ビジネスでの「依頼」メールの書き方|相手に配慮した36の表現例とテンプレート

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仕事で誰かに協力をお願いするとき、どのように依頼メールを書けばいいか迷ったことはありませんか?

相手の負担になる依頼をするときほど、丁寧でありながらも明確な表現が求められます。

本記事では、相手に配慮しながらも確実に依頼を伝えるためのメール作成法を、具体的な例文とともに徹底解説します。

この記事でわかること

  • 依頼メールを書くときの基本的な構成と注意点
  • 上司・同僚・部下・取引先など、相手別の適切な依頼表現
  • シーン別の依頼メールテンプレート36選
  • 相手の負担を減らす依頼の仕方と心理的配慮
  • 断られにくい依頼メールのコツと表現例

それでは、すぐに実践できる依頼メールの書き方を見ていきましょう。

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  1. すぐに使える依頼メールの例文とテンプレート12選
    1. 資料作成を依頼する例文
    2. 会議参加を依頼する例文
    3. ミスの修正を依頼する例文
  2. 依頼メールの基本構成と書き方のポイント
    1. 依頼メールの基本構成
    2. 依頼メールを書く際の重要なポイント
    3. よくある間違いやすいポイント
  3. 相手別の適切な依頼表現と使い分け
    1. 上司への依頼表現
    2. 同僚への依頼表現
    3. 部下への依頼表現
    4. 取引先への依頼表現
  4. シーン別の依頼メールと文例24選
    1. 情報提供を依頼するメール
    2. 作業協力を依頼するメール
    3. 予定調整を依頼するメール
    4. フィードバックを依頼するメール
  5. 依頼が受け入れられやすくなるコツと心理的配慮
    1. 相手の負担を減らす工夫
    2. 相手のメリットを示す
    3. 断られにくいタイミングと表現
    4. 間違いやすいNGパターン
  6. 応用:状況別の依頼メールアレンジのコツ
    1. 初めての相手への依頼
    2. 急ぎの依頼
    3. 負担の大きい依頼
    4. 断られた後の再依頼
  7. 実践時の注意点と最終チェックリスト
    1. 送信前の最終チェックポイント
    2. よくある失敗パターンと回避法
    3. 依頼後のフォローアップと御礼
  8. まとめ
  9. FAQ
    1. Q1: 依頼メールは長い方が丁寧でしょうか、それとも短い方が良いでしょうか?
    2. Q2: メールの件名はどのように書くべきですか?
    3. Q3: 依頼を断られた場合、どのように対応すべきですか?
    4. Q4: CC(カーボンコピー)の使い方で注意すべき点はありますか?
    5. Q5: 英語での依頼メールとの違いはありますか?

すぐに使える依頼メールの例文とテンプレート12選

ビジネスシーンでよくある依頼場面に対応したテンプレートを紹介します。

状況に合わせてカスタマイズしてお使いください。

資料作成を依頼する例文

【上司への依頼】

件名:プレゼン資料のご確認のお願い

○○部長

お疲れ様です。○○です。

来週の取締役会議で使用するプレゼン資料について、
ご多忙のところ恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。

特に以下の点についてご意見をいただけると助かります。
・スライド5の売上予測について
・スライド10の今後の展開策について

5月22日(木)までにご確認いただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。

○○

【同僚への依頼】

件名:データ集計のご協力お願いします

○○さん

お疲れ様です。○○です。

先月の顧客アンケート結果の集計をお願いできないでしょうか。
私は今週、新規顧客向けの企画書作成に追われており、
集計作業の時間が取れない状況です。

可能であれば、以下の点をお願いしたいです。
・年齢層別の満足度データ抽出
・自由記述欄の主要意見まとめ

来週月曜日までに必要なのですが、
もしご都合が悪ければ、遠慮なくおっしゃってください。

お手数をおかけして申し訳ありませんが、
よろしくお願いいたします。

○○

【取引先への依頼】

件名:見積書送付のお願い

株式会社○○
○○様

いつもお世話になっております。
株式会社□□の○○でございます。

この度、貴社製品「○○」の導入を検討しており、
見積書のご提出をお願いしたくご連絡いたしました。

必要な情報は以下の通りです。
・製品名:○○システム スタンダードプラン
・ライセンス数:30ユーザー
・保守契約:1年間

5月末までに予算申請を行う必要があるため、
可能であれば5月25日までにご提出いただけますと幸いです。

ご多忙の折、恐れ入りますが、ご対応のほど
何卒よろしくお願い申し上げます。

-------------------
株式会社□□
○○部 ○○
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: xxx@xxx.co.jp
-------------------

会議参加を依頼する例文

【部門横断の依頼】

件名:新プロジェクト立ち上げ会議へのご参加お願い

○○部 ○○様

お疲れ様です。企画部の○○です。

6月より始動する新プロジェクト「○○」の立ち上げ会議を
下記の通り開催いたします。

○○様には、○○部門の視点からご意見をいただきたく、
ご参加をお願いできればと思います。

【会議詳細】
日時:5月30日(火)15:00~16:30
場所:本社 会議室A
議題:・プロジェクト概要説明
   ・役割分担の確認
   ・スケジュール調整

ご多忙中とは存じますが、ぜひご参加いただけますよう
お願い申し上げます。

ご都合をご返信にてお知らせいただけますと幸いです。

○○

ミスの修正を依頼する例文

【部下への依頼】

件名:提出資料の一部修正について

○○さん

お疲れ様です。○○です。

先日提出いただいた月次レポートについて、
一部データの修正をお願いしたいと思います。

P.5の売上グラフについて、3月の数値が前年同月と
混同されているようです。
正しいデータ(別添ファイル参照)に修正をお願いします。

明日の部門会議で使用するため、
本日中に修正版をいただけると助かります。

何かわからない点があれば、遠慮なく聞いてください。
よろしくお願いします。

○○

これらは基本的なテンプレートです。

実際に使用する際は、依頼内容や相手との関係性に応じて適宜調整してください。

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依頼メールの基本構成と書き方のポイント

効果的な依頼メールには、定番の構成があります。

この構成を理解することで、相手に失礼なく、かつ確実に依頼内容を伝えることができます。

依頼メールの基本構成

  1. 件名:依頼内容が一目でわかる簡潔な表現
  2. 宛名と挨拶:相手の名前と簡単な挨拶
  3. 自己紹介(必要な場合):特に初めてのやり取りの場合
  4. 依頼の導入:依頼する背景や理由の簡潔な説明
  5. 具体的な依頼内容:何をお願いしたいのかを明確に
  6. 期限や条件:いつまでに、どのような形で必要かを明示
  7. お礼と締めの言葉:感謝の意を表す
  8. 署名:自分の名前と連絡先

依頼メールを書く際の重要なポイント

依頼メールを効果的に書くために押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  • 簡潔さと明確さのバランス:丁寧すぎて長文になりすぎないよう注意
  • 相手の立場への配慮:「お手数をおかけしますが」などの配慮表現を適切に使用
  • 依頼の理由を明確に:なぜお願いするのか、背景を簡潔に説明
  • 選択肢の提示:可能であれば代替案も示す
  • 感謝の気持ちを表現:依頼を受けてもらえることへの感謝を示す

よくある間違いやすいポイント

依頼メールでありがちな間違いには以下のようなものがあります。

  • 件名が抽象的すぎる:「ご依頼」だけでは内容が伝わらない
  • 依頼内容が不明確:具体的に何をしてほしいのか明示されていない
  • 期限が明確でない:「できるだけ早く」などの曖昧な表現
  • 一方的な依頼:相手の状況を考慮していない一方的なお願い
  • 感謝の気持ちが欠けている:お礼の言葉がない
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相手別の適切な依頼表現と使い分け

依頼メールは、相手との関係性によって表現方法を変える必要があります。

適切な敬語と表現で、失礼のない依頼をしましょう。

上司への依頼表現

上司への依頼では、敬語を適切に使いながらも、要点を明確に伝えることが重要です。

基本表現例

  • 「ご確認いただけますでしょうか」
  • 「ご指導いただければ幸いです」
  • 「お時間をいただけますと助かります」

間違いやすいポイント

  • 誤: 「確認してください」(命令口調になってしまう)
  • 正: 「ご確認いただけますと幸いです」

具体例

部長のご経験から、このプレゼン資料についてアドバイスをいただけますと大変ありがたく存じます。ご多忙中恐縮ですが、お時間をいただけますでしょうか。

同僚への依頼表現

同僚への依頼では、敬語を使いつつも、やや砕けた表現も取り入れることで親しみやすさを出せます。

基本表現例

  • 「〜をお願いできないでしょうか」
  • 「ご協力いただけると助かります」
  • 「もし可能であれば、〜をお願いしたいです」

間違いやすいポイント

  • 誤: 「頼むよ」(カジュアルすぎる)
  • 正: 「お願いできますか」

具体例

先日の会議資料のデータがあれば共有してもらえないでしょうか。プロジェクトの参考にしたいと思っています。可能であれば今週中にいただけると助かります。

部下への依頼表現

部下への依頼では、指示するというニュアンスになりがちですが、依頼としての配慮も必要です。

基本表現例

  • 「〜をお願いします」
  • 「〜を作成してもらえますか」
  • 「〜の対応をお願いできますか」

間違いやすいポイント

  • 誤: 「これやっておいて」(命令口調で配慮が足りない)
  • 正: 「これを担当してもらえますか」

具体例

来週のクライアントミーティング用に、過去3か月の売上データをまとめた資料を作成してもらえますか。フォーマットは前回のものを参考にしてください。何か不明点があれば、いつでも質問してください。

取引先への依頼表現

取引先への依頼は最も丁寧な表現が求められます。

ビジネス敬語を適切に使用しましょう。

基本表現例

  • 「〜をお願い申し上げます」
  • 「ご検討いただけますでしょうか」
  • 「ご対応いただければ幸いです」

間違いやすいポイント

  • 誤: 「至急対応してください」(命令調で失礼)
  • 正: 「恐縮ですが、早急にご対応いただけますと幸いです」

具体例

ご提案いただいた商品について、追加の資料をご提供いただけますでしょうか。特に耐久性テストの結果と保証内容について詳細な情報があれば、社内での検討材料として大変参考になります。ご多用中恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
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シーン別の依頼メールと文例24選

様々なビジネスシーンに対応した依頼メールの例文を紹介します。

実際の状況に合わせてアレンジしてご活用ください。

情報提供を依頼するメール

情報やデータの提供をお願いする場合の例文です。

【社内向け】

件名:第2四半期の営業データ提供のお願い

○○さん

お疲れ様です。○○部の△△です。

年次報告書の作成にあたり、第2四半期(4月~6月)の
営業データをご提供いただけないでしょうか。

特に以下の情報が必要です:
・新規顧客獲得数
・既存顧客の継続率
・主要商品別の売上推移

来週月曜日までにデータをいただけると大変助かります。
エクセルなど加工しやすい形式でお願いできれば幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご協力よろしくお願いいたします。

△△

【取引先向け】

件名:貴社製品の仕様詳細資料のご提供依頼

○○株式会社
△△様

いつもお世話になっております。
□□株式会社の××でございます。

先日ご提案いただきました「○○システム」について、
社内での検討を進めております。

つきましては、下記の詳細資料をご提供いただけますでしょうか。
・システム要件詳細
・カスタマイズ可能な範囲
・保守サポート内容

今月末までに導入の可否を決定する予定ですので、
可能であれば今週中にご提供いただけますと幸いです。

ご多忙中恐れ入りますが、ご検討のほど
よろしくお願い申し上げます。

--------------------
□□株式会社
××部 ××
TEL: 03-xxxx-xxxx
--------------------

作業協力を依頼するメール

タスクや作業の協力をお願いする場合の例文です。

【社内向け】

件名:プレスリリース文章のチェックお願い

○○さん

お疲れ様です。広報部の△△です。

来週リリース予定の新サービスに関するプレスリリース原稿について、
技術的な観点からチェックをお願いできないでしょうか。

特に、サービスの機能説明部分(2ページ目)について、
誤った表現や不正確な説明がないかご確認いただきたいです。

明後日の15時までにフィードバックをいただけると助かります。
添付ファイルに原稿を入れておりますので、ご確認ください。

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

△△

【部下向け】

件名:来週の展示会準備資料の作成について

○○さん

お疲れ様です。△△です。

来週の業界展示会に向けて、以下の資料作成をお願いできますか。

1. 新製品の特徴をまとめたA4一枚の概要シート
2. 主要機能の比較表(競合他社製品との比較)
3. 導入事例を2~3件ピックアップした参考資料

デザインテンプレートは共有フォルダの「展示会」ディレクトリに
あるものを使用してください。

木曜日までに作成いただき、確認させていただければと思います。
不明点があれば、いつでも質問してください。

よろしくお願いします。

△△

予定調整を依頼するメール

会議やイベントの日程調整をお願いする場合の例文です。

【社内向け】

件名:プロジェクト進捗会議の日程調整のお願い

プロジェクトメンバーの皆様

お疲れ様です。プロジェクトリーダーの○○です。

6月第2週に予定しているプロジェクト進捗会議について、
日程調整をお願いいたします。

候補日時は以下の通りです:
・6月8日(月)14:00~15:30
・6月9日(火)10:00~11:30
・6月11日(木)13:00~14:30

ご都合の良い日時を、6月1日(月)までに
ご返信いただけますようお願いいたします。

多数決で決定し、改めてご連絡いたします。
よろしくお願いいたします。

○○

【取引先向け】

件名:次回打ち合わせの日程調整のお願い

○○株式会社
△△様

平素より大変お世話になっております。
□□株式会社の××でございます。

先日は有意義な打ち合わせをありがとうございました。
次回の打ち合わせ日程について調整をお願いできればと存じます。

弊社からは以下の日時で調整可能です:
・5月25日(火)13:00~15:00
・5月27日(木)10:00~12:00
・5月28日(金)14:00~16:00

△△様のご都合の良い日時をご教示いただけましたら幸いです。
場所は前回同様、弊社会議室をご用意いたします。

ご多忙中恐れ入りますが、ご検討のほど
よろしくお願い申し上げます。

--------------------
□□株式会社
××
TEL: 03-xxxx-xxxx
--------------------

フィードバックを依頼するメール

企画やアイデアへの意見・フィードバックをお願いする場合の例文です。

【上司向け】

件名:新サービス企画書へのフィードバックお願い

○○部長

お疲れ様です。△△です。

来期展開予定の新サービス「○○」の企画書を作成いたしました。
内容についてご意見・フィードバックをいただけないでしょうか。

特に以下の点についてご助言いただけると幸いです:
・ターゲット層の設定は適切か
・競合サービスとの差別化ポイントは明確か
・想定している価格設定は妥当か

添付ファイルに企画書を入れております。
来週の経営会議前にご確認いただければ幸いです。

ご多忙のところ恐縮ですが、ご指導のほど
よろしくお願いいたします。

△△

【クライアント向け】

件名:ウェブサイトデザイン案へのご意見のお願い

○○株式会社
△△様

いつもお世話になっております。
デザイン事務所○○の××です。

先日ご依頼いただきましたウェブサイトリニューアルについて、
デザイン案を3パターン作成いたしました。

下記URLより各デザイン案をご確認いただき、
ご意見・ご要望をお聞かせいただけますと幸いです。

【デザイン案確認URL】
https://www.example.com/design/client123
(パスワード:xxxxx)

特に以下の点について、率直なご感想をいただけますと
今後の修正に役立てることができます:
・全体の印象・イメージ
・色使いや写真の配置
・情報の見つけやすさ

今週金曜日までにご意見をいただければ、
次回のご提案に反映させていただきます。

ご多忙中恐れ入りますが、ご協力のほど
よろしくお願い申し上げます。

--------------------
デザイン事務所○○
××
TEL: 03-xxxx-xxxx
--------------------
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依頼が受け入れられやすくなるコツと心理的配慮

依頼メールを送る際には、相手の心理や負担に配慮することで、依頼が受け入れられる可能性が高まります。

以下に効果的なアプローチを紹介します。

相手の負担を減らす工夫

依頼を受ける側の負担をできるだけ軽減する工夫を示すことが重要です。

  • 具体的な指示を提供する:何をどこまでやってほしいのかを明確にする
  • 必要な情報や素材を先に用意する:相手が作業を始めやすいよう準備する
  • 期限に余裕を持たせる:可能な限り時間的余裕を持たせる
  • 選択肢を提示する:全部か無か、ではなく部分的な協力も可能にする

具体例

企画書のチェックをお願いしたいのですが、特に第3章と第5章の内容についてご意見をいただけるだけでも助かります。すべての章をご確認いただく時間がない場合は、重要な箇所だけでも構いません。

相手のメリットを示す

依頼を引き受けることによる相手側のメリットを示すことで、協力を得やすくなります。

  • 感謝の言葉を具体的に:どのように助かるのかを伝える
  • 相手の専門性への敬意:その人の能力を認めていることを示す
  • 将来の恩返しの意思表示:互恵関係を築く姿勢を示す
  • 組織全体へのメリット:チームや会社全体にとっての価値を示す

具体例

○○さんのマーケティングの専門知識をいただけると、このプロジェクトの成功確率が大きく向上します。また、成功事例として○○部全体の実績にもなりますので、ぜひお力添えいただければ幸いです。

断られにくいタイミングと表現

依頼のタイミングや表現方法も、受諾率に大きく影響します。

  • 相手が余裕のある時間帯を選ぶ:朝一や昼食後など
  • 段階的な依頼:小さな依頼から始めて徐々に大きな依頼へ
  • 「もし可能であれば」という条件付け:選択の余地を与える
  • 「NO」と言いやすい環境作り:断る選択肢も尊重する姿勢を示す

具体例

もしお時間が許せば、このレポートについてご意見をいただきたいと思っています。現在進行中の他のプロジェクトもあると思いますので、難しい場合は遠慮なくおっしゃってください。

間違いやすいNGパターン

依頼の受諾率を下げてしまう典型的なミスパターンです。

  • 突然の大きな依頼:事前の伏線なく大きな負担を要求する
  • 期限が切迫した依頼:準備不足による緊急依頼
  • 曖昧な依頼内容:何をどこまでやってほしいのか不明確
  • 感謝や配慮の言葉がない:一方的な依頼になっている
  • 断る選択肢がない文面:暗に強制しているようなニュアンス

具体例(改善前と後)

改善前

明日までにこのレポートを完成させてください。大至急でお願いします。

改善後

このレポートの作成をお願いできないでしょうか。期限は本来であれば余裕を持ってお伝えすべきところ、状況により明日までの完成が必要となっております。もし対応が難しい場合は、率直にお知らせいただければ別の方法を検討いたします。ご協力いただけると大変ありがたく存じます。
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応用:状況別の依頼メールアレンジのコツ

さまざまな状況に応じて依頼メールをカスタマイズするコツを紹介します。

状況に合わせた適切なアプローチで、依頼の成功率を高めましょう。

初めての相手への依頼

初めてやり取りする相手への依頼では、自己紹介と背景説明がより重要になります。

ポイント

  • 簡潔な自己紹介:所属と役職、関連する情報を簡潔に
  • 紹介者がいる場合は明記:「○○様のご紹介で」など
  • 依頼の背景をより丁寧に:なぜこの方に依頼するのかの理由
  • 感謝の表現をより丁寧に:初めての依頼に対する配慮

具体例

はじめまして。○○株式会社マーケティング部の△△と申します。先日の業界セミナーで□□様からご紹介いただきました。

貴殿のSNSマーケティングに関する深い知見について、□□様から高くご評価されており、ぜひアドバイスをいただきたく、ご連絡させていただきました。

急ぎの依頼

緊急性の高い依頼をする場合は、状況説明と感謝の気持ちを特に丁寧に伝える必要があります。

ポイント

  • 件名に「至急」「緊急」などを明記:ただし乱用は避ける
  • 緊急である理由を明確に説明:なぜ急いでいるのかを伝える
  • 通常より丁寧な感謝の言葉:特別な協力への感謝を示す
  • 代替案も提示:全部が無理でも部分的な協力も価値がある旨を伝える

具体例

件名:【至急】明日の取締役会議用資料作成のお願い

○○さん

大変恐縮ですが、急ぎのお願いがございます。

明日午前の取締役会議で使用する予定だった資料担当者が、
突然の体調不良で休職となりました。
このため、○○に関する資料作成のサポートをお願いできないでしょうか。

もし本日中に全ての資料作成が難しい場合でも、
重要な箇所(特に売上予測部分)だけでもご対応いただけると
大変助かります。

突然のお願いで申し訳ありませんが、何卒ご協力をお願いいたします。
この度のご対応に感謝し、今後の業務でお力になれることがあれば、
喜んでサポートさせていただきます。

何とぞよろしくお願い申し上げます。

△△

負担の大きい依頼

相手に大きな負担をかける依頼をする場合は、より丁寧な配慮と説明が必要です。

ポイント

  • 事前の根回しを検討:可能であればメール前に簡単な相談
  • 依頼理由の詳細な説明:なぜその人に依頼するのか明確に
  • 負担軽減の工夫を具体的に示す:サポート体制や分担案
  • リターンや感謝の示し方を具体化:見返りや評価への反映など

具体例

件名:新規プロジェクトリーダーへのご就任のお願い

○○様

お疲れ様です。△△部の□□です。

この度、来期からスタートする新規プロジェクト「××」について、
○○様にプロジェクトリーダーへのご就任をお願いしたく存じます。

このプロジェクトは当社の中期経営計画の柱となる重要案件であり、
○○様の過去の類似プロジェクトでの豊富な経験と
チームマネジメント能力が不可欠だと考えております。

プロジェクトの概要:
・期間:2025年7月~2026年3月(約9ヶ月)
・チーム規模:10名程度
・目標:新規顧客層の開拓による売上20%増

負担が大きいことは重々承知しております。
以下のサポート体制を整える予定です:
・専任のアシスタント1名の配置
・現在の業務の一部を他メンバーに移管
・プロジェクト手当の支給

ご検討いただける場合は、詳細についてご説明させていただきたく、
来週中にお時間をいただければ幸いです。

ご多忙中誠に恐れ入りますが、ぜひお力添えをいただきたく、
何卒よろしくお願い申し上げます。

□□

断られた後の再依頼

一度断られた後に再度依頼する場合は、特に細やかな配慮が必要です。

ポイント

  • 前回断られたことへの理解を示す:相手の事情を尊重
  • 状況の変化や依頼内容の調整を明記:何が変わったのかを示す
  • より具体的なサポート策の提示:負担軽減策を具体化
  • 断る選択肢も明確に提示:強制感を与えない

具体例

件名:研修資料作成のご協力のお願い(再度のご相談)

○○様

お世話になっております。△△です。

先日は研修資料作成のご依頼をお断りいただき、
ご多忙の折、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

その後、研修内容を見直し、資料の範囲を大幅に縮小しました。
また、下記のサポート体制も整えましたので、
改めてご検討いただけないかと存じます。

【変更点】
・資料範囲:全10項目→核となる3項目のみ
・作成期間:1週間→2週間に延長
・サポート:資料の基礎部分は別担当者が作成済み

前回同様、ご多用のことと存じますので、
お引き受けいただくことが難しい場合は、
どうぞ率直にお知らせください。

ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

△△
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実践時の注意点と最終チェックリスト

効果的な依頼メールを送るために、最後に注意点とチェックリストを確認しましょう。

送信前の最終チェックポイント

依頼メールを送信する前に、以下の点を必ず確認しましょう。

  • 宛先は正しいか:特に複数人に送る場合は要注意
  • 敬称は適切か:「様」「殿」「さん」など
  • 件名は内容を適切に表しているか:一目で依頼内容がわかるか
  • 文章は簡潔で読みやすいか:長すぎないか
  • 依頼内容は明確か:具体的に何をお願いしているか明確か
  • 期限や条件は明示されているか:いつまでに、どのような形でなど
  • 感謝の意は十分に示されているか:お礼の言葉が含まれているか
  • 連絡先情報は記載されているか:質問や回答の手段は明確か

よくある失敗パターンと回避法

依頼メールでよくある失敗パターンとその回避方法です。

  • 依頼が多すぎる:複数の依頼を一度に行わない
  • 前提情報の不足:背景説明を省略しすぎない
  • 読みにくい長文:箇条書きや段落分けで読みやすく
  • 一方的な期限設定:相手の都合を考慮した期限設定を
  • フォローアップの欠如:必要に応じて適切な時期に確認の連絡

間違いやすいポイント

  • 誤: 「添付ファイルをご確認ください」(添付忘れ)
  • 正: ファイル添付後の最終確認を徹底

具体例(改善前と後)

改善前

企画書の確認と、会議のスケジュール調整と、予算案の作成をお願いします。できれば全部明日までに完了させてください。

改善後

企画書の確認をお願いできますでしょうか。ボリュームがあるため、特に重要な第3章(市場分析)を中心にご確認いただけると幸いです。

可能であれば今週金曜日までにご意見をいただきたいと考えておりますが、ご都合はいかがでしょうか。

会議日程と予算案については、企画書のフィードバックをいただいた後に改めてご相談させていただきます。

依頼後のフォローアップと御礼

依頼を受けてもらった後のフォローも重要です。

  • 適切なタイミングでの確認:期限の1-2日前に進捗確認
  • 確認の仕方:プレッシャーをかけない配慮ある聞き方
  • 御礼の表現:具体的にどう助かったかを伝える
  • 結果の共有:依頼の成果を報告する

具体例

先日は急なお願いにもかかわらず、プレゼン資料の作成にご協力いただき、誠にありがとうございました。○○様の的確な分析と明快な資料のおかげで、クライアントプレゼンが大成功し、新規契約をいただくことができました。この成果は○○様のご貢献なくしては実現できませんでした。改めて心より御礼申し上げます。
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まとめ

効果的な依頼メールは、ビジネスを円滑に進める上で欠かせないスキルです。

相手の立場に立ち、適切な敬語と配慮のある表現を用いることで、依頼は受け入れられやすくなります。

本記事でご紹介した主なポイントは以下の通りです。

  • 依頼メールには基本的な構成があり、件名・挨拶・依頼内容・期限・感謝の言葉を明確に
  • 相手との関係性に応じて適切な敬語と表現を使い分ける
  • 具体的な依頼内容と期限を明示し、曖昧さを避ける
  • 相手の負担を減らす工夫と心理的配慮を示す
  • 送信前のチェックと依頼後のフォローも重要

依頼メールは単なる業務連絡ではなく、人間関係を築く重要なコミュニケーションツールです。

丁寧で思いやりのある依頼が、円滑な協力関係と仕事の成功につながります。

ぜひ本記事で紹介した例文とポイントを参考に、効果的な依頼メールを作成してみてください。

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FAQ

Q1: 依頼メールは長い方が丁寧でしょうか、それとも短い方が良いでしょうか?

A1: 丁寧さと簡潔さのバランスが重要です。

長すぎると読み手の負担になりますが、短すぎると必要な情報や配慮が欠けてしまいます。

基本的な構成要素(挨拶、依頼内容、理由、期限、感謝)を含みつつ、不要な繰り返しや冗長な表現は避けましょう。

特に取引先への正式な依頼は、ある程度の丁寧さが必要ですが、社内向けならより簡潔にすることも可能です。

Q2: メールの件名はどのように書くべきですか?

A2: 件名は一目で内容がわかる簡潔なものが理想的です。

「ご依頼」だけでは具体性に欠けるため、「○○の資料作成のご依頼」のように内容を具体的に示しましょう。

緊急性が高い場合は「【至急】」などを付けることもありますが、乱用は避けてください。

また、「Re:」が複数回続くような返信の連鎖では、内容が変わった時点で件名を書き換えるとわかりやすくなります。

Q3: 依頼を断られた場合、どのように対応すべきですか?

A3: 相手の事情を尊重し、丁寧に受け止めることが大切です。

「ご多忙のところ申し訳ありませんでした。また機会がありましたらよろしくお願いいたします」など、理解を示す返信をしましょう。

状況によっては、負担を軽減した形での再依頼(範囲縮小、期限延長など)を検討することもできますが、しつこく感じられないよう配慮が必要です。

また、他の対応策を早急に検討することも重要です。

Q4: CC(カーボンコピー)の使い方で注意すべき点はありますか?

A4: CCは関係者への情報共有に便利ですが、使用には注意が必要です。

主な依頼先ではない人をCCに入れる場合は、本文中でそのことを明示しましょう(例:「○○部長にもCCにて情報共有しております」)。

また、返信の際は、すべての人に共有すべき内容かどうかを判断し、必要に応じて「全員に返信」か「送信者のみに返信」かを使い分けることが重要です。

プライバシーや機密情報に関わる内容では特に注意が必要です。

Q5: 英語での依頼メールとの違いはありますか?

A5: 日本語の依頼メールは英語と比べて、前置きや配慮表現が多い傾向があります。

英語の依頼メールはより直接的で簡潔なスタイルが好まれることが多いですが、日本語では「お手数をおかけしますが」「恐縮ですが」などの配慮表現を用いることが一般的です。

また、日本語では敬語の使い分けが重要ですが、英語ではフォーマル/カジュアルの区別はあっても、日本語ほど複雑な敬語体系はありません。

グローバルなビジネスでは、相手の文化的背景に合わせた表現を心がけることが大切です。

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