11月は業務が立て込みやすく、各部署や取引先との連絡が増える季節です。
しかし、納期・スケジュールに関する連絡は、少しの表現の差で「丁寧」にも「急かしている」にも伝わってしまいます。
本記事では、催促感を与えないための 考え方と表現の型、さらに実務に使える 文例集・NG例の言い換え を整理して紹介します。
催促メールが難しい理由
納期・進捗の連絡は、相手の状況を完全に把握できないため、こちらは「確認したいだけ」でも、相手には 「急かされている」 と感じられる場合があります。
そこで重要なのは、次の3つの態度です。
| 視点 | 内容 | 一言にすると |
|---|---|---|
| 配慮 | 相手も忙しい可能性を前提にする | 「ご多忙のところ恐れ入りますが」 |
| 理由 | なぜ連絡が必要かを明確にする | 「社内調整のため」 |
| 選択肢 | 相手が返しやすい状態にする | 「可能な範囲で」 |
→ 押し付けず・見下さず・丸投げしない のが丁寧な催促の基本。
失礼にならない催促の基本「型」
① 相手への配慮
② なぜ今確認が必要なのか(理由)
③ 期限や条件を明確に
④ 相手に選択の余地を残す一言
例:
ご多忙のところ恐れ入りますが、
△△の社内調整のため、
〇日までにご確認いただけますと助かります。
可能な範囲で構いませんので、よろしくお願いいたします。
状況別:使いやすい例文
🟢 初回の進捗確認
ご多忙のところ恐れ入りますが、
先日お送りした資料について、進捗状況をお伺いできますでしょうか。
社内共有のため、状況だけでも教えていただけますと助かります。
🟡 期限前のやわらかいリマインド
念のためのご連絡となります。
◯日が目安となっておりますので、
可能な範囲でご確認いただけましたら幸いです。
🟠 期限ギリギリ / 重要度高い
恐れ入りますが、社内承認スケジュールの都合上、
◯日までにご回答を頂戴できますでしょうか。
難しい場合は、その旨だけでもお知らせくださいませ。
🔴 期限を過ぎたあと(責めない / 状況確認)
お忙しいところ恐縮ですが、
先日お願いしておりました件について、
現状だけでも共有いただけますと助かります。
🔵 役職者・取引先向け(丁寧)
ご多用の折、恐縮ではございますが、
本件につきましてご対応状況をお伺いできますでしょうか。
進行管理上、概況のみでも差し支えございません。
NG例と、丁寧な言い換え
| NG表現(圧が強い) | → | 丁寧な言い換え(印象柔らかい) |
|---|---|---|
| まだですか? | → | 進捗状況をお伺いできますでしょうか。 |
| 早めにお願いします。 | → | ◯日頃までにご確認いただけますと助かります。 |
| 至急お願いします。 | → | お急ぎのところ恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。 |
| どうなっていますか? | → | 現状だけでも共有いただけますでしょうか。 |
→ 命令形を避け、依頼形 + 配慮 に変換すると上品。
件名の付け方(読み飛ばされないが強すぎない)
| 状況 | 例 |
|---|---|
| 初回確認 | 【ご確認】◯◯の件について |
| 期限が近い | 【念のためのご連絡】◯◯スケジュール |
| 期限当日 | 【本日中の目安】◯◯のお件 |
→ 「催促」ではなく「状況共有」の印象にする
実用的なひな形(コピペ用)
ご多忙のところ恐れ入りますが、
◯◯の社内調整のため、
◯日頃までにご確認いただけますと助かります。
難しい場合は、目安だけでもお知らせくださいませ。
引き続きよろしくお願いいたします。
まとめ
催促は「強く言うこと」ではなく、相手が返しやすい形に整えてあげることです。
- 配慮
- 理由
- 期限
- 選択肢
この4点を押さえるだけで、同じ内容でも 印象がやわらかく丁寧なメール になります。
