地震や台風、豪雨などの災害が発生したとき、企業が最初に確認すべきことの一つが、社員・従業員の安否です。
しかし、緊急時には、
「安否確認メールに何を書けばよい?」
「家族の状況まで確認してもよい?」
「出社できるか同時に聞いてよい?」
「返信がない社員には、どう再連絡する?」
と迷うことがあります。
この記事では、社員・従業員へ送る災害時の安否確認メールを、状況別に30例紹介します。
地震、台風、豪雨、大雪、停電、土砂災害、交通障害などに対応できるよう、短いメールから詳しい確認メール、返信がない場合の再連絡、管理職から部下への連絡まで掲載しています。
すべてコピーして使える形式です。
災害名、日時、返信先、確認項目などを自社の状況に合わせて変更してください。
この記事でわかること
・発災直後に送る安否確認メール
・社員に回答してもらう確認項目
・家族の安否や出社可否を確認する文例
・返信できない社員へ配慮した表現
・返事がない社員への再連絡方法
・安否確認メールで避けたい表現
・平常時に準備しておくべき連絡体制
災害時の社内外への連絡文をまとめて探したい方は、先に以下の記事をご覧ください。
→「災害時のビジネスメール・お知らせ文例50選|地震・台風・豪雨の連絡テンプレート」
※災害発生時は、メールへの返信や出社よりも、避難と安全確保を優先してください。
今すぐ使える安否確認メールテンプレート
急いで安否確認を始めたい担当者向けに、最初に基本テンプレートを3種類紹介します。
詳しい状況を一度に聞きすぎると、社員の負担や集計作業が増えます。
発災直後は、本人の安否、現在地、支援の必要性など、最低限の項目に絞りましょう。
標準的な安否確認メール
件名:【安否確認】現在の状況をお知らせください
社員各位
本日発生した地震を受け、社員およびご家族の安否確認を行っています。
まずはご自身とご家族の安全を確保してください。
安全を確認した後、返信可能な方は、以下の内容を本メールへご返信ください。
1.本人の安否:無事・負傷・その他
2.家族の安否:無事・確認中・その他
3.現在地
4.支援の必要性:あり・なし
5.出社の可否:可能・困難・不明
返信が難しい場合は、安全が確保できてからで構いません。
今後の勤務対応については、状況を確認したうえで改めて連絡します。
株式会社〇〇
災害対策本部
短く送る安否確認メール
件名:【安否確認】無事かどうか返信してください
社員各位
本日発生した地震を受け、安否確認を行っています。
安全を確保したうえで、以下のいずれかを返信してください。
・無事
・負傷あり
・支援が必要
・現在返信が難しい
移動や出社はせず、まずは安全な場所で待機してください。
今後の対応は改めて連絡します。
株式会社〇〇
返信不要の場合も選べる安否確認メール
件名:【重要】災害発生に伴う安否確認
社員各位
災害発生に伴い、社員の安否を確認しています。
ご自身とご家族の安全を確保した後、次の番号でご返信ください。
1.本人・家族ともに無事
2.本人は無事、家族は確認中
3.本人または家族に負傷あり
4.避難中
5.支援が必要
6.現在は詳しい返信ができない
「6」のみの返信でも構いません。
通信状況が不安定な場合や、安全が確保できていない場合は、返信を後回しにしてください。
株式会社〇〇
総務部
災害時の安否確認メール例文【発災直後】
発災直後は、社員が避難や家族との連絡を行っている可能性があります。
長文の報告を求めず、安全確保を最優先にすることを明記しましょう。
中小企業庁のBCP指針でも、初動対応では従業員や家族の安否を確認し、就業時間外の災害では交通機関の混乱などにより出社が困難になることを想定する必要があるとされています。
例文1:地震発生直後の一斉メール
件名:【緊急・安否確認】安全を確保してください
社員各位
先ほど発生した地震を受け、社員の安否を確認しています。
現在いる場所で身の安全を確保し、可能になり次第、次の内容をご返信ください。
・本人の安否
・現在地
・負傷の有無
・支援の必要性
無理に移動したり、会社へ向かったりしないでください。
詳しい勤務対応については、状況確認後に改めて連絡します。
株式会社〇〇
災害対策本部
例文2:とにかく短く確認するメール
件名:【安否確認】無事・負傷・支援必要のいずれかを返信
社員各位
災害発生に伴う安否確認です。
安全を確保した後、次のいずれかを返信してください。
・無事
・負傷あり
・支援が必要
・避難中で返信困難
出社については、別途連絡があるまで待機してください。
例文3:夜間・休日に地震が発生した場合
件名:【安否確認】夜間の地震発生について
社員各位
夜分の連絡となり失礼いたします。
先ほど発生した地震を受け、社員とご家族の安否を確認しています。
ご自身とご家族の安全を確保したうえで、返信可能になりましたら次の内容をお知らせください。
1.本人の安否
2.家族の安否
3.自宅周辺の被害状況
4.明日の出社可否
深夜のため、緊急性がない場合は朝になってからの返信でも構いません。
明日の勤務については、午前〇時までに改めて連絡します。
株式会社〇〇
人事部
例文4:勤務時間中に災害が発生した場合
件名:【安否確認】各部署の状況報告をお願いします
各部署責任者各位
本日〇時頃に発生した地震を受け、事業所内の社員および来訪者の安否確認を行います。
各部署は安全を確保したうえで、次の内容を災害対策本部へ報告してください。
・在席者数
・無事を確認した人数
・負傷者の有無と人数
・所在を確認できない社員
・来訪者の状況
・設備や建物の異常
人命に関わる場合は、報告よりも救助要請と避難を優先してください。
株式会社〇〇
災害対策本部
例文5:台風・豪雨発生時の安否確認
件名:【安否確認】大雨による現在の状況をお知らせください
社員各位
大雨の影響により、一部地域で避難情報や交通規制が発表されています。
対象地域にお住まいの方は、安全を確保した後、以下の内容をご返信ください。
・本人と家族の安否
・現在地
・避難の有無
・自宅周辺の状況
・会社による支援の必要性
危険な場所からの移動や出社は行わず、自治体などの案内に従ってください。
明日の勤務については、本日〇時までに改めて連絡します。
例文6:大雪による安否・所在確認
件名:【安否確認】大雪による帰宅・滞在状況について
社員各位
大雪による交通機関の運休・遅延を受け、社員の現在地を確認しています。
安全な場所を確保したうえで、以下のいずれかをご返信ください。
・帰宅済み
・会社に待機中
・移動途中
・宿泊施設等に滞在中
・支援が必要
無理な移動は避け、安全を最優先にしてください。
必要な支援がある場合は、具体的な内容をあわせてお知らせください。
本人・家族・現在地を確認するメール例文
本人の安否だけでは、勤務継続の判断に必要な情報が不足することがあります。
一方で、必要以上に詳しい個人情報を求めるのも避けるべきです。確認の目的を明確にし、家族の安否、現在地、支援の必要性など、緊急対応に必要な項目に絞りましょう。
例文7:本人と家族の安否を確認する
件名:【安否確認】ご本人・ご家族の状況について
社員各位
このたびの地震を受け、社員とご家族の安否を確認しています。
まずはご自身とご家族の安全を確保してください。
返信可能になりましたら、以下の内容をご連絡ください。
1.本人:無事・負傷・確認が必要
2.家族:無事・確認中・負傷・その他
3.現在地
4.避難先
5.会社による支援の必要性
詳しい事情を書きにくい場合は、選択項目だけの返信でも構いません。
株式会社〇〇
人事部
例文8:現在地と避難先を確認する
件名:【現在地確認】避難場所をお知らせください
社員各位
災害発生に伴い、社員の現在地と避難状況を確認しています。
安全を確保した後、次の内容をご返信ください。
・氏名
・所属部署
・現在地または避難先
・本人の安否
・同行している社員の有無
・緊急支援の必要性
移動する場合は、移動先が決まった段階で改めてご連絡ください。
例文9:負傷の有無を確認する
件名:【安否確認】負傷の有無について
社員各位
現在、災害発生に伴う安否確認を行っています。
安全が確保できましたら、次のいずれかをご返信ください。
1.負傷なし
2.軽い負傷あり・自力で対応可能
3.医療機関を受診中または受診予定
4.救助または支援が必要
5.詳細を伝えることが難しい
緊急の場合は、会社への返信より救急・消防等への連絡を優先してください。
例文10:会社による支援の必要性を確認する
件名:【支援確認】会社による対応が必要な方へ
社員各位
本人およびご家族の安全確保後、会社による支援が必要な方は、可能な範囲で次の内容をお知らせください。
・必要な支援の内容
・現在地
・連絡可能な電話番号
・対応の緊急度
・会社から連絡してよい時間帯
すぐに対応できない場合もありますが、確認後、担当者からご連絡します。
生命や身体に関わる緊急事態では、公的な救助機関への連絡を優先してください。
例文11:社員の家族から連絡があった場合
件名:【確認依頼】〇〇さんの安否情報について
〇〇部の皆様
現在、〇〇さんのご家族から安否に関する問い合わせを受けています。
〇〇さんと一緒に行動している方、または現在地をご存じの方は、災害対策担当までご連絡ください。
未確認の情報を社外やSNSへ投稿せず、確認できた内容のみを担当窓口へお知らせください。
株式会社〇〇
災害対策担当
出社可否・自宅待機を確認するメール例文
安否確認と出社確認は、一度の連絡で行うこともできます。
ただし、「出社できるか」だけを先に聞くと、業務を優先している印象を与えます。本人と家族の安全を確認した後に、移動の可否を聞く順序にしましょう。
例文12:出社可否を確認する
件名:【安否・出社確認】現在の状況をお知らせください
社員各位
災害発生に伴い、本人・ご家族の安否と出社可否を確認しています。
安全を確保したうえで、次の内容をご返信ください。
1.本人と家族の安否
2.現在地
3.交通手段の状況
4.出社:可能・困難・判断できない
5.在宅勤務:可能・困難
出社可能と回答した場合も、会社から指示があるまでは移動しないでください。
勤務方針は〇時までに改めて連絡します。
例文13:自宅待機を指示する
件名:【重要】本日の自宅待機について
社員各位
災害の影響により、事業所と周辺交通の安全確認を行っています。
本日は、別途指示があるまで自宅待機とします。
出社途中の方は無理に会社へ向かわず、安全な場所へ移動してください。
自宅待機が難しい事情や、会社による支援が必要な場合は、所属長へお知らせください。
次回の連絡は本日〇時を予定しています。
→「災害時の自宅待機・出社停止メール例文|社員への連絡テンプレート(準備中)」
例文14:出社停止を伝える
件名:【出社停止】事業所への立ち入り禁止について
社員各位
現在、〇〇事業所では災害による建物と設備への影響を確認しています。
安全確認が完了するまで、同事業所への出社および立ち入りを停止します。
社員証、パソコン、私物等を取りに戻ることも控えてください。
在宅勤務の可否および今後の勤務方針は、所属長から改めて連絡します。
株式会社〇〇
総務部
例文15:在宅勤務への切り替えを伝える
件名:災害発生に伴う在宅勤務への切り替え
社員各位
災害による交通機関への影響を受け、本日は原則として在宅勤務へ切り替えます。
まず本人と家族の安全を確保し、勤務可能な方は所属長へ業務開始の連絡をしてください。
停電、通信障害、避難、家族対応などにより勤務が難しい場合は、無理に業務を行う必要はありません。
勤務できない場合は、状況が落ち着いてから所属長へご連絡ください。
例文16:出社途中の社員へ送る
件名:【重要】出社を中止し、安全な場所へ移動してください
社員各位
現在、災害の影響により交通機関と事業所周辺に混乱が発生しています。
出社途中の方は会社へ向かうことを中止し、帰宅または最寄りの安全な場所へ移動してください。
移動が難しい場合は、無理に動かず現在地で安全を確保してください。
安全確保後、現在地と今後の移動予定を所属長へ連絡してください。
例文17:翌日の勤務可否を確認する
件名:【明日の勤務確認】現在の状況をお知らせください
社員各位
明日の勤務体制を検討するため、本人と家族の安全が確保されている方は、以下の内容をご返信ください。
・明日の勤務:可能・困難・不明
・出社:可能・困難
・在宅勤務:可能・困難
・交通手段の状況
・配慮が必要な事情
この回答だけで出社を確定するものではありません。
会社からの正式な勤務指示を確認してから行動してください。
部署・事業所別の安否確認メール例文
複数の事業所や現場がある会社では、全社員が個別に本部へ返信すると情報が集中します。
部署責任者や拠点責任者が取りまとめる場合は、報告形式と期限を統一しておきましょう。
例文18:部署責任者から部下へ送る
件名:【〇〇部・安否確認】状況を返信してください
〇〇部の皆様
災害発生に伴い、部署内の安否確認を行っています。
安全を確保した後、以下の内容を私宛てにご返信ください。
1.本人の安否
2.家族の安否
3.現在地
4.出社または勤務の可否
5.支援の必要性
返信内容は災害対策本部へ報告します。
詳しい説明が難しい場合は、「無事」「避難中」「支援必要」のいずれかだけでも構いません。
〇〇部
部長 〇〇
例文19:各拠点責任者へ報告を求める
件名:【拠点別安否確認】〇時までに状況報告をお願いします
各事業所責任者各位
災害発生に伴い、全社の安否・被害状況を確認しています。
各事業所で以下を確認し、可能な範囲で〇時までに災害対策本部へご報告ください。
・在籍社員数
・安否確認済み人数
・未確認人数
・負傷者数
・来訪者の状況
・建物、設備の被害
・業務継続の可否
・必要な支援
期限までに確認できない場合は、途中経過をご報告ください。
例文20:工場・現場勤務者への確認
件名:【緊急確認】工場内の人員・設備状況について
工場責任者および各班長各位
工場内にいる社員、作業員、協力会社の皆様の安全を確認してください。
安全を確保したうえで、次の内容を報告してください。
・避難完了人数
・負傷者の有無
・所在不明者の有無
・火災、ガス漏れ、設備異常の有無
・立入禁止区域
・救助要請の状況
設備の確認は、周囲の安全が確保されるまで行わないでください。
例文21:店舗従業員への確認
件名:【店舗安否確認】従業員・お客様の状況報告
各店舗責任者各位
災害発生に伴い、各店舗の安全状況を確認しています。
まず従業員とお客様を安全な場所へ誘導し、その後、次の内容を報告してください。
・従業員の安否
・お客様の負傷の有無
・避難状況
・店舗設備の被害
・営業継続の可否
・応援や支援の必要性
人命に関わる場合は、本部への報告よりも救助要請を優先してください。
返信がない社員への再連絡メール例文
返信がない理由は、負傷だけではありません。
通信障害、停電、避難中、端末の紛失、メールを確認できない状況なども考えられます。返事がないことを責めず、別の連絡手段も検討しましょう。
中小企業庁は、事業継続の緊急対策において、電話やメールだけでなく、利用可能なさまざまな手段を検討するよう示しています。
例文22:初回の再連絡
件名:【再送・安否確認】返信可能な場合のみご連絡ください
〇〇さん
先ほど安否確認の連絡をお送りしましたが、現時点で回答を確認できていないため再送します。
まずはご自身とご家族の安全を優先してください。
返信可能な状況になりましたら、次のいずれかをご連絡ください。
・無事
・負傷あり
・避難中
・支援が必要
・詳しい返信は後ほど
本メールを確認できていない可能性も考慮し、必要に応じて別の連絡手段でも確認します。
株式会社〇〇
人事部
例文23:電話もつながらない場合
件名:【安否確認】連絡可能になりましたらお知らせください
〇〇さん
メールおよび電話で安否確認を行っていますが、現在までご連絡が取れていません。
通信環境や避難状況によるものと考えていますので、現時点での返信は不要です。
安全が確保され、連絡可能になりましたら、短い内容で構いませんので安否をお知らせください。
会社からご家族や緊急連絡先へ確認する場合があります。
例文24:同僚へ所在確認を依頼する
件名:【情報確認】〇〇さんの所在について
〇〇部の皆様
現在、〇〇さんの安否を確認できていません。
一緒に避難した方、直近で連絡を取った方、現在地をご存じの方は、災害対策担当へお知らせください。
未確認の情報をグループチャットやSNSへ拡散しないようお願いいたします。
情報をお持ちでない場合、返信は不要です。
例文25:緊急連絡先へ確認する前の案内
件名:【重要】緊急連絡先への確認について
〇〇さん
災害発生後、複数の連絡手段で安否確認を行っていますが、現在まで回答を確認できていません。
安全確認のため、事前に登録されている緊急連絡先へ連絡する場合があります。
本メールを確認され、連絡可能な状況であれば、「無事」の一言だけでもご返信ください。
状況更新・第2報の安否確認メール例文
最初の安否確認後も、避難先や家族の状況が変わることがあります。
第2報では、同じ内容を繰り返すのではなく、変更点、勤務可否、支援の必要性を中心に確認しましょう。
例文26:数時間後の状況更新
件名:【第2報】安否・避難状況の更新について
社員各位
先ほどの安否確認にご協力いただき、ありがとうございます。
状況が変わった方、または先ほど回答できなかった方は、以下の内容をご返信ください。
・本人または家族の安否に変化があった
・避難先が変わった
・会社による支援が必要になった
・明日の勤務が困難になった
・連絡先が変わった
変更がない場合は、返信不要です。
次回の全社連絡は〇時を予定しています。
例文27:翌朝の再確認
件名:【翌朝確認】現在の安否・勤務状況について
社員各位
昨日の災害発生を受け、現在の状況を再確認します。
安全が確保されている方は、以下の内容をご返信ください。
1.本人・家族の現在の安否
2.避難状況
3.自宅の被害状況
4.本日の勤務可否
5.支援の必要性
昨日から状況に変化がない場合は、「変更なし」とご返信ください。
本日も会社から正式な指示があるまで、無理に出社しないでください。
例文28:長期避難となった社員への確認
件名:【状況確認】今後の勤務・支援について
〇〇さん
避難が続くなかでのご連絡となり申し訳ありません。
ご自身とご家族の安全を最優先になさってください。
今後の勤務や会社による支援を検討するため、回答可能な範囲で次の内容をお知らせください。
・現在の避難先
・連絡可能な方法と時間帯
・勤務再開の見通し
・会社に希望する配慮
・必要な支援
現時点で回答が難しい項目は、空欄で構いません。
安否確認完了・協力へのお礼メール例文
社員全員の状況が確認できた場合や、安否確認の集計が一区切りした場合は、その結果と次の対応を共有します。
個人の負傷状況や住所など、共有する必要のない情報を全社員へ公開しないよう注意してください。
例文29:安否確認完了のお知らせ
件名:【安否確認完了】ご協力ありがとうございました
社員各位
安否確認へのご協力ありがとうございました。
〇月〇日〇時現在、対象社員全員との連絡が取れ、安否を確認しました。
負傷された方や避難中の方への対応は、個別に進めています。
今後の勤務方針については、事業所と交通状況を確認したうえで、本日〇時までに改めて連絡します。
引き続き、安全を最優先に行動してください。
株式会社〇〇
災害対策本部
例文30:安否確認協力へのお礼と今後の案内
件名:安否確認へのご協力と今後の対応について
社員各位
災害発生後の安否確認にご協力いただき、ありがとうございました。
多くの方が厳しい状況にあるなか、迅速にご連絡いただきましたことに感謝いたします。
今後は、次の方針で対応します。
・〇〇事業所:安全確認が完了するまで出社停止
・本社勤務者:原則在宅勤務
・店舗勤務者:各責任者から個別連絡
・支援が必要な方:人事部が順次対応
状況が変わった場合や新たに支援が必要になった場合は、所属長または人事部へお知らせください。
株式会社〇〇
代表取締役 〇〇
安否確認メールで聞くべき項目
社員へ自由記述だけを求めると、回答内容がばらばらになり、集計に時間がかかります。
回答項目と選択肢を決め、短く返信できる形式にしましょう。
最初の安否確認で必要な項目
発災直後は、次の項目を基本とします。
1.本人の安否
2.家族の安否
3.現在地または避難先
4.負傷の有無
5.緊急支援の必要性
6.連絡可能な手段
出社可否や勤務状況は、必要に応じて第2報で確認しても構いません。
企業のBCPに関する公的資料では、生命の安全確保と安否確認が事業継続とともに求められる基本項目として位置づけられています。
勤務判断に必要な追加項目
勤務や事業継続を判断するときは、次の項目を追加します。
・出社の可否
・在宅勤務の可否
・交通手段の状況
・自宅や周辺の被害
・家族対応の必要性
・勤務上必要な配慮
・業務用端末や通信環境の状況
社員が「出社可能」と答えても、安全確認が完了するまでは会社側から出社を命じないようにします。
回答しやすい選択式にする
回答は、次のように番号で選べる形式にすると集計しやすくなります。
安否
1.無事
2.軽い負傷
3.医療機関を受診
4.救助・支援が必要
5.詳細確認中
家族
1.全員無事
2.一部確認中
3.負傷者あり
4.連絡が取れない
5.回答を控えたい
勤務
1.出社・勤務可能
2.在宅勤務のみ可能
3.勤務困難
4.現時点では不明
安否確認メールの件名例
災害時は多数の通知が届く可能性があります。
件名だけで重要性と必要な行動が分かるようにしましょう。
発災直後に使える件名
・【緊急・安否確認】安全を確保してください
・【重要】地震発生に伴う安否確認
・【安否確認】現在の状況を返信してください
・【社員各位】本人・家族の安否確認
・【災害連絡】無事・負傷・支援必要のいずれかを返信
勤務確認に使える件名
・【安否・出社確認】本日の勤務について
・【重要】自宅待機と安否確認のお願い
・【出社停止】安全確認が完了するまで待機してください
・【明日の勤務確認】現在の状況をお知らせください
・【第2報】安否・避難・勤務状況の更新
件名の先頭に「安否確認」「緊急」「重要」を入れ、広告メールや通常連絡と区別できるようにします。
安否確認メールを送る際の7つのポイント
安否確認は、文章を送るだけで完了するものではありません。
誰が送信し、誰が集計し、未回答者へどのように連絡するかまで決めておく必要があります。
安全確保を最初に伝える
メールの冒頭には、業務連絡よりも安全確保を優先することを記載します。
記載例
まずはご自身とご家族の安全を確保してください。
出社や移動はせず、安全な場所で待機してください。
社員が会社への報告を優先して危険な行動を取らないよう、明確に伝えましょう。
回答項目を絞る
発災直後から詳細な被害報告や勤務予定をすべて聞くと、社員の負担になります。
第一報では安否、現在地、支援の必要性を確認し、詳しい勤務状況は第二報で聞く方法が適しています。
返信期限を硬直的にしない
状況把握のために目安となる時間を示すことはできますが、安全が確保できていない人に厳守を求めないようにします。
適切な表現
可能な方は〇時を目安にご返信ください。安全が確保できていない場合は、返信を後回しにしてください。
返信方法を統一する
メール、チャット、安否確認システム、電話など複数の窓口に回答が分散すると、二重集計や確認漏れが起こりやすくなります。
正式な回答先を一つ決め、利用できない場合の代替手段も示しましょう。
連絡手段を複数用意する
災害時には、電話やメールが利用できない可能性があります。
内閣府の事例紹介でも、電話、メール、無線など複数の通信手段を用意し、安否確認システムを活用する考え方が示されています。
平常時から次の手段を準備しておきましょう。
・安否確認システム
・メール
・ビジネスチャット
・SMS
・電話
・災害用伝言サービス
・部署ごとの緊急連絡網
個人情報を必要以上に共有しない
安否確認で収集した情報には、負傷、家族、避難先などの情報が含まれることがあります。
全社員へ共有するのは、「全員の安否を確認した」「支援対応中」といった必要な範囲にとどめます。
個別の病状、住所、家族の状況などを、本人の了承なく広く共有しないよう管理してください。
平常時に訓練する
安否確認の方法を決めても、社員が回答方法を知らなければ緊急時に機能しません。
中小企業庁の2025年版小規模企業白書では、BCPに関する取り組みとして「従業員の安否確認手段の整備」が中小企業で最も多い項目とされています。
定期的に次の内容を確認しましょう。
・登録された電話番号、メールアドレス
・緊急連絡先
・回答方法
・未回答者への連絡順序
・集計担当者
・担当者不在時の代理者
安否確認メールで避けたいNG例
災害時は、普段の社内メールと同じ感覚で書くと、社員に無理な行動を求めてしまうことがあります。
次の表現を避け、安全に配慮した文章へ言い換えましょう。
NG例1:出社を優先させる
NG
無事な社員は、至急出社してください。
交通機関、道路、建物の安全が確認できていない段階で出社を求めるのは避けます。
言い換え
安全が確認できるまで出社せず、会社からの連絡を待ってください。
NG例2:即時返信を強制する
NG
10分以内に必ず返信してください。
言い換え
安全を確保した後、返信可能になりましたらご連絡ください。
期限を設ける場合も、返信できない状況を考慮した一文を加えます。
NG例3:長文の被害報告を求める
NG
自宅、家族、交通、周辺地域の被害状況を詳しく報告してください。
言い換え
まずは本人と家族の安否、現在地、支援の必要性をお知らせください。詳しい状況は後ほど確認します。
NG例4:返事がないことを責める
NG
なぜ返信していないのですか。すぐに連絡してください。
言い換え
通信状況や避難中の可能性を考慮し、再度ご連絡します。安全が確保されましたら、短い内容で構いませんので安否をお知らせください。
NG例5:被害を軽視する
NG
大した被害ではないようなので、通常どおり勤務してください。
言い換え
地域や個人によって状況が異なるため、勤務が難しい場合は所属長へお知らせください。
NG例6:家族より業務を優先させる
NG
家族のことは後にして、先に業務状況を報告してください。
言い換え
ご自身とご家族の安全を確保した後、可能な範囲で業務状況をご連絡ください。
安否確認の集計表に入れる項目
メールを送った後は、回答を漏れなく集計する必要があります。
一覧表には必要な項目だけを入れ、閲覧できる担当者を限定しましょう。
基本の管理項目
・社員番号
・氏名
・所属部署
・勤務拠点
・本人の安否
・家族の安否
・現在地
・避難の有無
・連絡日時
・連絡手段
・出社可否
・在宅勤務可否
・支援の必要性
・最終確認者
・次回確認予定
「家族の安否」や「負傷状況」などの詳細は、目的に必要な範囲だけ記録します。
未回答者の管理項目
未回答者については、連絡を重複させないため、次の項目を管理します。
・初回メール送信時刻
・再送時刻
・電話発信時刻
・SMS送信時刻
・同僚への確認状況
・緊急連絡先への連絡状況
・最終確認結果
・次の対応担当者
連絡担当者を決めずに複数人が電話すると、本人や家族の負担になる可能性があります。
平常時に作っておく安否確認ルール
安否確認は、発災後にメール文を考えるだけでは十分ではありません。
中小企業庁のBCP資料では、安否確認手段、緊急連絡網、指揮命令系統などを事前に整備することが事業継続上の対策として示されています。
安否確認を開始する基準
どのような場合に安否確認を始めるのか決めます。
基準例
・事業所所在地で震度〇以上を観測
・自治体から避難情報が発表された
・特別警報が発表された
・交通機関が広範囲に停止した
・事業所で火災、浸水、停電等が発生した
・経営者または災害対策責任者が必要と判断した
基準は、自社の所在地、業種、勤務形態などに合わせて設定してください。
送信者と集計担当者を決める
最低限、次の役割を決めておきます。
・安否確認を開始する責任者
・メールまたはシステムの送信担当
・回答の集計担当
・未回答者への連絡担当
・経営者への報告担当
・担当者不在時の代理者
拠点が複数ある場合は、各拠点で集計して本部へ報告する方式も考えられます。
訓練後に改善する
訓練では、返信率だけを見るのではなく、次の点も検証します。
・メールが全員に届いたか
・回答方法が分かりやすかったか
・集計にどの程度時間がかかったか
・重複連絡や確認漏れがなかったか
・未回答者へ連絡できたか
・担当者が不在でも運用できたか
訓練結果をもとに、連絡先、文章、回答項目、役割分担を更新しましょう。
よくある質問
社員・従業員への安否確認メールについて、よくある疑問に回答します。
Q1.安否確認メールはいつ送ればよいですか?
社員が安全を確保できる状況を考慮しつつ、自社で定めた発動基準に従って送信します。
地震発生直後など、身の安全を確保している最中に詳しい回答を求めるのは避けましょう。
第一報では「安全を優先すること」と「返信可能になってからでよいこと」を明記します。
Q2.家族の安否まで聞いてよいですか?
社員の勤務可否や必要な支援を判断する目的で、家族が無事か、確認中かなどを聞くことは考えられます。
ただし、病状、氏名、居場所などの詳細を必要以上に求めず、確認目的に必要な範囲にとどめましょう。
Q3.出社できるか同時に聞いてもよいですか?
本人と家族の安全確認を先にしたうえで、出社可否を聞くことはできます。
ただし、「出社可能」という回答だけで移動を始めさせないよう、「会社の正式な指示を待つこと」も伝えてください。
Q4.返信期限は設けるべきですか?
集計の目安として時刻を示すことはできます。
ただし、「〇時までに必ず返信」と強制せず、安全が確保できていない場合や通信できない場合は後回しにできることを記載します。
Q5.返信がない社員には何回連絡すべきですか?
一律の回数ではなく、自社の緊急連絡ルールに従います。
メール、安否確認システム、電話、SMSなど複数の手段を使い、担当者を決めて連絡してください。
連絡が取れないことを理由に、本人を責める文章は避けます。
Q6.緊急連絡先へ連絡してもよいですか?
自社で事前に定めた利用目的と緊急連絡ルールを確認したうえで、安全確認に必要な範囲で連絡します。
登録時に、災害時の安否確認に利用することを社員へ説明しておくことが大切です。
Q7.グループメールで返信してもらってよいですか?
負傷、避難先、家族の状況などが全員に公開される可能性があるため、原則として個別の返信先や安否確認システムを指定した方が安全です。
全員返信を求める場合は、「無事」など最低限の情報に限定します。
Q8.派遣社員やアルバイトも確認対象ですか?
勤務中または自社の事業所で働いている人については、雇用形態にかかわらず安全確認が必要です。
派遣社員については、派遣元企業との役割分担や報告方法を平常時に決めておきましょう。
Q9.取引先の常駐スタッフも確認した方がよいですか?
自社施設内にいる場合は、来訪者や協力会社の担当者を含めて安全を確認します。
その後、本人の所属企業へ確認結果を連絡する体制を準備しておくとよいでしょう。
Q10.全員の無事を確認したら社内共有してよいですか?
「全員の安否を確認した」という結果は共有できます。
ただし、個別の負傷内容、家族の状況、避難場所などを全社員へ共有する必要はありません。必要な担当者だけで管理してください。
まとめ
災害時の安否確認メールでは、社員から情報を集めることよりも、まず本人と家族の安全を守ることが重要です。
安否確認を行う際は、次のポイントを押さえましょう。
・冒頭で安全確保を最優先と伝える
・第一報の確認項目を絞る
・番号や選択肢で簡単に返信できるようにする
・出社は会社の正式な指示後と明記する
・返信できない社員を責めない
・メール以外の連絡手段も準備する
・負傷や家族の情報を必要以上に共有しない
・平常時に連絡先の更新と訓練を行う
社員への安否確認は、事業継続のためだけでなく、社員と家族の安全を守るための初動対応です。
災害が起きてから慌てて連絡方法を決めるのではなく、平常時からテンプレート、回答項目、送信担当者、未回答者への連絡手順を整備しておきましょう。
災害時の関連文例
災害時に必要となる、その他のビジネスメールやお知らせ文例はこちらです。
・災害時の連絡文をまとめて確認する
→「災害時のビジネスメール・お知らせ文例50選」
・社員へ自宅待機や出社停止を伝える
→「災害時の自宅待機・出社停止メール例文(準備中)」
・取引先の安否を確認する
→「地震後の安否確認メール例文20選|取引先への失礼のない連絡(準備中)」
・取引先へ災害のお見舞いを伝える
→「災害のお見舞いメール例文30選|取引先・顧客向け(準備中)」
・会社や店舗の臨時休業を知らせる
→「災害による臨時休業のお知らせ文例20選(準備中)」
・災害による納期遅延を知らせる
→「災害による納期遅延のお知らせ文例20選(準備中)」
・営業再開を顧客へ知らせる
→「災害後の営業再開のお知らせ文例20選(準備中)」
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