年賀状では、
「謹賀新年」
「あけましておめでとうございます」
などを用います。
一方、寒中見舞いでは、
「寒中お見舞い申し上げます」
などと書き出します。
新年のお祝いではなく、寒い季節の相手への気遣いを中心にすることが違いです。
余寒見舞いは立春後の挨拶
立春後に季節の挨拶を送る場合は、
「余寒お見舞い申し上げます」
などの表現が使えます。
ただし、寒さの続く期間には地域差があります。
ビジネスでは、必ず余寒見舞いを送ることにこだわらず、通常の業務連絡で感謝を伝える方法もあります。
取引先への寒中見舞いは、はがきとメールのどちらがよい?
寒中見舞いを送る方法として、はがきとメールがあります。
どちらが適切かは、相手との関係や普段の連絡方法によって異なります。
はがきが適している場合
長年書面による季節の挨拶を交換している相手には、はがきでの寒中見舞いが自然な場合があります。
取引先の代表者名義で送る挨拶状なども、書面を選ぶことがあります。
ただし、相手が紙の挨拶状の受領を辞退している場合は、その意向を尊重しましょう。
メールが適している場合
日頃からメールで連絡している取引先には、メールで寒中の挨拶を伝える方法もあります。
通常の業務メールの冒頭に、
「寒さの厳しい日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。」
と添えるだけで十分な場合もあります。
年賀状辞退先に寒中見舞いを送るときは注意する
年賀状を辞退している取引先に対し、年賀状の代わりとして必ず寒中見舞いを送ってよいとは限りません。
相手が紙の季節の挨拶状全般を不要としている場合もあるからです。
相手の受領方針を確認し、形式的な挨拶状を増やさないことが大切です。
寒中見舞いのはがき・宛名・デザインの注意点
ビジネスの寒中見舞いでは、文面のほか、用紙や宛名にも注意しましょう。
年賀はがきではなく通常はがきなどを使う
寒中見舞いには、一般的に通常はがきや私製はがきを使用します。
年賀状専用のはがきではなく、冬の季節の挨拶に合うものを選びましょう。
デザインは、雪や冬の植物など、落ち着いた季節感のあるものが使われます。
喪中の相手には祝いのデザインを避ける
喪中の相手に送る寒中見舞いでは、新年の祝いを強く連想させる賀詞や、おめでたい印象の装飾を控えるのが無難です。
ただし、寒中見舞いだから必ず無地のはがきにする必要があるわけではありません。
相手の事情を踏まえ、落ち着いたデザインを選びましょう。
宛名には正しい会社名・役職・敬称を使う
取引先へ送る場合は、年賀状と同様に宛名を確認します。
例えば、
株式会社〇〇
営業部長 山田太郎 様
のように、会社名、部署、役職、氏名を正しく記載します。
会社や部署そのものへ送る場合は「御中」、個人へ送る場合は「様」を使用するのが基本です。
詳しくは、年賀状の宛名書き完全ガイドを参考にしてください。
会社名義か担当者名義かを整理する
同じ企業へ会社名義と担当者名義で複数の寒中見舞いを送る場合は、目的を確認しましょう。
意図のない重複送付を避けるため、社内で送付先を整理しておくと安心です。
クレーム・トラブルがあった取引先にも寒中見舞いを送ってよい?
取引先との間で苦情やトラブルがあった場合、寒中見舞いを送るか迷うことがあります。
この場合は、通常の季節の挨拶よりも、未解決の問題への対応を優先することが重要です。
寒中見舞いだけで謝罪を済ませない
例えば、納品ミスや契約上の問題が続いている相手に、定型的な寒中見舞いだけを送っても、問題への対応にはなりません。
必要な説明、謝罪、改善策の提示などは、適切な業務連絡で行いましょう。
季節の挨拶を送るかは状況で判断する
トラブルがあったから寒中見舞いが必ず禁止されるわけではありません。
一方、相手が不快感を示している場合や、深刻な問題が未解決の場合には、通常の季節の挨拶を送ることが適切でない場合もあります。
営業担当者だけで判断せず、必要に応じて上司や管理部門と相談しましょう。
トラブルへの対応は別に記録する
寒中見舞いを送ったことと、問題への対応を完了したことは区別して管理します。
再発防止や説明の記録は、通常の業務管理手順に従って残しましょう。
年賀状の誤送付などが発生した場合の対応は、ビジネス年賀状の失敗と対処法で詳しく紹介しています。
ビジネス寒中見舞いで避けたいNG表現7例
寒中見舞いは、新年を祝う年賀状とは異なります。
特に喪中への配慮や、季節の挨拶に合った言葉遣いが重要です。
NG1:「謹賀新年」「あけましておめでとうございます」
避けたい例
「寒中お見舞い申し上げます。あけましておめでとうございます。」
修正例
「寒中お見舞い申し上げます。寒さ厳しき折、皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。」
寒中見舞いでは、新年の祝いの賀詞を重ねないようにしましょう。
NG2:遅れた理由を長々と説明する
避けたい例
「年末は仕事が忙しく、印刷機が故障し、その後も予定が重なり……」
修正例
「年始のご挨拶が遅くなりましたこと、失礼いたしました。」
挨拶の遅れを伝える場合も、詳しい事情を説明する必要はありません。
NG3:謝罪を過度に繰り返す
避けたい例
「誠に申し訳なく、深く反省し、心よりお詫び申し上げます。」
修正例
「ご挨拶が遅くなり、失礼いたしました。」
形式的な挨拶の遅れであれば、簡潔に伝える方法があります。
ただし、実際に重大な迷惑をかけた場合は、寒中見舞いとは別に必要な謝罪を行いましょう。
NG4:新しい契約を催促する
避けたい例
「今年こそ弊社との契約をお願いいたします。」
修正例
「昨年はご提案をご検討いただき、誠にありがとうございました。」
季節の挨拶を、営業上の催促の場にしないようにしましょう。
NG5:上司に「ご愛顧」を使う
避けたい例
「本年も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。」
修正例
「本年もご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。」
上司への挨拶では、相手との関係に合った言葉を選びます。
NG6:喪中の事情を必要以上に詳しく書く
避けたい例
相手のご家族や故人の事情を、確認せず詳しく書く文章。
修正例
「寒さ厳しき折、どうぞお身体を大切にお過ごしください。」
必要な範囲で静かに気遣いを伝えましょう。
NG7:「お体をご自愛ください」
整えたい表現
「お体をご自愛ください。」
修正例
「どうぞご自愛ください。」
「自愛」には自身の体を大切にする意味があるため、簡潔な表現が自然です。
寒中見舞いを送る前の実務チェックリスト
会社として複数の取引先へ寒中見舞いを送る場合は、文面と宛先を確認しましょう。
送付時期の確認
- 相手の地域の松の内を確認した
- 立春前までの到着を想定している
- 立春後になる場合は余寒見舞いなどを検討した
- 発送から到着までの日数を見込んだ
相手への配慮
- 相手が喪中である場合、祝いの賀詞を使っていない
- 年賀状・季節の挨拶状の受領辞退を確認した
- 相手の事情を必要以上に詳しく記載していない
- 相手がメールを希望している場合は連絡方法を確認した
- 不必要な重複送付がない
文面・宛名の確認
- 冒頭が「寒中お見舞い申し上げます」などになっている
- 「謹賀新年」「迎春」などの賀詞を混ぜていない
- 遅れた理由を長々と説明していない
- 相手との関係に合った感謝を伝えている
- 会社名・部署・役職・氏名が正しい
- 差出人の会社名と氏名が正しい
取引先への寒中見舞いに関するよくある質問
Q. ビジネスの寒中見舞いはいつから送れますか?
一般的には、松の内が明けてから送ります。
松の内は地域によって異なり、1月7日までの地域では1月8日頃から、1月15日までの地域では1月16日頃からが目安です。
Q. 寒中見舞いはいつまでに届けばよいですか?
一般的には立春の前までに届くようにします。
立春は年によって日付が変わるため、毎年確認しましょう。
Q. 2月に入ってから寒中見舞いを送ってもよいですか?
立春前までであれば、寒中見舞いとして送ることができます。
ただし、到着予定日を確認しましょう。
立春を過ぎる場合は、余寒見舞いなどを検討します。
Q. 年賀状を出し忘れたら必ず寒中見舞いを送るべきですか?
必須ではありません。
取引先との関係や時期に応じて、寒中見舞いのほか、通常の業務メールで挨拶する方法もあります。
Q. 年賀状をいただいた相手へ寒中見舞いで返信できますか?
はい。年賀状へのお礼を兼ねて寒中見舞いを送る方法があります。
相手への感謝を伝え、必要に応じて挨拶が遅れたことに触れると丁寧です。
Q. 喪中の取引先へ寒中見舞いを送ってもよいですか?
季節の挨拶として送る方法があります。
ただし、新年を祝う賀詞は控え、相手の事情に配慮しましょう。
送付自体が必須ではないことにも注意してください。
Q. 喪中の取引先には必ず寒中見舞いを送らなければなりませんか?
必ずしも必要ありません。
取引関係や普段の連絡方法、相手の意向に合わせて判断しましょう。
Q. 自分が喪中の場合にも寒中見舞いを送れますか?
送ることができます。
年賀状を控えていたことを伝えたい場合や、年賀状への返礼に用いる場合があります。
ただし、会社名義の挨拶については自社の方針を確認しましょう。
Q. 寒中見舞いには年賀はがきを使ってもよいですか?
一般的には、通常はがきや私製はがきを使用する方が無難です。
年賀はがきは新年の祝いを目的としたものなので、寒中見舞いには通常のはがきを選びましょう。
Q. 「寒中お見舞い」と「寒中お伺い」はどう違いますか?
どちらも寒い時期に相手を気遣う挨拶です。
「寒中お伺い申し上げます」は、目上の相手への改まった表現として使われる場合があります。
Q. 寒中見舞いをメールで送っても失礼ではありませんか?
必ずしも失礼ではありません。
日頃からメールでやり取りしている取引先には、メールで寒中の挨拶を伝える方法もあります。
ただし、相手の連絡方針に合わせましょう。
Q. 寒中見舞いに「本年もよろしくお願いいたします」と書いてよいですか?
書くことができます。
新年を祝う賀詞ではなく、今後のお付き合いへの挨拶として用いる表現です。
Q. 寒中見舞いに「謹賀新年」を書いてもよいですか?
寒中見舞いでは避けましょう。
寒中見舞いは新年を祝う年賀状とは目的が異なるため、季節の気遣いを中心にします。
Q. 喪中と知らず年賀状を送ってしまった場合は?
事情や相手への影響を確認しましょう。
必要に応じて寒中見舞いで気遣いを伝える方法がありますが、すべての場合に追加の挨拶状や謝罪が必要というわけではありません。
Q. 立春を過ぎてしまった場合はどうすればよいですか?
余寒見舞いを送る方法があります。
ただし、ビジネスでは通常の業務メールで挨拶する方が自然な場合もあります。
相手との関係や連絡時期を考慮しましょう。
まとめ|取引先への寒中見舞いは時期と相手への配慮が大切
取引先への寒中見舞いは、寒さが厳しい時期に相手の健康を気遣う季節の挨拶です。
年賀状を出し忘れた場合、返礼が遅れた場合、喪中の相手へ気遣いを伝えたい場合などに利用できます。
今回紹介した20文例は、次のように分類しています。
| 用途 | 文例数 |
|---|---|
| 年賀状・年始挨拶の遅れ | 5例 |
| 年賀状への返礼 | 3例 |
| 喪中の取引先へ | 4例 |
| 自分・自社側が喪中の場合 | 3例 |
| 協力会社・上司・社内関係者へ | 3例 |
| メール・年賀状誤送後の対応 | 2例 |
| 合計 | 20例 |
特に押さえたいのは、次の5点です。
- 送付時期を確認する:松の内明けから立春前までが一般的な目安
- 地域差に注意する:松の内が1月7日までか、15日までかによって開始時期が異なる
- 新年の賀詞を使わない:「謹賀新年」「あけましておめでとう」は避ける
- 喪中の相手に配慮する:事情を詮索せず、静かな気遣いを伝える
- 送付を義務化しない:相手の方針や普段の連絡方法に合わせる
文面に迷った場合は、次の基本形を参考にしてください。
基本の寒中見舞い
寒中お見舞い申し上げます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
寒さ厳しき折、皆さまのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
寒中見舞いは、遅れた年賀状を形式的に補うためだけのものではありません。
相手の健康を気遣い、これまでのお付き合いへの感謝を伝えることを大切にしましょう。
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参考資料
