近年、年賀状を廃止する企業は急増しています。
しかし実務では、
- 「社内でどう説明すればいいのか」
- 「取引先に失礼にならない理由は?」
- 「コスト削減と言っていいのか?」
といった “説明の壁” に直面するケースが非常に多いのが実情です。
本記事では、企業が年賀状を廃止する際に使える“正式な理由整理”と、社内・社外それぞれの説明テンプレ をまとめました。
ビジネス全体像はこちら
→ 年賀状じまい完全ガイド(ビジネス版)
企業が年賀状を廃止するのは一般的?
結論:すでに一般的です。
- 大手企業
- 上場企業
- 官公庁・自治体
- 中小企業
でも「年賀状廃止」は珍しくありません。
背景には以下があります。
- 働き方改革
- ペーパーレス化
- 業務効率化
- コンプライアンス意識の変化
- 多様な価値観への配慮
重要なのは
“やめること”ではなく“どう説明するか” です。
企業が使いやすい「年賀状廃止の理由」一覧
社内・社外ともに使いやすい理由は、感情ではなく「方針・業務」に基づくもの です。
対外的にも安全な理由(推奨)
- 業務効率化の一環として
- ペーパーレス化推進のため
- 環境負荷低減への取り組み
- ご挨拶方法の見直しに伴い
- 社内業務体制の見直し
👉 「企業都合」+「前向きな目的」 がポイント。
理由の言い換え集はこちら:
→ 年賀状じまいの理由一覧|自然で角が立たない理由テンプレ
避けたほうがよい理由(社内限定ならOK)
- コスト削減
- 人手不足
- 面倒・非効率
※ 社内向けには使えても、対外説明では不適切。
【社内向け】年賀状廃止の説明文テンプレ
総務・管理部門からの全社向け通知例
業務効率化およびペーパーレス化推進の一環として、
当社では今後、年賀状によるご挨拶を控える方針といたしました。
今後の対外的なご挨拶につきましては、必要に応じて
メール等の手段を活用してまいります。
ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
社内FAQ用の説明文(決裁者向け)
年賀状廃止は、業務負担軽減と効率化を目的としたものであり、
取引関係の縮小や礼節軽視を意図するものではありません。
社員個人が聞かれた際の回答例
会社方針として、年賀状によるご挨拶は控えることになっています。
【対外向け】取引先・顧客への説明テンプレ
取引先向け(最も標準的)
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら、弊社では業務効率化およびペーパーレス化の一環として、
年賀状によるご挨拶を控えさせていただくことといたしました。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
→ 取引先向け詳細:
年賀状じまいの正しいマナー|取引先・社外へ失礼なく伝える方法
顧客・ユーザー向け(店舗・サービス)
日頃よりご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら、当社では年賀状でのご挨拶を控えさせていただいております。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
→ 顧客向け専門記事:
顧客・ユーザー向けの年賀状じまい通知文
協力会社・外注先向け
平素より多大なるご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
弊社では業務効率化の観点から、年賀状でのご挨拶を控えさせていただいております。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
年賀状廃止を「失礼」にしないための注意点
❌ NG① コスト削減を前面に出す
対外的にはマイナス印象。
❌ NG② 一方的な宣言文
「廃止しましたのでご了承ください」
❌ NG③ 年賀状文化を否定する表現
価値観の押しつけに見える。
❌ NG④ 理由を長々と説明
企業説明は 簡潔が正解。
年賀状廃止後の代替コミュニケーション
企業としては、以下を示すと好印象です。
- メールでの年始挨拶
- Webサイトでの年頭メッセージ
- ニュースレター
- SNS公式アカウント
例文:
今後のご挨拶につきましては、メールやWebサイト等を通じて行ってまいります。
年賀状廃止と「年賀状じまい」の違い
| 項目 | 年賀状廃止(企業) | 年賀状じまい(個人) |
|---|---|---|
| 判断 | 企業方針 | 個人判断 |
| 説明 | 方針説明が必要 | 簡潔でOK |
| 対象 | 取引先・顧客 | 相手別 |
| 文書 | 通知文 | 挨拶文 |
混同しやすい点はこちら:
→ 年賀状じまいと喪中の違い|ビジネスでの適切な使い分け
まとめ
企業が年賀状を廃止すること自体は、すでに社会的に受け入れられています。
成功のポイントは、
- 理由は「業務方針」として説明
- 社内と社外で表現を使い分ける
- 感謝と関係継続の意思を必ず入れる
- 宣言調・否定表現は避ける
この考え方を押さえれば、年賀状廃止は 信頼を損なわずに実行可能 です。
